コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 気ままにD.ORIC
- 日時: 2010/12/12 20:58
- 名前: ノンキー王子 (ID: l5ljCTqN)
平凡なまま、中学に入って、けだるい中学校生活をまー、だるだる過ごすはずだったとある少年、霧岡龍大は、入学初日に、一気に非日常に引きずり込まれる。ありそうであったファンタジー非現実逃避物語、ここに開幕!
- Re: 気ままにD.ORIC ( No.4 )
- 日時: 2010/07/22 19:07
- 名前: ノンキー王子 ◆0HitpS3MgI (ID: frKstor9)
第二章
=ウヅキ ウタ コエ=
その日からというもの、卯月は俺の後をつけてくるようになった。何でも、「後をつけたくなる」らしい。
何その理不尽な理由。
そして今日も、こいつは俺の後をつけてくるのである。
「どうしてあんた、ついてくるんだよ!!」龍大が走りながら言う。
「もしも龍大様に何かあったら、大変じゃないですか!」卯月も走りながらいう。
「いや、俺は誘拐されたことなんかないし、する人もいないから大丈夫だって!つーかついてくんな!!」
そういった途端に、卯月がうつむく。
「すみません・・。これしか、卯月にできることがないのです。お許しください・・」
龍大は、泣かせたらまずいと思い、「あ、ご、ごめんて、言い過ぎた、もうちょっと平和なやり方で守ってくれればいいから、」と、ついつい許してしまう。
こんな毎日が続いていた、あるひ。
『ひかりのなか かけるしずかに ひそむおもかげ・・』
龍大が学校から帰る途中、きれいな歌声が聞こえてきた。
「だれだろう・・?」龍大がつぶやく。そのまま帰ろうとする。しかし
「うわっ!!なんで足が勝手に!?」龍大の足が勝手に動き、歌の響くほうへと歩いていく・・
「あら、龍大さま。」なんと、歌を歌っていたのは卯月だった。
「え?あんたがうたってたの?」龍大が言う。
「はい。そうですけど。」卯月がきょとんとする。
そんな卯月を見て気が緩んだ龍大。
「へぇ、いい歌じゃん、もっと聞かせてよ。」龍大がこんなことを言う。
正直、さっきの歌声が、あまりにもきれいで、耳から離れないのだ。
卯月が歌おうとした、その時…
「卯月さま!!また歌っていたんですね!あれほど歌ってはいけないと注意したのに・・!」
バンッと勢いよく扉を開けたのは、ちとせだった。
「す、すみません、つい・・・。」卯月がうつむく。
「あなたの歌はあれほど危険だといったのに…!」ちとせが龍大のことをちらっと見る。
「ほら、また呼んでるじゃないですか!!」ちとせが言う。
卯月が今にも泣きそうなのを見た龍大は、思わず、
「そんなにきつく言わなくてもいいんじゃないか?この人はただ歌っていただけじゃないですか。」と反論する。
「あなたに卯月さまの歌の危険性がわかるものですか!!この方の歌は何でも呼び寄せる…。
あなたも、足が勝手に動いてここに来たのでしょう?
それが卯月さまの能力なのです。」ちとせが外見からは思えない速さで冷たく言う。
「え?能力?なにそれ。」龍大が聞く。
「あなたみたいな一般市民に話すには、少々重すぎるのですが。」ちとせが相変わらず不愛想に言う。
正直、その態度にイラッとくるぜ・・。
そう心の中でつぶやいた龍大が、すかさず反論する。
「俺はこいつに惚れられた身だ、惚れられたやつのことを知っておくのも、男の務めってもんよ。
まぁまぁ、そんな固くならずに、話してみ?」
そうして、ちとせの口から、九李家の重要な文化や、歴史について語られることになる。
- 気ままにD.ORIC つぶやき。 ( No.5 )
- 日時: 2010/07/22 19:12
- 名前: ノンキー王子 ◆0HitpS3MgI (ID: frKstor9)
うぅ・・。展開が速すぎるぜ。
まあ、即席で作ったから、構成がなってないのは納得するぜ。それにしても、ほんとにキャラに魅力がないなぁ。(あ、これ、作者だから言えるんですよ。ボヤキです、ボ ヤ キ。 ほかの人に言われると、私も人間だから、傷つくんだよなぁー)すみません、読んでくれる人、ありがとう。
- 気ままにD.ORIC ( No.6 )
- 日時: 2010/07/27 12:00
- 名前: ノンキー王子 ◆0HitpS3MgI (ID: frKstor9)
「語りましょう。九李家の全てを。」
第3章 _九李家・懐古・阿世_
昔、九李阿世という名の歌姫がおりました。
面倒見もよく、親孝行で優しい娘だったと伝えられております。
その土地の貴族はその娘のことをたいそう気に入っておりました。
しかし、阿世には思い人がいたのです。
数日後、貴族は阿世に結婚を申し出ます。
その貴族は、悪徳貴族として名が知れていました。
阿世は、貴族の機嫌を損ねてしまったら土地の人々や、両親が殺されてしまうと思い、しぶしぶ婚約を受けました。
貴族は、最初は阿世にやさしく接していたものの、歌が少しでも詰まったり、機嫌の悪い時など暴力をふるったりしていました。
それに耐えかねた両親が、離婚させようとしますが、阿世の目の前で殺されてしまいます。
もう、この生活に疲れた阿世は、思い人のことを思いながら、毎晩毎晩 一人で歌を歌っていました。
それを見た死神や、その他もろもろの神は、せめてこの娘にいい思いをさせてやろうと、阿世に一つの能力を与えました。
それが、九李家に伝わる、「歌寄」であります。
その能力を使い、阿世は思い人に毎晩出会い、幸せなひと時を過ごしていました。
しかし、そのことに気付いた貴族は、阿世ともども殺そうとしてしまいます。
阿世は、うまく歌寄の能力を使い逃げ切ります。
しかし、弱り切っていた阿世は、数日後、子供を産んだ瞬間に息絶えました。
享年16歳という若さで亡くなりました。
「その後も、阿世様から代々受け継ぐ血によって、
九李家は歌寄の能力を使える一家になったのです。
わかりましたか?この能力や、卯月様の大切さは」
ちとせが興奮しながら語る。
「そんな大切なんだったら、歌わせてやればいいじゃないか。」龍大が言う。
「それはあまりよろしくないのですよ。」ちとせが冷めた口調で言う。
「なんで?」龍大が聞く。
「この能力は、いいものも呼び寄せますが、逆に悪いものも呼び寄せてしまうんです。」ちとせが言う。
「たとえば?」龍大が聞く。
「鬼、獣、厄神、死神その他もろもろ。」
「うへぇ」龍大がのけぞる。
「それと、今回のように貴方のような一般人を巻き添えにしてしまうと、それこそ近隣の住民の迷惑になるでしょう。」ちとせが冷たく言う。
「もういいじゃないですか!!」卯月が少し大声を出す。
「「え?」」二人が卯月のほうを向く。
「もう私、歌いませんから・・。」卯月がうなだれる。
「卯月様、それはだめですよ。そんなんじゃ宝の持ち腐れです。」ちとせが言う。
「じゃあどうすればいいんだよ。」龍大が冷たく言う。
「一週間に一回くらいなら、いいですよ、もう。
金曜日くらいに、どうですか?」ちとせが提案する。
「え、ほんとですかぁ!?」卯月が喜ぶ。
「よかったな、あんた。」龍大も少しだけ笑う。
すると、「わ、わわわ、わわっ//////」卯月がみるみる赤くなっていく。
「りゅ、龍大さんのあほぉ!!!」
そうして、耳まで真っ赤にしながら走っていく卯月を見て、「あぁ、あいつ、そういう人なんだ、」と思った。
もう一つ、寄せているとは気づかずに。
- Re: 気ままにD.ORIC ( No.7 )
- 日時: 2010/08/17 18:04
- 名前: ノンキー王子 ◆0HitpS3MgI (ID: frKstor9)
「あぁ、もう、卯月様はああいうお方なんで。気にせずどうぞ。もうお帰りになって。」ちとせが無表情で言う。
「ええ?もう帰られちゃうんですかぁー!?」卯月が残念そうに言う。
「ほいほい。はぁー。俺はあんたにずいぶん嫌われてるみたいだな。んー。じゃあな。」龍大が立つ。と、その時
「_ッ!?」ちとせがたつ。
「ちとせ?」卯月がちとせのほうを向く。
「動かないで!!」ちとせの物言いに驚き、後ろを向こうとする。しかし、
「うごかねぇ…!?」思うように体が動かない。
「だから動かないでって言ってるじゃない!」ちとせが懐をあさりだす。そして、「あったあった。」
ちとせが何かものを言いながら龍大のほうへ紙を投げつける。
「水!!」ちとせが手を挙げると、上から水が降ってきた。「うえっ」龍大が周りを見ると、水にぬらされてあらわれた、何かワイヤーのようなものが日を受けて光っていた。
「さては卯月様、蜘蛛か何かを寄せたのかしら。」
第四章 _ちとせ 蜘蛛 凛堂_
「はわわー!またやっちゃいましたぁー。」卯月が能天気に言う。
「いや、『やっちゃいましたぁー』じゃねーだろ!普通!」龍大がつっこむ。
「卯月様はそういうお方なのです!!」ちとせが腕を振り回す。
「けど、どうしましょう。」卯月が言う。すると、
『いつものことじゃないか、卯月さま。』
「うぉう!?」龍大の周りから声が響く。「凛堂さん!!来てらっしゃったんですねぇ!!」卯月が目を輝かせる。
『いえ、半分無理やり召喚されたんですよ。まあ、卯月様に何かあったら大変ですし。』卯月に話しかけるそれを見て、龍大はなんかもうすべてがどうでもよくなりそうになった。あれ、俺何でこんなことになってんだっけ、あぁ、歌で寄せられたんだっけ。で、なんでこいつは俺に付きまとうんだっけ。
あれ?
『ちとせさん、なんですか?今日は。』凛堂がちとせのほうをみる。「あそこの一般市民が寄せられて、でもってこうなってしまったというわけです。」ちとせが説明をする。
『面倒なことをしてくれたなガキ。』凛堂がにらみつけてくる。「あー。はい。」龍大が何事もなかったように返す。『…イラッ』凛堂の額に青筋が立つ。
「な、イライラするだろ。」ちとせがぶっきらぼうに言う。「つーか早く助けてくれませんかぁー?」
『しょーがねーなガキ。』凛堂が手を振りかざす。
『水禍召喚』そう口にすると、龍大の背後に竜巻のような水が打ち付けられる。「うおっ」すると、上のほうから何か黒い塊が降ってきた。
「浄化っ!!」ちとせが塩をまく。すると、その塊は消え去った。
「あっけなかったですねぇ。」卯月がお茶を差し出しながら言う。「そうだな。」龍大がお茶菓子をつまむ。
っておいおい。俺何でここに馴染んじゃってんのー!?
一人苦悩する龍大であった。
- Re: 気ままにD.ORIC ( No.8 )
- 日時: 2010/11/18 13:14
- 名前: ノンキー王子 (ID: l5ljCTqN)
やあ、僕の名前は湖陵ひくら。自分で言うのもなんだけど、この際堂々と言おう。俺はイケメンだ。
普通の女性は僕のほうに惚れるだろう。
たぶん。ああ、きっと。そう。
しかし、僕の親友(笑)に入学当日、突然青い春、ああ、青春というやつだよ。なぜかそれがやってきたのだよ。不思議だろう?
しかも相手は相当な美人。あぁ、かわいそうに。
あの子はきっと人を見る目がないんだ。きっとそうだ。
もう一回言っておくが、普通の女性なら確実に僕のほうに惚れるんだ。
どうしたもんだろうか。
第五章 ひくら_月兎_歌寄_
ひくらside
「どうしたもんかなぁ、あの龍大にまでついにモテ期が来ちゃったんだよー。」ひくらがしゃがみこみながらぶつぶつとつぶやく。
「はぁー。こんな話聞いてくれるの、君だけだよ・・」さっきからしきりになでているそれは、どこからかひくらのうちに迷い込んできた、一匹のうさぎだった。
時は数日前。どこからともなくそれはやってきた。
飼い主も不明、野生なはずはない。
母親に言ったら、「あらま、かわいいじゃない。どうせなら、少しかくまってあげましょうよ?」と言われたので、今はひくらの部屋で飼っている。
基本何でも食べるようで、この前まんじゅうを細かく切ってあげたら、もきゅもきゅと嬉しそうに食べた。
よく見たら、耳に何か模様が書いてあった。
「僕の時代も終わったのかなぁ・・・。」落胆する現飼い主を少しでも励まそうと、うさぎは必死にひくらの手をなめた。
うさぎside
『どうしたもんかなぁ、あの龍大にまでついにモテ期が来ちゃったんだよー。』
なんなんだこいつは。何であたしはここにいるんだ。ここはどこだ。
『はぁー。こんな話聞いてくれるの、君だけだよ・・』好き好んで聞いてるわけじゃない。
なでるなっ くそぅ、なんでここにいるんだよぅ・・
時は数日前。あたしはこのでかい建物の中に迷い込んだ。
何でここにきたのかわからない。ただ、私は月にいた。
ここに来るまで、確実に月都にいたはずなのに、体がこう、引っ張られるような感じがして、何でかわかんないけど、とにかくすごい力で引っ張られて、いっつも穢土(地上)に行くための空間の裂け目にすごい力?妖力?わかんない。で、もうとにかくわっかんない!!!
兎の姿から変化できないし、月とも連絡が取れない。
ただ、ひとつだけわかったことは、引っ張られる前、歌が聞こえたってこと。
どうしよう・・。姫子様に知られたら大変なことになるかもしれない。姫子様が穢土に御身足をわざわざ踏み入れさせてしまうかもしれない。あぁ、大変だぁ。
たいへんだぁ。
ま、けどしょうがないか。いずれはこうなることだったし。かわいそうな人間。
いずれ殺されてしまう運命だったんだもん。しょうがないよ。
まぁ、今はこいつを慰めてやるか。殺される前に少しくらい情けをかけてやんよ。
うわぁなでるな!かむぞ!ううぅ・・。
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