コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【参照50!感謝】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。
日時: 2013/08/01 18:37
名前: 夕紀(元四ノ宮 ◆8HAMY6FOAU (ID: 9E/MipmP)
参照: 夕紀(ゆうき)と読みます〜(`・ω・´)ゞよろしくお願いします!

■□『作者紹介・観覧について』■□

皆さん、こんにちわ!夕紀と申します!
元四ノ宮でございますよ〜こんにちわ〜、あ。どもども!
さて、性懲りも無くまたスレを立てましたね!
あ、やめれ。本投げないで!角がっ、角当たるぅぅ!!
今回は、花言葉を使ってお話を考えたいと思っております。

*荒らし・中傷コメ・悪口コメはお断りします。
*宣伝コメはやめてください。

□■『花言葉の意味一覧』□■

No.1【ハナミズキ】…あなたへの返礼。私の思いを受けとめて。(題名より)
No.2【ナツツバキ】…愛らしい人。(第一章>>3より)
No.3【コスモス】…乙女の真心。(第一章>>8より)

■□『キャラ紹介』■□

櫻井 樹(Sakurai Ituki)
奈内 未來(Nanai Mirai)
藍田 隆弘(Aida Takahiro)
蛯名 美樹(Ebina Yosiki)



■□『貴方に愛されたい僕とハナミズキ。本編』■□

第一章『アガパンサスの花言葉』
>>1>>2>>3>>4>>5>>8>>9>>10>>11

□■『お客様』□■

珠紀 様(キュン死する小説を書かれております!いや、何度死んだことか…)

■□『記念日一覧』■□

【8月1日】参照50突破!企画は考え中です!

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Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.2 )
日時: 2013/07/28 19:16
名前: 夕紀 ◆8HAMY6FOAU (ID: ymYDaoPE)

2.



両親の海外出張を聞いたのは、
多分、今年に入った頃の冬だったと思う。

あたしの両親は二人とも同じ会社で、海外相手の仕事をしていたから別に出張などは珍しくない。
ただ、期間が問題だったのだ。

約3年間の長期滞在。

両親は二人ともあたしも海外に連れて行く気だった。
当時、中学三年生だったあたしは一緒に海外に移住することを反対した。
もともと、あたしはこの街の高校に入ることを希望していた。
来たことはなかったけど、隆弘もいるし大好きなおばあさまもいる。

おばあさまとはあたしが小さい頃に一度あったかないかくらいだったけど、毎年お正月やクリスマス。入学式や卒業式に誕生日。お祝い事や行事があれば必ず電話をくれる心優しい人。



「いっちゃん?どーしたの?」
「あ……なんでもないよ」

ボーッとそんなことを考えていたら、隣を歩く隆弘に心配されてしまった。
それにしても、おばあさまがいる部屋というのは洋館の奥にあるようだ。

先ほどから長い長い廊下を歩き続けているような気がする。
あたしのトランクとその他の鞄は隆弘が持ってくれて、全然きつくはないけれど、やはり長い階段を上がってきた足には辛かった……。

「いっちゃん。ここだよ」
「お……おう」

やっとたどり着いた部屋。
青色の扉には、薔薇が彫られていてとても綺麗だ。

コンコン、と隆弘がノックをする。
続いて、部屋の中から何度も電話で聞いた優しげな声が聞こえてきた。

「どうぞ」
「失礼します、おばあちゃん」
「し、失礼します!!」

隆弘に続いて部屋の中に入る。
そこは、沢山の本がある書斎のような部屋だった。

部屋の奥に入ると庭が見える大きいテラスに車椅子に乗った女性の後ろ姿が見えた。
ドキドキと胸の動悸が速くなる。

「おばあちゃん、いっちゃんが来たよ!」
「あ、あの!お……おばあさま……」

トンッと軽く隆弘に肩を押されて、あたしは一歩踏み出した。

「あら……早かったわね」

ゆっくりと、車椅子がこちらに回る。
おばあさまの顔が見えた。
その顔は、隆弘そっくりな太陽のように優しい笑顔。

「顔を合わせるのは10年ぶりくらいかしらね?……樹ちゃん」
「はい……おばあさま」

想像通りの優しげな人。
あたしは心の中で安堵しながらも、緊張を崩せないでいた。

これから3年間もお世話になる人だ。失礼のないようにしないと。

ピンッと背筋を伸ばしておばあさまに向き合うと、クスクスと笑われてしまった。

「あ、あの?」
「ふふふふ……そんなに緊張しなくていいのに。樹ちゃんは礼儀正しいのね……いいのよ?電話の時みたいに話しましょう?私、貴女の顔を見ながら話すのが夢だったのよ?」

あぁ、やっぱりこの人は優しい人だ。

緊張の糸がプツンと切れて、あたしは頬を緩めた。

「はい、わかりました」
「ふふ、やっぱり笑った顔も素敵だわ」

貴女の笑顔には負けますよ、おばあさま。

Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.3 )
日時: 2013/07/28 19:49
名前: 夕紀 ◆8HAMY6FOAU (ID: ymYDaoPE)

3.



「さて、では本題に入りましょうか」

おばあさまがそう言うので、あたしは思わずギュッと手を握りしめた。
隆弘が隣に来て、また緊張してるよ、と笑った。うるさいわ。

「樹ちゃんのご両親が海外出張から帰ってくる間。この家に住んで、ここから学校に通うということだけども……それでいいかしら?」
「あ、はい。でも、多分……正確な期間はわからないのですが、三年間。高校卒業までだと……」
「そうだったわね……私としては、ずっといてもらっても構わないのよ?隆弘くんもそうしてくれると嬉しいって顔しているしね?」

おばあさまがふふっと笑う。隆弘のほうに顔を向けると、うんうん、と笑顔で頷いている。

「……まぁ、とにかく。これからよろしくね、樹ちゃん」
「はい!よろしくお願いします!」

ぺこりと頭を下げる。
おばあさまによろしく、と言われるとあたしは本当にこの洋館に住むんだなと実感がわいてくる。

「おばあちゃん!いっちゃんを部屋に案内してもいい?」
「えぇ、いいわよ。ついでに館の案内もね。……4人で住むには広すぎるわよねぇ」
「え?……4人?」

隆弘とおばあさまが一緒に暮らしているのは知っている。
そこにあたしが加わるから3人じゃないの?

あたしが疑問符を頭に浮かべると、おばあさまがハッと思い出したように言った。

「そうそう、同居人がもう一人。私の遠い親戚なのだけど、奈内 未來くん。彼もこの洋館に半年前から住んでいるの」
「へぇ……そうなんですか」
「未來なんて、女みたいな名前だよなぁ〜」

そう隆弘がぼやいた。
あれ、あの隆弘の顔から笑顔が消えた。
苦手な人なのか?

「多分、そろそろ帰ってくる頃だから途中で会うかもしれないわね。隆弘、紹介よろしくね?」
「はぁーい……いっちゃん!部屋行こう!」
「うん。……では、おばあさま。また」
「えぇ、それではね。樹ちゃん」

おばあさまに会釈して、あたし達は部屋を後にした。





「ここだよ!樹の部屋!」
「あ……『ナツツバキ』だ」

隆弘に案内された部屋のドアには、『ナツツバキ』の花が彫られていた。

「さすが、いっちゃん!おばあちゃんと同じ花博士!」
「博士はいいすぎだろ。……まぁ、詳しいけどさ」

あたしは小さいころから花……というか、花言葉が好きだった。
その花々に一つずつそれぞれの花言葉があって、その言葉一つ一つがあたしにとってはどんな宝石よりも輝いているように思える。

「『ナツツバキ』の花言葉は、確か……」
「『愛らしい人』、だよね」
「え?」

にかっと笑う隆弘をあたしは驚きながら見つめた。

「せ、正解。なんで?」
「おばあちゃんがこの前、いっちゃんの部屋を選ぶ時に言ってた」

カチャカチャと部屋の鍵を開けて、隆弘はあたしの荷物を持ちながら部屋に入って行った。

「部屋のそれぞれのドアにそういう花が彫られているの?」
「うん。そうだよ!俺の部屋も、あとおばあちゃんの部屋もそれに、未來の部屋もね」

隆弘に続いて部屋に入る。
そこは、広めのテラスのある部屋で少しおばあさまの部屋に似ていた。
ベッドと机あとタンスがあって、どれも可愛らしいウッドデザインだ。

「うんしょっと……重いねぇ、何入ってるの?」
「開けようとするな。スケベが」
「酷い!!」

あたしははぁとため息をついた。

Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.4 )
日時: 2013/07/28 20:26
名前: 夕紀 ◆8HAMY6FOAU (ID: ymYDaoPE)

4.



「……で、ここが最後のリビングルームだよ」
「つ、かれた……」

隆弘に洋館の案内をしてもらって20分。
共同使用のバスルームやらキッチンやら庭やらなんやらとまわっていると、もう太陽は高くよぼり、昼をすぎていた。

「あははっ、じゃあご飯にしようよ!俺、作るからさ!」
「え、マジか!!」

隆弘は見かけによらず料理の腕はあたしの母さんより上だ。
料理が自慢の母さんよりうまいとなると相当だろうとあたしは思う。

隆弘がリビングの扉を開けて中に入る。
あたしも続けて入ろうとすると……

「……隆弘。……お腹すいた」

そんな声が聞こえてきた。

「あ……未來。帰ってきてたのか……」
「うん……お腹すいて」

ひょこり、と隆弘の背中から顔を出すと彼と目があった。

「……誰?」

純粋に問いかけるような声音。
あたしは息を飲んだ。

彼の小さいけどよく通る声。
薄い栗色の髪の毛は軽そうで、男の人としては長かった。
白い肌は透き通るようで、華奢な身体はとても弱々しく見える。
そして、瞳の色。
まるで、この街の海のような色のコバルトブルー。
少したれ目で、睫毛が長い。

彼は、とても綺麗だった。

「あぁ、えっと。俺の従姉妹で櫻井 樹。今日から一緒に住むんだよ」
「……あぁ。隆弘の初こ……」
「ばっ!!お前!!」

隆弘が彼……奈内 未來くんの口を慌てて抑えた。
そして、奈内くんを部屋のすみにつれていくとコソコソとあたしのほうをちょくちょく見ながら何かを話した。

なんなんだよ。

じとーっと二人を見つめていると、しばらくして奈内くんがあたしのほうへ歩いてきた。

「奈内 未來……。よろしく、樹」

いきなり、呼び捨てか!!?

「よ、よろしく。奈内くん……」
「……うん」

ゆっくりと彼は頷いた。
そして、何故か頭を抱える隆弘に向かって言った。

「隆弘……ご飯」

Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.5 )
日時: 2013/07/28 23:09
名前: 夕紀 ◆8HAMY6FOAU (ID: ymYDaoPE)

5.



「美味しかったぁ……やっぱ、隆弘は料理美味いよなぁ……」
「まぁね、これだけは自信あるかな」

あたしが褒めると、隆弘は恥ずかしそうに頬を染めてはにかんだ。
リビングの大きいテーブルに座って隆弘の作ったオムライスを食べた。
ふわふわとろとろの卵がケチャップライスの上にのっていて、その卵にはケチャップで薔薇の絵がかけられている。

いや、こいつメッチャ器用すぎる……!

なんて、感動しながら食べた。
勿論、ちゃんと美味しかった。ふわとろオムライス……。

「隆弘……おかわり」
「まだ食べるの?!」

目の前の席に座っている奈内くんは3皿ほどおかわりをつづけている。
見かけによらず大食いだった。

「……あ。おばあさま」
「え?」

その時、スプーンを加えたままの奈内くんがドアのほうを振り返った。
あたしもつられて振り返る。

「美味しそうな匂いに誘われてしまったわ。……隆弘くん。私にも作ってくださるかしら?」
「あっ、はい!ただいま!」

奈内くんのおかわりをキッチンで作っている隆弘は大きな声で返事をした。

おばあさまは車椅子で席に移動する。
一つだけ椅子のない部分がおばあさまの定位置らしい。

「未來、樹ちゃんに自己紹介をしたかしら」
「はい……しました」
「あら、そう」

クスクスと笑うおばあさま。奈内くんは無表情だ。
さっきから全然表情が見れない奈内くん。だけど、おばあさまを見つめるあの綺麗な瞳はとても優しかった。





「樹ちゃん。制服のことなんだけどね」
「あ、はい」

おばあさまが突然切り出した話題は、高校の制服のことだ。
あたしは特別枠としてここの高校へ受験したから、人より合否の発表が遅かった。無事に合格はしたのだけど、合格するまで制服をたのめなかったから人より注文が遅れたのだ。
春休みが終わる頃にはできる予定と呉服屋さんは言っていた。

「あれ、できたみたいなの」
「そうなんですか」

早いな。もう、できてしまったのか。

「それでね明日でもいいから、ちょっと着てみてくれないかって先ほど電話がきてね……」
「あ、はい。分かりました」
「あ!はいはい!俺が呉服屋さんまで案内しまーす!」

と、そこで隆弘が元気良く手をあげた。
おばあさまは隆弘を見つめてからクスリと笑い、何か忘れているんでなくて?、と言った。

「え……っと?…………あっ!!約束があったぁぁぁあぁあ!!」

心底残念そうに床に膝をついて、隆弘は嘆いた。
あたしはそれを無視してカフェオレを啜る。

「でも、隆弘くんが行けないとなると……」
「あ、大丈夫ですよ。地図とかくれれば一人でも……」

そう、あたしが言いかけた時だった。

「じゃあ……僕、行く?」
「……え?」

思いも寄らない申し出にあたしはしばらく呆然としていた。

Re: 【逆ハー万歳!】貴方に愛されたい僕とハナミズキ。 ( No.6 )
日時: 2013/07/29 01:42
名前: 珠紀 (ID: 7xR3brgP)

未來くん…ストライクです!!!!!!

お久しぶりです^^
珠紀です。

覚えておられるでしょうか…?

新作楽しみにしておりますね( ^^)(^^ )

更新頑張ってください!!


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