コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 桃乃吹雪〜キャッスル〜【名のない姫君とわがまま騎士】
- 日時: 2015/02/16 06:48
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38820
「桃乃吹雪〜キャッスル〜」
目次
第1部 名のない姫君とわがまま騎士
【「紫乃吹雪〜恋乃手紙〜」同時更新!】
1.名のない姫君
>>1
2.世界は美しく、酷かった。
>>2 >>3 >>4 >>5 >>8 >>9 >>10 >>11
・コメント
医祈音マグ様 >>6
- Re: 桃乃吹雪〜キャッスル〜 ( No.1 )
- 日時: 2015/01/30 11:25
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)
1.名のない姫君
ある王国に、新しい姫君が生まれました。
しかし、母親は、その子を産むと同時に死んでしまいました。
妻を亡くした衝撃で、父親である王様はおかしくなりました。
その影響で、生まれてきたばかりの自分の娘を忘れてしまいました。
妻と関わりがあるもの全てを、無かったものにしようとしたのです。
姫君は放っておかれ、名もつけられぬまま、召使いに育てられました。
王様は、すぐに自分の従姉妹を妻としました。
ところが、新しい妃は酷い人でした。
王子が生まれると、毒を盛り王様を殺してしまったのです。
妃は女王となりました。
そして女王は、疑惑を防ぐため、姫君を召使いから引き取り、育てます。
しかし、それは上辺だけのもの。
女王は、その召使いに大金を払い、このことを他言しないように、と言いました。
赤ん坊であったにも関わらず、美しかった姫君を女王は妬みました。
だから、名もつけず、姫君を、お城の一番高い塔に、閉じ込めて育てました。
それではかわいそうだ、と王国でたった1人の家老が言いました。
仕方なく、女王は、5歳の姫君に、5歳の騎士を付けました。
たった1人の、姫君の家来です。
しかし、騎士は幼かったので、何もできませんでした。
女王は、2人をこき使いました。
しかし、名が無いようでは呼びつけるのに困ります。
女王は、白い塔に住んでいる姫君に、「白の姫君」という呼び名をつけました。
…これは遠い国の、遠い昔の話です。
- Re: 桃乃吹雪〜キャッスル〜 ( No.2 )
- 日時: 2015/01/31 17:30
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)
2.世界は美しく、酷かった。
「ソウク、やっと、城の外に出られるかも。あんたも初めてじゃない?」
元気な少女の声。
ロデラート王国、王位継承順位第2位の姫君である。
長い黒髪がさらさらと真っ直ぐ流れ、肌は陶器のように白く透き通っている。
大きな緑の眼は、小さな顔にきちんとおさまっている。
「そうですね、白様。」
彼女を「白様」と呼ぶのは、姫君の唯一の家来である騎士のソウクという少年。
彼女とは幼なじみで同い年、15歳だ。
青髪に、青い眼。
切れ長の目は、姫を見ている。
今、彼は、普通の服装に剣を腰にさしている。
いつでも姫君を守れるように、だ。
「俺はチョコをたくさん食べたいです〜。」
「もう、わがままね!チョコ食べ過ぎると鼻血が出るわよ!」
「今日は、私の15の誕生日ね。絶対、女王様は許してくれるわよね、ソウク。」
姫君は急に哀しい声になった。
「たぶん、許可してくださると思います…。約束しましたから…。」
ソウクも、静かになった。
☆
この掲示板は過去ログ化されています。