コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- —— N o s t a l g i c ...... 短編
- 日時: 2013/02/05 15:42
- 名前: 自分. (ID: n5JXVFg7)
—溢れる寂しさに蓋をしたら
其処には愛おしいあなたが。
N * o s t ・ a l + g i / c
※絶賛試験期間中。
ようこそいらっしゃいませ。
* 自己満足の吐き溜め処です。
文才は無いので悪しからず。
お題等有りましたら是非。
——創作短編・詩
……→【更新履歴】
2.5「花言葉にまつわる*のおはなし」一題追加
7.8 ほんだなに一題追加
6.21「花言葉にまつわる*のおはなし」一題追加
6.20 ほんだなに一題追加
6.19「花言葉にまつわる*のおはなし」シリーズ(?)
……→ ほんだな
>>1*あなたとの距離は
>>2*あの時の雫が
>>3*怖い魔法
>>4*機械音痴
>>5*たて
>>9*逝けられた
>>10*夕日に溶ける黒
>>16*それって蛇足
>>20*すべては環となって
>>26*しあわせな二人(注)
……→花言葉にまつわる*のおはなし
>>19+白き花びらに*を込めて(Marguerite)
>>21+冷雨と交わる*心 前編(Hydrangea)
>>22+冷雨と交わる*心 後編(Hydrangea)
>>28+もどかしい*の返事 (lavender)
……→お客様
狼鳶さん * ザリガニさん * 彩音さん
sikiさん * 巫女さん
……→ 相互link様
>>18「紫陽花セレナーデ」…狼鳶さん
2.5 ... じぶん.
- 白き花びらに*を込めて ( No.19 )
- 日時: 2012/06/19 22:24
- 名前: 自分. ◆UpqMavj4tY (ID: zlsHcGtF)
—すき、きらい…
白い花弁がはらはらと指先から溢れる。
—すき、きらい…
ぷちり、と軽快な音を立ててたやすく千切れていく。
—すき、きらい、すき、………
残り一枚。すっかり寂しくなった花柄を見つめる。
仕方ない、そう自分に言い聞かせるように苦い笑みを口元に浮かべた。
散々引き抜いてきた花びらは、青い芝生の上に敷かれた白い絨毯のよう。
夕暮れ色に染まる河原を眺めながら、芝生に座り込んで花占いをしている自分。
こういう行為をしていると、何だか感傷的な気分になる。
「きら…」
「おい、そんなとこで何やってんだよ」
“嫌い”の花びらを摘み、指先に力を入れたと同時に
背後から聞き覚えのある声が通った。
首をゆっくり後方へひねってみるとやはり、見覚えのある少年が立っている。
「何って、乙女の占い。」
問われれば正直に答えるまで。
私は手にしていた白い花……がたくさん付いていた花柄を
相手に見えるように自分の顔近くに持ち上げる。
「いい年して花占いとか…お前は小学生かっつーの。」
少年は呆れたように言い放ち、私の横にずかずかとやってきて
そのまま腰を下ろした。夕日に照らされた影が芝生に二つ伸びる。
「高校生が花占いしちゃだめって言うきまりなんてないもん、
何してようが私の勝手。そうやって突っ込むのやめて。」
ばかにされた気分がして、私は口調を強めて言い返す。
体勢は変わらず、最後の一枚を摘んだまま。
「相変わらずつっぱねた性格してんなー。…ところで何占い、それ。」
端的にそう述べると、少年は指差しをして私の持っている花の意味を尋ねてきた。
指を差されては自然と自分も手元の花に視線を落とす。
“嫌い”の花びらが、力無さげにくっついている様子がだんだんとおかしく見えてきた。
「………マーガレットで今日の夕飯占いしてたの。今晩は魚料理だって。」
私はにっこりと笑顔を作って、千切った最後の花びらを少年へと向けた。
(君への恋占いだなんて、言える訳がない。)
マーガレット…恋を占う、心に秘めた愛
- すべては環(えん)となって ( No.20 )
- 日時: 2012/06/20 22:31
- 名前: 自分. ◆UpqMavj4tY (ID: zlsHcGtF)
私が教室を間違えて入ってしまったのも
帰りのバスを二本乗り逃してしまったのも
階段でつまづいたのも
図書委員になって、昼休みが仕事で潰されたのも
漢字の書き取りテストで追試点を取ったのも
すべて、繋がってたんだ
間違えて入った教室は君のいるクラスで
いつもその時間のバスに君が乗っているのを知って
私が階段で転びそうになったときに、手を掴んでくれたのは君で
よく図書館で推理小説を借りに来る君を眺められたりして
居残りして漢字テストの追試を受けるのも君と一緒だったりして
どれも、きっと偶然なんかじゃなくて
“運命”を構成してる必要事項なんじゃないのかな
- 冷雨と交わる*心 前編 ( No.21 )
- 日時: 2012/06/21 21:19
- 名前: 自分. ◆UpqMavj4tY (ID: zlsHcGtF)
雨が降っている。
小雨とか霧雨とかそういうレベルじゃない。
例えれば、バケツをひっくり返したような土砂降りだ。
無様にも傘を持ってくるのを忘れた僕は学校の玄関先で立ちすくんでいた。
委員会の仕事で遅くなったのだ。
傘に入れてくれるような級友は既に帰宅している頃だろう。
せめてこの酷い土砂降りが弱まるのを待ってから帰路に着こうと、
ぽつんと独りで学校の玄関先から見える雨でくすんだ風景を眺めている。
ざあざあと地面に叩き付けるように落ちる雨粒。
時折、跳ねた水滴が腕に触れて冷たい。
もやもやとした灰色の空の下、僕の心までどんよりとしてきた。
すると、背後から足音が聞こえてきた。
反射的に足音の方へ視線を向ける。
黒髪の女子生徒………ん、見たことがあるような。
目があった。僕は思わず視線を宙へと逸らす。
あぁ、思い出した。彼女は僕のクラスに最近やってきた転校生だったのだ。
いかにも真面目そうな外見に、大人びた雰囲気から未だにクラスに馴染めていない。
転校生は僕と距離を少し開けて、横に並んだ。
——……気まずい沈黙が流れる。
誰かを待っているのだろうか、それとも僕みたいに
雨宿りをしているのだろうか。
「えっと、君も傘忘れたの?」
沈黙に耐えかねて、僕は思い切って声を掛けることにした。転校生は僕のことが分かるだろうか。
「…持ってきてる。折りたたみ傘。」
一拍置いて、言葉が返ってきた。
そして転校生は肩に掛けた鞄に手をかけた。
きっとその中に傘が入ってるのだろう。
…じゃあ、何で帰らないんだろうか。そんな疑問が湧いたが
そこは個人の事情があるのだろう。僕は気にしないことにした。
*後編>>22につづく*
- 冷雨と交わる*心 後編 ( No.22 )
- 日時: 2012/06/21 22:45
- 名前: 自分. ◆UpqMavj4tY (ID: gDKdLmL6)
*>>21のつづき*
再び重い空気となる。言葉のキャッチボールが続かない。
転校生の先程の声はやけに大人っぽくて、何故だかどぎまぎしている僕がいる。
クラスの女子と話すときはこんな事は無いのに。
都会の同い年の女の子は皆そういうものなのか、などと思案気にふけっていると、
今度は転校生から会話を投げかけてきた。
「あの花綺麗。」
会話というか、独り言だったのかもしれないが。
転校生の視線は玄関の右隣の花壇の方へと向いていた。
梅雨の時期にはぴったりの紫の花々が咲き乱れている。
“花”という単語に反応した僕は、間髪入れず口を開いた。
「あ、あれ環境委員が世話してる花壇なんだよ!」
やけにテンションが上がった理由は、ただ僕が環境委員だったからである。それだけだ。
そんな僕には目もくれず、転校生は視線を花に向けたまま
「へぇ……でも私、あの花好きじゃないかも。」
と、そんな辛辣な言葉を僕にぶつけてきた。
転校生も僕と同じく花に興味があって、会話にも花が咲く——と思ったが
大いなる計算違いだった。
僕が何かフォローを入れようと開きかけた口は、転校生の言葉によって遮られた。
「たくさんの花が群れて咲いてるんだもん、あの花。それだったら、一輪で咲いてる花の方が、凛としていて好き。」
その言葉には、まるでクラスで馴染めない彼女自身の気持ちが込められている様で——
きっぱりと断言しては、ゆっくりと顔をこちらに向けると、
教室ではめったに語らない転校生が、僕の目の前でふっと微笑んだ。
その瞬間だけ、激しい雨音が止んだような気がした。
(あれ、この気持ちは一体……?)
あじさい…冷たいけれど、美しいあなた・高慢
- Re: —— N o s t a l g i c ...... 短編 ( No.23 )
- 日時: 2012/06/25 22:50
- 名前: siki ◆bentmhwttg (ID: gDKdLmL6)
素敵な短篇集発見!
ほんわかした雰囲気がいいと思います
更新頑張ってください☆
よかったらあたしのところにも来てくださいね♪
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