コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ユウナちゃんのお道具袋
- 日時: 2015/04/24 13:59
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
独楽林檎(こまりんご)です!
カキコの「コメディ・ライト」に投稿する小説はこれが2作目です。
1作目に負けないほどの駄文になるはずですが、温かい目で見守って頂けると幸いです。
感想、アドバイスなど、いつでも大募集しております!
更新は火曜、土曜、日曜、その他祝日になります。
亀のような更新ですが、見捨てないでください!
ということも踏まえて、よろしくお願いします!
キャラクター紹介
>>01
プロローグ おばあちゃんにもらったお道具袋
>>02
1 百均のボールペン:カイくん
>>03 >>04 >>05 >>06 >>07 >>08 >>09
- Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.4 )
- 日時: 2015/03/15 13:15
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
ユウナちゃんが僕を抱えたまま建物の前で立ち止まった。
「ここ、私の家だよ。お母さんと、2人暮らし」
お父さんは?
「……あ、あとで話す。私が何歳なのかとかも交えて、ね!」
そっか。
そこでユウナちゃんは鍵を取り出して、ドアを開ける。
「ただいまー」
返事はない。
何で?
「お母さんが仕事に行ってるから。今のところ、私とカイくんの2人だけだよ」
なるほど、つまり僕が来たからこの家は3人暮らしになったんだね。
「うん!カイくんみたいにはっきりと声が聞こえるのって、初めて!」
ユウナちゃんって、きっと友達が多いよね?
「……全然。私、妄想癖だから……」
あっ、ごめん!
「いいって!代わりに、カイくんが友達になって!」
そういう意味か。
うん。
まだ謎が多いけど、ユウナちゃんなら……いいよ。
「ありがと!」
ニコッと笑いながら僕を掲げたユウナちゃんの頬に、きれいな笑窪が浮かんだ。
- Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.5 )
- 日時: 2015/03/17 18:35
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
ユウナちゃんが手を洗ってうがいをして、僕はユウナちゃんの机に置かれた。
木でできていて、すごく居心地がいい。
ユウナちゃんが彼女の部屋に入ってきた。
「さて、自己紹介するね」
かすかに口角を持ち上げて、話を続ける。
「私は明里優羽奈。金間小学校の5年生だよ」
うん。
「好きな物はこんにゃくで、嫌いなものは卵」
へぇ、そうだったんだ。
こんにゅくとたまどが何なのか、分からないけど。
「こんにゅくじゃなくてこんにゃく、たまどじゃなくてたまご、だからね」
はーい。
「……眠いから、ここから先は明日。おやすみー」
えーっと、つまり、僕が買われたのって晩ご飯の後だったんだね。
- Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.6 )
- 日時: 2015/03/21 21:51
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
次の日。
あのさ、ユウナちゃん……大丈夫なの?
「何が?」
いや、僕がここに居たら先生に見つからないかなーと……
「大丈夫、ポケットに入ってるだけで見つかることはないよ!……多分」
そう。
僕は、ユウナちゃんの右ポケットに入っている。
何故なら、『学校の事も知ってほしいから』なのだとか。
まだ昨日の自己紹介の続きを聞いていないから、少しキャップを取り外したくなってきているのだけど。
「もうすぐ業間だな〜……20分の間に、校舎内を全部周っちゃおうか!」
うん、見てみたい!
今は体育の時間なのだそうで。
多少大声を出してもいいらしいんだ。
「……鍵開けは得意だし、ね」
え?
「ううん、なんでもない。……じゃ、サッカーボールを片付けようかな」
あっ、サッカーボールって僕の置かれた棚の裏に置かれてた!
「そうなの?サッカーボールと話したことって、あったりする?」
うん、毎日閉店した後に。
「そうなんだ、いいなぁ、お泊り会みたいな感じで!」
うーん、みんな家族みたいなものだけどね。
「え、そうだったの!?それなら今日から毎日百均に行かないと……!」
その必要はないよ!
だって、ユウナちゃんと一緒にいれるんでしょ?
「そっか……そうだよね!寂しくない……の?」
うん。
答えたらユウナちゃんは光るような笑顔になって、
「よかった!」
- Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.7 )
- 日時: 2015/03/22 18:55
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
業間、僕たちは特別教室前廊下で探検していた。
「この小学校の鍵って持ち上げて回すだけで開くんだよねー……」
髪を止めていたヘアピンでカチャッと鍵を開けて、理科室に入る。
「さて、ここで一つ実験でもするか!……と言いたいところだけど、時間が無いから昼休みにね!」
うん。
一通り見回して、今度は図工室。
「ここの鍵とか、人差し指で開くんだよ」
言葉の通り、人差し指を回転させて鍵開け。
すごい……。
「単なる得意技だよ。ほら、カイくんだってインクでなんでも書けるでしょう?それ、私たちにはできないし」
なるほど、人間にとっては鍵開けできるのが当たり前なんだね!
「うーん……そうかな」
微妙な反応。少し疑問に思ったけど、まあいいか。
「図工室か教室で使うことが多いと思うよ、カイくんは。自画像とか、6年の最初で書くらしいし」
黒いボールペンを使って?
「うん、もちろん!」
部屋を出る。
次に来たのが……視聴覚室?
「そう。通称:パソコン室。いつもはあまり使わないんだけど、私は毎日ここで小説を書いてるよ」
毎日、っていうことは……
「毎日鍵開けしてる。ホントは駄目なんだけどね」
へへっ、と肩をすくめるユウナちゃん。
ちょっと天才に見えてきた。
「次、ここに来るのは明日の業間にしようかな。その時には小説を見せるね」
うん!
パソコン室を出て、理科室と図工室とパソコン室の鍵を閉める。
「次は全教室だね!まず、1階から回っていこうか♪」
そう言って、ユウナちゃんは歩き始めた。
……長ーい道のりを。
- Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.8 )
- 日時: 2015/04/07 21:00
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
確かに廊下は長かった。
例えるなら……うーん、僕が自力で廊下の端っこから端っこまで転がるのに100年かかっても無理だろうなあっていうぐらい。(意味が分からない)
「そんなに長くないよ?私だったら端っこから端っこまで歩くのに2分もかからないし」
速っ!
「速くないってば。私の歩くスピードって普通より遅いよ?」
いや、速いよ!
もはや次元が違うよ!
「……そういえば、人間とボールペンだしね」
そうだよ!
「ここにはね、1年生と2年生の教室があるの。それぞれ3つずつ」
そうなんだ。
「こっちを最初に言うと、ここが2年3組、こっちが2年2組で、」
その説明の途中に男の先生とすれ違ってギョッとした目で見られたけど、大丈夫かな。
「……ここが1年2組、ここが1年1組!」
じゃあ、1年1組の上には何があるの?
「3年1組。それは2階に行ってから話すね」
そう言いながら、ユウナちゃんは階段を上っていった。
どれくらいの長さかって?うーん……僕が自力でこの階段を全部上るのには100年かかっても無理だろうなぁっていうぐらい。
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