コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜
日時: 2017/01/25 16:33
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: raanz7.S)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36208

 はじめまして、またはこんにちは!
 朔良サクラと申します。

 この作品は2013年に執筆していた作品の「狼たちと同居中。」のリメイク作品となっております。
 新キャラを出したり新エピソードを書いていきます。
 
 朔良の目標は「朔良の世界に浸ってもらう」です!
 今作は萌え、キュン、ドキを追及していきますので、ストーリー性よりはキャラ萌えして頂けたら……という感じです。


 貴方様のお気に召す作品になりますように。




【Contents】
*登場人物 >>02
*prologue >>11 >>12 >>13
*first episode 共通テーマ「出会い」
       【Ⅰ宮野真の場合 >>22
       【Ⅱ園田リクの場合 >>28
       【Ⅲ梅澤和希の場合 >>29
       【Ⅳ平井泉の場合 >>32
       【Ⅴ桐野由紀の場合 >>39
       【first episode end >>45
*second episode 共通テーマ「英語タイトル」
       【Ⅰ宮野真(Kiss me) >>54
       【Ⅱ園田リク(Sweet Devil) >>58
       【Ⅲ梅澤和希(Liqueur) >>61
       【Ⅳ平井泉(Secret) >>66
       【Ⅴ桐野由紀(Chain) >>71
       【second episode end >>86
*third episode 共通テーマ「ペア&トリオ」
       【Ⅰ宮野真、梅澤和希、平井泉
        (独占したい、愛したい 全編,後編,おまけ) 
        >>87 >>88 >>89
       【Ⅱ園田リク、桐野由紀
        (苛めたい、愛したい) >>94】 
                  

【Special Thanks】
*はるた様
*あんず様
*夕陽様
*ゴマ猫様
*いろはうた様
*苑様
*miru*様
*アリス様 
*村雨様
*涼那 ゆた様
*澪様 
*蒼様
*きらめき様 
*杏莉様
*葵様
*珈琲Time様
*てるてる522様
*ととろん様
*梅桜☆様
*冬野悠乃様

コメントを下さった方の作品にはお邪魔させて頂いています。

*Twitterやっております→@imaza_azami
お気軽に話しかけてやって下さいませ!

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Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜 ( No.32 )
日時: 2015/03/28 13:32
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

【Ⅳ平井泉の場合】


「はあ……」

 数学の参考書とノートを広げながら私はシャーペンで無意味な円を描きながら溜息をつく。応用問題が難しすぎる。出そうで出てこない数字が頭の中を回る。テストの順位が下がり、ナイーブになっているせいか、いつもより問題集がはかどらない。

「何やってんの? あゆみちゃん」
「あ、リク君……」

 その時、リク君が階段を降りながら声をかけてきた。私は円を描くのをやめてリク君の質問に答える。現実を口に出すのは結構なダメージをくらうが。

「金銭的な問題もあって特待生だから、もう少し勉強しないといけないんだ」
「ああ、あゆみちゃんこの前のテストで初めて順位落としたから?」
「え?! 何でそれ知って……?!」
「だって、一位の人知ってるもん」

 さらりとそう言うリク君に驚く。リク君は一つ年下の高校一年生。いくら同じ学校に通ってるからって違う学年の成績状況を何故知っているのだ。

「……それって誰なの?」

 リク君の答えを聞くのが少し怖かったが、今後のモチベーションを上げるためにも是非聞いておきたいところだ。

「泉だよ」
「……え? イズミって、泉君?」
「うん、ここに住んでる無愛想な泉」
「……は?!」

 まさか、こんな身近に私を脅かす魔物がいたとは。というか、泉君が学校に来ているのを私は見かけたことがない。授業もサボっているのにどうしてそんなに優秀なのか不思議に思う。

「何か今までのテストサボってたら、次こそ留年だぞって脅されたみたいで、嫌々受けたらしいよ」
「え、そんな受け方で一位……?」
「屈辱的?」

 リク君が意地悪気に聞くが、それには答えなかった。

「……すごいなあ、泉君。やっぱり何か不思議なオーラがあるよね。どうやったら仲良くなれるんだろう」

 そう独り言のようにつぶやくと、リク君が「うーん」と唸ってから私の前に腰を下ろした。どうしたのかとリク君を見ると、リク君は顔を少し寄せて、声を潜めながら言った。

「実はね、泉は施設出身なんだ」
「え……」
「小さい頃親に施設に置いていかれたみたいで……だからか、絆とか家族とかにすごく敏感なんだ」

 そう言ってから、少しだけ間をあけて、まるで私にだけではなく自分にも言うように苦笑いを浮かべてそっと言葉を続ける。

「泉に心を開いてもらうには、泉の本当の声を聞いてあげなきゃいけない」

 リク君は席を立ち「邪魔してごめんね」といつものあどけない笑顔を浮かべて去って行った。
 その後も少しの間、動けなかった。「泉君は何を考えているのか分からない」と思っていたけれど、それは変わらない。分かることも、分かり合うこともできない。それなら、分かち合いたい。
 私も勢いよく席を立ち、リク君の部屋を訪ねる。思い切りドアを叩いた。扉が開いた瞬間、私は叫ぶようにして言った。

「授業中、泉君がどこにいるか知らない?!」

 リク君は少し驚いた表情を浮かべてから微笑んだ。




 私は今、屋上に向かっている。
 まだ少し肌寒い風が少しだけ感じる屋上に向かう階段で身震いをしながら一つずつ上がる。

 ——泉なら、屋上にいると思うよ。

 そのリク君の言葉を信じて。
 屋上の扉を開けると、余計寒さを感じる。視界に泉君の姿はない。扉を閉じようと振り向いた時、扉のすぐ横で読書をしている思わず目を奪われる綺麗な顔をした少年——

「……優等生様が授業サボってこんな所で何してんの?」

 泉君がこちらには目を向けず、本に目を落としたまま座っていた。「優等生」という言葉が泉君が言うとどうも嫌味臭い。

「優等生って、私より泉君の方が成績いいじゃないですか」
「ああ、そうだったね」

 そう言ったきり、会話は続かない。泉君は相変わらず本を読み耽っている。紺色のブックカバーがされていて、何を読んでいるかは分からない。

「……用がないなら出て行ってくれない? 邪魔だから」
「邪魔って……ここは泉君が独占できる場所じゃないですよ」

 そう言うと、泉君が初めて顔を上げて私の目を真っ直ぐに見据えた。彼の瞳に自分の顔が映っているのが少し気恥ずかしい。

「アンタ、何がしたいわけ? 理解できないんだけど」
「いや、少々泉君とお話がしたくてですね」
「俺はアンタと話すことなんかない。さっさと消えて」

 無表情で私を見ているが、オーラは「邪魔だ」というのがひしひしと伝わってくるほどだった。しかし、負けているわけにはいられない。邪魔と言われようが消えろと言われようが関係ない。

「……私の名前は“アンタ”ではなく白原あゆみです。いいかげん覚えて下さい」

 少し馬鹿にするような口調で言うと、泉君は眉を若干ひそめて、本を閉じた。

「俺はアンタと慣れ合う気はない。——人なんて信用する価値もない」

 無理やり感情を抑えつけたような声で泉君が呟く。抑えつけた感情、それは誰でも抱く「寂しい」という気持ちなのだろうか。
 私は泉君に近付き、しゃがみ込んで同じ目線にする。そっと、泉君の手を握る。そして少しずつ力を込めた。

「……何してんの?」
「泉君、自分に近付くなとは言いますけど、家から出ていけとかは言わないですよね。それって、私が親に置いていかれて……自分と同じ状況になっているからじゃないんですか?」
「——っ」

 そこで、初めて泉君が動揺を見せる。しかし、すぐに元の冷静な口調を取り戻して温度の感じない冷たい口調で言い放つ。

「仮にそうだとしても、それは単なる同情だ」
「それでもいい。泉君が少しでも私に興味を持ってくれたことが嬉しい。信用しなくてもいいです。ただ、私が泉君を一緒に居たいって思うくらい許されませんか?」

 寂しいって言えないのは苦しい。途方もなく彷徨っていた私を拾ってくれた神崎さんにも悪い。寂しい顔なんて見せてはいけないけれど、それでもやはり寂しいし苦しいとも思う。泉君だってそうだと思う。

 泉君の手を見つめながら強く握る。何も反応してくれないということは、余計なお節介だったということだろうか。
 そう諦めかけた時、いきなり身体に重みがかかる。泉君に抱き締められているのだと気付くと、身体全身が熱くなっていくのを感じた。

「あ、あのっ……?」
「黙って、仕返しだから」

 仕返しって、何の? 私が手を握ったから? それの仕返しがこれならちょっと刺激的すぎる仕返しだと思う。

「……少しだけ、アンタに興味持った。これだけ言ってるのにまだ関わろうとする……あゆみに。こうやってあゆみの体温を感じられることが心地いい」

 初めて私の名前を呼んでくれたことが声が出なくなるほど衝撃的で、嬉しかった。そう思っている間も少しずつ泉君の腕の力が強くなっている。密着状態がこんなにも続くとさすがに心臓が持たなくなってくる。

「……アンタの身体って壊れそうなくらい柔いんだね、……壊れるくらい抱き締めていい?」
「ーっ?! え、そ、れはちょっと……!」

 少し抵抗すると、泉君は顔を離して微笑んだ。初めて見る泉君の笑顔。その笑顔があまりにも綺麗で儚くて、息を飲む。

「……帰るか、俺達の家に」
「……はい」

 その言葉が何よりも嬉しかった。

                      【first episode end】

Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜【3/28更新】 ( No.33 )
日時: 2015/03/28 15:23
名前: 涼那 ゆた ◆VoHZnMKTK2 (ID: jmxtpCAp)




朔良 様


こんにちは、ゆたです( ´ ▽ ` )

リ、リクくん……っ!
はい、ゆたの心臓ブレイク、あげいんです。もうニヤニヤが止まりませんでした。
家族に本気で心配されたのは秘密です。
「どうなるかくらい、分かるよね?」って……!リクくん!君!
思いきりぎゅーしたいです……←お巡りさん、この人です。

し、しかーっし……和希……様?! 新たな刺客ですΣ(゜д゜lll)
あぁ……心臓が何個あっても足りないって、こういうことだったのですね……。
身を以て体感しました。
お兄さん系の和希 様、リクくん並みに好きです(//∇//)

で、でもでもでも……まだいらっしゃいました。
ゆたの心臓を蝕む悪魔の狼様が……っ!←
泉くん、あんな不意打ち、反則です、です……。
泉くんの過去も性格も、全部ひっくるめて大好きです。

と……長文コメント失礼いたしました……泣
こんなに長く書いてるのにまともなことひとつも書いてませんね(つД`)ノ
本当にごめんなさい。

朔良 様は本当に文章を簡潔にまとめられるのがお上手だなぁと思いました。
読みやすいし、分かりやすい。そんな文章を目指して、ゆたも頑張りたいと思います。

そして改めて……長文失礼いたしましたぁっ!!!
更新、頑張ってください*・゜゜・*:.。..。.:*・'(*゜▽゜*)'・*:.。. .。.:*・゜゜・*
これからも、応援しています。

Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜【3/28更新】 ( No.34 )
日時: 2015/03/28 16:02
名前: 澪 ◆n/dpWbmhwA (ID: SiiKM6TV)


  ■ 朔良 様 □

こんにちは、澪(レイ)です。
ハンドルネームの読み方、『レイ』なので、お気をつけください。
たまに『ミオ』と間違えられるものでして。

それにしても、どのお話も本当に素敵で……。
一話読む⇒あまりの素敵さと甘さに放心状態⇒ハッと覚醒←
これを繰り返しておりました←危険人物

糖度高めの、心の中で蕩けていくような優しい悪魔的甘さについても語りたいのは山々なのですが、その前に。
『星屑荘』って、素敵なネーミングですね!
どんな意味が込められているのかな……とか考えだしたら、原稿用紙2枚は軽く書けます、本当に。
星屑荘に住む一人一人が星屑みたいに煌めいているからですかね。
それぞれの星屑を濁らせ、汚していた埃は、あゆみちゃんが振り払ってくれたのでしょうか。
いえ、あゆみちゃんなら優しく息を吹きかけるって感じでしょうか。
どちらにしろ、あゆみちゃんは素敵な子ですね。

ハッ……『素敵』という単語ばかり連呼しすぎました……。
すみません、あまり語彙が豊富でないもので(苦笑)

残るは、桐野 由紀君ですね。
ひきこもり君ですか……私も春は(実は春に限らず)ひきこもりがちなので、親近感を感じます←
リメイク前にはいなかったキャラですよね、物凄く楽しみです!
でも手ごわそうです(汗)

ふと沸き起こった疑問。
新キャラが出てきましたけど、今回は誰落ちになるんだろうか。

色々妄想……じゃなくて想像しながら応援してます(^◇^)


Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜【3/28更新】 ( No.35 )
日時: 2015/03/28 17:23
名前: ゴマ猫 ◆js8UTVrmmA (ID: KG6j5ysh)

 今日はちょっと早い時間に失礼します。ゴマ猫です。
 更新分読ませていただいたので感想を。

 いや、真くんは俺様っぷりが凄いですね。
 凄い個人的な意見ですが、あゆみさんが蹴った時は胸がスッとしてしまいました。ごめんね、真くん。

 リクくんは人懐っこいイメージですが、何だか知らない顔がありそうで……やはり、個性派揃いなんだなぁとあらためて思いました。

 そして、ゴマ猫が推してる和希くんですが、朔良さんが書いていたハンバーグを作るシーンと後ろから抱きかかえるように手ほどきするシチュが、今ゴマ猫が書いている短編の構想と見事にかぶって笑いました。いえ、笑いごとじゃないんですが、凄い偶然だなぁと思ってしまって。せっかくなので、別シチュを考えてみます(^.^)
 でもやっぱり、和希くんは良いですね。ゴマ猫は、変わらず和希くんを推したいと思います。

 相変わらずの安定度で今回も楽しく読ませていただきました!
 次回の更新も応援していますね! ではでは。

Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜【3/28更新】 ( No.36 )
日時: 2015/03/28 19:30
名前: 夕陽 (ID: IcK/upD1)

こんにちは。

あゆみちゃんはすごいなあと改めて感じました。
学年2位なんて……。
私はそんな順位とったことないですw

あゆみちゃんはお弁当も作れるし学力高いし性格もいいしすごいです!
どれか一個譲ってくれないかなと本気で思いました←

泉君もすごいですよね……。
サボってばかりでテスト1位……。

泉君初めは素っ気無かったですがあゆみちゃんに心を開いて名前で呼んだり、微笑んだりしてくれるところにすごく和みました。
でも、手を握られたお返しに抱きついてくるところとか、その後の台詞とかはなんか狼っぽいなと感じましたw

更新がんばってください!


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