コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 片方向の赤い糸[名前を豆猫に変更しました]
- 日時: 2016/07/10 13:34
- 名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)
- 片方向の、赤い糸。 
 いつか、アナタへつなぎたいからー・・・
 今日も、明日も、あさっても。
 少しずつアナタに、近づきたい。
 一途で、一生懸命で、切なくて、不器用な。
 そんな、ひとりの女の子の恋物語。
- Re: 言えなくて ( No.16 )
- 日時: 2015/07/23 19:54
- 名前: ユイ (ID: 38xu/37K)
- ☆☆☆ 
 『藤本君が好き』
 そう自覚したのはいいんだけど……
 「だからって何をどうしたらいいんだろ……?」
 お姉ちゃんに相談して、この気持ちの正体に気付いてから早一週間。ベットに寝転がりながら、何回目かもわからないため息をつく。
 (……まったくもってなんにも進歩してないんですが……)
 「う〜、恋って難しいなぁ。やっぱりよくわかんないや……」
 そもそも何か頑張ってみようにも、クラスも違う彼とはほとんど接点がないのだ。
 (唯一の接点といえば学級委員しか……)
 「あぁっ!」
 ふと頭をよぎった“それ”に、ガバっとベッドから起き上がり、机の引き出しの中からお気に入りのかわいいデザインのスケジュール帳を取り出すと、パラパラとページをめくっていく。
 今月のページにたどり着き、明日の予定を見つけると……
 「やったぁ!」
 思わずその場でガッツポーズ。
 明日の予定欄に書き込まれていたのは
 『専門委員会 会議』
 の文字だった。
 ☆☆☆
 翌日の教室。
 登校するなり、私を見つけた翼ちゃんは開口一番、こう言った。
 「桜、どしたの!?髪型……」
 「や、やっぱり変、かなぁ……?」
 「ううん、全然!めちゃくちゃ可愛いよ!」
 今日私は入学以来初めていつもの二つ結びに、編み込みをして登校してきていた。
 「目立ってない?派手じゃないかな?」
 「大丈夫だって。うちの中学校則ユルいし、周りの子も結構派手な髪形してんじゃん」
 翼ちゃんの言う通り、ほかの中学と比べると比較的校則が緩めのうちの中学では派手な髪形の子が多く、むしろ私のように控えめに二つに結んでいるだけの女子の方が少ないくらいだった。
 翼ちゃんのベリーショートもだいぶ珍しいと思う。本人はバスケ部というのもあって、“長いと鬱陶しい”と短くしているだけだけど……。
 (ベリーショートって、美人じゃないと似合わないんだよねぇ……)
 翼ちゃんは、ものすごく似合っている。むしろ、こうもベリーショートが似合う人を、私は翼ちゃん以外に知らない。
 「ホント、翼ちゃんって美人だよね……」
 「いきなりどうしたの?それを言うなら桜だって相当可愛いじゃん、今日の髪型だとさらに。というかどういう心境の変化?今までそんな髪型で学校来たことなかったじゃん?」
 「いやなんか、あんまり派手な髪形は気後れしちゃって。私一応学級委員だし……」
 「ホント、桜は真面目というか、小心者というか……」
 呆れたように笑う翼ちゃんと一緒にアハハ、と笑っていると、翼ちゃんがハッとしたように口を開いた。
 「あ、というかなんで今日は髪型変えておめかししてきたの?」
 「え、いやその、なんとなく……き、気分転換みたいな?」
 「嘘でしょ。顔に出てるし」
 「う」
 やっぱり私は隠し事に向かないタイプ、らしい。
 (でも、藤本君のこと話すのはなんか、なぁ……)
 こんな風に誰かに恋をしたのは初めてだし、この手の話を翼ちゃんとしたこともなかっただけに、話しにくい。
 そんな中、翼ちゃんが『ひらめいた!』みたいな感じに聞いてきた。
 「あ、もしかして好きな男子でもできた?」
 いきなり核心を突かれた私は挙動不審になってしまう。
 (落ち着け私、ここは冷静に一言で否定しよう)
 「え!?いやちちち違ふひょ!?」
 噛んだ。しかも派手に。
 ……しまった、これ絶対失敗したぁぁぁぁぁ!
 案の定、翼ちゃんは思いっきりニヤついて私の顔を覗き込んでくる。
 「え、なになに、とうとう好きな人できちゃった?だれだれ〜?」
 「まままさかそんなしゅきな人なんて、いいい、いないひょ!」
 (また噛んだ!)
 落ち着け私、平常心を保てと必死に心の中で唱えていると、なぜか急に藤本君のあの時の笑顔が頭をよぎり、その瞬間火がついたようにボッと顔が熱くなるのを感じた。
 ……それを見た翼ちゃんの目が、確かにキラーンと光った。
 「なに、真っ赤になっちゃって!何思い出したのよ、白状しなさいコノコノ!」
 「なんでもないよ〜っ!」
 (私の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿、バカ〜っ!)
 私が必死に言い逃れをしているところに、朝休み終了1分前を告げる予鈴が鳴り響いた。
 (ナ、ナイスタイミング!)
 「ほら、もう予鈴なったから席につかなきゃ!」
 「ちぇ、そのうち絶対白状させてやるからね!」
 そう言い残すと翼ちゃんはサッと自分の席に戻った。
 「はぁ〜っ……」
 私は大きな安堵の息を漏らして机に突っ伏した。
 (う〜、やっぱり恥ずかしいし、言えないよ……)
 火照った顔を隠すように、顔を伏せた。
 ……この時の私は本当に馬鹿だったと気付いたのは、もっと後のことだった。
 今、この気持ちを翼ちゃんに伝えていれば、もっと違う未来を迎えられたかもしれないのに—……
- Re: 片方向の赤い糸 ( No.17 )
- 日時: 2015/07/23 19:53
- 名前: 杏莉 (ID: a1OghZsk)
- ユイ、やっぱ面白い!(@^−^@:;) 
 続きが気になる^^
 再新がんばって
- Re: 片方向の赤い糸 ( No.18 )
- 日時: 2015/07/23 20:00
- 名前: ユイ (ID: 38xu/37K)
- 杏莉、ありがと〜! 
 調子に乗って頑張るぜ((殴
- Re: 片方向の赤い糸 ( No.19 )
- 日時: 2015/07/23 20:06
- 名前: 蜜柑 (ID: SUkZz.Kh)
- 面白い!!! 
 つい笑ってしまった・・・
 次のも楽しみにしてるー!
 更新頑張って!!!!!
- Re: 片方向の赤い糸 ( No.20 )
- 日時: 2015/07/23 20:10
- 名前: ユイ (ID: 38xu/37K)
- 蜜柑、ありがと〜☆ 
 そっちが更新頑張ってくれたら、私ももっと頑張るよ(笑)
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