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*11*
「叶望、一緒に帰ろうぜ。叶望、一緒に帰ろうぜ。叶望、一緒に帰ろうぜ。」
不気味なことに、ずっと同じことを繰り返している。
「(一体、なにが...)」
刹那、腹部に焼かれるような痛みが走った。
痛い。その感覚が脳を支配した。
「叶望、一緒に帰ろうぜ」
「ーーハッ!?」
目を覚ますと、すでに日が傾き始めていた。
額には大粒の汗がついていた。
「叶望、入るよーって、すごい汗。どうしたの?」
「い、いえ...魘されていただけです」
言えるはずがない、夢に英治が出てきたなんて。
「そっか。はい、体温計」
俺は受けっとった体温計を脇の下に入れた。数秒後、ピピピッという音が鳴った。
「36.9℃、平熱だね」
熱は下がりきって、倦怠感もなくなっていた。
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