コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- アローン・パニック
- 日時: 2011/03/20 19:47
- 名前: こはな ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)
はじめまして。
ここでの小説は初めてとなります、こはなです。
春から中1の12歳です。
駄小説になるとは思いますが、
コメントや応援してくださると、嬉しいです。
よろしくお願いします!!
(アローンパニックのアローンとは、独りという意味です。)
- Re: アローン・パニック ( No.4 )
- 日時: 2011/03/20 20:15
- 名前: こはな ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)
/02
もしかしたら、私の家族が帰ってきているかもしれない。
無駄だと思う希望を捨てきれずに、
まるで地獄のような家の中を歩き回る。
「お母さん、お父さん、お兄ちゃん!」
何度呼んでも届かない。
結局、家族全員帰ってこなかった。
「どうして。」
食欲がわかず、1日中テーブルの下で泣いていた。
怖い、恐ろしい、明日へと進みたくない。
避難所に行けば助かることはわかっている。
でもきっと、身寄りのいない私は、
警察かなんかにつれていかれて、里子になってしまう。
他のお母さんなんて、知らないお父さんなんて、血のつながっていないお兄ちゃんなんて、
絶対にイヤだ。
「そうだ。」
ガレキをかきわけて、冷蔵庫にあった少しの食料と、水。
それから、本とペンケースとノート。ティッシュ。財布。
生活するのに最低限必要なものを、バックに詰め込み、
私は家をでた。
- Re: アローン・パニック ( No.5 )
- 日時: 2011/03/20 20:28
- 名前: こはな ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)
/03
里子もイヤだけれど、ホームレスもイヤだった。
でもだからと行って、行くあてがあるわけでもなかった。
ふらつきながら、夜中の町を歩き回る。
どこか人目につかない場所へ、明かりのないほうへないほうへと
自分が今どこにいるかもわからないのに、歩く。
「っ!」
ボーっとしながら歩いていると、なにかにつまづいた。
そして私は宙を舞った。
着陸した。見事に。頭から。
目を開けると、アスファルトの上でうつぶせになっていた。
いっぺんにたくさんのことが起こって、
今私の頭は、パンパンにふくれあがって物事を処理できていない。
「・・・そうか、転んだんだ。」
ちっちゃな石につまづいただけかもしれない。
でも私はぼろぼろの意思に大きくひっかかっている。
痛い、すごく痛い。何もかも、どこもかしこも痛い。
頬に触ると、ジンジンした。
急に寂しくなった。
今、私は何をやっているの?
どうして生きているの?
「私は今、この世の中に必要なのだろうか。」
涙があふれでる。
「会いたいよ・・・。」
- Re: アローン・パニック ( No.6 )
- 日時: 2011/03/20 20:39
- 名前: こはな ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)
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コツ、コツ、
と、後ろから足音がする。
「誰っ!?」
振り向くと、そこには人が立っていた。
でも、暗くてよく見えない。
「古夜 利人。君が会いたいと言ったから、来たんだ。」
「私が・・・?」
「そう、君が。」
その人は、腰を深く曲げて挨拶した。
真っ黒な髪に、真っ黒な目。
ジーパンに黒のジャケットをはおった彼は、今の私には王子様にしか見えなかった。
「君はずいぶん、困っているようですね。」
彼は私の顔をのぞきこんで、こう言った。
「手を貸してあげましょうか?」
彼は私に手を差し伸べて、不思議な笑みを浮かべた。
私がそーっと手を伸ばして、ゆっくり立ち上がった時も、
またその笑みを浮かべた。
「あなたって、変。」
「それはそうでしょうね。あなたと変わらないぐらいおかしい。」
やっぱりさっき思ったことを撤回しよう。
私はてっきり、この可哀想な少女を助けてくれるのかと思っていた。
でも彼は手を貸すの意味を知らない。
「もう、いいわ。どうもありがとう。」
一応笑ったつもりでいた。
しばらくの沈黙の後、私はまた歩いて行った。
「ちょっと待って。まだ君に伝えたいことがあるのです。」
ふりむくと、彼はこれで3回目の笑みを浮かべていた。
「僕は、君を助けてあげたいのです。」
- Re: アローン・パニック ( No.7 )
- 日時: 2011/03/20 20:43
- 名前: ミルク♪ ◆iMkK2JmDbs (ID: nUPupIAw)
- 参照: 恋する乙女の皆さんに
嫌な事があると、何でここに入るの、何で生まれてきたのとかホームレスは、つらいよね。
バイバイ。 ミルク♪より
- Re: アローン・パニック ( No.8 )
- 日時: 2011/03/20 20:46
- 名前: こはな ◆zK1NnKGOB. (ID: E7aQ60YV)
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それから数日間の間、
利人は私にくっついて片時も離れなかった。
「本当に私を助けようと思ってくれているの?」
「ええ、もちろんですとも。」
最初は助けてもらえるなんて嬉しかった。
でもまだ信じきれていないし、不安。
それに、あまり仲良くなれないでいた。
「怖いんですか?」
「え?」
「災害と、世の中と、僕が、怖いんですか?」
利人の真っ黒な瞳に、私は吸い込まれそうになった。
かっこよくて?・・・ちがう。
恐ろしくて?・・・ちがう。
「そんなんじゃない。」
「じゃあ、どうしてずっと震えているのですか?」
私は自分の体を触ってみた。
「ちがいます、心が震えているのです。」
利人はまっすぐな目で訴えた。
嘘はつきそうにないけれど、信じられなかった。
「エスパーか何か?じゃなかったら、私の中身をのぞきこむのはやめて。」
「はい、失礼いたしました。」
あっさりあやまってくれたけど、きっとまだ心をのぞいている。
私は、かっこいいけれど不思議な利人が怖かった。
私は今、騙されている?
ちがってほしい。
じゃあ私は今、何に向かって歩いてる?
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