コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 寄りかかれ
- 日時: 2014/06/04 19:22
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
恋するごとに
君に踏まれた 僕の影が落ちる。
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作者挨拶>>1
目次
主な登場人物 >>2
第一章 ∮悲壮∮
プロローグ 〜螺旋〜 >>3
第一話【花の光の中で】
>>4 >>5 >>7
此処に無くても、更新されている場合があります。
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□お知らせ□
2014.6/1 執筆開始
- Re: わたしに、寄りかかって。 ( No.10 )
- 日時: 2014/06/02 17:40
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
にっこり笑ってカイトが、アイリの足に塗っていた液体を指差した。
「——ど・・・く…じゃないの?」
対してアイリは驚きもせず、ぼうぜんとつぶやいた。
「——毒だよ。でもアイリの足にあるものも毒」
- Re: わたしに、寄りかかって。 ( No.11 )
- 日時: 2014/06/03 20:38
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
にっこり笑ってカイトが、アイリの足に塗っていた液体を指差した。
「——ど・・・く…じゃないの?」
対してアイリは驚きもせず、ぼうぜんとつぶやいた。
「——毒だよ。でもアイリの足にあるものも毒」
「は……な、に——」
わたしの言いたいことを読んだようにカイトが言った。
「…毒って、たとえばアイリが風邪を引いたとするでしょ。薬を貰うとする。その風邪の菌よりも弱い薬を与えたらどうなると思う?」
(…え)
病で頭が重たいアイリにもわかることだった。
「——…変わらない・・・・わ。菌より、くすりの・・・・菌・・・っ。が、強く…ないと、……」
途絶えぎみの言葉でもカイトは理解をしたようだった。
「それと同じ。その破傷風で毒に包まれたような足に、この毒を消すこれ以上に良い毒はないってわけ」
- Re: わたしに、寄りかかって。 ( No.12 )
- 日時: 2014/06/04 18:38
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
アイリには意味が解らなかったし、たぶん正気な人間が聞いても解らないと思う。
(でも——)
ちょっと違う。
小説に出てくるような、ハーブとハーブを配合して作ったんだよ。みたいな感じで、…なんというか。
だんだん熱も引いてきたアイリは、カイトに言った。
「どこに住んでいるの?もしかしてこの森?野宿?そんなわけないでしょう?」
そう問うと、「うーん」と戸惑ったような顔をして。
「——ヒカリノハネっていう…場所だけど——たぶん、分からないと思うけど。たいして有名なこともなさそうだから、分からなくて普通・・・。か、」
(ヒカリノハネ?)
有名の中の有名だ。
何が有名だったかは忘れたけど、ちょっと前に授業でやった。
ヒカリノハネなんて地名珍しいもんだから——…
「…こんな有名な地名もしらないの?…もしかして 学校言ってない…とか?」
- Re: 寄りかかれ ( No.13 )
- 日時: 2014/06/04 19:36
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
「…こんな有名な地名もしらないの?…もしかして 学校いってない…とか?」
推測をたててわたしがいうと、カイトは頭をかいた
「ま、まあそうだね。・・行ってはいたよ。でも中退したんだよ。」
「——なんで?」
「—…うーっ。」
一度返事に戸惑うが、ここまで言うなら…と、開き直った。
「貧乏だったんだよ。
学費も払えないほど!!!毎日図書館に通って、本読むくらいのことはできたけど。」
「——…ふうん…」
(貧乏?)
カイトの振る舞いから、育ちの良さは伝わってくるので、ある程度勉学は出来るのだと思っていた。
「俺の服見ろよ。おまえとは違うだろ?変わってるだろ?
おまえの知ってる人たちは、誰もこんな服着てないだろ?おまえだって普段、おまえの今着てる服みたいな薄っぺらい布の無地の服は着てないだろ?」
アイリの薄っぺらい服を引っ張ってカイトが言ってきた。
「——おまえおまえ言わないで。アイリよ。自分からそう呼びたいって言ったんじゃない——」
耳をふさいでアイリは言った。
(なんかイライラする)
挑発をされた気分になった。
「そうね。どちらかというと着ないわね?!…貧乏ってわたしには常識的なことしか想像あまりつかないけれど。」
嫌味っぽく言うと、顔を赤くして怒ったように、カイトは言った。
「——そりゃあそうだろうな。どっかの貴族の大金持ちのお嬢様なんかとは違うだろうな!!」
さすがにアイリもカチンと来た。
(どっかの貴族?!)
そんな豪華な生活してるわけないじゃない。
「なんですって?わたしがいつ貴族なんて言ったのよ。失礼ね。どんな頭してんのよ。貴族なんて誰も言わないわよ!第一あんただって 貧乏だからなんなのよ!!わたしだってそんないつお金持ちなんて言ったのよ!!」
「命を二度くらい救ってもらったくせに嫌な言い方だな。」
「なんですって?あんたこそ、救いたくなかったなら救わなくて結構よ!!わたしなんて救わなくていいわ。こっちから願い下げよ」
「おまえがそんなにアホだと思わなかったよ!!」
「アホで結構!!寂しいでしょうね。ひとりで森の中で野宿なんて。」
嫌味を込めて言うとカイトは言った。
「それ以前に俺は…俺は過去から来たんだよっ!!それも、「おまえと違う世界の過去」から来たんだよ。」
「は?」
「——…あっ……まずい…」
「何がまずいのよ。」
てっきり「味の方の」マズイかと思ったら、違った。
「——言っちゃった…」
- Re: 寄りかかれ ( No.14 )
- 日時: 2014/06/05 20:16
- 名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
「とにかくわたしは もう知らないから。」
(ああ、もうなんか気分が落ち着かない)
一旦、カイトから離れたくなった。
(もう 二度と会わないかもしれないね)
——これは奇跡なんだろうか?
早く、素の場所へ帰りたい。
わたしの住んでる、蝶月町へ。
日本へ。
「——ここはどこなの?」
「そんなことも知らず…に…」
カイトはバカにしたように言ったが、アイリが迫ったことによって無理矢理言わせられた。
「———ユ・・「ゆ?」
その瞬間 アイリの中を瞬く間に光が蔽って……
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