コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 5 ーキャラ募集中ー
- 日時: 2013/06/12 22:49
- 名前: トウマ (ID: KqRHiSU0)
異能者は確かに存在する。
近年その存在はたしかに認知され始め、その存在は明るみになり出した。
都内の一画。
整然とした街並みに凄惨な爆発音。
風を纏い、炎を被り、ビルの上を闊歩する少年少女。
人形に意志を持たせ、作り出された友人を相手に恍惚と語る大人。
異能者は確かにその存在を確立した。
東 右京は高校二年生であり、本来ならこの昼間は学校で、興味も意味も見出せない好きでもない教師の言葉の羅列を右から左に受け流し、夢現にペンを握る少年である。
だが、この少年は俗に言う“不良”、世に言う“問題児”であった。昨今の教育現場に蔓延する問題の典型パターン。
しかし、まぁ彼の場合は少し特殊であり、普通の問題児とは訳が違った。
第一、東 右京は異能者である。
第二、東 右京は中立立場の特異人物である。
第三、東 右京は異検(異能特別研究捜査係)にも過激派にも穏健派にまで、敵に回したくない、味方にもしたくない人物と見られている。
つまり、ただの問題児ではなく、第一級のスペシャルブラックリスト入り問題児なのだ。
問題児の中の問題児の為の問題児のスペシャリストだ。
そんな少年の周りはまさに多忙で、死亡と野望に溢れており、いっそ学校に行かないのは異能を持たない一般生徒の安全の為と言っても過言ではない。
- Re: 5 ( No.1 )
- 日時: 2013/05/14 22:39
- 名前: トウマ (ID: MSa8mdRp)
- 参照: http://を
何故そんな少年が人通りの多い道路を睨んでいるのか。
「おっせぇ。ユタの奴。ユタなのに俺を待たせるとか。ないわ」
ユタとは東の幼馴染の上條 柚鷹である。同校の同輩。つまり、ユタもサボりである。
上條 柚鷹。東 右京と同じ絶対不可侵の中立立場の異能者であり、相当な力のキレ者だが、東のお目付役ということで、どこか残念な扱いを受ける彼は東の殺気に背筋を冷やして現れた。
「おい、何人かやってそうな顔になってるぞ」
「野生のユタが現れた! 東はカエンホウシャを使った!!」
「ちょ!っっ!ばぁっか!!マジで殺す気か!!」
残念なことに東の信念は有言実行である。彼の異能なら本気になったらできないことなんかない。
東は振り上げた手を渋々下ろした。本当に渋々である。
顔には不平が隠されることなくあらわれていた。
「ユタぁ。腹減っためしぃ。あと財布忘れたからお前の奢りね。それと明日の宿題雷撃っちゃったから燃えてご臨終だからコピーヨロシク。それから家の掃除と迷子の弟探し手伝って。もう足の踏み場もないっていうか蟻の行き場もないから」
「こんなこと言いたくないけど、自立って言葉知ってますか東さん……」
尚も雑用を命令しようとする幼馴染の口を塞いでため息をつく。柚鷹がいなくなれば東は死ぬのではないだろうか。生活的な意味で。
「大丈夫。俺ってばやれば出来る子だから」
「だったら、やってください」
「ヤー。疲れるじゃーん。能ある鷹は爪を隠すし」
「爪を隠したんなら異能でプリントを燃やすな!」
「ムシャクシャしてやりました!!」
「それ犯罪者の心理だから!!」
一連のやり取り東はオーバーに首を振り、オーバーに悩ましげな声を出す。
「このわざわざ学校を休んで迷子の弟を探す健気なお兄ちゃんに何て言い草だ。ユタの鬼! 悪魔! 外道!
「何とでも言え!」
天然タラシ! 女タラシ! 変態! カス! マヌケ!
「……」
ウドの大木! 役立たず! 下僕! 鬼畜! 家畜! 鶏! 豚! 牛!」
「あぁっもう!しつこい! 途中から何か違うし!」
「ちなみに鶏か豚か牛ならさっきのが俺の好き順です!」
「どうでもいい!……って左京また迷子か?」
- Re: 5 ( No.2 )
- 日時: 2013/05/19 22:29
- 名前: トウマ (ID: O7xH2wYh)
「人探しって、アタしのこと舐めてんですか? 舐めてますよね。舐め切ってますよね。ペロペロキャンディー並になめてますよね?」
まくしたてるのは異捜の刑事、笠原 香である。
異捜とは能力者の取り締まり及び能力犯罪の捜査をする特別課のことであり、能力者とそうでない人物両方で構成されている。
香の能力は読物。物からその物の記憶を読み取る能力であるから、裏方的な仕事がおおいのだが、今回のこれは特に目立たない。
「しかも、今の居場所を過去に触った手帳から読めって。出来るわけないだろ。バカか。バカなのか!?」
香は物の記憶を鮮明に見ることが出来るが、あくまでそれは記憶。過去のことだ。彼女に千里眼や未来視はない。
よって、今の居場所を探ることなどできない。
「こら。上司に面と向かってバカと連呼すんな」
声と共に現れたのは同僚の八幡 達巳だ。
達巳は瞬間移動の能力者であり、なかなかの好青年であるのだが、付き合いの長い者への会話となると、言葉が悪い。誰にでも分け隔てなく悪い香とどちらがマシかはわからないが。
そしてその達巳と一緒に現れた、もとい、達巳に襟裾を猫のように掴まれているのは橘 浩也である。
浩也は常に崩すことのない笑みを顔面に作りながら悲鳴をあげていた。
「達巳先輩ぃぃーー!! 死ぬ! 死んじゃいます。テレポートで紐なしバンジー成功させるのやめてください!」
浩也もまた異能者であり、その異能は役者。アクターの能力であり、また人形術師である。
今日も浩也は下にシャツを着ているだけの着ぐるみ姿だ。
おさらく上司に至急連れて来いと言われた浩也をつれてテレポートするも不時着。それで今にいるのだろう。
「まったく! 折角子ども達に風船配ってたのに」
「例の“アクター”使ったバイトか?」
「はい。人気なんですよー。僕の動きがリアルだって」
浩也がニコニコと言うが、息遣いが荒い。よほど紐なしバンジーが怖かったのだろう。彼はジェットコースターにも乗れない。
「今回浩也とお前でコンビ組むんだろ? ちゃんと後輩の手綱握れ」
「えぇっ、達巳先輩とじゃないんですか。お二方はコンビでしょ?」
「いや浩也とアタシとだ。……何でそんな嫌そうなんだよ」
「短い命だった」
「安心しろ。骨までは喰われない」
「肉も喰わねぇよ。アタシは何か? 怪獣か?」
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