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- 笑ってよ サンタさん
- 日時: 2013/04/07 13:48
- 名前: 妖狐 (ID: vpptpcF/)
笑ってよ サンタさん
■このお話は【完結】しています。
季節も【クリスマス】です。
ではでは、スタート!
——「ねぇ、お母さん。『さんたくろーす』ってどんな人なの?」
まだ幼く、聞いたこともない言葉を少女は母親に聞いてみる。
「そうねぇ、おひげが生えててちょっとこぶとりのおじいさんなのよ。でも、とーっても優しくていつもニコニコ笑ってるのよ」
母親は優しい声でゆったりと語る。
「へぇー!じゃあ、サンタさんのそばはきっといつも笑顔であふれててあったかいんだろうね!」
少女は目を輝かせて満面の笑みで聞き返す。
「えぇ、きっとポカポカするでしょうね」
母親も優しく目を細めて笑顔で返した。
「サンタさんに会ってみたいっ!!」
「いつか会えるわよ、きっと」——
数年前、病弱な母が私に話してくれたサンタさん。あったかくて優しいサンタさん。でも、現実はそれをくつがえすように教えてくれた。冷徹で非道なサンタさんがいることを。
「はっ」
っと目をさまし椅子の上から起き上がった。ついついうたたねをしてしまったようだ。
(なんだか、昔の夢を見ていた気が……?)
膝からずり落ちそうだった聖書を持ち直し、笑未(えみ)は再び聖書を朗読し始めた。
桜田 笑未(さくらだ えみ)
は赤毛がチャームポイントの15の少女だ。髪は肩で切りそろえ細身の体にはシスター服をまとっている。そして、ここは大聖堂、教会だ。彼女は立派なシスター……ではなくシスター見習いなのだ。シスターとなるべく空いた時間はいつもここで聖書を読みふけっていた。
(今日もまた、いつもと変わらないわね)
たとえ今日がクリスマス・イブだとしても。幼くして両親を亡くし、施設育ちの笑未にとって『クリスマス』とはただの外野の出来事にすぎなかった。聖書の文字とにらめっこをしているその時だった——
パリーッン!とステンドガラスが割れる音が大聖堂中に響いた。笑未はとっさに近くにあった教卓の下に潜り込む。自分の身の安全を確保し、息を飲み込んだ。
(な、なに今のっ!?誰かが窓を割ってはいってきたように見えたのだけれど……)
先ほどの轟(ごう)音は嘘だったかのように辺りは静寂に包まれている。笑未は深く深呼吸を何度か繰り返し、教卓から頭だけ出してそちらを覗いてみた。そこには赤と白が印象的な服を着た人影が見える。不安と恐怖と、ほんの少しの好奇心を抱き笑未はじっとその人影を見つめた。するとパチッっと目があった。今更隠れても時すでに遅し。こちらに気づいた人影が無言でどんどん近づいてくる。
コツコツコツ
足音だけが響く。そして、じょじょにその姿もはっきりとしていく。片手には大きな袋、足にはしっかりとしたブーツ。
隠れていてもしょうがない、と腹をくくり笑未は教卓から体をだそうとすると近づいてきた人物がいきなり口を開いた。
「おい、子供。早く出てこないと鹿共の餌にするぞ」
凍てつく声が聖堂に透き通る。無感情な言葉の一部に笑未はカチンッときた。
「誰が『子供』ですってー!!」
教卓を馬鹿力で放り投げ、目の前の人物を睨みつけた。
「そりゃあ、背だってあまり高くないし童顔だから幼く見えるけど、私はちゃんとした15歳でっ…………!」
一瞬言葉が詰まった。なぜならそこには美少年と言っていいほどの顔が整った青年が立っていたからだ。白髪の髪をなびかせ深い藍色のつり気味の目がこちらを見つめている。格好はサンタのようだが、それはまるでどこかのおとぎ話から出てきた王子様のようだった。
「お、王子様……?」
ついつい言葉が漏れてしまった。しかし青年は無表情で
「は?何バカなこと言ってんだ、お前。俺はレイジ、世に言うサンタクロースという仕事をしている」
と、口は悪いがりちぎに返してくれた。
「あっ、どうも。私は桜田 笑未です」
そのはずみで笑未もりちぎに名を名乗った。
「今回は緊急の用事で来たんだ」
「用事?ステンドガラスを割って入らなければならないほどの?」
「あぁ、そうだ」
急ぎもせず、遅くもないテンポで無表情にレイジは答えた。そんな緊急な用事ならもっと急ぐべきではないか?と、笑未は思ったが口にしないでおいた。
「あの、用事って?」
【—続く—】
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- Re: 笑ってよ サンタさん ( No.6 )
- 日時: 2013/01/19 12:08
- 名前: ライアー ◆4gulet/d9g (ID: j553wc0m)
初めまして。名前はライアーと申します。
よければこれからよろしくお願いします。
レイジ君の様なサンタクロースがいれば、さぞ子供たちは驚くでしょうねw
なので子供に優しくできる笑未ちゃんと良いコンビだと思います。
禀太郎君にとっては非常に驚く光景でしたでしょうね。
なんせ、目覚めるとサンタ+シスターが部屋にいるというシュールな光景なんですからw
見ているこちらも笑顔にさせてもらいましたw ありがとうございます。
続きがあるのですか!!
もっと読んでみたい、というのが今の私の正直な感想でございますw
続きがどうかあります様に。密かに願っておりますw 長文失礼しました。
- Re: 笑ってよ サンタさん ( No.7 )
- 日時: 2013/02/15 22:38
- 名前: 妖狐 (ID: vpptpcF/)
お言葉ありがとうございます!
今、続きを考え苦戦中です(>_<)
なんともかけもちが多すぎて・・・(汗
すいません!
でも、続き書きます!
なので楽しみにしててくださると嬉しです^^
- Re: 笑ってよ サンタさん ( No.8 )
- 日時: 2013/03/02 23:06
- 名前: 翠 ◆14iGaWqIZs (ID: DYIx383H)
凄いです!
私もこんな小説を書きたいと思えました!
感動です(^-^)/
- Re: 笑ってよ サンタさん ( No.9 )
- 日時: 2013/04/07 13:45
- 名前: 妖狐 (ID: vpptpcF/)
翠 ◆14iGaWqIZsさん>
ありがとうございます<(_ _)>!
そんなふうに思ってもらえるとは思わなかったので嬉しい限りです!!
いちよ、私の今書いている小説を紹介しますね(^v^)
「吸血鬼だって恋に落ちるらしい」
と
「ラスト・ファンタジア」です。
興味があったら見てください♪
- レディース ポロシャツ ( No.10 )
- 日時: 2013/08/10 19:25
- 名前: レディース ポロシャツ (ID: HrR8SCqg)
- 参照: http://www.legou066.com
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