コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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センセイ×セイト
日時: 2017/01/15 21:27
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)

はじめまして。
たまきと申します。
未熟者ですがら暖かく見守ってやって下さい。

プロローグ>>1〇登場人物>>2
第1話>>3◎第2話>>4◎第3話>>5◎第4話>>6
第5話>>9◎第6話>>10◎第7話>>11
第8話>>12◎第9話>>13◎第10話>>14
第11話>>17◎第12話>>18◎第13話>>19
第14話>>22◎第15話>>23◎第16話>>24

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Re: センセイ×セイト ( No.17 )
日時: 2017/01/14 21:06
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: as61U3WB)

第11話

買い物が終わり帰宅して
母とたわいのない会話をしながら
夕飯を食べリビングでくつろいでいた

「あら。いけない。卵きらしてる」

母は冷蔵庫を開けるなり
ため息を付いた。

「明日のお弁当卵焼きなしかしらね」

母の言葉に私はソファーから
勢いよく立ち上がり母に駆け寄り

「わ、私買ってくる!」

卵焼きのないお弁当なんて私は嫌だ。
と顔で訴えるように必死の表情に
母はクスクス笑いながらお金を渡す。
家を出てコンビニ方面に向かう。

「さ〜むい」

ハーっと白い息を吐きながら私は
歩みを早める。
コンビニが見えてきた。

「あ。」

私は短く声を出した。
コンビニの入口前に知っている人影
首にマフラーをしスウェットにクロックス
手にはタバコが握られていた。

「ん?」

私に気づいたのかその人影は私を見る
タバコの煙を吐きながら
彼はジーっと見てくる

「こんばんは。風間さん」

一礼をし近くで足を止める。
彼も小さく一礼をした。
コンビニに入り頼まれた物を買い
外に出る。まだ彼はたっていた。

「……。」

私は何も言わず前を一回通り過ぎるが
何故か足を止め振り返っていた。

「風間さん…一緒に帰りませんか?」



彼は隣を歩いている。
私の心臓はドキドキと高鳴る

「環ちゃんこの前大丈夫だった?」

ポケットに手を入れ歩く彼は
私を見ることなくたずねてきた。

「はい。あの時はありがとうございます」

ぺこりと軽く頭を下げる。
彼は少し笑ってくれた。
薄暗いが住宅街を2つの影が歩く。

もう少しで家に着く頃だ。
そう遠くない家路をしみじみと
感じながら私は彼を見ていた。

その視線に気づいた彼は私を見る。

「……!?」

私はすぐ顔を逸らした。
ドキドキと胸がうるさいくらい高鳴る。

「修学旅行近いんだよな。気をつけてな」

彼はニッと笑った。
一気に顔が熱くなり赤くなるのが
自分でも分かった。

「風間さんも勉強頑張って下さい。」

頷く彼を横目で見つめる。
不意に頭を掻く仕草
フッと柔らかく笑う笑顔
彼の一つ一つの仕草が堪らなく好き
彼の声、彼の視線感じるだけで
胸がうるさいくらい高鳴る。

(好きなんだな…。風間さんが。)

私はキューッと胸が苦しくなる。
今、何を思い私と歩いてるの?
今、どんな気持ちで私と話してるの?
そればかりが私の頭を駆け巡る。

この後の彼との会話はまあまり
覚えていない。


※因みに風間先生この頃は22歳ね(笑)

Re: センセイ×セイト ( No.18 )
日時: 2017/01/14 21:09
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: as61U3WB)

第12話

年が明け月日が流れ2月。
私は白い封筒を手に玄関を出る。

「…………。」

シーンっとした住宅街
私の歩く足音が響く。

向かう先にはスーツに見を包む彼
私は真っ直ぐ彼の前に立つ。

「環ちゃんどうしたの?」

眩しく笑う。
少し照れくさそうに私は前髪を触る
「ん?」と少し前かがみになる彼
私はおずおずと白い封筒を渡す。

「こ、これあげます。」

顔を隠すように私はまた前髪を触る
彼は不思議そうに封筒を開ける
コロンっと小さなストラップ
合格祈願と書かれた小さな御守り

「えっ」

目を小さく見開く彼はばっと私を見る。
恥ずかしくて顔が見れない。
今、どんな顔してるのか
今、どんな気持ちなのかも分からない。

「……。」

スッと彼が私に近づく。
私の心臓はドンドン高鳴る一方。

「環ちゃん……。」

名前を呼ばれ赤い顔を
ゆっくりとあげる。
目はまともに見れなくて目は逸らす。

「今日頑張ってくるね」

御守りを片手に持ち柔らかく笑う。
反則過ぎるその笑顔が眩しくてヤバイ
私はゆっくりと頷く。

「風間さんなら大丈夫だよ」

そんな言葉しか言えない私に
彼は頭を撫でてくれた。


彼が見えなくなるまで
私はずっと後ろ姿を見つめていた。
「頑張って」その言葉を私は言えなかった。
何故か分からないけど。

今日は彼にとって大切な日
資格試験
私はただただ祈るしか無かった。

────────────

「……。」

電車に揺られ携帯にぶら下がる
小さな御守り。
俺はそれを眺めていた。

「今日も言えなかったな。」

頭を軽く掻きながら
俺は彼女の顔を思い浮かべる。

「これが終われば……」

電車の窓の景色を目を細めて見つめる。
ギュッと御守りを握りしめ
俺は目を瞑る。

Re: センセイ×セイト ( No.19 )
日時: 2017/01/14 21:28
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: as61U3WB)

第13話


資格試験が無事終わり
彼の顔は少し安堵の表情になっていた。

「はぁ……。」

近くの小さな公園で私は1人
ブランコに揺られていた。

「風間さん。会いたいな。」

ボソッと呟き私は顔をあげる。
綺麗な青空。
吐く息は白い。
ボーっと空を眺めていると

「なにしてんの?」

ひょこっと顔がイキナリ私の前に現れた。
私はビックリして小さく悲鳴をあげ
ブランコから落ちる。

「……!?」
「いたたた…。」

地面に座っている彼の顔を
私は間近で見ていた。
ブランコから落ちた私を優しく抱き込み
下敷きになっている彼。

「ご、ごめんなさい!」

焦りと恥ずかしい気持ちで
私は1人テンパっていると
笑いを堪える声が耳元で聞こえた。

「俺が悪いんだから謝らなくていいよ」

柔らかい彼の声と笑顔。
私は口を紡ぎ目を逸らす。


2人で近くの椅子に座る。
暖かい飲み物を手に私は彼を見つめる。

「そういえば風間さん。」

フッと彼の名前を呼ぶ。

「まただ。」

彼は顔をあげ私を見つめてくる。
真っ直ぐと目を見る。

「えっ?」

顔が一瞬にして赤く染まる私。
彼は真剣な顔で私を見つめていた。

「環ちゃん」

私は少し肩をビクッと揺らした。
高鳴る鼓動を感じながら。


「俺の事、名前で呼べない?」

目を丸く見開く私を彼は真っ直ぐ
目を逸らさずにずっと見ていた。
口を小さくパクパクさせながら
私は彼を見つめていた。

「な、なんで……?」

顔が熱い。
声が少し震える。
私は顔を隠すように前髪を触りながら
彼に問いかける。

「呼んで欲しいなって。」

すぐに彼の回答が返ってきた。
ドンドン心臓が高鳴る。
指の先まで熱くなる自分が少し可笑しくて
私は顔を両手で隠した。

「……け、慧さん……」

小さく小さく彼の名前を呼ぶ。
呼んだ事のない彼の名前を。

「ん?」

スッと髪をすくわれる感触がした。
聞こえなかったとでも言われている感じで。
唇を少し噛み締め私はチラッと
手の隙間から彼を見る。

「慧さん。」

名前を呼ぶ私を
目を細め見やる彼は
私の手を掴み顔に置かれた手を
自分に引き寄せた。
顔が赤いのがバレるくらい近い距離
ジッと私を見つめる彼はなんか色っぽい

「環ちゃん顔が赤いね」

今すぐココから逃げ出したいけど
掴まれた手を振りほどく事が
私には出来なくてちょっとした抵抗で
顔を逸らす。

「か、風間さんが虐めるから。」

私は口を開く。
彼はニッと笑いながら私の頬に触れる。
小さく肩を揺らし私は目を小さく見開く。

「まただ」

イジワルそうに笑いながら
彼は私の顔を自分の方に向ける。
何も言わない彼を私は見つめる。

「……。」

何か思いつめた顔をしながら
彼は私を見つめていた。

「今日、家を出るんだ。」

微笑みながら彼は言った。
サヨナラなんてしたくなかったから
ひっそり公園にいた私は涙を我慢する。

「だから最後にワガママ言ってみた」

優しく手を離し彼は言う。
目が離せない私は胸に手を当て
ギュッと手を握る。

「イキナリごめんね」

少し悲しげに言う彼は
スッと椅子から立ち上がる。
私に背を向け

「またね環ちゃん」

顔を見ようとしない彼は
そのまま歩いて行く。

(このままサヨナラ……。)

頭の整理が出来きれていない私は
不意に立ち上がり彼の背中に
抱きついていた。

「慧さん」

驚き目を丸くする彼の顔を
私は見れないけど
手に力を入れて抱きしめていた。

「ありがとう。」

何故かお礼がいいたくなった。
でもこの気持ちだけは彼には言えなかった。
だって彼は春から教員になる。
私は伝えちゃいけないと心のどこかで
噛み締めていた。

「環ちゃん」

彼は唇を噛み締める。
ゆっくり私は彼から離れる。

「行ってらっしゃい。」

彼の背中を押す。
振り向く事の無い彼の姿
私の視界は涙でぼやけていた。
彼に背を向け反対方面に歩いた。

振り向いたらもう歯止めが効かなくなる。

私はそう思いながら振り向きたい
気持ちを抑える。
涙が溢れてくる。

「サヨナラなんて嫌だよ慧さん」

ボソッと呟き私は顔を手で覆った。

「好きなのに。伝えたいのに。」

聞こえない声で微かに呟く。
掠れた私の声はもう彼には届かない。
1人しゃくりあげながら泣く。

するとイキナリ後ろから抱きしめられた。
私は目を丸く見開いた。

「行ってきます。」

震えた彼の声。
震える彼の身体。

私はそんな彼を振り返る事なく
ただただ背中で感じていた。
これは最後のあたしなりの強がり。


そして最後の私のワガママ。
──ずっとこのままで居たい──

Re: センセイ×セイト ( No.20 )
日時: 2017/01/14 21:31
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: as61U3WB)

第14話


ハッと夜中に目が覚める。
私はゆっくりと身体を起こし携帯を見た。

「まだ3時」

携帯を置き私は溜息をついた。
またあの時の夢を見てしまった。

「慧さんには好きな人いるのに。」

涙が出るのがわかる。
胸が苦しく軋む。

「あの時なんであんな事したの」

消えそうな声で私は泣いた。
あの日抱きしめてくれた感触を
未だに忘れられないでいる。



「環寝不足?」

顔を覗き込む実咲を私は真顔出みていた。
あの後、寝付きが悪く結局寝れなかった。
欠伸をしながら頷き目を擦る。

「最近、変な時間に目が覚めるのよ」

年寄りみたいな言い訳に
笑う実咲を私は軽くどついた。

「お前にもそんな時あるのな」

宏樹が呟き
私は「は?」と言いながら
頭を軽く叩く。

いつもの朝、いつもの会話

そして……。

「風間先生おはよ〜」

遠くから聞こえる女子生徒の声に
それに応える風間先生の声。
ギューッと胸が締め付けられる。

あんだけ抑えてきた気持ちが張り裂けそう。
あの日の疑問と複雑な気持ちに
私の足は重くなっていく。

「環?お前顔色悪いけど」

そんな異常に気づいたのは宏樹だ。
私はその問いかけに返事をする事なく
フッとその場に倒れてしまった。

「環!環大丈夫!?」

実咲の声が聞こえる。
薄らと聞こえる声。
答えようとするが声が出ない。

段々、薄れていく意識の中に
あの懐かしい声が聞こえてきたが
私はそのまま意識を無くした。


「!?」

身体をビクッと動かし私は目を開けた。
白い天井は眩しくて目を瞬きさせる。

「保健室……。」

ほのかに香る消毒液の香り
私はゆっくりと身体を起こす。
キョロキョロと周りを見渡す。
足元の椅子には鞄が置いてある。

「私何でここに。」

自分の手を見つめ考えていると
カーテンが開く音と共に
小柄で可愛らしい女性が姿を表した。

「あ。倉西さん目が覚めた?」

ニコッと笑う可愛らしい笑顔。
女の私でさえも見とれてしまう。

「あ、はい。」

照れくさそうに前髪を触る。
フフッと笑いながら近くの椅子に座る。

「山吉先生、私なんで」

小柄で可愛いらしい
養護教諭の山吉春香先生
風間先生が好きな人

山吉先生はマグカップに
暖かいお茶を入れて私に渡す。

「寝不足で倒れたみたいね」

クスクス笑いながら言う。
ココ最近、寝付きが悪いせいか
なかなか寝れないのが原因らしい。

「なんかお恥ずかしい。」

私は身体を縮こませお茶を飲む。
椅子から立ち上がりドアに向かう
山吉先生を私は横目で見る。

「担任の先生に報告してくるね
ゆっくり休んでて?」

ニコッと笑いながら保健室を出る。
私は1人残され溜息をついた。

「慧さんの事で寝付き悪いからかな。」

ボソッと呟くように言い
天井を見やる。
考えるだけでなんか涙が出てきそうになる。
山吉先生が好きな風間先生に恋する私

すると勢い良くドアがあき
私はビクッと驚く。
ゆっくりとドアを見ると

「目が覚めたのか?」

そこには何故か風間先生がいた。
私は目を丸くし驚きの余りに声が出ない。

「寝不足だって?」

近くまで来て椅子に腰掛ける。
顔を赤くして私は頷いた。

「恥ずかしいわ。寝不足で倒れるとか」

私は前髪を触りながら言う。
その仕草にククッと笑いを堪える。

「なんで笑うのよ!?」

って口元まで毛布を被る。
謝りながら笑う風間先生は

「だってお前恥ずかしくなったら
前髪触る癖昔から変わらないよな」

笑いながら風間先生が言った一言
私の顔を一瞬にして真っ赤に染めた。
毛布を頭まで被り私は唇を噛み締めた。

沈黙の時間が流れる。
風間先生は頭を軽く掻きながら
私をベットに押し倒した。

「ひゃぁ!?」

イキナリの事にビックリして
私は目元だけを毛布から出した。

「もう少しゆっくり休めよ」

頭を軽くワシャっと乱暴に撫で
椅子から立ち上がる。
そしてカーテンを締め保健室を
出て行ってしまった。

「反則過ぎるよ押し倒すなんて」

私は毛布を頭まで被り唇を
また噛み締めた。

保健室のドアの前で
風間先生は大きく息を吐いた。

「…………。」

ドアを見やりスッとドアから離れ
風間先生は廊下を歩いて行った。

Re: センセイ×セイト ( No.21 )
日時: 2017/01/14 22:37
名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)

こんばんは!


あぁ!!風間先生の行動一つ一つに胸が躍ります!!!
先生と生徒という特別な距離感の中、少しずつ進展する2人の中にもう……(ノ◇≦。)

叶いそうで叶わない……いややっぱり叶う?そんな感じの関係がたまらなく好きです***
説明下手ですが……汗

短文ですみません。
続き楽しみです♪


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