コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 君想華 +実話+ 完結!!!
- 日時: 2011/05/04 05:57
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Kkmeb7CW)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=past&no=17439
↑gdgdな1スレ目です←
2スレ目突破(≧ω≦)
皆様ありがとう☆
*2010.3/25*第一期『切恋華』完結!!
+2010.4/6* 第二期、続編すたーと
一応この小説は実話です^ω^b
あ、でも展開とか細かいところはフィクションたまに入っとりますb(ぇ
作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)
掲 示 板 編 集 中 !
(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)
今絵磨は……
いる『』 いない『○』 更新中『』 他のサイト、他のスレ『』 散歩中(ぇ『』
☆注意☆
*実話ですが、全員本名じゃありません!
*更新はノロいです0Д0なるべく早くなるよう頑張ります!
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
第二期【*君想華*】
〜*今までのstory*〜
第一部『Love And Youth!』(恋と青春)
第二部『Break Youth』(壊れる青春)
第三部『裏表Love Fight!』(裏表な恋の争い)
第四部『嫌いに、なれたら』
〜↑目次↑〜
*cast*>>6
依麻の周りの人々>>7
2-1の人々>>8
cast追加>>151
51.『微かな期待』>>3 52.『平凡な雨』>>10 53.『ぎこちない会話』>>31 54.『愛しき姿』>>32
55.『私の知らない君の好きな人』>>37
第二部Prologue>>48
56.『衝撃的な展開』>>50 57.『逃避行』>>51 58.『地獄屋敷、再び』>>52 59.『ひょっとこ悪あがき』>>53
60.『夜空の想い』>>54 61.『残酷な運命』>>55 62.『決断』>>61 63.『図書館での出来事』>>62
64.『君の変化』>>64 65.『過ぎ去る波乱?』>>67 66.『広まる噂』>>70 67.『持ちきられた話』>>77
68.『幻聴』>>86 69.『質問』>>87 70.『君の気持ち』>>88
第三部Prologue>>91
71.『降り続く雨』>>94 72.『雷の挑戦状』>>100 73.『曇り空な態度』>>113 74.『補習での出来事』>>114
75.『涙恋雨』>>119 76.『放課後のドキドキ』>>120 77.『眩しい姿』>>126 78.『友達へ近づく為に』>>127
79.『疑問恋日和』>>128
第四部Prologue>>130
80.『宿泊学習』>>131 81.『恋しい姿』>>132 82.『最悪の前兆』>>135 83.『キミヘノオモイ』>>138
84.『徒花』>>139 85.『小さな贈り物』>>140 86.『夢想』>>141 87.『怜緒の私服』>>150
88.『憎たらしいどんぐり』>>153 89.『嫌いになれたら』>>154 90.『第二ボタン』>>164 91.『心のブレーキ』>>166
92.『言いたい一言』>>168 93.『冷たい嘘』>>187 94.『少しだけ、』>>189 95.『矛盾相合傘』>>198
96.『隠す顔』>>213 97.『避けられてる?』>>215 98.『叶無恋ノ華』>>220 99.『切恋怒』>>223
100.『罪』>>226 101.『ボタンと好きな人』>>235 102.『真実の手紙』>>236 103.『悪口letter』>>243
104.『仲直り?』>>244 105.『全ての真実』>>245 106.『雨のココロ』>>247 107.『君の告白』>>248
108.『告白の真実』>>250 109.『馬鹿な期待』>>272 110.『ユニフォーム』>>279 111.『宣告』>>298
112.『最後の告白』>>299 113.『最後の強がり』>>301 114.『溶けゆく言葉』>>314 115.『別れ』>>319
最終話>>323
あとがき>>325
.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
100記念>>101
完結記念>>328
※コメントありがとうございます><
なるべく皆様の小説にコメントしたいと思ってますが、時間が無くて出来ないことがあります;
それと、コメ返しも出来ないことがあります><
ダメな作者ですが、よろしくお願いしますm(--)m
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- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.136 )
- 日時: 2010/06/12 23:30
- 名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
ちょ、無理やりすぎ……和美と舞夜……
(放送禁止用語)ってあれですか(ぇ
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.137 )
- 日時: 2010/06/12 23:48
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 「好き」と言われることが どんなに幸せか感じたい(by.NAO
>>136
だよねwww
しかも二人とも、力強すぎだしwww
握力なんぼあるんだ((
そうですwww
あれですwww
それが赤アリの口から出た瞬間、吹いて固まった(ぇ
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.138 )
- 日時: 2010/06/13 00:55
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 「好き」と言われることが どんなに幸せか感じたい(by.NAO
第八十三話『キミヘノオモイ』
引っ張られる強い手は、
もう私の力じゃ振りほどけなくて。
「嫌だ!!」
「ほら、姫吉の部屋着いたよ!!」
「嫌だってば!!」
私は二人に引っ張られながら、部屋の前で叫ぶ。
その騒動に気づいた望は、怜緒の部屋から出てきた。
「……何やってんの」
「依麻が今から姫吉に告白するの!!」
「うわ、お前しつこい」
「違うんだってば……!!」
あぁもう、やだ!!
そう思ってると、私は無理矢理和美と舞夜に部屋の中へ入れられた。
怜緒の部屋は、私の部屋と同じく緑のカーテンで病院みたいなベッドがついていた。
そして怜緒は、左奥のベッドに座っている。
私と同じ所のベッド……って、そうじゃなくて!!
「もう、離して!」
「だめ、言うまで離さない」
「……っ」
「依麻まじでしつこい、帰れ」
「そうだ帰れ〜! 帰れ〜!!」
望の帰れの一言で、部屋の男子は一斉ブーイング。
怜緒にも「帰れ」と言われた気がするけど、もうそこらへんは覚えていない。
すると、部屋の奥から上半身裸の山吹櫂が出てきた。
「ひっ!?」
「何お前、姫吉に告るの?」
「……っお前は服着ろ!!」
私は目を逸らしながらそう叫んだ。
なんでこいつ服着てないんだ!!
そう思ってるうちに、マイペースな怜緒はペットボトルを片手にゴミ箱へと向かっていた。
「——あ、姫吉!! それ飲んだ?」
「……飲んだけど」
「じゃあ頂戴!! これを依麻に飲ませて間接キスだ!!」
「はぁぁ!?」
「今からこれ捨てるんだけど」
舞夜の一言で、私は絶叫。
そして怜緒も軽く笑いながら、そう呟いた。
舞夜は「捨ててもいいから頂戴」と怜緒にねだっている。
そして、舞夜と怜緒の軽い乱闘が始まった。
「——依麻っ! 姫吉君のペットボトルのラベル!!」「い、いらないっ!」
舞夜は、息を切らしながらラベルを突き出した。
私は手を横に振り全否定。
すると舞夜は、少し険しい顔をした。
「もらっておきなって! 姫吉の好きな人は沙羅なんだから!! ここできっぱり想いを告げて、もらうものもらって諦めようよ!!」
「え……」
怜緒は、やっぱり沙羅の事が好きなの——……?
とたんに私の胸が締め付けられた。
「いい加減、迷惑だと思うよ? 姫吉には姫吉でそれぞれの恋愛があるんだし!! だから、『今まで好きでした。これからは私も違う道へ進みます』って言って、お別れしよ?」
「……っ」
『お別れ』
その言葉が、私の胸をより一層苦しくさせた。
「……じゃあ、最後に豪快に抱きついちゃいな!!」
「え」
「姫吉に『バイバイ』って!! さぁ、思いっきり!!」
「やだ!!」
舞夜のどんどん進む話を、私は全否定した。
私が「やだ」と言うと、怜緒も「やだ」と呟いた。
その一言で、少しずつ私の胸が苦しくなり、涙が零れそうになるのがわかった。
そうだ、怜緒にも怜緒の恋愛がある——。
それを言われちゃ、私の恋はもうおしまいだ。
だから、一層涙が零れそうだ。
相手に、好きな人が居るからこそ。
「まぁ、姫吉に好きな人居るからな。……あ、言っとくけどお前じゃないから! 期待してたんですかぁ〜?」
「……っ、沙羅でしょ?」
「……とりあえず、お前ではないから」
私が少し期待してたの、望にはバレてたんだ。
でも私、バカでも知ってたよ。
この恋は実らないって——。
「……まぁとりあえず、部屋に入りなよ。ここでキッパリ決めちゃえ」
部屋に居た和希がそう呟いて、私を見る。
怜緒は、奥のベッドに座ったまま俯いている。
望はドアの前のベッドに座り、私の顔を見上げた。
「そうだ、一回部屋入れ」
「……」
望が小さく呟いた為、私は舞夜に引っ張られながらしぶしぶ部屋に入った。
しかしその瞬間、
「もう行くからぁ〜。待っててね?」
沙羅がドアから顔を覗かせた。
——交流時間に、沙羅と会う約束をしてたの?
私が居ない間に、
私が君を思っている間に——……。
君は、あの子と会う約束をしていたの?
「……っ」
「——ほら、依麻。早くしないと沙羅たち来ちゃう」
和美が、耳元で小さく呟いた。
私は何も言えず、ただ俯いていた。
「——怜緒〜」
数秒後、部屋にさくらと沙羅、そして数人の女子たちが入ってきた。
さくらと沙羅は、怜緒の横に座る。
怜緒は軽く笑いながら、沙羅の方を見つめている。
「——依麻、早く言わなきゃ……」
「……っ」
「依麻っ」
君の視界には、沙羅しか映ってないの?
私の事は、これっぽっちも見てくれないの?
「——交流時間終了!! 部屋に戻れ!」
廊下で先生の声がした。
それと同時に、私は我に帰る。
「……あぁ、もうダメだ。依麻、行くよ」
「……」
「依麻、早く姫吉に諦めるって言わないと!!」
「……っ」
「相手には、沙羅が居るんだよ? 依麻が頑張っても、無理なんだよ?」
諦めたくないのに、そんな事言いたくない。
私がいくら頑張っても、無駄かもしれない。
だけど、この一年間の想いを一言で終わりにしたくない。
「……っ私、は……」
思わず本音が零れそうになった。
「それでも私は怜緒が好き」だって。
でも、それを言ったら君はどんな顔をする?
沙羅が好きな君は、どんな気持ちになる?
「……わかった、よ。時間……チャンスがあったら、言う……」
君自身の恋を、犠牲にはしたくない。
君に迷惑はかけたくない。
私が君を指図する権利はないし、
君を私だけのものにすることも出来ない。
だから、私に決められた選択肢は諦めることしかない——……。
「……ごめ、ん」
私は小さく呟いて、その場から去った。
そして勢いよく自分の部屋へ戻り、ベッドに飛び込んだ。
「びっくりしたぁ……。依麻、どうしたの?」
「…………っ」
「ちょ、依麻!?」
私は、その場で涙を流した。
諦めたくない。
でも君は沙羅が好き。
私の想いは、君にとって迷惑。
邪魔な恋心——……。
でも私は、君が大好き。
本当は、そう伝えたい。
「……っ……、」
だけど、それは許されないことで。
途中で投げ出すことは簡単。
口で言うことも簡単なのに——……。
いつの間にか、君をこんなに好きになっていた。
君にこんなに溺れているなんて、自分でも思っていなかった。
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.139 )
- 日時: 2010/06/13 01:42
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 「好き」と言われることが どんなに幸せか感じたい(by.NAO
第八十四話『徒花』
咲いても実を結ばない華だって、
自分でも、わかってた。
「……」
現在、午前三時——。
全く眠れない。
目を瞑ったら、怜緒と沙羅が笑っている光景が広がる。
部屋の皆は、もう寝てしまっている。
先生の見回りは厳しいし……。
散歩したくても出来ないから、残りの時間をどう潰そうか……。
そう思いながら、ゆっくりと起き上がった。
暗闇の中一人で居ると、どうしても君の姿が浮かんでしまう。
どうしよう、なんかまた泣きそうだ。
そう思ってると、
「……?」
なにやら、廊下から話し声が聞こえた。
先生の声? ……いや、違う。
美里奈の声だ。
「……」
私は耳を澄まして会話を聞く。
ていうか、普通に話し声が聴こえるって事は、もう先生居ないの?
そう思ってると、廊下から黒い影が見えた。
「あれ、誰か起きてない?」
「!?」
「——……誰?」
「へ!? ……依麻、」
聞き覚えのある声。
そう——、森野康祐の声。
そしてその次に「おー、三上チャンこんな時間に起きてちゃダメですよっ」と言う赤アリの声がした。
「赤アリと森野……」
「何してんだよお前」
「いや、ちょっと考え事を……。森野たちは?」
「俺達は、散歩」
「へ? ……先生達は?」
「もう先生たち居ないよ。皆寝てる。だから俺達、廊下で歩き放題ってわけ」
「嘘!? マジで!?」
私はベッドから降り、森野と赤アリの方へ向かった。
廊下を見ると、本当に誰も居ない。
ただ真っ暗な廊下が続いていた。
「本当だ……。誰も居ない」
「だろ? ま、俺達は探検に行くってわけだな」
「へぇ……」
「んじゃ」
森野は手をひらりと返し、その場から去っていった。
それと同時に、亜美奈の声がした。
「……依麻?」
「亜美奈! ……起きたの?」
「うん。……何してたの?」
「今、先生達居ないんだって! 好き勝手し放題!」
「え? マジ!?」
亜美奈もベッドから飛び起き、私たちは廊下へ出た。
時計を見れば、午前三時九分。
おぉぉ、これはラッキー!!
そう思っていると、騒ぎを聞きつけた人たちが一斉に起きだした。
暗かった廊下が明るくなり、ほぼ学年全員が廊下を歩いていた。
「皆、なんだかんだ言って自由人だねぇ」
「確かに」
私と亜美奈は、小さく呟いた。
するとその瞬間、一人の女子が大声で叫び始めた。
「……やばっ! 今の声で先生起きたかも!!」
「え、マジで!?」
誰か一人の声と同時に、皆一斉に走り出した。
私も慌てて自分の部屋に戻り、ベッドへダイブした。
「……あれ、亜美奈……っ」
さっきまで隣にいたはずの、亜美奈が居ない。
どうやら亜美奈は逃げ遅れたようだ。
「……やばいな、これ」
私は小さく呟きながら、枕に顔を埋めた。
とりあえず寝たフリをしなきゃ——……。
そう思いながら、毛布を被せて寝たフリをして廊下を観察していた。
**
「——……」
午前四時半。
いつまで経っても亜美奈が帰ってこない。
そして、私は全く眠れない。
「……先生に捕まったのかな……」
私は小さくため息をついた。
実はさっき、四時ごろに先生に呼ばれて「廊下出たの?」なんて聞かれたけど……。
なんとか逃げ切れた。
——なんだか私だけが逃げ切れたっていうのも、罪悪感が……。
そう思ってると、部屋に先生が入ってきた。
私はとっさに寝たフリをし、薄く目を開けて様子を見ていた。
すると、
「三上、ちょっと来なさい」
強い口調で先生が言った。
私は軽く肩を揺らし、ゆっくりと起き上がる。
「……アンタ、廊下歩いた?」
「……散歩がてらに、まぁ」
「じゃあ他の部屋に入った?」
「まぁ、覗き……ましたね」
私が小さく呟くと、先生は「着いてきなさい」と冷たく言った。
一気に背筋が凍りつきそうになったけど、私はゆっくりと先生の後をついていった。
**
「——ここで正座をしなさい」
着いた場所は、小さな部屋。
そこには沢山の生徒。
そして、先生全員が居た。
「……お前らは夜中に歩き出すとはどういう事だ」
先生の長いお説教が始まった。
どうやら、私の前に捕まっていた亜美奈たちは、もう一時間以上正座をしているみたいだ。
「……っ」
私の前の人や、横の人は——。
皆足が痺れたのか、小さく動き始めている。
バレたのが遅くてよかった……。
そう心の中で小さく呟いた。
「——……もう夜が明ける。この続きは後で話すからな」
先生の長いお説教が終わったのは、午前五時すぎ。
私は約三十分間の正座をした。
足が軽く痺れ気味だったが、他の人たちよりはまだ軽いほうだった。
私の前に居た人たちは、皆立ったと同時に転んでいる。
そして皆一気に歳をとったような歩き方をしていた。
あぁ、お気の毒に……。
「…………」
もう五時だし、寝てる時間はないな。
まぁ寝れないんだけどさ……。
まぁいいや、部屋帰ってのんびりするか。
そう思いながら、部屋へ向かった。
**
「……依麻、ごめんね。名前出しちゃって」
「あ、いいよいいよ」
部屋に着くと、亜美奈が謝ってきた。
まぁ、元は私が亜美奈を誘ったようなもんだし……。
いいんだ、うん。
でも結局、私は反省文一枚と家庭連絡をされることになった。
他のバレた人々……三十人もその二つをされることになった。
本当はほぼ全員が歩いてたのに。
逃れた人たち、ラッキーですなぁ……。
私はそう思いながら、ベッドに横になった。
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.140 )
- 日時: 2010/06/13 02:33
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 「好き」と言われることが どんなに幸せか感じたい(by.NAO
第八十五話『小さな贈り物』
**
午前六時半——。
私たちは、食堂でご飯を食べていた。
「ふぁぁ……」
結局、あの後も一睡も出来なかった。
これで、オールナイト決定……ってわけだ。
欠伸は出るけど、不思議と眠くないのは何故?
「ぬ……」
今日は動物園に行くのか……。
なんか、昨日のことがあったから憂鬱だな。
そう思いながら食器を片付けていると、
「依麻っ!!」
「……げ」
聞き覚えのある声に、私は思わず声を漏らしてしまった。
私を呼んだ声——。そう、それは和美と舞夜。
昨日の出来事の首謀者だ。
私は軽く警戒しながら、二人を見た。
「な、何……?」
「姫吉の髪の毛!! 頑張って入手してきたんだよー?」
「えっ」
舞夜がどこからか取り出したのは、小さな袋。
その中に、一本の小さな髪の毛が見えた。
——どこから入手したんだ、そんなもの。
「い、いらない。なんか呪われそう」
「いいからもらいな!」
「ギャ」
無理矢理ポケットにねじ込められ、私は抵抗することが出来なくなった。
ひぃぃ、二人の権力恐るべし……!!
私は両手に物を持っていたので、捨てるにも捨てれなかった。
「……」
ここに捨てても、なんかカバンの中とかに入ってそう……。
捨てたはずの髪の毛が、増量して現れる……ってね。
って、いつの間にホラーになったんだ!!
私は一人ツッコミをしながら、食堂を出た。
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