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プラネット・ホットライン
作者: むう  (総ページ数: 8ページ)
関連タグ: SF ショートショート コメディ 宇宙人 カオス 短編集 
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*2*

 【オートー星】その2

 「それで田口様。こうして電波を受信できたのも何かの縁ですし、あなたのことを聞かせてください」
 『俺のこと?』
 「ええ。シラン人の善悪を区別しなければいけません」
 『しつれ……おおっとなんでもないよシツ。わかったよ。とりあえず話せばいいんだろ? なにから言えば?』

 「足のサイズとかでしょうか」
 『お前ふざけてるの?』
 『宇宙は広いですよ。前担当したシラン人は、からだがゼリー状になっていたのです。この質問は相手がどういう体系をしているのかを判断する、重要な質問だと思います」

 『はあ。25だよ。指の数は五本。……なんでこんなこと初対面の奴に言わないといけないんだ』
 「そういう星です」
 『それ、もういいって。わかったから』

 「田口様はなにか仕事をされているのでしょうか」
 『学生だよ。中学校』
 「チューガッコ?」
 『みんなで集まって勉強する仕事をしてんの』
 「へえ。僕のとことは大違いだ。こっちは、ただ話を聞くだけの仕事ですよ」
 『めちゃくちゃつまらなそうな仕事なのに、お前のせいでめちゃくちゃ楽しそうだ』
 「よく言われます」


 ―----------

「それで田口様。今困ってることとか、悩んでいることとかありますでしょうか? 僕も仕事ですので、相談に乗りますよ」
『今の流れ全部が頭痛につながってるよ』
「僕のせいで頭がいたくなったんですか?』
『………そうだよ』

「遠く離れていても、言葉の力が他者に与える影響は大きいってことですね」
『綺麗にまとめてんじゃないよ。痛いよ。痛みがさらにひどくなったよ。名は体を表すって言葉の意味がようやく理解できたよ』
「マスターはすごいでしょう」
『色んな意味で凄いし、君の国も色んな意味で凄い』

「褒めていただき光栄です」
『褒めてないって』
 
 ―---------

「ではシラン人。今回はお時間いただきありがとうございます。無事データを収集できました」
『俺の名前と出身地と足のサイズだけで大丈夫なの?』

「あとはなんか凄いマシーンがテキトーにやってくれます」
『心配だよ。めちゃくちゃ心配。そっちに行きたいよ』
「ありがとうございます。楽しんでいただけたようでなによりです」
『なんだろう、不安しかない』

「それでは僕はちがうシラン人の対応をしなければいけませんので、この電話はここで終了しますね。田口様」
『はいはい。なんか明日テストさぼろうかと思ったけど、どうでもよくなったわ』
「これがオートー星のカウンセラーです」

『………んじゃ。切るよ、シツ・レイ』
「また会えたら、一緒にお話ししましょう。田口様の話し方って会話が弾みますね。なんででしょう」
『ボケとツッコミがいるからだよ……』




【X月X日 シラン人・日本人のデータを記録】

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