コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- *愛迷華* (実話) 完結!
- 日時: 2013/09/07 21:40
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: YjkuwNYn)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=28088
さぁ、誰を傷つける?
誰が傷つく?
(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)
*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!
*2011.7/13*『*叶恋華*Ⅱ』すたーと
*2012.5/01*『*叶恋華*Ⅱ』完結!!
*2012.5/01*『*迷恋華*』すたーと
*2012.10/19*『*迷恋華*』完結!
*2012.10/19*『*愛迷華*』すたーと
↑のURLは【*迷恋華*】です!
(今作は高校生一年生前期編です
一応この小説は恥ずかしながら私、絵磨の過去の実話を元にしたお話ですm(__)m
【実話を元にした】話なので、キャストの思考とか台詞は手をくわえたりしているのでご理解してくださると嬉しいです。
作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)
☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*亀更新
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!
≪君も、貴方も、私も≫
【*愛迷華*】(アイマイカ)
〜↑目次↑〜
Prologue-ぷろろーぐ->>3
MainCast-めいんきゃすと->>5
CastⅠ-きゃすと1->>7
0話>>8
(魔法のiらんど限定連載『*始恋華*』のざざっとまとめたらしき話)
*01*【高校一年生】
1.『新たなstart』>>9 2.『久しぶりの連絡』>>14 3.『誕生日』>>16 4.『再会』>>18
5.『相対思考』>>19 6.『言葉と重荷』>>21 7.『誕生日デート』>>22 8.『会いたい気持ち』>>23
*02*【揺れ動く歯車】
9.『メアド交換』>>23 10.『遠距離恋愛』>>24 11.『懐かしい音』>>26 12.『疑想』>>27
13.『半年前の事情』>>30 14.『ハチとのメール』>>31 15.『ハチの好きな人』>>35
16.『暴露メール』>>36
*03*【すれ違う心】
17.『突然の、』>>37 18.『つかの間の時間』>>40 19.『矛盾とすれ違い』>>41
20.『喧嘩』>>42 21.『彼女定義』>>44 22.『仲直りと、』>>45
23.『はじまる日常』>>46 24.『七ヶ月と心の動き』>>47 25.『空振り思考』>>49
26.『疑問情報』>>53 27.『知りたい気持ち』>>54 28.『一方的』>>56
29.『うそつきILoveYou』>>57 30.『彼の存在』>>60
*04*【さよならと、】
31.『わからない関係』>>63 32.『やっとの決断』>>64 33.『別れ』>>68
34.『優しさとやりとり』>>69 35.『涙と決心』>>70 36.『突然の訪問』>>73
37.『雨と静寂』>>74 38.『口だけのLOVE』>>77
39.『あやふやな気持ち』>>79 40.『遅咲きの気持ち』>>82
*05*【恋愛と友情】
41.『カミングアウト』>>84 42.『友情と戸惑い』>>86 43.『悩む心』>>87
44.『皆の好きな人』>>88 45.『交わらない関係』>>92 46.『複雑環境』>>93
47.『傷付く人』>>94 48.『難しい状況』>>97 49.『信じられない真実』>>98
50.『逃げ道』>>99 51.『加耶の決意』>>101 52.『勇気を振り絞った結果、』>>102
53.『協力とメアド』>>104
*06*【傷付けあい】
54.『恋のお話』>>106 55.『悪化する関係』>>107 56.『わからない思考』>>109
57.『駄目な私』>>110 58.『ズルイ』>>112 59.『秘め事』>>113 60.『向き合う真実』>>116
61.『傷付ける人』>>117 62.『眩しい色』>>118 63.『物語の終止符』>>122
64.『キモチの答え』>>123 65.『手に入れたキモチ』>>124
*06*【新しい恋≒すれ違い】
66.『coupling』>>128 67.『軽い考え』>>129 68.『祭と自己嫌悪』>>132
69.『秘密』>>133 70.『約束』>>134 71.『考え方』>>137 72.『知りたい答え』>>138
73.『誤解と謝罪』>>142
*07*【少量甘味】
74.『宿泊学習』>>143 75.『宿泊学習と思い出』>>145 76.『突然のお話』>>146
77.『四人の写真』>>147 78.『席替えと気持ち』>>149
*08*【切れた糸】
79.『10月29日』>>152 80.『強制終了』>>153 81.『届かない声』>>154
82.『不幸は蜜の味』>>157 83.『思い知った現実』>>158 84.『過去の存在』>>161
*09*【強がりと本音】
85.『四日ぶりの、』>>164 86.『エゴイスト』>>167 87.『大きな決意』>>168
88.『嘘≒真実』>>172 89.『空回りな言動』>>173
*10*【チャンスと覚悟】
90.『裏表チャンス』>>177 91.『11月29日』>>178 92.『玉砕覚悟』>>180
93.『答えと応え』>>183 94.『代わりの人』>>184 95.『1%の期待』>>189
96.『期待の裏返し』>>190 97.『儚い希望』>>191 98.『ネガティブハート』>>192
99.『一方通行の言葉』>>196 100.『本当の真実』>>197 101.『本当の言葉』>>201
*最終章*【愛迷華】
102.『伝えたい言葉』>>202 103.『好きと本題』>>204
104.『伝えたい声』>>205 105.『愛迷華』>>207
.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100突破記念>>100
過去の小説から今までを見たい人は>>179
gdgdなあとがき>>208
■お客様□\(^o^)/
□もっプル様 ■恋歌様 □笑苺様 ■ミム様
□藍玉様 ■佳織*様 □陽菜様 ■秋保様
皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><
更新やる気MAXになります///w
※この小説は魔法のiらんど限定公開の作品の続きとなっております。
いきなり飛びますが↑URLの話とも繋がっているので色々ややこしいですが、ご了承くださいm(--)m
一応順番的には『*迷恋華*(URL前作)⇒*始恋華*(魔法のiらんど限定公開作)⇒*愛迷華*(今作)になっています^^
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- Re: *愛迷華* (実話) ( No.22 )
- 日時: 2013/01/09 23:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5YaOdPeQ)
- 参照: ちゅっちゅっぱらりらー
第八話『会いたい気持ち』
ある意味、波乱の誕生日となった四月十五日の翌日。
昨日のつかの間の幸せな時間が、まるで嘘のように感じる。
また、一週間が始まった。
**
眠い目をこすり、学校という退屈な場所で静かに授業を受けている。
こうして教室を見渡してみると、やっぱり昨日の出来事は夢のように感じる。
次は、いつ会えるんだろう……。
一週間会えなかった分の、貴重な一日。
欲張りの私には、足りなさすぎて。
もっと傍にいたいけど、我侭なんか言えなくて。
誠の部活、応援しなきゃいけないのに。
同じ学校じゃないだけで、こんなに辛いんだ。
でも、弱音なんか履けないよね。
誠も頑張ってるんだから。
誠、今何やってるんだろう。
確かあっちの学校は、携帯触っても怒られないんだっけ。
あーあ……。
私は無理矢理考えるのをやめて、左を見た。
左を見ればすぐ窓が見える。
窓から見えるのは、昨日の晴天とは打って変わって曇り空。
今にも、雨が降りそうだ。
……やっぱり、会いたい……な。
これで、本日何回目だろう。
誠のこと、考えるのは。
モヤモヤとした思考の中、ただそれだけを頭の中で繰り返していた。
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.23 )
- 日時: 2013/01/10 00:10
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5YaOdPeQ)
- 参照: ちゅっちゅっぱらりらー
第九話『メアド交換』
四月も終盤に差し掛かり、誠と連絡を取る回数が日に日にと減って行った。
『連絡する』と言ってくれても、必ず連絡は来ない。
待って待って待ち続けるけど、誠は何も不安と悲しい気持ちが募るそんな気持ちの、ある日の出来事。
「——……可愛いよね」
それは、六時間目の集会最中。
クラスの男子が、こちらの方を向いてぼそぼそと話していた。
内容は『好きな人』『可愛い』などの単語が飛び交っているので、きっと恋愛だろう。
こっちの方を向いているので——。
多分、私の後ろのクラスでも上位に可愛い矢川美紀ちゃんのことだろう。
今、『小さい』って単語が出てきたしね。
そう思いながら、深く気にせずに前を向いていた。
**
放課後。
何食わぬ顔で教室を出ようと、ドアの方へ向かっていたとき——。
「——ねぇ」
「!?」
いきなり横から、男子が現れた。
え、な、え!?
は、話しかけられた!?
私は足を止め、思わず目を見開いた。
「ちょっとさ、メアド交換しない?」
「へ?」
「メアド交換」
そう言った男子は、手慣れた手つきで素早く携帯を出した。
ちょ、校内で携帯使ってんの見られたら放課後でも没収ですよ。
そう思いながらも、私は戸惑いながら首を傾げた。
「え、あ、いいけど……どこで?」
「こっちで」
「……あ、うん」
男子が私の前を歩き、廊下へと向かいだした。
私は数秒遅れながらも、男子の後ろを追う。
「お、なに小八!! 口説いてるの? ガチで口説いちゃってる系!?」
教室から、何やら複数の声が聞こえてきたが——。
私は特に気にせず、男子と共に廊下へと向かった。
「……じゃあ、赤外線しよ」
「う、うん。いいよ」
「どっち送る?」
「どうしようかぁ……」
私も携帯を取り出し、画面を見つめた。
……軽い、沈黙。
なんだろう、この沈黙は。
何か話題出さなきゃなぁ、とか思ったとき。
「彼氏いないしょ?」
その男子は、そう口を開いた。
いきなりの発言に、少しだけ動作が遅れながらも、私はゆっくりと口を開いた。
「や……。一応、いる」
「え、いるの!?」
「うん」
男子は目を見開き、私に向かってそう言った。
そんなに驚くことですか……?
「彼氏って、この学校にいるんでしょ?」
「いや、違う学校」
「え、まじかよ」
男子は、低い声でそう言いながら携帯を開いた。
そういえば、思ったけどこの人の名前もよくわからない。
ただ、声が低くて——……。
……身長が、少々低い?
そう思いながら男子を見ていると、男子は頭を掻きながら携帯を私の方へ向けた。
「……まぁ、メアドだけでも交換しよ」
「うん」
「じゃあ俺送るから、登録して」
「わかったよ」
私は赤外線の画面を開き、自分の携帯を男子の携帯へと近づけた。
受信完了、という文字が浮かび、私は顔を上げる。
「きた?」
「うん、きた」
「じゃあ、メールしてね」
「うん」
私が頷くと同時に、素早く男子は去って行った。
残された私は、受信された赤外線の名前を見る。
『小八克弥』
こ……はち、かつや……?
——ハチ?
「水城!!」
村野に呼ばれ、私は我に返る。
小八克弥……ハチのメアドを素早く登録し、村野の方を見た。
「小八に呼び出されたの?」
「ん?」
「こばち。さっきのヤツ!」
あ、あれ?
はちじゃなくて、ばち!?
いや、でもよく見たら犬みたいな顔してたしハチでいいや。
「何言われたの?」
「え、普通に……。メアド聞かれた」
「お前彼氏いるんじゃないの?」
村野のその言葉に、少しだけ言葉に詰まる。
確かにいます、いますけど……。
「……っい、いるよ。一応いるって言ったし」
「あぁ、言ったんだ。メアド交換したの?」
「まぁ、一応したよ」
「まじか、——……だな」
村野はそう言い捨て、去って行った。
肝心の言葉が、よく聞こえなかったんですけど……。
まぁ、いいか!
私は家に帰り、ハチにメールを打った。
普通に返信は返ってきて、『さっきは突然ごめんね』と謝罪のメールが来た。
気にしないでいいよ、と打ち、とりあえずその日のメールは終了した。
しかし、これがきっかけで私の日常に大きな変化が訪れるとは——。
思っても、いなかった。
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.24 )
- 日時: 2013/01/10 01:30
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5YaOdPeQ)
- 参照: ちゅっちゅっぱらりらー
第十話『遠距離恋愛』
どんなに離れていても、
あなたとなら乗り越えられる。
——そう、思ってたんだ。
**
なんだか、とても楽しい夢を見た気がした。
ふわふわとした、心地のいい——……。
体が軽くなった所で、ちょうど目が覚めた。
「……ん……? ……え、」
真っ暗な部屋の中、初めて自分が寝てたことに気付く。
いつのまに、私は寝てたんだ。
おぼつかない記憶をゆっくりと思い出しながら、時刻を確認するために携帯を開いた。
それで、一気に目が覚めた。
着信 7件
「……なにがあった」
私は携帯を茫然と見つめ、着信履歴を順番に見て言った。
誠、誠、誠、世良、由良、誠、誠——……。
誠からめっちゃ来てるじゃん!!
ど、どうしよう……。
そう思いながら慌てていると、携帯の着信音が鳴り響いた。
この音は——……!!
「も、もしもし!?」
誠に設定している、着信音だ。
≪もしもし? 依麻!?≫
慌てて電話に出ると、少し慌てた様な声で誠はそう言った。
「え、まこと、」
≪今どこにいるの?≫
「え……、家だよ?」
≪家? ……もしかして、寝てた?≫
「う、うん。寝てたぁ……。ごめんね」
寝起きの声がなるべくバレないようにそう話すと、電話越しから誠の溜息が聞こえた。
私は何が何だかよくわからないまま、溜息の理由を聞こうと口を開こうとした。
しかし、その行動は誠の言葉によって遮られた。
≪心配した……≫
「……え?」
≪依麻、なかなか電話に出ないからさ。補導されたーとか、変な奴に襲われたーとかかと思った……。色んな人に依麻どこ? って電話したからね。まじ泣きそうになったわ≫
誠のその言葉に、思わずキュンとした。
心配、してくれてたんだ……。
生まれてこの方、夜に遊んでても補導されたり変な奴に襲われた事なんかない。
まず、される訳がないし襲われる訳もない。
なのに——……。
≪……依麻が、無事でよかった≫
誠は、本気で心配してくれた。
それだけで、私の心は溶かされるように暖かくなるんだ。
「依麻に会いたい」
その誠の一言で、私は笑顔になれる。
なんて、単純なんだろう。
≪……なんかさ≫
「ん?」
≪周りのカップル見てるとさ、辛い≫
「わかるよ、それ」
≪遠距離がこんなに辛いとかね。遠距離やだ≫
遠距離……ねぇ。
誠は部活もあるし、なかなか会えないしなぁ……。
正直、私も遠距離がこんなにキツイとは思っていなかった。
≪もっとえまに好きになってほしいもん、俺≫
「もう十分好きだよ?」
≪もっとさ、誠〜ってきてほしい。ガンガンきて≫
「ガンガンスキーだよ」
≪うける≫
こんな冗談言えるのも、誠の前だけ。
私の冗談に笑ってくれるのも、誠だけ。
≪依麻、大好き≫
「久しぶりに聞いた」
≪なんだよそれ、普段から言ってないみたいじゃん≫
誠はそう言って、笑う。
でも、本当に誠の『大好き』は久しぶりなんだよ。
≪依麻、愛してるよ≫
そう言われると、照れるのを知ってる君。
本当に、ずるいよ。
そう思いながらも、ゆっくりと口を開いた。
——私も。
君とは、ずっと一緒に居れる気がしたんだ。
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.25 )
- 日時: 2013/04/21 23:44
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5ZyVc2k3)
うああああああああああああああ←
お久しぶりです!
作者の絵磨です!!
生きてます!←
3ヶ月も消えてましたwww
この間にも色々なことがありながらも、
無事に高校二年生になりました!
更新が大幅遅れてるwww
なのでノロノロながらも徐々に更新していきたいと思います!
見てる方いらっしゃるかな?><
完璧なる自己満ですが、見てくださると嬉しいです(>_<)
では次からまた更新再開していきます(*^^*)
2013.0421 作者 絵磨
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.26 )
- 日時: 2013/04/21 23:46
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 5ZyVc2k3)
第十一話『懐かしい音』
あの日の電話から誠とは連絡をとらない日が続いた。
もう、日付は五月。
高校生になって、もうすぐ一か月が経とうとしている。
そんなある日の夜。
ある着信音が、私の鼓膜に鳴り響いた。
「……あれ、この受信音って……」
あまり聞きなれない、メール受信音。
なんだか少し懐かしいけど、胸を締め付ける受信音。
私は、携帯を持ち上げれないまま、呆然と立ち尽くしていた。
「——……壱?」
私の口から、その名前が出るのも久しぶりで。
なんで、今更、どうして。
その三つの単語だけが、頭の中を過っていた。
壱からメールが来るなんて、初めてだ。
「……ふぅ、」
何度か深呼吸をし、心を落ち着かせた。
何が書いてあるのか。
ゆっくりと携帯を持ち、いつもよりぎこちない操作をしながらメールボックスを開いた。
from.壱
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
突然だけど、まなのメアド持ってる?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「……へ、」
意外な名前、そして意外な内容に、思わず拍子抜けしてしまった。
まなって……あの、まなだよね?
そういえば高校に入ってからは、まなとクラスは離れてるし全然関わりもなかったな。
そういえば、壱も一応私と隣のクラスなんだよな……。
そんな事をふと思いながら、メールの返事を打った。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
もってるけど、なした?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちょっぴり素っ気ない返事になっちゃってるのは、もう壱の事は好きじゃないから……だよね?
自分に自問自答をし、送信ボタンを押す。
あぁ、なんだか懐かしいな、この感じ。
壱が好きだったころは、一方的に口実を作って、一方的にメールしたなぁ……。
そう思っていると、すぐに返事が来た。
from.壱
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
よかったら教えてほしいな^^;
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
壱らしい、優しい口調。
優しいのは、今も変わりないんだね。
少しだけ、安心した。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
わかったよ!
これまなのメアドね^^*
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まなのメアドを添付し、送信。
でも、なんでまなのメアド——?
少しだけ疑問が残ったが、私に頼ってくれたのが、なんだか少し嬉しくて。
from.壱
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ありがとう^^*
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『ありがとう』。
壱のありがとうなんて、久しぶりに聞いた。
……いや、実際に言われたのは初めてかも。
私はそこで調子に乗り、
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
いえいえ♪(笑)
またなんかあったらいつでも頼ってね!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
素早くこう返事してしまった。
……今更、何言ってんだか。
自分に呆れかえりつつも、どこかで返事を期待していたのかもしれない。
『またよろしく』……なんていう、優しい返事を。
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