コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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裏も表も縦も横も上も下もない恋愛をしています。
日時: 2011/04/07 19:50
名前: SIGNAL (ID: 4mrTcNGz)

 初めまして!!

 超思いつきの小説ですので、結構、行き当たりばったりかもしれませんが、優しく見守ってやってください……。

注意事項

・初心者〜中級者の、ド素人小説です。ご了承ください。

・コメント、アドバイスは大歓迎です!

・宣伝おkです! 皆さんとも仲良くしたいですし、じゃんっじゃん、コメントしに行きます! 

・他の読者様への中傷、暴言はご遠慮ください。

・荒らしなどの対処は、スルーということでお願いします。


 とゆーわけで、亀更新だかミミズ更新だか分からないですが、ちょこちょこ読んでくださると嬉しいです!

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Re: 裏も表も縦も横も上も下もない恋愛をしています。 ( No.1 )
日時: 2011/04/07 20:07
名前: SIGNAL (ID: 4mrTcNGz)

ぷろろーぐ『リバーシ対決』

 憎悪は、愛情の裏返しと言う。
 嫌悪は、好意の裏返しと言う。

 しかし——私のこの気持ちに、裏側はないと断言できる。

 「憎悪」の対義語は「愛情」でなく「無干渉」だし、
 「嫌悪」の対義語は「好意」でなく「無関心」なのだ。

 しかし、私は、奴に対して、無干渉にも無関心にもなれない。
 
 嫌でも、奴のことを意識してしまう。
 嫌でも、脳内に奴のことが刻み込まれている。

 だから。

 ただ、単純に。
 ただ、純粋に。


 奴のことが、大嫌いなのだろう——。


 ……しかし、もしも。


 もしも、憎悪の裏側が、愛情ならば。
 もしも、嫌悪の裏側が、好意ならば。


 私は、奴を誰より愛していて。
 私は、奴を誰より好きなのだろう——。


 裏返されたら、負けの勝負だとしたらの話だし、何より。


 まあ、私が奴に負けるわけがないけれどね。


 


 

 

Re: 裏も表も縦も横も上も下もない恋愛をしています。 ( No.2 )
日時: 2011/04/07 20:18
名前: SIGNAL (ID: 4mrTcNGz)

Cast   登場人物

・鹿波上総 kanami kazusa (16)
・陽炎表裏 kagerou hyouri (17)
・海坂桜羅 umisaka sakura (16)
・黒瀬桐生 kurose kiriu  (16)
・早乙女翼 saotome tubasa (18)
・白雪残雪 sirayuki zansetu(17)

 増殖します(笑)。




Re: 裏も表も縦も横も上も下もない恋愛をしています。 ( No.3 )
日時: 2011/04/08 17:48
名前: SIGNAL (ID: 4mrTcNGz)

壱『勝者がいるのならば、』

 当たり前だが、勝負というのは『勝ち』と『負け』で構成されている。

 何が言いたいかと言うと、勝負では『勝者』がいれば、『敗者』もいるということである。

 他のことでもそうだろう。

 例えば、何かを選ぶとき、必ず『選ばれる』者の陰に、『選ばれない』者がいること。
 例えば、人生において、必ず『生きる』者の肩には、『生きられなかった』者達の命がかかっていること。

 この物語は『勝つ』ことができず、『選ばれる』ことなく、『生きる』ことができなかった主人公こと私、鹿波上総の物語だ。


























「今日も俺の勝ちかなー?」

 にやにやと、意地悪い笑みを浮かべた対戦相手——陽炎表裏先輩は、盤に伏せていた目線を上げた。そして、上目遣いに、挑発的な視線を送り、私を見遣る。

「……やってみないと分からないでしょう?」

 私は、盤に目を伏せて、苛立ちながら言う。

「はん、負け犬の台詞だな」

 陽炎先輩は、勝ち誇ったように鼻を鳴らす。

「『宝くじも、買ってみなければ分からない』。『勝負も、やってみなれば結果は分からない』。……『大事故に遭っても、生きるか死ぬかなんて分からない』——全部、逃亡の台詞じゃねえか。本当に信念を持ってる奴は、最初っから、結果を見通せる奴だ」
「……私は、信念なんて持ち合わせてないんですけどね」

 これが、精一杯の反論だった。
 そして、どんどんと、盤が黒く染まっていく。

 私と陽炎先輩は、保健室にて、リバーシ(オセロとも言う)対決に勤しんでいる。まあ、私から勝負を挑んだのだけれど——そろそろ、決着はつきそうだ。残りのマスも少なくなってきた。

 私は白、先輩は黒。
 圧倒的に、黒が優勢である。
 これは、今回も私の負けだろう。

 今回『も』というのは、入学してから、毎日放課後に、保健室登校の先輩のもとに、果たし状を叩きつけているからだ。先輩は、大体相手をしてくれるが、月イチで断るのだ。何をしているか気になり、聞いてみたけれど『俺は秘密の多い男なんだよ』で、上手く話題そらされてしまうのが、また悔しい。

「へ、四つ角舐めんなよ」
「舐めちゃいませんよ」

 そうこうしているうちに、勝負は終わった。
 文字通り、私の惨敗だった。

「お前、どんだけ勝負好きなんだよ。もう二ヶ月くらい相手してやったけど、一回も勝ててねーじゃん。何、何なの? お前Мですか? え、そうなの? 痛い痛い痛い、オタクのお子さん痛いよ!」
「ちょっと黙ってください」

 饒舌でからかってくる先輩に、堪忍袋の緒が切れる。
 感情が態度にあまり出ないタイプだけれど、静寂な怒りって感じだ。

 ……分かっている。

 
 私は——人生に負けて、ゲームに負けた。



 私は敗者で、
 私は選ばれなかった者で、
 私は死者だから。



「……分かってますよ」
「あ?」
「分かってます、勝てないことくらい」

 私は、呟いて、保健室から足早に去る。
 先輩は「? おい!」と、私に声をかけたのが聞こえた。


 
 


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