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スマブラ戦記 ロリポップキャンディ(完結)
作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 6ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 スマブラ戦記シリーズ 魔法少女 ぽっちゃり バッドエンド 
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*2*

この任天堂世界で凪は魔法少女クラブを作り、世界の平穏のシンボルにしようと考えた。
まず最初にムチムチぽっちゃり系魔法少女候補、知世子=ロリポップキャンディを発見し、仲間に引き入れた。そして他の魔法少女たちも勧誘するため、あちこちを歩いていた。

「あ、あの……凪さん」

「どうした」

「この服……いつサイズ改めてくれますか?お腹は丸出しなのはともかく、胸やお尻がきつくて ……」
「ああ、ごめん。後少し待ってくれないか?」
凪と知世子が街を歩く姿はまさに怪しさそのもの。
そんな2人は広場の中で大きな声を出して魔法少女候補を探していた。

「あの……何かしら予定とは決めてるんですか?候補にする人とか……」

「そうだな……これに関しては俺の本能や推測でしかないが」


「青色、魔法少女のカラーリングとして青
が合う奴、相方としてよく似合うやつだな」

「青色……ですか」

その時、2人の目の前から少女が通り過ぎて。それは紛れもなく青い衣装が合いそうな少女だった。凪の本能や能力も反応する。

「あの子がいい……」

「え!?と言ってもどうやって勧誘を……」

「問題ない、俺の能力なら…」

凪は天使の弓矢を取り出す、元になったゲームの『千年家族』にもある人間の精神をある程度コントロールする能力を持つ武器である。
矢の先端にあるハートマークが光り、知世子はその光景を見る。

「わぁ……綺麗」

「よし、あいつを洗脳してこっち側に引き込むぞ!」

「いや言い方はどうなんですか!!」
凪は天使の弓矢を構えて、矢を飛ばし、それが少女に突き刺さる。

「実際はちょっと話が出来るようになるくらいだから大丈夫だ、さて…」

凪は、その少女に近づく。
しかし……
「おお…ううん……」

魔法少女クラブを作って二度目の困惑。
その魔法少女候補らしき少女は……知世子とは逆でガリガリ、不衛生で不健康そうな雰囲気。肌の色は灰色に近いし目の下には大きなクマが出来ている。おまけに顔色も悪い。
まるでゾンビのような見た目の少女なのだ。

「本当にこの人でいいんですか?」

「うんん……でも本能で反応したからな…名前は?」

「大河原…万古…」

「万古ちゃんね、私は飴野知世子です!よろしくお願いしますね!」

知世子は手を差し伸べる。
万古はそれを見て……
「ひぃっ!!!」
悲鳴を上げて後ずさりする。
知世子はそれにショックを受けてしまう。

「あれ……?どうしました?」

「ああ…その恰好カワイイと思ってるの…デブの癖に…」

「えぇ……私もなんとなくそんな気はしていましたけど…」

「君の分もある」
凪は知世子にも魔法少女の衣装を渡す。
知世子はそれを万古の方へ。

……
「凪さん、またサイズ合ってないです」

「今度は少し大きめにしたが…」

万古の体型に対して服がブカブカであり、へそ出しの腹部はろっ骨が肉の上から見えるほど。処理をしてないのでムダ毛が目立っていた。髪もぼさぼさだし、肌の色の悪さが目立つ。とても魔法少女には見えない。
ただ凪の本能や能力が万古を仲間に引き入れるべきと言っている。万古の見た目などどうでもいい。
万古は魔法少女の衣装を着たまま、呆然としている。

「……」
知世子と万古が魔法少女の衣装を着ている。
「ああ……やっぱり青がいると映える」

「で、一体コスプレさせて何を…」

「コスプレではなく真剣だ、万古」

凪は2人に魔法少女になってほしい理由を話す。
「この世界では争い事が絶えない、平和の象徴となる存在が必要なんだ。それになるのは君たちしかいないと思っている」

「それで魔法少女に……実際このわけわかんない世界はどうかしてるし」

「ああ、この世界は任天堂の世界が混ざったような世界なんだ。まあ俺もよくわからないが、とにかく敵は俺たちをこの世界に閉じ込めて殺そうとしてくる」

「あと……お前たちの能力を利用して、この世界の平穏を守るシンボルを作りたい」

「……シンボル?どういうこと?」

「……この世界の平穏のシンボルとして相応しいのは君たち魔法少女だ。俺もこの世界で戦うために力を得た。だがそれだけじゃ足りない、この世界を平穏にする為に、君たちには魔法少女として活動してもらいたい。勿論、ただ戦ってもらうだけじゃない」

「……何?」

「折角二人になったんだ、魔法少女としてこの世界で生きる為に必要なことをいくつか教えようと思う。まずは……」
凪は2人を連れてどこかへ向かう。
知世子と万古は凪に連れられて広場から別の場所へ移動した。

「ここは……どこですか?」

「ここか?ここは……」

そこは、様々な機械や装置がある部屋。
そこには、凪以外にも多くの人物がいた。
「ここは『世界総合研究所』。俺が真に属している組織みたいなものだ」

「はぁ……『世界総合研究所』ですか」

「ああ、まだこの任天堂世界は未知な事が多いからな、こうして結束して色んな事を解明しようとしている。」

凪は2人を研究所内に入れる。
知世子は周りを見渡した。
研究室内には様々な機器や研究資料があり、机の上にはパソコンが置いてある。
そして研究員が何人もいて、それぞれ忙しそうにしていた。

万古が凪に問いかけた。
「…そうやってバタバタしてる中アンタは魔法少女探しなんてしてるわけ」

「何度も言うが俺は真剣に世界解明の為にも魔法少女をプロデュースしたいと考えている」

凪は2人に説明を続ける。
この研究所は凪が所属している組織のようで、この世界の事や、他の戦士の事も調べているらしい。
知世子も万古も、凪の話を聞いている。
凪はこの世界について、知世子と万古に話し始めた。

「分かっていることは、この世界には時の概念が無い…ここに来た時点で年を取ることは無いし、物も決して劣化しない。」

「あそこに厳重に飾られているコンビニ弁当なんだが、ざっと数年以上は経っているのに一切腐っていない、賞味期限も切れてないのか食べてもなんら以上は見えない」


「しかし……こんな世界を作ったのは誰なのか?誰がどうやって作ったのか、それは分かっていない。ただ……その」

「任天堂世界が作られた事に『暗滅教』という宗教が深い関わりがあると言われているが、この件は決して深掘りしてはならないというのが暗黙の了解となっている」

「はぁ……」

「凪さん、その……『暗滅教』というのは……」

「ああ……あまり深くは言えないが、かなり危険な宗教団体だ、この研究所を作った所長が言うんだ、それに絶対に関わってはならないと」

「そんなに危険な物があると分かりきっているのに、世界の何を解明しようってわけ」

「それは…色々だ、この世界の仕組みとか、この世界の生物、この世界の文化、この世界の技術……色々とな」

「はっ……くだらないよ」

「万古ちゃん、そういう言い方は……」

「くだらないだろうな、事実俺達はまだ三十年もこんな事をして実用性のある成果は何一つ出てこない」

「まるでゲームのように答えが決まってるかのようにな」


「………だから魔法少女が必要なんだ」

「だから、が繋がってないんだけど」

「この世界には法律は無い、警察もない、無法者や悪党は山ほどいる」

「今は死亡したらしいが、ユカという男がリーダーの巨大な犯罪組織もあるし、この間の移住区の放火騒ぎ……人々は常に恐怖や不安と隣合わせだ」


「そんな人々の為に必要なのが魔法少女だ」

「一応この組織にも自営組織のようなものはある、だがそれよりも人々の心の安らぎとなる存在、それが英雄じみた存在、まるでテレビの先にいるようなヒーローだ」

凪は続ける。
凪の説明を聞きながら、知世子は疑問を抱く。
何故、この人は私達に魔法少女になってほしいと言ったのだろうか。
凪の言っていることは分かる。しかし、その目的の為に知世子や万古を利用する理由が分からない。
知世子の表情を見て、凪は言った。

「ああ……君たちを選んだことにも理由はあるさ、能力や好みだけで選んでいる訳では無い、それは分かって欲しい」

「ま、そうでなかったらこんなデブや私みたいな根暗なんか眼中に無いし」

「……だが、まだ足りない、少し待っていてくれ」

「足りないって、何をするんですか?」

「『3人目』を探しに行ってくる」
凪は研究所を後にし、どこかへ行った。

………

「魔法少女は大体チームがいい、高望みするなら5人くらいにしたいが……3人目が限界だろう」

「ピンク、青とくれば次のカラーリングは……赤か?」

凪は、3人目の魔法少女候補を探すが、今まで以上に中々感覚や本能で魔法少女を選ぶことが出来ない。
「うーん、どうするか……あ、あれは」

凪は、とある人物を見つける。

「……よし、あの子に決めた!」

凪は少女の元へ向かう。
「君、ちょっといいか……何、怪しいものじゃない、俺は」


「おお……うん」

「アルカに何か用でもあるのか?」

本日二度目の困惑。
見つけた少女は……なんというか、いよいよ人間かどうかも怪しい。
肌が灰色で髪が白く、目が青い。
服装はボロボロで、とりあえず付けておいた感がする。
身長は130cm程、年齢は不明。
アルカという名前のようだ。

(大丈夫なのか……もしかして本当に俺の本能がおかしくなったんじゃないのか……?)

(いや…もしかしたら案外それっぽいだけの人間かもしれない、会話を続けてみよう)

「名前は?」

「※▽〒〃▲だ、こっちだと『アルカ』って名乗るように言われてるぞ」


(あれさっきなんて言った?)

「ど、どこの国出身?」

「惑星デスギアからこの星へ遠路はるばる来たぞ!」


「……他に知り合いとかいる?」

「ダンテって奴に合流する予定なんだがどこにもいないな!」


「ダッッッ……ダンテッッッ!!」

凪は思わず吹き出した。
確かに目の前にいるのは魔法少女と言っても過言ではない。
しかし、明らかにおかしい。
今アルカが知り合いと言ったダンテという存在、そして惑星デスギアという住処……

それは決して触れてはいけないと言われる暗滅教に関係するものと言われており、ダンテは暗滅教の中心と言われる人物なのだから。

「彼女、まさか……」

「アルカになにかしたいのか?」

「……ダンテの場所は知ってるのか?」

「全然わからん、会いにも来ないのだ」

(嘘は言ってないようだな、もしかしたらいけるかもしれない、危険だが…)

「これを着てくれ」

……
多少違和感はあるが、なんとか魔法少女の姿になったアルカ
灰の体に赤い服、そして大きな杖。
その姿はまさに魔法少女である。

「おぉ!これが魔法少女とやらなのか!?」

「ああ、そうだ」

「でも、なんでだ?なんでお前はこんな姿にさせるんだ?」

「それは……世界を救う為だ」

「世界?世界を……んん」

「アルカもデスギアを救うために地球に来たからな!分かったぞ」


………

「だからって宇宙人は無いでしょ宇宙人は!!てかどこにいたわけ!!」

「結果的に揃ったぞ、結果的には」
こうして3人揃い、魔法少女チームが結成された。

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