コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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-Rifle Gilr.
日時: 2011/01/07 21:27
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

こんにちは、羽世渡(パセリ)といいます。

私は今回、-Rifle Gilr.(ライフルガール)という小説を書きたいと思います。
最初は少し病んでる主人公が、ライフルと少年をきっかけに・・・
最後はハッピーエンドにする予定です。

まだまだ未熟ですが、ぜひ立ち寄っていってくださいね。


※主人公は愛彩ですが、目線は風生で行きます。

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Re: -Rifle Gilr. ( No.5 )
日時: 2011/01/09 11:28
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

03-雨の舞



ある日のこと。

あいつは昼食の席をいきなり立った。
それまでのざわつきが嘘のように、
みんなして、あいつを見た。
「女王のやつ、今度は何しでかすんだ?」
1人の男子生徒がそう意地悪そうに言っても
あいつは振り向きもしなかった。

「おい、みんな、ついてこうぜ。」
食堂を出て行こうとするあいつに、
たくさんの行列ができた。

あいつが向かった場所は、雨の降る中庭だった。
緑色した草が(実際は雑草)おいしげっていて(ボーボー伸びていて)
普段は誰も行かない場所だった。
あいつは、それを知っていたのかもしれない。

いつの間にか、行列は後ろが見えないほどになっていた。
あいつと同じクラスの奴らも、ちがうクラスの奴らも、
あいつを気にしている上の学年の者だって、行列に参加したのだ。
俺もこっそり参加した。
だってこれは、あいつを観察するいいチャンスになるかもしれないのだから。

あいつは中庭の真ん中までゆっくりと歩いた。
なぜか、そこまでたどり着けさせないような壁があって
みんなは中庭の入り口に、どっと固まった。
雨が降って、髪がぬれても気にせずに。
食べている途中で、口にケチャップがついていても、だ。

あいつはちょうど真ん中につくと、一呼吸おいてから、
なんとくるくると回りだしたのだ。
その綺麗な長い髪と、うすい水色のワンピースは
今日のために用意してあったかのように、
優雅にうずを巻いたり、静かにきらめいたりした。
何分たってからだろうか、女子生徒があいつと同じように裸足になり、
制服のリボンも脱ぎ捨てて、我先に、と真ん中に集まって
あいつを取り囲むように、あいつをたたえるように、
みんなでくるくると回り続けた。
目が回ったら、一呼吸おいて雨を感じる。
男子生徒はただそれを、ポカーンと眺めるしかなかった。

でも、その日から確実にあいつを入れないための“壁”が、
ガタガタと音を立て、くずれていったのだった。

Re: -Rifle Gilr. ( No.6 )
日時: 2011/01/13 21:21
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

04-眼差し



それからというもの、あいつの真似をしたり
あいつを尊敬する、という者まで現れた。
あいつのあだ名は『女神』となり、
様までつくようになったのだった。

こうして確実に壁がなくなっていったのだった。

だが、あいつは嬉しがる様子もなく、
いつも通り、普通に過ごしていた。

ただ1つ、変わったのはみんなへの接し方。
前はただ、愛想よく笑顔を振りまくだけだったのに
愛想もよく、よく、言葉までしっかり交わしたのだった。

こうしてあいつは、この町の嫌われ者から人気者へとどんどん変わっていったのであった。
あいつを批判する者も減り、やっと“元”に戻れたような気がした。
だが、これは元ではなかった。
これは少し後から気づいたことだったが、
着々とこの町の色は『何もないまっさらな白』から、

『音と楽が溢れる幻想的な色』

       と、化したのであった。

Re: -Rifle Gilr. ( No.7 )
日時: 2011/01/13 21:22
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

いちほした話を、更新しました。

Re: -Rifle Gilr. ( No.8 )
日時: 2011/01/14 21:19
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

05-救いの手



 —ここまでが、あいつが来てからの“お話”である。
本当の物語はここから始まる、なんてよく言うけれど
そこまで本当とは言えない。
だって、今までのことだって本当だし、
あいつは確実に生きている。
生身の、ちゃんとした、本当の、人間なのだから。—



最近学校では、あいつの誕生日が話題となっている。
それまでは、『アメリカ出身で都会育ちなんだ』とか、
『父は大学教授、母はデザイナー』などのあくまでも噂、
が流れていた。

(俺的には、父と母の話は信じれる。
あんな文才と、個性あふれる服のセンスは、どこから来るの?
と問うとそんな答えが返ってくるだろう。)

そして今回は、誕生日の話題だった。
小学校の頃は、好きな子の誕生日を聞いて
その子の好きなものを誕生日にプレゼントしたものだ。
だが、あいつの誕生日を知る者はいなかった。
誰にも明かさないからこそ、みんなは面白がったのだ。

“自分が思う、愛彩の誕生日の日にプレゼントを渡す”

というやり方が、いつの間にか定着し、
みんなが誕生日プレゼントを用意しては、
その日が来ると「待ってました」と言うように、
私のプレゼントが1番気にいられる、と
あいつに満面の笑みで渡すのだった。
だがあいつは、何とも応じない。
ただ相手よりさらに上の笑みで、ありがとうと言うのだった。

そんなことが続いて、あいつの部屋はもうプレゼントで埋まった(と思う)頃。
1人の奴が祝福、歓迎された。

『南原 雨流派』だった。

彼女は、明るくて人気者というタイプでもなく
特別暗いタイプという訳でもなかった。
簡単に、一言でまとめると目立たないだけだった。
彼女は最初は、目立ちたい、目立とうと努力したらしい。
だが努力もむなしく、みんなが笑えば笑い、みんなが泣けば泣こうとする。
そんな子になったのだ、という。
・・・でもそんな彼女に、神は笑顔を見せたのだ。

あいつの誕生日だと思う、と彼女、雨流派はみんなと同じようにただプレゼントをあげた。
たまたまその日は、彼女以外誰もあいつにプレゼントを渡さなかった。

「6月29日。奇跡は起きる。」
俺は少しオーバーに、日記を記した。
何せ、この日はのちに『はる感謝デー』とされるようになった特別な日なのだ。
雨流派は、あいつに大いに気にいられた。
なぜなら・・・もうおわかりだろう。

あいつの誕生日を当てたのだから。

Re: -Rifle Gilr. ( No.9 )
日時: 2011/01/14 21:31
名前: 羽世渡 ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)

06-変わり様



それから、雨流派はすっかりあいつに気にいられ、
お昼も一緒に食べ、移動教室は一緒に歩く。
体育館では、並び順を無視し(あいつだけ)、一緒に座る。

俺的には、雨流派はあいつと仲良くなりたい奴らに、
いじめられたり、妬まれたり、陰口を言われたりするだろうと思っていた。
思い込みとは良くないものだ。
雨流派はみんなに好かれ、表情も性格も明るくなり、
この学校で、2番目の人気者となったのだ。

すぐさま、女子は雨流派にあいつの全てを聞こうとした。
雨流派は答えなかった。
あいつに口止めされている、と断った。
それでも周りは、雨流派を攻めたりしなかった。
きっと、あいつに嫌われてしまうと思ったのだろう。
だから雨流派にとっては、すごく幸運なこととなったのだ。
念願の人気者になれ、それにあの愛彩とぐっと近づけたのだから。

学校の先生たちの間でも、愛彩はすごい力を持っている。
と言われるようになったのだ。
そう、全てをひっくり返せるような、力だった。
例えば、いじめっ子を説得して、この学校からいじめをなくすこと、とか。
残念ながら、この学校にいじめはなかったが、
ちょっとした嫌がらせなどは、陰でまだ続いていた。
あいつは、先生の言いたい事、やってほしい事を見抜いているかのように
すかさず、止めに入ったのだった。

そんなこんなで、あいつと雨流派は、みんなから絶大な声援を受ける
たたえるべき、人物たちとなったのだった。


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