コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

寄りかかれ
日時: 2014/06/04 19:22
名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

恋するごとに

君に踏まれた 僕の影が落ちる。



∮——————————————————————————∮

作者挨拶>>1

目次
主な登場人物 >>2

第一章 ∮悲壮∮

プロローグ 〜螺旋〜 >>3

第一話【花の光の中で】

>>4 >>5 >>7

此処に無くても、更新されている場合があります。
∮———————————————————−∮

□お知らせ□
2014.6/1 執筆開始

Page:1 2 3



Re: 悲                       壮 ( No.5 )
日時: 2014/06/02 08:09
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)

気付いたら、わたしは森に居た。


とは言っても 「森」とわかったのはついさっき。


静か過ぎて寂しいと思ったけど、ひとり男の子がさっきから傍に居たから それはすぐに和らいだ。


上を見ると青く

下や横を見ると青緑に輝く草が、いきいきと茂っていた。


「——…っ」
仰向けに転がっている自分の身体を起そうと、すると、相手の衝動だろうか、手を貸してくれた。

「ありがと」
とりあえずは手をかりて、上半身だけ起き上がった。


「——…どう、気分は?」
夜のようで暗くて相手の顔は見えないが、火を熾しているので、背だけうっすらと見えた。

視界が眩んで、疲れてるのかなかなか考えることが整理つかない。


(もう 何なのこの気持ち)
今にも、立ち上がって回り込んで相手の顔を見てみたかった。

「——…良くもなく悪くもない。」
どこか素直になれなくて、返事をぶっきらぼうに言ってしまった…。


「——なんで、わたし……ここに…」
自分を自分で見つめて 

自分が自分で得体しれぬ存在に思てくる。


「…まだ、知らなくていい。」
相手が振り向いて、至近距離まで顔を迫り、わたしの手を掴んだ。

「——え。」
目の前にある顔と、繋がれた手の二つを交互に見、驚いていると、向こうが口を開いた。



「明日…。全部分かるから。わかりたくなくても…。…俺は、星歌海斗。おまえは?」
何だコイツ。


———…カッコつけてる?!

手まで握っちゃってヘンタイ・・・?——

一瞬過った考えが自分を振り回した。


「——わたしは…。黒花、愛梨。」




「アイリって呼んでいい?」
何とでも呼んでくれ と頷いた。


「——…俺もカイトで良いから。…そうだ。お腹すいてる?」
「—…ううん。あんまり食欲ない」
わたしが言うと、無言でカイトが わたしの口にマシュマロを突っ込んできた。

「わ…」

「そんなやつれてるんだから何か食べなよ」
枝に、焼いたマシュマロ。


「……お…いしい」
本当は全然おいしくないし、今にも吐き出したい気持ちなのに、そうつぶやいた。


カイトは、遠慮なく吐き出せ。と言わんばかりの態度でこちらを見ていたが、

「それならよかった」
と飲み物をくれた。



「カイトだって、わたしとおなじくらいやつれてるじゃない」
わたしが言った。


やつれてはないかもしれないけど、カイトも細い体でいかにも倒れそう。って感じだった。


「——そう?さっき結構食べたから、あとは寝るだけなんだけどな」
と、カイトが呟いた。




(あ)

そっか、わたしが起きるの待っててくれたんだ。


「———空、きれい」
わたしが呟くと、カイトが言った。

「——あれ見たことない?・・・・・・星。」

「わたしの家があるのは、街だから、あまり見えないのよ」



(なんで…カイトは)

こんなに、わたしをしっていて
こんなにわたしがカイトを知っているきがして
こんなに…




(・・・カッコイイ。)




夜だから 薄らとしか見えない顔も、いわゆる「美少年」級の顔立ち・・


(もう 速くここから離れたい——…)

Re: 恋、やめたい ( No.6 )
日時: 2014/06/01 22:13
名前: ミヤ ◆yIknKu/.Mk (ID: 9fVRfUiI)
参照: http://kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode


やっほ、梅乃!

相変わらず上手いな…続きが気になってしまうではないか!←


わたしの駄作とは全然違うわ…

Re: 恋、やめたい ( No.7 )
日時: 2014/06/02 08:05
名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)

朝型、やけに涼しくなってきた。


カイトの持っていた毛布を借りてるけれど 寒さはちっとも和らぐことがない。

(こんな薄手の毛布一枚じゃ、足りないわね。)

熾していた火も、もう炭になって赤くバチバチしている程度 炎もあがっていなかった。


—————……。

暇にならないのが、不思議……


空を見上げれば 満面の星が輝き、森を見渡せば、ゆらゆらと草が揺れる様子が見える。

どれも初めて見たものだからかもしれないけど、ずっと同じように動くのに、ずっと見てても見飽きない。



(もう 眠れないや)


———綺麗な花。


手の届きそうな近くに、オレンジ色の素敵な花がいくらかあった。
(——取って見ようかな)

遠くはなさそうだったし、少しくらいこの場を離れたって 寝ているカイトは気づかないはずだ。

アイリは静かに毛布をカイトに掛け、森の奥深くに入って行った。

Re: わたしに、寄りかかって。 ( No.8 )
日時: 2014/06/02 16:43
名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)

——どのくらい 歩いたかな。



さっきは近くに見えた花が、
今は凄く遠くに感じる。


山々はだんだん険しくなって、まったく道の無いところを、草木掻き分けて歩いているもんだから、ほぼ手さぐり。


「あった…!!」
いつの間にか 来ていた桃色の花柄のワンピースは ところどころ破けて、土で茶色くなっていたけれど、花が手の届く所に届いた瞬間に嬉しさがこみ上げてきた。


「———やった。」
やっと、掴んだ花。

そのまま、花をもぎ取るのがもったいなくて しばらく躊躇していた。


下を見ると、どうやらずっと森の上の方まで来たようだった。
崖のようになっていて、普通の人なら、いくら絶叫系が好きな人でもマニアでもぞっとするほど高いのに、アイリは平然としていた。


ジャリ・・・


「——…?!」

ふと 足元を見ると、嫌な音がした。


(———…もしかして)
嫌な予感がした、と共に


「きゃあ!!」

そこから地面が崩れ、土砂崩れになったみたいに そのまま足場がなくなって、落ちていく。


「う……ああっ!!!」

落ちていく。

何処かに当たったみたいで、右足が痛い。



目をつぶった瞬間、手に衝撃が走った。

「——?!」



「アイリ・・・?!」

その声は、ついさっき会った、見知った人の…



「———…カイト…?」

意識が 薄らいでいく。


視界が見えなくなっていく。



————————————…………助けて。

Re: わたしに、寄りかかって。 ( No.9 )
日時: 2014/06/02 17:15
名前: 星慧 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)

ひどく 身体が重い。


見渡す限り、森や空。
なんだ かわらない。


さっきと同じ場所だ。



「——アイリ、?アイリ?」

「…カイト?」
瞳が開けられなくて、声を聴くのがいっぱいいっぱいだった。


「あ。気付いた。良かった…」
意外と天然なカイトは、持っていた瓶を置いて、アイリの額に手をやった。

「全く——…何してたの?俺が助けに行かなかったらおまえあの世だぞ。ま、既に1回死んだようなものだから、もう気を付けて。」
優しいのか優しくないのかぶっきらぼうな言い方だった。

「——…そんなこと言われたって」
答えるのが精いっぱいだったけど、どうしても反論したかった。
カイトは呆れたように、見知らぬ緑の液体を手にしている。

「——痛っ?」
右足が痛すぎて、一瞬 身を固めた。

「あ、ゴメン。薬品が滲みた?だってひどい破傷風だから」
(…あ!!さっきの花は?)


「ねえ、わたしの花・・・は?」



わたしが、掴み取った花の話をしたが、カイトは


「——…え。ずっと握ってた毒花のこと?」

「毒?!」



「——さっきの毒花だよ。だから今、アイリが感染して高熱が出てるんだよ。」
とカイトが平然と言った。


「…うっ」

くらっとして一瞬めまいがした。


「——どこ…?」


「——ここ。」


Page:1 2 3



この掲示板は過去ログ化されています。