コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 翼と自転車【更新停止です。】
- 日時: 2016/03/06 22:04
- 名前: ビタミンB2 (ID: f/YDIc1r)
- どこかの世界の、ある場所で。 
 少年は決めた。
 死なない、と。戦う、と。
 一人じゃないから、出来た決断。
 隣に誰もいなくても、一人じゃない。
 どうも! 初めましてのビタミンB2と申します。
 まだ初心者で初めてなので、色々と駄作ですがよろしくお願いします!
 コメントを下さった方々
 詩織さん(キャラ:リーパス)
 せいやさん
 黒い月さん(キャラ:コルヴィス)
 ジルさん
 杏莉さん
 てるてる522さん
 cocoaさん
 星飯 緋奈さん
 どうぞこれからも、よろしくお願いします!
 ぜひぜひ、翼たちの頑張りを見届けてやってほしいです!
 第一章 ドラゴンの卵 >>1
 第二章 昼と夜の王女 >>26
 第三章 十二の天柱 >>35
 第四章 学びの日々 >>100
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- Re: 翼と自転車 ( No.9 )
- 日時: 2015/04/22 22:35
- 名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)
- 翼は必死で叫んだ。 
 「おかしい! 何なんだこの自転車!」
 翼が叫んでいる間にも、ぐんぐん自転車のタイヤは地面から離れていく。そしてついに、後輪までもが浮いた。あまりの事態に、翼のツッコミは勢いを失った。
 「もはや自転車でも何でもねえよ……」
 そんなことは気にせず、青年とドラゴンは楽しそうにしている。
 「下見てみろよ、下!」
 「無理だ。俺にこれ以上ショックを与えないでくれ。」
 そう言いながらも、恐る恐る下を見ると
 「…………っつ!」
 もう人は小指の爪ぐらいの大きさになっていた。買い物帰りの奥様方、翼と同じくらいの年の学生など。いろんな人が親指大だ。下にいる人達は、気づく様子もなく、普通に一日をエンジョイしている。翼は、しばらく言葉が出なかった。
- Re: 翼と自転車 ( No.10 )
- 日時: 2015/02/14 23:58
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
- 翼の耳元を、ビュンビュン風が通りすぎていく。絶句して下を見ている翼に、青年は言った。 
 「そろそろこんな事態になった理由を説明しないとな……って、おーい、大丈夫か? 意識飛びかかってるだろ。」
 「はっ……! い、いや大丈夫だ。話してくれ。」
 青年が、前を向いたまま少し笑う。そして、おもむろに話し始めた。
 「まず、前提として言って置くがな」
 やけに真面目くさった話し方だ。
 「俺は、この世界の住人じゃねぇ。」
 翼がため息混じりに言う。
 「やっぱりな。」
 青年は、驚いて翼の方を振り返った。
 「え? それだけ? もっとリアクションねえのかよ。」
 「だって、ドラゴン連れて自転車で空飛ぶなんて真似この世界の奴にできねぇだろ。」
 名前が出たことが嬉しいのか、自転車のカゴでドラゴンが鳴き声をあげる。
 それもそうだな、と笑い、さらに青年は続けた。
- Re: 翼と自転車 ( No.11 )
- 日時: 2015/02/15 23:12
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
- 「その世界はな、国同士のいざこざもほぼない、そんな平和な世界だ。今のところはな。」 
 「ふーん……でファンタジーによくある王様とかいないのか?」
 「もちろんいる。今、俺の住んでる国を統治しているのはヘレン様とクリュテムストラ様の二人の姉妹だ。」
 「王女か……」
 少し翼のイメージとは違う。
 (五十代〜六十代のオッサンじゃねえのか)
 翼の考えを気にせず、青年はまだ喋る。
 「流石に二人じゃ国の未来が心配だからな。『十二の天柱』っていう国をいろんな方面から支える組織もあるぜ。」
 心なしか、『十二の天柱』という言葉を発すると青年はそこに力を入れる。
- Re: 翼と自転車 ( No.12 )
- 日時: 2015/04/22 22:39
- 名前: ビタミンB2 (ID: 7UgwjZ6c)
- 「てんちゅー? 天罰の事か?」 
 「違う! 国を支える十二本の柱みたいな意味だ!」
 「……中二病の柱?」
 「だから違う! 冗談でもそれ言うな!」
 翼は自分があからさまなネーミングに呆れながら、どこかでわくわくしている事に気づく。そして、話の続きを促した。
 「で? 中二病がどうかしたって?」
 青年はため息をついて続ける。
 「その組織のメンバーはな、……まあ組織っつても十数人しかいねえけど……一人、他の世界の奴を弟子にできるわけだ。」
 「分かった。皆まで言うな。もう悟った。」
 「おっ、物分かりがいいね!」
 青年は笑顔を作ると、いきなり自転車のハンドルの上に立った。
 「あ、危ねえって! はっ! こいでなきゃ落ちるんじゃ……!」
 しかし、自転車が急降下する気配は無い。青年は花が咲いたような笑顔のまま、翼を安心させた。
 「大丈夫、大丈夫! この自転車、特別だから! ……で、さっきの話だけど……これは向かい合って話さないと、って思って。」
 平静を取り戻した翼が、思い出したように言った。
 「あ、ああ! 弟子の話だな!」
 笑顔を急に真面目な顔に変え、青年は問いかけた。
 「俺の弟子…………なってくれる?」
 翼は、特に悩む様子も無く言う。
 「ああ、いいよ。面白そうだし?」
 青年は大輪の花が咲いたような笑顔に戻り、演技っぽく、大袈裟に言った。
 「おめでとう! 今日から君は俺、サジタリウスの弟子だ!」
 「名前、まんま射手座じゃん……ちゅうにびょ」
 「おっとお!? それは禁句だぞ翼!」
 「名前教えたっけ……?」
 翼と、サジタリウスというらしい青年はひとしきり笑いあった。
- Re: 翼と自転車 ( No.13 )
- 日時: 2015/02/20 23:30
- 名前: ビタミンB2 (ID: RGE11PHh)
- 「……で、サジタリウス。」 
 「師匠だ。様付けでもいいぞ?」
 「ぜってー嫌だ。」
 「はいはい、呼び方はどーでもいーですよ。」
 サジタリウスはサドルに座り直し、ほんの少しすねている。よほど師匠、と呼んで欲しかったらしい。その顔を見て、ドラゴンが鳴き声をあげて笑った。
 「なあ……そいつの名前どーすんだ翼?」
 「?」
 「毎回ドラゴンとか呼ぶの、面倒じゃねえか。」
 「確かになあ……」
 翼は、そう言いながらも既に名前は決めていた。
 「おお、決まったか? 何て名前だ?」
 「……メテオ」
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