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聖なる夜の贈り物 【参照100突破♪感謝です】
日時: 2012/02/01 22:12
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)

はじめまして、烏兎です!

小説は読むのも書くのも大好きなんですが、
すごく遅筆というか、書いてて詰まりやすいのが悩みです>_<

若干、いや結構時季外れになっちゃいましたが、
クリスマスがモチーフの短編を書いたので
お読みいただければ、と思います♪
ジャンルは童話寄りほのぼのファンタジーです

感想や指摘などありましたら、お気軽にどうぞ!

こんな私ですがよろしくお願いします*^ω^*



——————————————————————————————



◆◇ もくじ ◇◆



第一節 ある街外れのお屋敷に…… >>1

第二節 あくる日、朝早くに起…… >>2

第三節 「ねえ爺や、どうして…… >>3

第四節 夕方になり、お城では…… >>4

第五節 「さあ、次は君達の順…… >>5

第六節 それだけではありませ…… >>6

第七節 その日の夜、街外れの…… >>7



登場人物紹介 >>8



※登場人物紹介は補足的なものなので

 読まなくても話の流れを追えると思います*^_^*

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Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.1 )
日時: 2012/01/02 02:08
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)

『聖なる夜の贈り物』



 一.



 ある街外れのお屋敷に、幼い双子の魔女が住んでいました。

二人の姿は鏡に映したようにそっくりですが、一つだけ違っています。

瞳が赤いのがお姉さんのステラで、青いのが妹のフロラです。



「カレンダーを見ていたの?」

「カレンダーを見ていたの。」



 今日は十二月二十三日。

明日はこの国の王子様のお誕生日で、十才になった二人は

大人の魔女や魔法使い達と一緒に、お祝いのパーティに

お呼ばれしているのです。



「あたし達のプレゼント、王子様は喜んでくれるかしら?」



 妹のフロラが、不安そうに尋ねました。



「あたし達のプレゼント、王子様はきっと喜んでくれるわ。」



 すると、お姉さんのステラが力強く答えます。

実は、ステラとフロラは王子様のために一生懸命考えた、

とっておきのプレゼントを用意してあるのです。



「もう寝ましょう。明日は早起きしないといけないんだから。」

「もう寝ましょう。明日は早起きしないといけないんだものね。」



 そう言ってステラが真っ白なカーテンをさっと閉めると、

フロラは枕元の明かりをふうっと吹き消します。

それから、ふかふかのベッドの中で二人は一緒に目を瞑りました。

Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.2 )
日時: 2012/01/02 00:04
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)




 二.



 あくる日、朝早くに起きたステラとフロラはまず、

余所行きの黒いローブに着替えました。

それから、黒いとんがり帽子も被って、真っ黒な革のブーツも履きました。

仕上げに、柊のステッキを持つと、

二人は向かい合って、お互いの姿を見比べました。



「あたし達、全部お揃いだね。えへへ。」

「あたし達、全部お揃いだね。えへへ。」



 なんだか嬉しくなってきた二人は手を繋ぎ、

ルンルン気分でお屋敷を出発しました。

目指すのは、街の真ん中にある大きなお城です。



「ねえ、ステラ、見て。すっごく綺麗。」



 小高い丘の天辺まで歩いてきた二人は、

立ち止まって街の方を見下ろします。

丘からは、王子様をお祝いするためのリースやツリーの飾りが、

街のあちらこちらに飾られているのが見えました。



「本当ね。でも、あたしのおまじないでもっと綺麗になるわ。」



 ステラは自信たっぷりにそう言うと、今度は空を見上げました。



「ねえ、フロラ、見て。すっごく綺麗。」



 フロラも同じように空を見上げると、

真っ青に晴れた冬の空がどこまでも続いているのが見えました。



「本当ね。でも、あたしのおまじないでもっと綺麗になるわ。」



 フロラも自信たっぷりにそう言うと、

二人はまたお城を目指して歩きはじめました。

Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.3 )
日時: 2012/01/02 00:12
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)



 三.



「ねえ爺や、どうして蝋燭飾りに火を点けないの?」



 お城の庭に生えている樅の木を指差して、王子様が尋ねました。

樅の木には蝋燭や林檎など、色とりどりの飾りが飾りつけられています。



「冷たい風が灯した火をすぐに吹き消してしまうからじゃよ。」

「ふうん。じゃあ、どうして本物の雪を飾らないの?」



 今度は雪の代わりの綿飾りを見ながら、王子様は聞きました。



「積もった雪はすぐに解けてしまうからのう。ほっほっほ。」

「ふうん、つまらないね。」



 王様の部屋に飾られていた、火の点いた蝋燭と本物の雪で飾られた、

美しい樅の木の油彩画を思い出しながら、王子様はため息を吐きました。

Re: 聖なる夜の贈り物 ( No.4 )
日時: 2012/01/09 01:58
名前: 烏兎 (ID: JDkUYYgc)


 四.



 夕方になり、お城では王子様の誕生日パーティがはじまったようです。



「王子様、お誕生日おめでとうざいます。」



 大広間の一番端に並んでいる、髭を生やした年寄りの魔法使いが

王子様に小さな木箱を手渡しました。

王子様が蓋を開けると、そこから七色に光る宝石が顔を見せます。



「ありがとうございます。今夜は楽しんで下さいね。」

「ノエル様、お誕生日おめでとうございます。」



 お次は二番目に並んでいる、黄金色の髪の毛が腰まで伸びている

若い魔女がパチン、と指を鳴らしてみせました。

すると、あの空のように真っ青な色をした薔薇の花束が

王子様の目の前に現れます。

王子様は両手を伸ばしてそれを受け取ると、目を丸くしました。



「王子様のお年と同じ、十四本を用意しましたのよ。」

「とても綺麗ですね。ありがとうございます。」



 そうして、王子様に招待された魔女や魔法使い達は

次々と王子様に誕生日プレゼントを渡していきます。

長生きの薬や子供のドラゴンなど、大人達が用意したプレゼントが

あまりにも立派だったので、ステラとフロラは少し心配になってきました。



「あたし達のプレゼント、大丈夫かなあ。」

「あたし達のプレゼント、大丈夫じゃないかも。」


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