コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 不眠症のひつじさん
- 日時: 2010/08/12 20:56
- 名前: あさ子 ◆D2yUo.n7Ls (ID: ZZ5Hb1Lx)
夢を見たくないのです。もう見たくないのです。あんな混沌だらけの夢。悪夢ですよ、本当に。ええ。
…え? 夢は欲望の表れだって? 面白い御冗談を申すものですね。もう肌が粟立つ程に、まったくもって開いた口が塞がりませんよ。
嗚呼、どうしましょう! 余計眠れなくなってしまいました! これじゃあ皆さん私を数えて眠りに就くことなんてできないじゃないですか!!
.
¦御挨拶
お初にお目にかかります、あさ子と申します。
この度はこちらで短編でも書かせていただこうかな、と思っています。マイペース更新です。早い時もあれば間が空くことも……。
宜しければ暇な時にでも読んであげてください。閲覧数が増えるだけであさ子は天に昇れます←
前回パスを忘れてしまい悲惨なことになったので、今回はちゃんとメモにパス書いてますよ^o^w
部活が忙しい!バイトも忙しい!!と、いうわけで更新が亀以上に停滞しています。申し訳ありませんorz
語彙力を伸ばしたいなぁ、と常々思っています^p^
ついでに暴露しちゃうと「さちよ」でもありました← 「さちよ」名義のスレは身バレ的なものでアッーです^q^
囲みに作品は切なかったり、悲恋が多めに並ぶかもしれません。自分自身そういうのが好きなタイプなので…
甘かったりハッピーエンドが好きな人は気を付けてね!←
¦目次
(病みものには※がついています)
不眠症のひつじさん >>05
臆病者の愛の果て ※ >>11
嘘に包まれた、さよなら >>13 >>30 >>38
拙い愛も囁けない >>25
お粗末な勘違い ※ >>29
¦御客様
:ちか様 :七海様 :まち様(元ゆえ様) :春透様
:冷たい氷の用に様 :あす様
since-7/19 あさ子
- 臆病者の愛の果て ( No.11 )
- 日時: 2010/07/19 18:44
- 名前: あさ子 ◆D2yUo.n7Ls (ID: ZZ5Hb1Lx)
「死ねばいいのに」
築五十年を過ぎた古いアパートの一室。まだアナログのテレビを眺めながら彼女が呟いた。またか、と思った。
それはテレビの向こうで胡散臭い台詞を吐く男に対してか、それとも俺に対してか。それとも彼女自身に、か。が、本人に直接問うのも面倒くさく、先ほどの言葉を聞かなかったことにして新聞に目線を落とすことにした。
いつからか彼女はこの言葉を無意識に口にするようになった。それは、無意識に吐く溜息のように。自覚がないのだ。
確かふたりで暮らすようになってからだ。最初のうちはなんだ、とよく驚いて問うたものだ。しかし、彼女は顔を背けて俺から逃げるように口を閉ざすだけだった。次第に問い詰めることはなくなっていた。一日に言葉にする回数が増えていくごとにそれは簡単に日常に溶けてしまい。気にかけることもなくなっていったのだ。そうして現在に至る。
「死ねばいいのに」
ほら、まただ。
思って彼女に目を向ける。と、彼女もこちらを見ていた。なんだよ、と言う前に猫のように飛びかかってくる彼女を目にして俺の視界が一転した。
———
ぐ、と更に力が加わった。
酸素を求めるように喘ぐ俺に彼女の口付けが降ってきた。
「ごめん、ね」
そう言いながら俺を組み敷きつつ、ひたすら彼女は首を絞めている。その表情は何も含んでいないように乾いた無表情だった。そんな顔して人の首を締めないでくれよ。何を思えばいいかわからないじゃないか。
急に飛びかかってきたと思いきや、今度は首を絞めてきた。何が何だかわからない俺は彼女を突き放せもせず、されるがままの状態になっている。本来なら突き放して警察を呼ぶなりなんなりするのが最もなとこだが。何故だか、そんなことしてはいけない気がした。本当になんでだか。
ひゅ、と喉がなる。解放してくれ、と告げるように。言葉を発せない口の代わりに。脳から先に流れることのない血で視界がじわじわと赤に染まってきた。
「死ねばいいのに」
こんな時まで言うのか。いや、もしかしたらこんな時だからこそかもしれない。
彼女のこの言葉は俺に向けたものだったのかもしれない。嗚呼、泣けてきたよ。なんだかんだで俺は俺なりに愛してきたのに。
「私が何に対してこの言葉を言っていたか。あんたに教えてなかったよね」
朦朧とする意識の中、ぼんやりと彼女の声が聞こえた。優しげな声だ。赤子をあやす母親のような、ずっと包まれていたい声。
「私ね、ずっと自分が嫌いだったの。毎日毎日、自己嫌悪ばっか。これが学生の頃の私。でも、あんたに会って変ったわ」
相も変わらず俺の首を絞めながら、言葉を紡いでいく。それも笑顔で。第三者から見たらなんてシュールな光景であろうか。
「本当に私、心の底から自分は変わったと自負できた。だって幸せだったから。だけど、ね。あんたと暮らすようになってから、また自己嫌悪するようになったの。早く消えてしまえばいいのに、って……」
きっと泣いている。視界は赤に染まって見えない。仕方なく目を閉じた。彼女は泣いている時に自信なさげに語尾が小さくなるのだ。大丈夫、と声をかけてやりたい。
彼女はただの弱虫だったのだ。自分を好きになれない。臆病者だったのだ。守ってあげたい、と思った。
「あんたに、何もかも求めてしまう。もっと一緒にいたい。もっとハグしたい。もっとキスしたい。欲が風船のように膨らんでいくの。私、強欲すぎる。そんな自分が嫌いなの」
額がくすぐったい。鼻にかすめたフローラルな香り。あ、彼女の髪の匂いだと気付いた。そこで彼女がすぐ眼前にいることがわかった。
「ね、愛してる、って言って」
甘い声が脳に響いた。こんな時に言うことじゃないだろう。そう思いつつも、必死で愛してると口をパクつかせた。ただ、必死に。
ありがとう、と涙で濡れた声が降ってくる。どうやら届いたようだ。最後だと告げるように再度、力が強くなった。
意識が朦朧とし始める。感覚もとっくに麻痺している。もう長くないな、と思う。
「私、あんたが離れる日が来ると思うと怖い。受け入れられない。この幸せな日々に終わりが来るなんて。だから、あんたを殺して一生一緒にいることにした。今の私にはこれが最善の方法にしか考えれないの。……この思いを防ぐ術がわかんないの」
私も、愛してるから。
そう泣いた彼女の声を最後に俺の意識は途絶えた。
愛に怯えた彼女がこんなに自分を嫌いにならなくてもよかったのに。可哀想な彼女。その男はもう二カ月もすれば貴方の薬指に永遠の誓いをする予定だったというのに。
(臆病者の愛の果て)
===
さちよ名義の時に書いたものです。
何気に気に入ってるのでタイトル変えて投下。
- memoooooo! ( No.12 )
- 日時: 2010/08/09 16:38
- 名前: あさ子 ◆D2yUo.n7Ls (ID: ZZ5Hb1Lx)
:鉢植えと煙草
:理科室、フラスコ、紅茶、先生
:医者、患者
:理論的なことは嫌いな子 ※
:金魚
:綺麗なミイラの作り方
自分にしかわからないメモさん^p^
- 嘘に包まれた、さよなら ( No.13 )
- 日時: 2010/08/10 17:31
- 名前: あさ子 ◆D2yUo.n7Ls (ID: ZZ5Hb1Lx)
好き、と俺が言う。くたばれ、と彼女が返す。
帰り道で一人歩く彼女の手首を掴まえての計三十六回となるこのやり取りも、やはり今迄となんら変わらぬ彼女の言葉で始まった。
夕日によってその陶器の人形のような端正な顔には影ができていた。痛い、と訴えつつ歪めた表情に更に濃い影が刻まれる。ごめん、とすぐに力を緩めると手をはたかれた上に踵を返された。
彼女のよく手入れされた漆黒のセミロングの髪が光を反射して栗色になっているのを眺めながら、俺もその後をついて歩く。
「なぁ、詩織の髪って綺麗だよな」
「名前を呼ばないで、後をついて歩かないで。気持ち悪すぎて吐きそう」
嫌悪を含んだ声色で拒絶された。自分の存在全てを否定された気分だ。
だけど、詩織と俺の影がコンクリートの壁に伸びるのを見ると嬉しかった。嗚呼、今俺は詩織と歩いてる。そう思って懲りずに声をかける。
「幼馴染なんだし、帰り道が一緒なのは仕方ないだろ」
「やめてよ。こんな気持ちの悪い幼馴染なんて私にはいないわよ」
意地悪い言葉を浴びせられる。
傷ついていない、とは無論言えるはずがない言葉だ。まるで鈍器で殴りつけられたくらい、それくらい心が痛む。
詩織の家と俺の家は隣接しており、所謂幼馴染という関係だ。よく互いの家を行き来しては遊んでいた。夏場になると近くの川へ行ったり。
いつでも一緒、そんな言葉を具現化したように俺達はとても仲が良かった。
気付けば、この時からずっと俺は詩織を好きなのだろう。根本的な理由はわからないが、とにかく。
しかし、中学校に上がる頃だったと思う。
詩織は俺を疎むようになった。
話しかけても何も聞こえていないように目線を反らし、無視する。突然の変化に最初は戸惑いを覚えた。
だが、幼馴染という縁だけは切れないので町内でのイベント等では必ず会話しなくてはなれなかった。その時だけは昔に戻れたようで至福だった。
そして、高校に上がる。
この地区には私立は三校程あるのに対し、公立高校というものが一校しかない。その為、家庭内の経済という壁があるものは、私立に行けない。だから基本一般家庭からの進学希望者はその高校一本しか選択肢がないのだ。俺も詩織も私立とは程遠い生活を送っていたために進学希望者ながら、その高校へ入学した。
詩織は高校に入って更に拍車がかかった。下卑たものを見るような目で俺を見るようになり、影ではあり得もしない俺の悪い噂を流した。
おかげで現在俺には友人という者はいない。常に教室の隅でぽつりと佇んでいる。それを見て周りの奴は後ろ指を指してきた。
別にそんなのは気にしない。一言も会話をすることはなかったが、俺は詩織を見ることができるだけで学校に居ることができた。何をされても俺の恋心は揺れなかった。陰険なことをされても、拒絶されても。会話ができなくても。
だけど、そんな詩織と唯一会話できる一つの言葉を見つけた。
“好き”という言葉だ。
初めて詩織に告げたのは高校に入っての初めての夏頃だった。珍しく、驚いていた。硝子のように整った形の良い瞳が見開いていた。その表情から出た言葉は、
“くたばれ”
今では聞きなれた言葉だった。
/一話目終了
- Re: 不眠症のひつじさん ( No.14 )
- 日時: 2010/07/24 17:02
- 名前: 春透./*゜ ◆ZPJ6YbExoo (ID: Z3U646dh)
- 参照: そ ら ね ...(ω)
)).あさ子さん
題名に惹かれに惹かれてやって参りました、
春透こと、そらねと申しますw
すっごく素敵な題名ですね!!!
表現力と文章力もあって、何もかもが素敵です(^ω^)
- Re: 不眠症のひつじさん ( No.15 )
- 日時: 2010/07/24 17:07
- 名前: あさ子 ◆D2yUo.n7Ls (ID: ZZ5Hb1Lx)
>>春透様
題名に惹かれてだなんて!
題名で釣っているのですよ^∞^) ←
中身は何も詰まっていない空っぽなスレです^p^
まさか、誉められるとは!
もっと素敵な小説が書けるように日々精進してまいります!
ありがとうございました^o^*
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