コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 喜怒哀楽【恋愛短編集】
- 日時: 2016/10/23 21:12
- 名前: 桃 (ID: C6aJsCIT)
- 桃です。初めまして! 
 初めましてじゃない人は、また読んでもらえて嬉しいです!
 また、新たに小説を書きたいと思っています。
 ズバリ、恋愛短編集です!
 ずっと書きたいと思っていました。頑張って書いていこうと思ってます。
 コメントなどしてもらえたら嬉しいです。
 よろしくお願いしますm(_ _)m
- Re: 喜怒哀楽【恋愛短編集】 ( No.4 )
- 日時: 2016/11/24 17:24
- 名前: 桃 (ID: QxkFlg5H)
- [私のヒーロー] 
 ーーーーーー
 「困ったら呼べ!俺がお前を助けるから。」
 いじめられていた私を助けてくれた。小さい頃からあいつは私のヒーローだった。小さい背中だったはずなのに、あの頃の私はその背中がとても大きく思えた。
 …その時から、私はあいつを、守田洸樹を好きになっていた。
 ーーーーーー
 あくびをしながら、私は通学路を歩いている。歩きながら、友達を探す。だが、口下手な私には友達があまりいない。しょうがないのだ。口下手なのだから。
 「亜希、おはよう」
 「美紅、おはよ〜」
 美紅は私の数少ない友達だ。私は美紅と喋りながら歩いていた。その時だ。
 「亜希〜!塚原〜!おはよ〜!」
 洸樹は自転車で私達を追い越すと、何メートルか先で止まった。
 「おはよ〜」
 「守田…あんたは落ち着く時がないのね。まあ、それがあんたの長所か。」
 美紅は相変わらずの毒舌だ。洸樹は少し落ち込んでいる。
 「俺、そんなうるさい…?」
 「結構、うるさいと思うけど。」
 「うんうん」
 「亜希もか!」と洸樹はさらに落ち込んでしまった。
 …私はずっとこのままでいたい。洸樹と美紅とずっと一緒にいたい。
 大好きだから。
 放課後
 「あんた。ちょっと来て。」
 化粧の派手な女子グループ5人に囲まれてしまった。そのまま連れて行かれる。
 ーーーーーー
 続きます。
- Re: 喜怒哀楽【恋愛短編集】 ( No.5 )
- 日時: 2016/11/24 17:31
- 名前: 桃 (ID: QxkFlg5H)
- いじめ表現が入ります。苦手なかたは飛ばして読んでください。 
 ーーーーーー
 [私のヒーロー2]
 「川瀬だっけ?あんたさ〜洸樹くんのまわりうろつくのやめろよ。」
 「川瀬さんじゃ洸樹くんにはつりあわないよ?」
 彼女達から私に罵倒の言葉が向けられている。彼女達の表情は、小学校時代、私をいじめていた子達の表情だった。あの暗くて冷たい表情だった。
 「やめて…」
 小さく呟くが、この言葉は彼女達をさらに怒らせた。
 「ハア!ふざけんなよ!おい、川瀬聞いてんのか!」
 どんとつき飛ばされた。おもわず尻もちをつく。
 〔怖い…怖い… 〕 景色が色を無くしていく。昔の思い出がよみがえる。
 〔やめて…やめて…怖いよ…助けて〕ヒーロー…助けて!
 「洸樹!助けて」
 「亜希!」
 ヒーローの声が聞こえた。洸樹の声。私は安心して泣いてしまった。その後、どうなったかはあまり覚えてない。
 私が泣き止んだ頃には、空はオレンジ色になっていた。放課後すぐ屋上に連れて行かれたから、軽く1時間はたっているはずだ。どれだけ泣いていたんだ私…
 彼女達はいない。洸樹が追い払ってくれたらしい。屋上には、私と洸樹しかいなかった。
 洸樹が私が泣き止んだのに気付いて、近づいてくる。そのまま抱きしめられた。
 「亜希。もう大丈夫か?あいつらにはもうお前に近づくなってきつーく言っといたから。…本当に心配した。すぐ来れなくてごめんな。」
 洸樹は私に抱きついてそういった。…少し身体が震えている。
 「洸樹、ありがと。…好き。」
 頭を撫でながらぽつりと言ってしまった本音。私は慌てて撤回しようとしたけど、キスでさえぎられた。触れるだけの長い長いキスで。
 「俺も!好き!」
 見たことがないほど顔を真っ赤にさせて、洸樹は私の目をじっと見つめる。真っ直ぐなその言葉は、私の顔も真っ赤にさせるには十分過ぎた。
 「なんか照れるな…」
 「恥ずかしいよ…」
 ーーーーーー
 私達は晴れて恋人同士になった。いつも一緒のバカップル。美紅にも呆れられている。でも、美紅は「よかったね。」と言ってくれた。私は感激のあまり、洸樹と一緒に美紅に抱きついて怒られてしまったが。
 下校中
 「亜希…手、繋ごうぜ?」
 あの時、私が告白しなかったら、洸樹の甘えてくる姿は見られなかったかもしれない。今でも嫌いだけど、少しは派手な女子達に感謝しなきゃ。
 「…幸せだなぁ…」
 私がそう呟くと、洸樹の手を握る力が強くなった。
- Re: 喜怒哀楽【恋愛短編集】 ( No.6 )
- 日時: 2016/12/08 09:52
- 名前: 桃 (ID: GlabL33E)
- [バイバイ初恋] 
 私の親友は優しくて、文句なしの美少女。
 そんなこと親友の私が一番よく知ってる。
 …じゃあなんでこんな気持ちになるの?
 嫉妬してる。あの子は可愛いから、だれもとなりの私のことなんて見ていない。
 知ってる。知ってるよ。
 あの子がモテるのは、顔が可愛いっていう理由だけじゃないって。
 あぁ、彼もあの子が好きなのかな?
 親友に好きな人ができた。
 相手は私の好きな人。私に勝ち目なんてないな…
 だからあの子が告白するって言っても、止めることなんてできなかった。
 彼のこと、私はずっと前から好きだったのに。
 彼とは同じ学校だったのに、あの子は彼に気付いてさえいなかったのに。
 私、汚いな。あの子はあんなに綺麗なのに。
 ずっと前から好きだったからって、偉くない。
 諦めるしかないよね?
 2人で幸せそうに笑ってる。その笑顔を私に見せてほしかった。
 でも、もう手遅れ。
 バイバイ、私の初恋。
 ーーーーーー
 この話、[夕暮れの生徒会室]と繋がってます。
 この話の主人公は、心の親友です。
 心の親友の名前はまた別の話でだします。
- Re: 喜怒哀楽【恋愛短編集】 ( No.7 )
- 日時: 2016/12/20 00:00
- 名前: 桃 (ID: KBFVK1Mo)
- [葉桜と君。] 
 『君を一目見たとき、胸が高鳴った。一目惚れしたんだなって思った。』
 僕が住むこの町は平凡な町だ。自慢できることはない。
 だから、夏休み中の中学生が遊べるような場所なんかなくて、僕は時間を持て余していた。友達も部活やらで忙しい。
 「どうするかな〜」
 青い空を見上げる。
 すると、足元に何かがいるのを感じた。
 慌てて下を見ると、1匹の三毛猫が僕の足に頭を擦りつけていた。
 そして、黄色い瞳で僕を見つめると、突然歩き出した。少し歩くと僕の方を向いて、「ニャア」と鳴き、また進んで「ニャア」と鳴く。
 ーーーまるで、「ついてこい」と言っているようだった。
 暇だったし、興味をそそられ僕はその三毛猫について行くことにした。
 「こんなとこに神社あったんだ…」
 その三毛猫は何度も僕の方を振り返りながら進んでいった。すると、全く知らない神社に着いたのだ。三毛猫は何処かに行ってしまった。神社の境内には大きな桜の木があり、今は葉桜になっていた。森に囲まれて太陽の光が遮られるせいか、夏だというのに涼しい。
 とりあえず神社に来たので、お賽銭をした。鈴を鳴らし、拝む。何を拝んだのかは忘れてしまった。きっとくだらないことだったのだろう。
 そして帰ろうとしたときだった。
 葉桜が風で揺れた。瞬きをすると、君が木の下に立っていた。笑顔を浮かべて。
 そのときから僕は君から目が離せなくなった。まるで、この世の人ではないような黒く輝いた髪を持つ、美しい君は言った。
 「私と一緒に遊びましょう。安心して。とって食べたりしないから。」
 僕はこの日、君と出会った。葉桜の下で。
- Re: 喜怒哀楽【恋愛短編集】 ( No.8 )
- 日時: 2016/12/26 20:45
- 名前: 桃 (ID: lqUtiDzA)
- [葉桜と君。2] 
 ーーーーーー
 「私、名前は好きになった人にしか言わないって決めてるの。まあ、今まで言った人いないけど。」
 「なんで、好きになった人にしか言わないの。」
 「そしたらずっと私のこと覚えててくれるでしょう?私、忘れてほしくないの」
 「確かに。好きな女の子から「私の名前、貴方にしか言わないから」って言われたらずっと覚えてるかも。」
 そんなわけで、僕は君の名前を知らない。
 ーーーーーー
 「おーい。来たぞ。」
 桜の木に向かって叫ぶ。すると瞬きをした次の瞬間には、君が僕の隣に立っている。驚きはしない。もう慣れた。
 「昨日ぶりね。祐二」
 ちなみに僕は夏目祐二という名前だ。
 「祐二は私がなんなのか知りたい?聞いてこないけれど。」
 君は笑いながら僕の顔を覗き込む。
 「別に。興味ない。」
 「えーひどい。」
 嘘だ。興味はある。
 でも僕は今の関係を壊したくない。不思議な君は僕を受け入れてくれるから。
 僕には友達もいる。家族もいるし、欲しい物はだいたい手に入れている。充実した幸せな日常。でも僕は心のどこかで孤独を感じていた。そんなとき、君に出会った。君といるときは楽しかった。君の言葉は、いつも友達や家族が吐く嘘偽りの物じゃなく、心からの言葉だった。
 『それが、嬉しかった。だから、好きになった。』
 ーーーーーー
 夏休みも終わり、冬が近づいてくる。僕はあの神社に一日中いることが少なくなった。でも僕は放課後になると走ってあの神社に向かった。
 夏にはあんなに綺麗だった葉桜はもう葉を何枚か残して、後は下に落ちてしまった。それと同時に君も元気を無くしていった。
 「大丈夫か?早く元気になれよ。」
 君は美しいその顔で少しだけ笑った。
 …この葉が全て落ちたとき、君は僕の隣にいるだろうか。
 「祐二。最後に言うね。」
 「…お前」
 君は震える唇を動かした。
 「祐二、好きだよ。…でも、私はもうすぐ死ぬ。」
 目は僕を見つめている。
 「だから、私のこと忘れて。」
 君は目を閉じて言った。だけど僕にはわかった。君が嘘をついていることは。
 ー君が目を閉じているときは嘘をついているときだから。
 「やだ。…お前、嘘つくな」
 君の目が大きく見開かれた。
 「名前教えて。僕は、忘れたくない。」
 君の大きな瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
 「っ…わ…私の名前は…さくら!」
 「さくら…大好き」
 さくらは顔を赤くしてまた涙をこぼす。
 「私も大好き。ありがとう、祐二」
 さくらは美しい笑顔でそう言うと、瞬きした次の瞬間には消えてしまった。
 僕は今でも、美しい君との思い出を忘れてはいない。
 ーーーーーー
 長くなってしまいました…
 最後まで読んでもらえて嬉しいです。ありがとうございました!
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