コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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どうやら僕は異世界に来てしまったようです。
日時: 2010/08/12 16:56
名前: 村人A ◆UcTzrn55Fk (ID: VfitXk9z)

初めまして、村人Aと申します!

主にファンタジー小説を公開していこうかと思っております。

何分未熟ながら至らない点が多々あるかと思われるので、作品へのアドバイス、または感想等がありましたらお気軽にコメントの程、お願いしますっ。

どうぞ、これからよろしくお願いしますです><

※作品名を変更致しました。(旧名:男性Yの異世界譚)

【どうやら僕は異世界に来てしまったようです。】

・10/07/31 3-1投稿。
・10/08/12 3-2投稿。

 第一話 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5
 第二話 >>6 >>7 >>8 >>9 >>12 >>13
 第三話 >>14 >>17

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男性Yの異世界譚 2-3 ( No.8 )
日時: 2010/07/26 09:23
名前: 村人A ◆UcTzrn55Fk (ID: E/MH/oGD)


男性Yの異世界譚 2-3

 なんて予想外の事態であるのだろうか。今だに化け物と少女の距離は変わらなく、危険な位置に彼女はいるわけで。
 僕は「くそっ」と舌打ちし、化け物に注意をはらいながら彼女の下へと駆け寄った。

「大丈夫ですか?」

「こ、腰が、抜けちゃった……みたいなんです」

 そう言うやいなや、彼女の目からは涙が漏れ出す。さっきまでは離れていた所で彼女を見ていたが、近くでみると彼女は「美」がつくほどの少女だという事が分かった。
 顔立ちは見事にバランスがとれており、否になる部分は一つもない。黒髪を肩まで伸ばし、前髪から覗く彼女の瞳はなぜか黒ではなく綺麗な蒼色をしていた。
その瞳は今や涙によって少し赤くはなっていたが、涙のおかげで潤んだ瞳はいっそう綺麗に見える。
それに、なんと言ったって、一番に眼がいくのは彼女の耳で……。なんか、すごく……尖ってますっ!

「あ、あの……」

「そ、それじゃ僕の背中に乗って!」

 しばらく彼女の瞳に見とれていた自分に気が付き、照れ隠しに僕は、彼女に背を向けて背中に乗るように支持をした。
彼女は僕の言葉に小さく返事を返し、身を僕の背に預けようとしたその時——

『■■■■■■——!』

 骨の髄まで響き渡るような獣の声。そう『アイツ』だ。僕の背に乗ろうと仕掛けた彼女は化け物の声に「ひっ」と悲鳴を上げ、両腕を僕の首に回し、思いっきり抱きしめ……いや、締め付けた。

「ぎぅ!?」

「あっ、す、すいません!」

 慌てて力を緩める彼女に「大丈夫大丈夫、モウマンタイ」と言いつつ、開放感にさらされた首を摩りながら僕は大きく息を吸う。

 や、やばかった。化け物以前に、彼女に堕とされてしまうところだった……いや、でもまぁ、その分幸せ気分も味わえたんですけどね!

「あの、大丈夫……ですか?」

「う、うん。大丈夫……だけど、大丈夫じゃないかも」

 そう、先ほどまでもがいていた化け物は今や、目を充血させて僕達、いや、これは……ぼ、僕? ま、まさか、さっき当てたことに怒っているんじゃ……。
 うう、なんでだ。僕、何か悪いことをしましたか? いや、当てちゃった事は確かに悪いけれど、それ以前に何で僕はこんなにも運が悪いのだろうか。ほんと、 今更って感じだけど、かなりついていないと思うんだ。突然気づいたら森にいるし、迷子になるわで。変な化け物に襲われる、といってもこれは自分のせいというかなんというか。ともかく、なんか僕って、非常についていないぞ……。

「ど、どうしましょう?」

 若干鬱になりかけた僕に彼女が声をかける。
 そうだ、今は落ち込んでいる場合ではなく、この危機的現状をどうするか考えよう。
 彼女を背負っている今、アイツから逃げることは無理だろう。それに後ろを向いて襲われたりしたら背負っている彼女が怪我をしてしまう可能性がある。だがこの状態でアイツに襲われても僕が怪我をしてしまうわけで……。

——あれ? これって、つんでね?

 打開する術がなく頭を悩ます僕を無視して、『■■■■■■■——ッ』と化け物が僕達に迫ってきた。背負っている彼女は悲鳴を上げ、僕はどうする事もなく、ただ迫りくる化け物を眺めるだけ。
 今まで平凡な生き方をしてきた僕は今まさに見たこともない化け物に殺されようとしていた。

 ほんと、彼女だけでも逃がしたかったのだが、僕が殺された後彼女も殺されてしまうだろう。
何もできない自分に嫌気がさす。結局助けに来たものの僕が殺されて彼女も殺されるという、バットエンドの中でも一番最悪な終わり方だ……。

男性Yの異世界譚 2-4 ( No.9 )
日時: 2010/07/26 23:51
名前: 村人A ◆UcTzrn55Fk (ID: 13UaxE3Z)

男性Yの異世界譚 2-4

 ——いや、まだだ。まだ僕は死んではいない。彼女もそうだ。両方死ぬなんて駄目だ。どちらかが犠牲になれば片方は生きられるかもしれない。
となれば犠牲になるとしたら僕だ。幸いアイツも僕狙いだろうし、へたに彼女を狙うわけでもないだろう。だったら、今僕がすべき事は——

「ごめん」

 僕は彼女にこれからすることを謝罪した。

「へっ?」

 今の状況とはそぐわない、呆気にとられた声を上げる彼女を無視して、僕は思いっきり横へと投げ飛ばす。

 「きゃぁっ」と可愛らしい小さな悲鳴が聞こえると同時に、胸の辺にお湯をかけたような熱を感じる。よくよくみると、宙には赤い、僕の血が飛沫のように散っている。化け物が、僕の胸を裂いたのだ。

「ぐっ!!」

 一瞬意識を手放しそうになるけど、なんとか気を保つことができた。

 ——大丈夫。僕はまだ生きている。

 暗示をかけるかのように自分に言い聞かせ、僕は地面にころがる、先ほど投げた物を手に取り、化け物に向かって、それを押し付けるように殴りかかった。
 こういう事に関しては運が良いのか、避けられる事もなく、すでに黄色くペイントされた化け物の顔面へと命中した。

『■■■■■■———ッ!!』

 化け物は悲鳴を上げ、鼻先を地面に擦り付けるようにしてもがき始める。

「逃げてっ」

 地面へと尻餅をついている彼女に声をかけると、彼女はさっきまで上がらなかった腰を軽々しく上げて立ち上がった。立ち上がることができた彼女は「た、立てました!」と笑みを浮かべる。だが、今は笑みを浮かべるよりも逃げることだ。

「今のうちに逃げろっ!」

「あ、あなたはどうするんですっ!? 一緒に逃げないんですか!?」

「僕も逃げるけど今の状態じゃ足手まといになる。君は全力で走って逃げてっ」

「で、でも「いいからっ!!」っ!」

彼女は僕の叫びに一瞬戸惑いを見せるが、意を決したように「このご恩は必ず返します!」と、ぺこりとお辞儀をして、走っていった。

「さ、てと……僕も、逃げる、かな」

 未だ化け物は地面を転げまわっていて、思っているよりも時間を稼げるかもしれない。

Re: 男性Yの異世界譚 ( No.10 )
日時: 2010/07/26 23:03
名前: 箕遠 ◆rOs2KSq2QU (ID: g0LplqxR)

つまり笑えということですねわかります。


高性能おっ○いスカ○ターの持ち主発言した主人公と突然職務中に発情し始めた先輩がヒットしました始めまして箕遠です。
久しぶりに大笑いしましたwそれに、描写も分かりやすいですし、何より言葉の掛け合いが見てて凄く面白いですー

というか主人公が突然異次元的な何かでいきなりモンスター的な何かと戦い始めて何か凄い展開的な←
く、くそ! 続きが気になるじゃないかっ……!



馴れ馴れしい口調ですみません。
スレ主様のギャグのセンスとテンポがすごく好きです。後先輩が好きです高性能おっ○いスカ○ター持ってますし。

乱文失礼しました!
話の続き頑張ってください。陰ながら応援しています(`・ω・´)

Re: 男性Yの異世界譚 ( No.11 )
日時: 2010/07/27 10:23
名前: 村人A ◆UcTzrn55Fk (ID: 13UaxE3Z)


初めまして、箕遠さん! 村人Aと申しますです。

コメントの程、誠にありがとうございますっ。
ああ、眼から変な汁が……。

何分、自分自身お話を書いていて、読み手さんが楽しんでもらえるかわからず不安でしたが、良かったです。ホッとしましたw

まさかギャグを好まれるとは!
ですが基本はこのお話はギャグ要素が多いと思うので有難いです><

「先輩」というキャラクターも、私自身書いていて楽しいので、その分他よりも力が入っているのかもしれませんねw
「先輩」以外にも魅力的なキャラクターが登場させようとしていますので、よろしくです!!
また、ストーリーも読み手さんがドキドキするようなものにできたらと!

まだまだ始まったばかりで未熟な作品ですが、これからも楽しんで頂けるよう頑張りますので、暖か〜な眼で見守ってもらえると助かります(〃'∇'〃)ゝ

あ、口調についても全然ラフな感じでいいのでお気になさらず!w

ではまたっノ

男性Yの異世界譚 2-5 ( No.12 )
日時: 2010/07/28 22:16
名前: 村人A ◆UcTzrn55Fk (ID: VppVA6tq)

男性Yの異世界譚 2-5


 走る。走る。なんのためにかって? アイツから逃げるために決まってるじゃないか。
 あれから自分の全力をもって走ってきた。たぶん、ここまで本気で走るのは人生で初めてだろう。といっても全然早くもなく、早歩き程度の早さだけど。
 距離を歩くごと、次第に視界がぼやけてきて、胸の痛みも今は感じなくなってきている。足もだんだんと錘を追加していくかのように重くなっていき、そろそろ、限界がきたのかもしれない。

——あの子は大丈夫かな?

 ふと、先ほどの彼女のことが気になった。ちゃんと逃げているだろうか? ちゃんと逃げてくれなきゃ僕が命を張ったことが無駄になってしまう。


「っ……」


 マジでやばい。視界がグラグラしてる。てか、自分自身、よくまだ生きていられると思うよ。これじゃ先輩に「お前はゴキブリ並に生命力が強そうだ」って言われるわけだ。


「大丈夫ですかっ!?」


ああ、彼女の幻聴が聞こえる。これは、もうゴールしていいってことか? あ、そう思ったら急に眠く——


「幻聴じゃありませんよ! しっかりしてください!」


「って、え? 幻聴じゃない?」


「はい! 幻聴じゃありません!」


 ぼやけていた視界が少しだけクリアになると、さっき逃げたはずの彼女が心配な面持ちで僕を見ている姿がそこにあった。


「……おやすみなさい」


「きゃーー! 寝ないで下さい! 寝たら死んじゃいますよ!」


 閉ざそうとしていた瞼をグイッと強引に開けられる。


「なに?」


「なに? じゃありませんよ!」


「今、とても眠いんだ。もう、疲れちゃったよパトラッシュ……」


「だから寝ちゃ駄目ですって! ってパトラッシュって何ですか!!」


 むむ。この子、こんなにツッコミを入れる子だったっけか? お母さんはそんな子に育てた覚えはありません!


「あなたには助けられましたけど育てられた覚えはありませんよ!」


 はぁ、まったくこの子は……。って、さっきから心の声が彼女に読まれているのだけど……。


「ぜ、全部声に出てましたよ」


「…………ぽっ」


「なんで頬を染めるんですかっ」


「で、な、なんで君がここにいるの? 逃げたはずじゃ?」


 そうだ、確かに彼女は逃げていった。本来なら僕よりも遠くへ逃げているはずで、ここにいるのはあきらかにおかしい。


「あなたを助けに来たんです!」


「…………はっ?」


「今度は私があなたを助ける番です!」


 彼女は胸の前で握り拳を作り、笑みを浮かべた。


「え、えっと、じゃ、何か策を考えているの? それとも何かアイツを倒せるようなものを……」


「いえ、何も持ってきていませんし、考えてもいませんよ」


「即答!? てか何もないのにそんな自信満々に言わないでよ!」


 やばい。大声出したらまた傷口が痛み出した。僕は胸の傷口を手で押さえ、重くなった足を必死に動かし前へと進む。
まだ間に合うかもしれない。今はできるだけアイツから遠いところへ逃げなければいけないのだ。僕の血痕の跡を追って、アイツがまた襲ってくる可能性だって高い。


「今ならまだ間に合う。大丈夫。僕も止まるきないから、君は先を行って——「もう……遅いです」
ッ!」


 震えた声を出して一点を見つめる彼女に、僕も同じように彼女が見ている方向へと目を向けると、そこには顔中黄色い液体を塗りたくり、眼を血まよらせ、鼻息を荒くさせた『アイツ』がいた。


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