コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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氷の中の花
日時: 2010/11/08 17:56
名前: 九龍 (ID: N7y5mtYW)

どうも初めまして、またはこんにちは。九龍です。

今回は、恋愛小説を書いてみます。ファンタジー要素ありですがね。
テーマは、異種族との恋と悲恋です。まぁ、最後にはハッピーにしようと思っていますがね。
ついでに、ジョッキング要素もありかもしれません。
そんな形でしか、僕は文が書けないので、すみません。

御注意
・僕が嫌い? 帰った方がいいですよ。
・僕の書く文が嫌い? 帰った方がよろしいかと。
・悲恋やファンタジーは苦手ですか。帰った方がよろしいかと。
・荒らし・チェーンメールはお断りです。速やかにお帰りください。


……これでも残ってくださるんですか?
できれば、本編も呼んで行ってくださると嬉しいです。


目次
第1幕≪枯れかけた花≫
>>3 >>6 >>9

第2幕≪枯れかけた花に水を与える者は≫
>>12 >>13 >>14 >>15 >>19


お客様
瑚雲様、真飛様

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Re: 氷の中の花 ( No.10 )
日時: 2010/11/01 20:07
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
参照: 最強次元師!!等、色々と執筆中—*

やばい、すっごい面白いですね・・・((
一気に読んでしまって、とっても気になる展開でしたっ!!
ルシファーの存在が気になりますねー・・・何なんでしょうか?w
次も楽しみにしてまぁーす♪

Re: 氷の中の花 ( No.11 )
日時: 2010/11/01 20:31
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: M/VrpNPF)

瑚雲様へ

それはよかったです。
一気読み! それはごくろうさまです。
ルシファーは……まあ、地獄の王と呼ばれる強大な悪魔でもあり、悠佳の協力者でもありますが……。
あはは。この次は、多分後で解ってきますね。
お楽しみに。

Re: 氷の中の花 ( No.12 )
日時: 2010/11/06 18:55
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: Ks1Py4Y0)

朝食を済ませ、歯も磨き、急いで制服を着る。
今日も、皆が来ないうちに登校しなきゃ。

私はいつも朝6時起きだが、他の人は7時ぐらいに起きるらしい。由愛もその例外ではない。
私は朝早くから嫌がらせを受けたくないので、早く寝て早く起きて、早く学校へ行く。
クラスメートも私より早く起きて、早く学校に行こうという気はないらしい。私が学校についても、自転車置き場には自転車は1台もなく、下駄箱にも靴は私のスニーカーと、教頭先生の靴が入っているだけだ。

シャツの袖に両腕を通し、ボタンを1つ1つ丁寧に留める。
薬指には、小さな傷跡。
昨日、こんな傷つけられたっけ?
その時、夢の中で薬指を誰かに切られたな。その人の名前までは覚えてないけど、綺麗で優しい少年だったから、結構記憶に残っている。
ブレーザーを着て、ボタンを留めて、リボンをつける。
ストッキングをはいて、スカートもはいて、壁に掛けてある鏡の前に立った。

鏡には、綺麗に制服を着こなした私が立っていた。
よし、今日も完璧だ。

そう思いながら、時計を見てみる。
7時5分。よし、そろそろ行くか。
階段を下りてすぐ前にある玄関で、水色のスニーカーをはく。
玄関のドアを開けると、義母が手を振っていた。
私も手を振って、行ってきます。と言った。

私の家は学校に近いので、自転車で行かなくてもすむ。
いつも、15分ぐらい歩くと、学校に着く。
私は早歩きで学校へと向かった。

学校の玄関でいつものようにスニーカーを脱いでいると、不思議なことに気がついた。
私と教頭先生以外の靴が、下駄箱に入っている。
その靴は、私と同じ学年の下駄箱に入っていて、名前が書いてあるはずのプレートには、まだ名前が書かれていないようだ。
転校生かな? それとも、まだ私が話したことのない人とか……?
私は疑問に思いながら、靴をはいて、1年教室に近い東階段を上って行った。
東階段を上ると、すぐそこに1年教室がある。
私が自分のクラスの教室に入ろうとドアを開けようとすると、ドアのガラスの部分から、教室の中が見えた。

そこには、1番後ろの列の窓側の席で、本を読んでいる金髪の少年がいた。
髪は金色で、耳あたりのところで結んでいて、結んだ髪を右に寄せている。
目は澄んでいるけど、どこか暗くて不思議な青。肌は白く、西洋人のようだ。
背が高く、椅子と机が少し小さいようだ。多分、クラスで1番背が高いだろう。
学生服を綺麗に着こなしていて、他の男子のように乱れた服装はしていない。

その少年が私の方を向き、ふわりと優しく微笑んだ。
私は恐る恐るドアを開け、教室に足を踏み入れた。
ドアを閉めて、自分の席まで歩いて行く途中、少年が私に声をかけた。

「おはよう、悠佳さん」

冷たく鋭い、心地のよい低めの声。
この声を聞いた瞬間、私は震えあがった。
今日見た夢を全部思い出した。確か、地獄の王と名乗る少年が私に話しかけてきたんだ。
少年の目をちらりと見ると、少年は首をかしげながら、小さく笑った。なにか、意味ありげな笑みだ。
怖い。そう感じた。
この少年は、夢に出てきた少年と似すぎているのだ。

少年に話しかけようとして、口を開く。
少年はそんな私の様子を見て、頬杖をつきながらこう言った。

「というより、また会ったな、といった方がいいか? 悠佳」

少年はそう言って、意地の悪い笑みを浮かべた。
ああ、やはり、この人と私は会ったことがある。しかも、夢の中でだ。


私の目の前にいるこの少年が誰だか聞かれたら、今なら自信を持って答えられる。
地獄の王、ルシファーだ!

Re: 氷の中の花 ( No.13 )
日時: 2010/11/06 18:26
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: Ks1Py4Y0)

今は、1時間目。1時間目は、ルシファーの紹介をするそうだ。
ルシファーは京都から転校してきた、中学生の男子生徒ということになっている。
なぜこのようなことになったのかは解らない。昼休みに詳しく聞いてみよう。

「今日は、転校生を紹介します。ルイ君、前に出なさい」

私達の担任の男性教師がそう言うと、ルシファーは落ちついた声で返事をして、教卓の右隣まで歩いて行った。
ルシファーが教卓の隣で立ち止ると、先生が話を続けた。

「今日からみんなと一緒に授業を受けることになった、榊原 ルイ君だ」

先生がそう言うと、ルシファーは上品な微笑みを浮かべた。
すると、周りのクラスメートが小声で話し始める。
ルシファーは綺麗な男性だし、転校生が珍しいので、クラスメートはルシファーを興味深そうな目で見ていた。

「みんな、ルイ君に質問はあるか?」

先生がそう言うと、クラスメートがルシファーに容赦なく質問を投げかけてくる。
ルシファーはその質問1つ1つに、ていねいに答えていた。
そんなやり取りが数分続き、ついに1時間目は転校生の紹介と、質問だけで終わってしまった。
ルシファーが席に戻ると、クラスメートがルシファーの周りを囲んだ。

「ねぇ、ルイ君ってハーフなの?」

私をよく思っていない人の中では、1番の権力者の少女、新宮 凛がルシファーにそう聞く。
凛は少しだけ茶色の混じった、肩まである黒髪に黒い目の可愛らしい少女だ。
由愛は八方美人で、誰とでも仲がいい。凛とも例外ではないようだ。
学校では凛がいるので、由愛は私と話そうとしない。
私にはそれが、とても怖くて、寂しく感じられた。
この教室には、私の居場所なんてないんじゃないかと思う時もあった。

「僕の父は京都出身で、僕の母はフランス人なんです」

ルシファーは凛の問いに、落ちついた声で答えた。
落ちついていて、上品な振る舞い方。まるで大人のようで、でも、このクラスになじんでいる。
私とは、違う。

私はそう思い、手を強く握る。
ルシファーは私の視線に気がつき、小さく笑って、こちらを向いて小さく手を振った。

その途端、ルシファーに質問していたクラスメートが一斉にこちらを向く。

「ルイ君、悠佳のこと知ってるの?」

由愛がルシファーにそう聞く。
ルシファーは綺麗に微笑んだまま、質問に答えた。

「悠佳さんとは、知り合いのようなものなのでね」

ルシファーの答えを聞き、クラスメート全員が目を丸くして私の方を見ていた。
私は驚きながら、クラスメートと目を合わせないようにして、次の時間に使うファイルを取りに行った。
その時ルシファーと目があったから、私はルシファーを思いきり睨んでやった。
ルシファーはそんな私を見て、意地の悪そうな笑みを浮かべた。

でも、こんなやり取りをできる相手ができたと思うと、私はとてもうれしかった。

Re: 氷の中の花 ( No.14 )
日時: 2011/03/02 16:16
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: VDwmPbKC)

あぁ、何なんだ、もう。
私はそう思いながら、ため息をついた。

今は、昼休み。
クラスメートは体育館で、バスケットボールでもして遊んでいるのだろう。
だが、私は教室に残り、自分の席に座っている。
窓があいていて、白く薄いカーテンがひらひらと風に揺れる。
窓際でカーテンを黙って見つめているルシファーを見て、私はまたため息をついた。

授業前にクラスメートが私に嫌がらせをするたびに、ルシファーは私を助けてくれた。
だが、そのたびに由愛に、ルシファーのことを質問された。
私はその質問に答えるだけで疲れてしまった。
それも、由愛の質問が多すぎるからだ。
ルシファーは皆から質問されていたし、私に対する嫌がらせを止めているから、私より疲れているはずなのに、なんであんな涼しい顔をしているんだろう。

「どうした、悠佳。何やら疲れているようだが」

ルシファーが、私を見ながらそう言った。
私は頬杖をつきながら、ルシファーに由愛のことを話す。

「由愛、あなたにとても興味があるみたい。由愛、ルイになんか言ってた?」
「私はあのような者達の言葉をいちいち聞く気はない」

ルシファーは私の質問に、考える時間もとらずにそう答える。
考える様子もないところを見ると、本当にクラスメート達の質問を真面目に聞く気はないらしい。
なんだかクラスメートが可哀そうに思えて、私は苦笑いを浮かべた。

「あの者達の話をいちいち聞いていたら、どうにかなってしまいそうだからな」

ルシファーが頭を抱えながらそう言う。
私はそんなルシファーを見て、クスッと小さく笑った。
ルシファーは私が笑ったところを見て、苦笑いを浮かべる。

「お前はいいな。無駄なことはななさず、あの者達とは違う。一緒にいていて、とても楽だ」

ルシファーがそう言って、そっと微笑んだ。
作ったものでも、特別なものでもないが、クラスメートにはあのような微笑みは見せない。
いや、見せようともしていない。という方が正しいだろうか。
私がその微笑みを見ていると思うと、なんだか複雑な気持ちになった。
クラスメートに見せないような微笑みを、どうして私に見せるんだろう。
私に見せているあなたの微笑みは、はたして、本物のあなたの微笑みなのだろうか。

そのような考えが浮かんだが、その考えをすぐに頭から打ち消した。
私、私のことを守ってくれる人のことまで疑ってるんだ。
そう思うと、自分が凄く醜いと思えてくる。

「ルイ」

私が名前を呼ぶと、ルシファーは何の感情も感じられないような顔で、私を見た。

「あなたは、私の事をどう思っているの?」
「どうした、突然」

私の質問に、ルシファーは初めて驚くようなそぶりを見せた。
突然このようなことを聞かれたら、誰でも驚くだろう。
だが、彼が私をどう思っているのか、知りたかった。
私を他の人と違う目で見ているのは解っている。
でも、私をどう見ているんだろう?
彼の私を見る目は、優しい。でも、なんだか不思議なものだった。
本当の彼の意見を聞きたいと思った。

「お前は強く、無駄なことはしない。お前を嫌う者達より、優れていると思うぞ」

ルシファーはそう言って、少し心配そうな目で私を見る。
嘘を言っているようには、見えなかった。

「どうした、突然そのようなことを聞いて。お前は、自分が嫌いか?」

ルシファーが、私にそう聞いた。
私はその言葉を聞いて、俯いた。

「解らない」
「解らない?」

私の言葉を聞き、ルシファーは目を丸くした。
私は、自分が嫌いなのかもしれない。
他の人とは違う私が嫌いなのかもしれない。

他の人とは違う面を受け入れたつもりでも、本当は心の奥底で、反発しているかもしれない。

私って、一体何なんだろう。私は、自分をどう思っているんだろう。
そんな疑問が、初めて頭に浮かんだ。


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