コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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君と僕のあいだで。
日時: 2011/07/05 21:22
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)

俺の名前は、大野護。中二。
別に俺は、生徒会に入るキャラじゃない。いやマジで。
パシられてたしね。
なのに俺はいま、生徒会長やってる。
なんでかって?
それは・・・
アイツと、出会ったからだ。
アイツ・・・中川絢と出会ったのは、あの、桜舞う
日のことだった。

一章  出会い
「新入生の皆さんは、速やかに各クラスへ移動してください。」
俺が入った佐久良町立南中学校は、同小がほとんどいなかった。
で、同じクラスになった人とご交友を深められず・・・
パシリになった。入学初日のことだ。
「大野!荷物運べ!」
そんな風にからまれていた。すると・・・
「バカじゃないの?」
ぼそっと声がした。声のしたほうをみると、小柄な
少女がいた。ややきつい目つきで。
それが、中川絢だった。
「チッ・・・中川かよ・・・」
男子たちが舌打ちして、俺からはなれていく。
「え・・・?」
俺の前に来た彼女は、言った。
「君が、新しいパシリ?」
表情は、一ミリも動かなかった。
「えと・・・。」
困惑する俺に、さらに言う。
「大変だね。渋谷たち、陰険だよ。悪夢の三年間だね。」
「ほかにもいんの?」
「いたよ。小学生時代に。でも大野君が来たから助かったけど。」
もしかして・・・俺、大変な奴らに目をつけられたんじゃ・・・。
そう思っていると、彼女はさっさといってしまった。
「お礼、言ってねーし・・・。」
中川サン・・・だったっけ?
一年・・・だよな。
考えているうちに、チャイムが鳴った。

はじめまして!櫻井鈴です。クリック有難うございます★
主人公の護くんは、初恋まだの男の子です。
そんな彼が、絢ちゃんと出会いました。
この二人、どんなふうに成長していくのでしょうか。
キャラは実話、ストーリーはオリジナルです。
三日に一回の更新が目標です。
ご意見、ご感想等ありましたらご気軽にどうぞ♪
では、お楽しみいただけると嬉しいです。
それでは。

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一章 出会い   〜5〜 ( No.6 )
日時: 2011/05/10 15:41
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)

「はあああああああ・・・・・・・・・。」
「うぜえな、護。」
「うざいうざい♪」
ここは翔の家。みんなで集まっていた。
「仕方ないだろー・・・。」
ため息交じりなのは、俺。
「黙っとけ・・・。」
冷たいのは、翔。
「恋煩い!?」
テンションが異様に高いのは、蒼衣。
今日の喧嘩から、三人で翔の家に泊まろうという話になったのは、数時間前。俺のことを心配してくれた二人の配慮による。・・・のか?
「どうしよ・・・。」
「別に大丈夫じゃね?」
「平気02!!」
「余計不安だ・・・。」
「まあまあ♪今日は翔の祝勝会なんだから★」
・・・はあ?
「え・・・そうなの?」
そういえば、翔は一年生にしてサッカー部のレギュラーに決まり、今日の試合も1ゴール決めていた。そっちか・・・。
「でもさー・・・。」
翔が言う。
「本田に聞いたんだけどさー・・・。」
本田とは、中川サンの親友だそうだ。サッカー部同じくレギュラー。
「今日中川サン、様子おかしかったっぽいぜ?」
「・・・え?」
「なんかボーっとしててさあ、どうしたのって聞いたら赤い顔して
別にって言ってたんだって。」
それは・・・。まさか・・・。
「脈アリ!?」
蒼衣が言う。
「うっせ、蒼衣っ!!」
じゃあ・・・さっきも、本当に赤くなってたんだ・・・。
「じゃあ今から護の祝勝会、だねっ!」
二人が騒ぎ始める。でも俺は、まだわかんないことがある。
「俺・・・、アイツが、好き・・・なのか?」
つぶやいたが、聞く人はもういなかった。




これが、俺の初恋の・・・始まり。
絢に見つかりそうだから、また後で。



≪一章  終≫

二章  戸惑い  〜1〜 ( No.7 )
日時: 2011/05/10 18:06
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)


俺は、今まで一人でいいと思ってきた。
これからも、ずっとそうだと思ってきた・・・。

だけど、でも。
アイツに出会えて。
俺も、少し変われた・・・と、思う。

なあ、絢。
お前も、そう思うだろ?


二章  戸惑い
翔の家に泊まった次の日。
三人でしゃべりすぎて、やや寝不足。
と。ぼうっとしていた俺に、声がかかった。
「大野君ー!!お呼びー!!」
そこにいたのは、見たことない女子だった。
「大野君・・・だよね?」
向こうもあんまりわかってなさそうだった。誰、コイツ?
「あたし、絢・・・中川サンの親友の、二宮由衣。」
眼鏡をかけた彼女は、早口にそう名乗った。
「え・・・中川サンの?」
思わず声が出てしまった。
「そう。でさ、ちょっと話、いい?」
優しそうな女子だった。中川サンとは正反対だと思う。
「あ・・・。いいけど。なに?」
「ここじゃ話しづらいから。じゃあ、放課後、図書室に来て?」
「うん。」
二宮サンはそういうと去って行った。
なんだろう・・・?
その日は、なんだか落ち着かなかった。
理由はもう一つある。
渋谷たちが、新しいパシりをつくっていた。
まあいいんだけどさ。パシられないに越したことはない。

「で?なに、話って?」
そういえば思い出した。同じ部活だ。気付かなかった。
「あ・・・うん。」
なかなか言いにくそうだった。
「あのさあ・・・。ぶっちゃけ、絢のこと、どう思う?」
単刀直入な質問だった。持っていたカフェオレにむせる。
「ゴホッ・・・。あ、ごめん。なんで?」
「絢・・・ね。初恋なんだよ。」
「ほう。で、誰に?」
「・・・大野君に。」
いよいよむせる。
「えと・・・。大丈夫?」
「あ、大丈夫。」
「絢は気付いてないけど。」
「はあ?じゃあなんで?」
「だから、恋ってものを分かってないのっ、絢は!!」
奇遇だ。彼女も俺と同じらしい。
「いやあ、俺も分かんないけど。」
「ええっ!?ウソ・・・。やだ、もうっ!」
勝手にキレ出す。見た目と中身は違うと、つくづく感じる。
「どうしよう・・・。ああもう!」
「なあ・・・。お前さ、どうしてそんな一生懸命なワケ?」
すっと、二宮サンが真顔になる。
「絢の過去・・・知ってる?」
頷いた。
「絢さあ・・・、いままで、あたしと和也以外に心を開こうと
しなかったわけ。あ、和也っていうのは・・・。」
「知ってる。翔から聞いた。」
「あ、そう。それでね、あの子は恋もしてない。でもそれって
すっごく悲しいことなんじゃない?あ、分かんないと思うけど。」
「で?」
ちょっとイラっとしたけど、続けてもらおうじゃないか。
「だから、ね?あたしは、絢に幸せになってほしいワケ。で、
絢がずっとぼうっとしてるから、どうしたのって言ったら、大野君のこと話してくれたの。」
「え・・・。なんて?」
「入学式からのこと、全部。でも恋だよって言っても違うっていうし、
どうしようかなって。」
そこまで言うと、二宮サンは紙になにか書き始めた。
「これ、絢のメアド。とりあえず、いっぱい話、してあげて?」
それだけ言うと、じゃあ、といって行ってしまった。
紙には、メアド。
メール。
して、いいんだろうか。
とりあえず、部活に行こうかな。
でも、二宮サン、いるんだよな・・・。


その日は、部活を休んだ。
頭が痛い・・・。

二章  戸惑い 〜2〜 ( No.8 )
日時: 2011/05/25 19:02
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)

その日の夜。
俺は、ケータイを手に部屋にこもっていた。
右手にはケータイ。
左手には二宮サンからもらった紙。

「aya.love-books.0430@…」

中川サンのメアド。
ゲットできたのに、あんまり嬉しくない。
事情が事情、だからな・・・。
「はあ・・・。」
入学式以来、何度ついてきたか分からないため息。
「どーしよっかなあ・・・。」
口に出しても、誰かが答えてくれるワケではない。


結局その日は、メールは送れなかった。


「ねえ、大野君。」
にっこりと笑う二宮サンに声をかけられたのは、翌日の部活中。
「な・・・、何・・・?」
おそるおそる尋ねる。
「昨日さあ、メール、しなかった、ワケ?」
言われると思った。もちろん、言い訳はある。
「あ、えっ・・・と。家帰ったらすぐ塾でさあ、しかも塾、のびちゃってさあ。ほら、駅前の『特進塾』なの、俺。親、きびしくてさー。
中三になってからじゃ遅いっていわれて。マジでないよねー。」
言い訳したけど、彼女の表情は硬い。
「あのねえ、その言い訳で、あたしがだまされると思う?」
「・・・ですよね。」
「じゃあメールしなさいよ、メール。」
そんな話をしていると。

ガラッ

「あ・・・のーう。生徒会の用事があって来たんですけど・・・。」
中川サンが、いた。
廊下側の席に座っていた俺たちは、ちょうど近くにいた。
しかも、俺が廊下のほうを向いていた。
自然に、目を合わせる格好になる。
要するに、モロに目が合った・・・。
「あ・・・。」
中川サンもびっくりした顔で俺を見つめている。
「え・・・っと・・・。」
何秒、経っただろうか。
正直、ちょっと嬉しかった、気がする。
だが。
「あっ、由衣!!」
すぐに中川サンは二宮サンと話し始めてしまった。
「どおしたの、絢?」
「んー、なんか生徒会の先輩に言われて。黒い絵の具
貸してくんね?」
中川サンは生徒会に入っていた。
「え、絵の具?何に使うの?」
「えーっとね、目標を模造紙にでっかく書くの。」
「ふーん。ぶちょー!!」
部長を交えて話す中川サンを見て、気付いた。
俺のこと、無視した・・・?
やっぱり、あのことで・・・?
「はああ・・・。」
ため息は、増えるばかり・・・。

その夜も、メールを送れなかった。
向こうからも、もちろん何もなく・・・。


しばらくが経ってしまった・・・。


情けねえ、俺・・・。

二章  戸惑い  〜3〜 ( No.9 )
日時: 2011/05/25 19:02
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)

夏。

佐久良町立南中学校では、全員に補習が義務付けられている。
俺は、上級クラス。翔も。
そして、中川サンも。
「と・な・り。ゲットしちゃえよ☆」
ウインクした翔に励まされ、教室に入った。

いた。

窓際の一番後ろの席に座って、窓から外を眺めていた。
おそるおそる近づいて、声をかける。
「あ・・・の。中川・・・サン?」
びくっ。肩が揺れる。
「え・・・?」
驚いた顔でこっちを見た。
自信無くすな・・・。
「隣、あいてる?」
コクン。うなずく。
「じゃあ隣、いい?」
でも、座ってもなあ・・・。

無言の時間・・・。

きまずい・・・。

「あの・・・さ。」
話しかけてみた。
「なに?」
「メール・・・。」
言いかけて気付く。しまった、俺が中川サンのメアド
を知っていることは知らない・・・はずだ。
「・・・?」
不思議そうな目で見られている。どうしよう。
「メアド、教えてもらっていい?」
よし、いい感じに修正できた。が。
「え・・・。何で?」
そっか。そこの疑問が残っていた。
「え・・・っと。それは・・・。」
思わずしどろもどろ。困った。
すると。
「いいよ。別に。」
「えっ?」
案外あっさりと承諾してくれた。
「・・・ありがとう。」
すぐに、紙を渡してくれた。
「今日・・・。メール、するから。」
そのとき、意外なことが起こった。

「待ってる。」

そう言って、彼女は柔らかく微笑んだ。

チャイム。

この夏、何かが変わりそうな・・・気がした。

二章  戸惑い  〜4〜 ( No.10 )
日時: 2011/05/25 19:33
名前: 櫻井鈴 (ID: 4xHshXk8)

その夜。

例によって翔の家。
ちなみに、俺たち三人は、ともに両親が働いている。
だから、毎日泊まっている、というワケ。
俺が遅れて家に入ると、なんだかいつもよりうるさい・・・?
「蒼衣もとうとう恋に目覚めたかあ〜♪」
「うるさいっ!まだ好きとかそんなんじゃないっ!!」
蒼衣か・・・?
「おーっす。わりい、遅れた!」
ニヤニヤ笑う翔と、赤くなっている蒼衣。
「どーしたどーしたぁ?」 
いやあ実は、と言いかける翔を殴って、蒼衣が話し出した。
「いや、この補習、あたしだけ中級クラスでしょ?
で、本田君も同じで一人だったの。ちょっと話したから、どんな人かな
って。それを翔ったら勘違いして・・・。」
「で、メアドもゲットしたんだよなー♪」
翔がちゃかす。蒼衣がにらんだ。
あ。ふと、思い出した。
「そうだ、俺もメールしなきゃな・・・。」
つぶやいただけなのに二人は聞き逃さなかった。
「あれあれ〜?護もかあ★」
「や・る・じゃーん♪」
「うるさい。」
一蹴して、外に出た。昼間よりはまだ涼しい。

『title:大野です。』

『こんばんは。今日はありがとう。
メアド、聞いたのは、深い意味はないから、気にしないで。
補習の間、よろしくm(_ _)m』

ありふれているが仕方ない。送った。
すぐに返事が返ってきた。

『title:こちらこそ♪』

『こんばんは。こちらこそ、よろしくです。
大野君が隣に来てくれて、メアド聞いてくれて、すっごい嬉しかったです。ありがとう。では、おやすみなさい♪』

メールだとやけに素直だな・・・。いや、それはともかく。

嬉しかった?

どうして・・・。

やべ、惚れそう。(一度使いたかった。もっとも惚れたことないので
分からない。)

『かわいい。おやすみ。』

送ってから、ハッとした。
なにやってんだ、俺・・・。
変なこと書いてしまった・・・。
いきなりそれはないだろう・・・。
「はああ・・・。」
4月から何回してきたか分からないため息をつく。
もうひとつため息をついてから、家の中に戻った。

相変わらず、翔と蒼衣は大騒ぎしている。
これから一週間補習なのに、どうしよう・・・。


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