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    恋時計 *半実話*
日時: 2011/05/15 17:44
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/

 



 チクタクチクタク、時計の針は進んでいく……——
 時間は二度と戻らない、私達は少しずつ、大人になっていくんだ……
 
 ( 恋時計 )


 宣伝文(作、山下愁様) >>0888


 -----


 (〓注意点※必ず読んでね)


 ・登場人物ゎ、ほぼ実在しますが全員仮名です
 ・舞台になってる学校は、小中一貫ですが、実際通ってるのは、普通の小学校&中学ですッ
 ・時々、ダークというか重い話がでてきます><
 ・書き方がコロコロ変わってます
 ・ガチの恋愛系というより、青春系です(ぇ)主人公以外の話もでてきます(何


 別にぃーよ?って人ゎ、スクロールしちゃって!
 


 (〓もくじ)

 小6編

>>0001 登場人物紹介01 >>0002 登場人物紹介02

>>0003 第1話 >>0007 第2話 >>0008 第3話 >>0016 第4話 >>0017 第5話 
>>0019 第6話 >>0023 第7話 >>0030 第8話 >>0032 第9話 >>0038 第10話 
>>0040 第11話 >>0041 第12話 >>0049 第13話 >>0054 第14話 >>0063 第15話 
>>0064 第16話 >>0073 第17話 >>0074 第18話>>0077 第19話 
>>0009 特典バンド


 中1編

 >>0080 登場人物紹介01 >>0081 登場人物紹介02

 >>0082 第20話 >>0088 第21話 >>0089 第22話 >>0095 第23話 >>0102 第24話 
 >>0104 第25話 >>0106 第26話 >>0119 第27話 >>0151 第28話 >>0154 第29話 
 >>0170 第30話 >>0181 第31話 >>0191 第32話 >>0209 第33話 >>0210 第34話 
 >>0217 第35話 >>0218 第36話 >>0219 第37話 >>0222 第38話 >>0223 第39話 
 >>0266 第40話 >>0271 第41話 >>0287 第42話 >>0303 第43話 >>0321 第44話 
 >>0331 第45話 >>0332 第46話 >>0338 第47話 
 >>0176 特典バンド


 中2編


 >>0348 登場人物紹介01 >>0349 登場人物紹介02 >>0350 登場人物紹介03 

 >>0351 第48話 >>0359 第49話 >>0375 第50話 >>0388 第51話 >>0402 第52話 
 >>0404 第53話 >>0407 第54話 >>0410 第55話 >>0423 第56話 >>0429 第57話
 >>0443 第58話 >>0444 第59話 >>0458 第60話 >>0469 第61話 >>0477 第62話
 >>0481 第63話 >>0500 第64話 >>0504 第65話 >>0505 第66話 >>0506 第67話
 >>0509 第68話 >>0525 第69話 >>0528 第70話 >>0540 第71話 >>0543 第72話
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 >>0573 第78話 >>0578 第79話 >>0621 第80話 >>0626 第81話 >>0669 第82話
 >>0706 第83話 >>0707 第84話 >>0724 第85話 >>0749 第86話 >>0750 第87話
 >>0756 第88話 >>0758 第89話 >>0766 第90話 >>0772 第91話 >>0776 第92話
 >>0780 第93話 >>0781 第94話 >>0787 第95話 >>0810 第96話 >>0813 第97話
 >>0816 第98話 >>0819 第99話 >>0824 第100話 >>0918 第101話 >>0923 第102話
 >>0937 第103話 >>0940 第104話 >>0941 第105話 >>0943 第106話 >>0944 第107話
 >>0945 第108話 >>0957 第109話 >>0964 第110話 >>0969 第111話 >>0974 第112話
 >>0975 第113話 >>0977 第114話 >>0983 第115話 >>0986 第116話 >>0987 第117話
 >>0990 第118話 >>0991 第119話

 >>0579 特典バンド >>0636 特典(学校)



 番外編

 >>0556 今後の更新予定番外編リスト

 「眉抜き中」
 
 >>0580 概要説明 >>0586 >>0600 >>0604 >>0605 >>0606 >>0607

 「PINKYGIRLS〜軽音楽との出会い〜」

 >>0713 >>0716 >>0717 >>0718 >>0719 >>0720 >>0721

 「My memory」

 >>0842 >>0856 >>0862 >>0876 >>0880 
 >>0885 >>0891 >>0905 >>0906 >>0911

 
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 (〓お客様)
 
 ちか様 美衣様 茜様 優美様 闇に光様 インク切れ様 夢乃様 りま様 
 あやめ様 rara様 絵磨様 未羅様 悠菜様 みるく様 璃瑚様 tapi様
 結衣様 結菜様 苺香様 山田涼子様 春音様 宇莉様 真桜様 月翔様

 総勢[23]名のお客様!感謝感謝、スマイルフォーユー(は
 
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Re:     恋時計 *半実話* ( No.502 )
日時: 2011/03/01 22:49
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照: http://noberu.dee.cc/bbs/uploda/src/file36.png



↑美愛怜龍香絵康辰優孝


10人も描いたのはぢめてっ……(ぇ
けいおんのトレスだけど、うん←
なんかこの面子でラインダンスしたい(何急に

美「はいはい、はい!」
愛「うふうふ、ふっ」
怜「でろっww愛可w」
龍「おいお前等まぢめにしろよ」
香「ちゃきーん!」
絵「……ぶw」
康「いたっ、足つった」
辰「揃わない…」
優「オウフwwwwwwww」
孝「そろえろよ」

↑ラインダンスしたときのセリフ(ぇ

Re:     恋時計 *半実話* ( No.503 )
日時: 2011/03/02 19:41
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  2年生もぁと15日





 第65話




 「あっ、香織ちゃん、待って!」



 部活が終わり、現在6時半。鞄を持っていそいそと音楽室を出て行く私を、桜先輩が呼び止めた。


 「なんですか?」


 私はゆっくりと振り返って、桜先輩のほうを向いた。


 「今日水曜で絵磨ちゃん塾だから、いないでしょ? 一緒に帰らない」
 「あっ……ごめんなさい、ちょっと急用があるんです」
 「そぉ? じゃあまた明日ね!」
 「はい、さよなら!」


 私は桜先輩に背を向けてそういうと、一目散に階段をかけあがった。
 ——行ったらダメ、桜先輩たちと帰って
 ——約束すっぽかしちゃえ
 なぜか、もう1人の自分がそういってる気がした。でもそんなのどうでもよかった。何故か、足が勝手に動くのだ。屋上まであと……少し。私は、屋上のドアを「バンッ」と勢いよく開けた。息が切れる。


 「来たか、七瀬」


 怜緒が、ポケットに手をいれながら、ゆっくりと近づいてきた。私は……目を疑った。
 怜緒の後ろには、暮れかけの夕日の逆光を浴びる、美里奈に、愛可に——……





  優志。






 「……え?」



 私は目を丸くして、思わず声がでた。3人は、屋上のフェンスにもたれかかっている。すると、怜緒が口を開いた。



 「今日は、お前に話したいことがあって、ここに呼んだんだ」
 「いやぁ〜香織、昼休みも放課後もいっつも絵磨と一緒だからさぁ、呼び出すの手こずったわぁ、まぢで」
 「水曜絵磨が塾でいないってきいちゃったもんねー」


 怜緒、美里奈、愛可がタチの悪い顔つきで、順番にそういった。


 「何話って」
 「……わかってるくせに」


 私が3人を睨みながらそういうと、怜緒は私をあざ笑った。



 

保留、ごはんたべてくる(ぇ

Re:     恋時計 *半実話* ( No.504 )
日時: 2011/03/02 20:40
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  2年生もぁと15日



 第65話




 「あっ、香織ちゃん、待って!」



 部活が終わり、現在6時半。鞄を持っていそいそと音楽室を出て行く私を、桜先輩が呼び止めた。


 「なんですか?」


 私はゆっくりと振り返って、桜先輩のほうを向いた。


 「今日水曜で絵磨ちゃん塾だから、いないでしょ? 一緒に帰らない」
 「あっ……ごめんなさい、ちょっと急用があるんです」
 「そぉ? じゃあまた明日ね!」
 「はい、さよなら!」


 私は桜先輩に背を向けてそういうと、一目散に階段をかけあがった。
 ——行ったらダメ、桜先輩たちと帰って
 ——約束すっぽかしちゃえ
 なぜか、もう1人の自分がそういってる気がした。でもそんなのどうでもよかった。何故か、足が勝手に動くのだ。屋上まであと……少し。私は、屋上のドアを「バンッ」と勢いよく開けた。息が切れる。


 「来たか、七瀬」


 怜緒が、ポケットに手をいれながら、ゆっくりと近づいてきた。私は……目を疑った。
 怜緒の後ろには、暮れかけの夕日の逆光を浴びる、美里奈に、愛可に——……





  優志。






 「……え?」



 私は目を丸くして、思わず声がでた。3人は、屋上のフェンスにもたれかかっている。すると、怜緒が口を開いた。



 「今日は、お前に話したいことがあって、ここに呼んだんだ」
 「いやぁ〜香織、昼休みも放課後もいっつも絵磨と一緒だからさぁ、呼び出すの手こずったわぁ、まぢで」
 「水曜絵磨が塾でいないってきいちゃったもんねー」


 怜緒、美里奈、愛可がタチの悪い顔つきで、順番にそういった。


 「何話って」
 「……わかってるくせに」


 私が3人を睨みながらそういうと、怜緒は私をあざ笑った。


 「勘違い女。いい加減優志も迷惑してんだよ、諦めたら?」
 「はぁ? 意味わかんない、美里奈」
 「……だから! 優志にはどんだけアピたって、届かねぇ存在なんだよ!!」


 怜緒が、強く言い放つと、愛可は突然優志のほうに近づいて……——


  優志の腕を、ぎゅっとつかんだ。



 「7月2日、愛可たちの記念日」
 「え」


 愛可はそういって、悪魔のような笑みを浮かべた。すると、美里奈も怜緒も「ははははっ」と声を出しながら、笑い始めた。そして、優志も……—— 私の鼓動は、次第に早くなっていくのがわかった。そして、はちきれそうになった。
 
 すると優志は、鞄からなにか袋を取り出して、私に近づいてきた。



 「これ、なんだかわかる?」
 「……そ、それって!」


 そう、その袋は紛れもなく……


 私がバレンタインの日にあげた、チョコだった。



 




 「食べる気、しねぇから。こんなの」







 優志は、そういって袋から手を離した。



 袋は、意外に大きな音を立てて、地面に落ちた。






 

Re:     恋時計 *半実話* ( No.505 )
日時: 2011/03/02 20:57
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  2年生もぁと15日





 ※結構複雑というか、かなりダークな表現がはいってます。注意してくださぃ!


 第66話




 私は、みつめた。
 なにをって、袋を。
 私は、睨んだ。
 誰をって、優志を。その隣に居る愛可を。その後ろで腕を組む美里奈を。腰に手を当てている怜緒を。


 
 「残念だったね。出会った日数とか、そういうのは関係ないんだよ? 好きになった長さも関係ない。その結果、愛可は優志と付き合いはじめたもん! いいでしょ? どう、香織! 嫌な気分でしょ? 泣きたいでしょ? 死にたいでしょ?」


 愛可は、目を見開いて、私にそういった。その顔は、変な顔だったけど、逆に恐ろしくもあった。
 


 「だったら手伝ってあげる! ほら、ここから飛び降りな」



 美里奈と愛可と怜緒、そして優志が私の背中を思いっきり押したので、私は突き飛ばされた。
 フェンスにもうすこしで、頭がぶつかるとこだった。


 「なした? 早く飛び降りたら? 好きな人への思いが届かないなら、もう生きてる意味ないでしょ? 美里奈もわかるよぉ〜そんな気持ち、でも美里奈わぁ、


 あんたみたいに、弱くないから、すぐ立ち直ったよ」



 美里奈はそういって、ふんっと鼻で笑った。



 「そのために屋上選んだんだよ。俺等は、お前がこれから嫌な気持ちで生きていくことがないように、サポートしてあげてんの。お前クラスでもいーっつも喋んないよな、友達だって少ないし。本当に生きてる意味あんの?」



 私はもう限界だった。なに、私がこっから飛び降りろってこと? 私の人生を終わらせろってこと? こんなことで? 馬鹿じゃないの? 私は、そんなことを思いながら、すくっと立ち上がった。


 

 「じゃあ、あんたらがこっから飛び降りたら」
 「は?」
 「よくも平気な顔でそんなこといえるね! さいっていだよ。人間として終わってる。あんたらのほうが生きてる意味ないよ!! ……いっとくけど、私は自殺なんてぜったいしないから!」


 私はそういって、愛可を思いっきり突き飛ばした。



 「7月2日、おめでとう。少しでも長く続くよう頑張ってね。まぁせいぜい、1ヶ月がいいとこだろうけど、それと優志」


 私は、真っ赤になってうるんだ目で、優志を睨んだ。



 「お前さぁ、告白の返事も放置。チョコも放置て、放置プレイ大好きなんだね。チョコいらないなら、捨てればいいじゃん。放置とか一番最低なパターンなんだけど。あんたみたいなの、もう好きじゃないから、せいぜい愛可とお幸せに!! じゃあね」



 私はそういって、精一杯笑って見せると、早々と屋上をあとにした。





 「っ……」




 私の心臓は、想像以上にはやくうごいていた。



 目頭があつくなり、とたんに暖かいものが頬を伝った。



 「っ……うっ……」



 私は、顔を押さえながら、一歩一歩、階段を降りた。


 

Re:     恋時計 *半実話* ( No.506 )
日時: 2011/03/02 21:53
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼  2年生もぁと15日



 第67話



 私が家に帰った頃は、7時を過ぎていた。私は真っ赤に腫れあがった自分の目を、鏡で確認した後、ゆっくりと階段をかけあがり、自分の部屋にはいった。そしてまず、パソコンのメールボックスを開いた。


 「 From.香織

 今から会える?絵磨 」


 
 私は、それだけ打って送信した。なんだか、画面がぼやけてきた。まだ涙がでるんだ、私。



 返信は、その10分後くらいにかえってきた。



 「 From.絵磨

 今塾終わった(− −)/
 どうしたの?なんかあったの? 」

 「 From.香織

 悪いんだけど、今から公園きて><
 最悪なことあった…… 」


 私はそれだけ送信すると、着替えることすら忘れて、外に出た。息を切らして、走った。公園まで。まだ絵磨は塾からでてきたばかりで、バス乗るから時間かかるのに。私は、はやく絵磨に会いたかった。


 日がすっかり沈み、真っ暗になり街灯だけが唯一の光を放つ、公園にはもちろん、子供の声なんてしなかったし、犬の散歩をしている人すらみあたらなかった。私は、砂場のほうに視線をやると、大きな砂山が造ってある事に気がついた。

 子供が作って、そのままおいて帰ったんだろう。綺麗にお花とか、葉っぱとかが並べられている。砂山の下のほうには、穴が開けられているから、多分これはトンネル。


 私は、その砂山に触れて……立ち上がり、その砂山を、ぐしゃ。踏み潰した。


 ぐしゃぐしゃに乱し、砂や花や葉っぱがそこら中に散らばる。もう、砂山の跡形なんてなかった。もしまだ作ってる途中だったら、きっと明日子供はこれをみて、がっくりと落ち込むだろう。

 でもいまの私は、そんなの気にしなかった。どうでもよかった。落ち込めばいいんだ。そんなの、私の傷に比べたらどうってことない。なんていう最低なことを考えた。


 「あぁああああああ!」



 私はとりあえず、荒れた。近所迷惑なのに大声で喚いた。誰がどうみても、頭のおかしい人にしかみえない。



 「香織!?」



 絵磨は、私に気がついて私の元に走ってきた。息を乱しながら、私の肩をぎゅっとつかんだ。



 「香織、香織、どしたの!? 大丈夫!? ベンチではなそ」
 「ん……」

 私は少しだけ落ち着き、絵磨に肩を抱かれながらベンチに座った。



 「……一体、なにがあったの!? これ、自販機で買ってきた。あげる」
 「ありがと……」


 私は、絵磨から冷たいリプトンをもらって、それを口にした。夜といえど、夏の夜は蒸し暑い。リプトンは、とても喉を癒してくれ、また私を落ち着かせてくれた。私はついに「実はね」と口を開いた。

 さっきまでのことを、私は涙をこぼしながら、一生懸命はなした。絵磨は、だまって、だまって、うなずきながら聞いてくれた。時折、向ける視線に写る絵磨の優しい目が、優しい表情が、さらに私の涙腺を崩した。


 「そっか……怜緒も美里奈も愛可も、三井君も……そんな人だったんだね。愛可や美里奈はともかく、三井君がそんなんだったんだってね……あの人、まぁいい人だとおもったんだけどなぁ。やっぱ、人ってさ……



 簡単に信じちゃ、いけないよね」



 私は「うん」と強くうなずいた。絵磨は話を続ける。




 「このこと、話してくれてありがとう。しかも、私なんかに。人はさ、簡単に信じちゃいけないよね。いつ裏切られるかわかんない。だから、怖いよね。うちも、怜緒の件、ショックだった。でもね?

 私は、香織のこと、信じてるよ?」
 「……っ……」


 なんで、なんで、絵磨はそんなに私に優しいの? 私、この前怜緒のこときいたとき、なにもいえなかったのに。何も力になれなかったのに。でも、絵磨は違うんだ。絵磨はね、私に優しい言葉をかけてくれた。私、絵磨だけは心から本当に信頼してるよ?


 「絵磨……ありがとう……絵磨っ、やさっ……し……いっ、ね……」
 「……あ、明日さ、家まで迎えにいっていい? 一緒にいこ学校」
 「え、いいの?」
 「うん」


 絵磨と私は、家がそんなに近くない為、行きはいつも別々だった。


 「これから、毎日迎えにいく! で、うち4組までいくわ……怜緒たちに、いってやりたいことあるから」
 「う、うん」


 絵磨はそういったけど、もしかしたらこの件で、私は学校にいかなくなるかもしれない、それを心配してそういってくれたのだ、と私は悟った。私は、零れる涙をハンカチで拭う。


 そのとき、私のおなかが「ぐ〜」と鳴り響いた。


 「……もう7時半だね。おなかすいたしょ、帰れる?」
 「うん……ごめんね、公園まで来てもらって」
 「全然いいよ、さっいこっか」


 私は絵磨と手を繋いで、公園をあとにした。
 絵磨、大好き。
 それは照れくさくて、いえなかったけどね。


 


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