コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- お月様が見ている【更新再開】
- 日時: 2015/12/21 16:00
- 名前: 音宮 (ID: Jk.jaDzR)
こんにちは。
どうも、久しぶりに小説を書きます、音宮(おとみや)です。
この作品は、一話5分ほどで読めるように作ります。
切なく仕上げていきたいです。
切ない感じが苦手な方はgo,backッスね。
よし、今度こそ、完結目指そう。
良かったら音宮の作品、わけわからんことになっていますが、
過保護すぎる兄と私とその他の人達
A qurik of fate〜運命の悪戯、君に届けたい〜
では……
目次
要素…… 切なさ100%
キャラ紹介 >>2
プロローグ >>1
第一話 やめられない恋 >>3 第二話 出会い >>4‐5
第三話 煌 >>6 第四話 友達になりませんか >>7
第五話 友達って >>8
- Re: お月様が見ている ( No.2 )
- 日時: 2015/12/31 16:46
- 名前: 音宮 (ID: Jk.jaDzR)
キャラ紹介
篠原凜 Sinohara Rin
暗くて地味な生活を続けてきた。
友達0の高校生。
真ちゃん Sin
凜の好きな人。
正義感があって強くて優しい。
欠点は、なんでも自分で背負ってしまうところ。
嫌いな食べ物は柑橘系の果物で、好きな食べ物はお肉。
誕生日は十二月八日。
身長170㎝で顔は、ごく普通。
真柴煌 Masiba Kou
九月ごろに転校してきた。
凜のことをなぜか知っている、凜に好意的な青年。
みんなからとても人気があり、明るくて爽やか。
スポーツ万能、頭脳明晰な欠点も何もない彼は女子からももちろん、人気がある。
バスケ部所属。
- Re: お月様が見ている ( No.3 )
- 日時: 2015/12/31 16:42
- 名前: 音宮 (ID: Jk.jaDzR)
第一話 やめられない恋
あれから早くも一年が経とうとしていた。
私は相変わらず、彼をあきらめられずに恋を続けている。
彼は、まったく昔と変わらなかった。
ちがう、彼は変わろうとはしていたなかったのだ。
彼の行動を一度も見逃すまいとじっと目で追う。
そう、私と彼は三年ぶりに同じクラスになったんだ。
毎年、おまじないをして同じクラスになろうと試みていたが、すべて失敗。
でも今年は、やっと叶ってうれしい物だった。
もちろん、あのことがあって気まずかったりする。でも、それでもいいんだ。
彼が元気よく過ごせていれば、幸せならって。そう、思えるようにだんだんなってきたんだ。
正直言って、まだあの傷は癒えていない。
でも、まだ振られてもなお、好きなものは好きなのだ。
簡単にはあきらめることができない、恋とはそういうものなんだって最近では、実感するばかりだった。
振られた私はもっと彼の事を知りたくなった。
思っていた以上に私は彼の事を知っていなかったからこうやって振られているのだ。リベンジするためにも、もっと彼を知らなくては。
そうだ、彼の好きな本を読んでみよっか。
彼は読書家でもあるが、私は本があまり好きではなかった。ここで、彼の感性を知っておくべきだろう。
そうと決まれば、図書室へ行かないと。
ガラガラと図書室のドアを開ける。相変わらずだな……。
図書室は、ほとんど誰もいなかった。いるのは、同学年のオタクっぽい感じの子達が何人かと司書の先生。
初めてきたかも、図書室。埃っぽいけど、なんだか懐かしい匂いと包み込まれるような雰囲気。
好きだな、こういうの。
「こんにちは」
先生が話しかけてくる。確かこの先生は学校一、優しくて人当たりがいいことで有名だったっけ。
「こんにちは」
カウンターの近くまで行く。
「篠原凜さんよね。今日は本を借りに来たのかしら?」
今日、初めてあったのに、名前を知っているなんて。
「あ、はい。あの……勇者物語って本、ありますかね?」
そう、彼の好きな本は、ファンタジックで冒険もの。今、読んでいる本もそんな感じの本らしい。
勇者物語って本は、彼が前に、一番、好きな本だと言っていた。
まぁ、前に聞いたから好きな本は変わっているかもしれないけど、今まで好きだったことには違いないし、この機会だから一度、読んでみたかった。
それに、彼が、私がその本を読んでいるところを見たらきっと、話しかけてくれるかもしれない。
淡い希望を抱いて先生の返事を待った。
「ええ。ありますけど、篠原さんってそういう本、読むんですね。
なんか意外です」
一体、どんな本なのだろう。
私が読んだら意外って、内容はどんな物語なのだろうか。
「では、こちらです」
書庫から取り出し、差し出してくれる。
「ありがとうございます」
それを丁寧に受け取り、すばやく図書室を出ていった。なぜ、すばやく出ていったかって?
それは、憐みの目で同じ学年の子が見てきたから。
もう私が振られた話は、同学年の人達、みんな知っている。彼が、自慢したから。
彼への告白回数が増えたって言いふらしたから。そこから会話が発展して告白した私の名前がばれてしまった。
言わないでって言ったのに。なんで言ったのだろう。
そんな人だとは思っていなかった。彼はそこまでしない人だって信じていたのに。
人は見た目で判断してはならないってよく言うけど、本当だね。
私は見た目で判断していた。
彼の事を知ったつもりで、彼を理解していたつもりで一番理解していなかったのは私だった。
廊下をしゅんとなって歩いていると、目の前に彼らが楽しそうに会話しているのが目に入った。彼らというのは彼と彼の彼女。
噂によると、彼女が彼に告白したのは私が告白した次の日だったみたい。
私の想いは九年間っていう長い月日なのに、彼女はたった一ヶ月好きだったっていうだけで成功してしまった。
想いは月日じゃないってわかっているけど、なんだか悔しい。
彼の事を何一つ、知らないくせに。彼を長い間、見ていなかったくせに。
なんであなたが私よりも短い期間なのに、成功してしまったの?
なぜ、私じゃダメなの。私の方が、絶対、真ちゃんのこと、幸せにできるよ。
真ちゃんだって私といるときの方が気を遣わなくていいって言っていたじゃない。
私の方がきれいだよ。まだ、誰とも付き合ってないよ。男の子を知らないよ。彼女は誰とでも付き合うって有名だよ。騙されちゃうよ。
そんなの、いやだ。
彼女から離れて。彼は私のよ、あなたが触ってはいけないの。
その汚れた手で触らないで。彼を幸せにできないでしょ?などと思ってしまう。
こんな権利ないのに、こういう風に思うっていうことは、私は、思っていた以上に彼を貪欲に欲しかった、愛していたのかもしれない。
へっ、へへへ。涙が出そうだ。嫌だ、こんな可愛くない顔見られたくない。特に真ちゃんには見られたくないよ。
顔を隠しながらささっと彼らの前を走り去る。
「……っ」
どうして、涙が止められないの。
振られたから?
違うと思う。
彼が……私のものではないって分かったからだ。
- Re: お月様が見ている ( No.4 )
- 日時: 2015/03/30 21:15
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: laaGvqHD)
第二話 出会い
早速、その本を読んでいると、彼が私のその姿を見て話しかけてきた。
「わー、懐かしー。その本、面白いよね?」
よし、作戦通り。このまま順調に会話を進めていけば、きっとこれからも仲良くできるはず。
「あ、そうなの?私、読み始めたばかりだから、まだわかんないや」
ふふっと感じよく笑って言う。
愛想よくしていれば、雰囲気も良くなって、会話も弾む。
「そっかー。じゃあさ、読み終わったら感想聞かせてよ」
よっしゃぁ、来たぁー!!
待ってましたとばかりに心でガッツポーズ。
「うん、絶対聞かせるねっ」
これで次の会話の機会を確保と共に、親近感も少しポイントアップ。
彼に振らなきゃ良かったって思わせるんだ。
ふふ、忙しくなるぞ。
必ずや、あの付き合っている奴を別れさせ、私があの座を……って私なんか黒い!?
嫌だなぁー、最近はこんな自分が嫌いになってくる。
ああ、もう……本当になんでこんな汚いこと、思ってしまうんだろう。
諦めたくてもあきらめられないほど、好きになってしまった。
それがいけないことなのか?
いや違うんだ。
逆にいいこと、とってもいいことなのだ。
この前、読んだ恋愛心理の本には人間の恋愛感情は、大体、三年から四年くらい続くとある。
だけど、私は九年も続きました。これは、その人がどれだけ好きなのか、その人をどれだけ見つめてきたかによって夢中になれる度合いが決まるそうです。
私は、彼を何年も見つめてきた。
- Re: お月様が見ている ( No.5 )
- 日時: 2015/11/03 20:57
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: KLpo2fZJ)
第二話続き
何年も……九年という年月を人はどう思うだろうか。
きもい? すごい? ばか?などという簡単な感想が返ってくることだろう。
「それでも私は……」
彼を愛し続けたんだ。どんなに批判を浴びようが、どんなに嫌がらせを受けようが彼がこんなにも大好きで仕方がなかった。
最初は一目ぼれのようなものだって彼を知っていくうちに好きになって。
「リベンジ……」
そこまでしなくてもとか言われるかもしれない。でも今の私にとっては、のどから手が出るほどほしいのだ。リベンジなんてダサい、あきらめろとか言われても今の私にとっては意味のない言葉。
『……さん、次の時間、体育だよ』
誰かが私を揺さぶってそんなことを言う。
思案にふけっていつの間にか誰もいなくなっていた教室にぽつんと取り残されていたらしい。
「……体育……?」
声を掛けてきた誰か——隣のクラスの転校生だっけ……。
なんか先月の9月に、転校してきたという彼は女子達に人気の男の子。
運動神経が良くてバスケ部に入部したとか。
『そ。みんな行っちゃったよ。篠原さん、まだ着替えていないようだけど……大丈夫?』
私の身なりを見て言う。
あっ、そっか。着替えなきゃと今頃気が付き、制服の下に着ていた体操服になる。
その間も彼は待っていてくれて、私が着替えている間に予鈴も鳴っちゃったし、悪いなと思いつつ、
「あ、ありがとう。でも私のせいであなたが怒られちゃうよ?」
『いいんだ。俺は教室のカギ閉めに戻ってきたから。それを理由にすれば、怒られないよ』
本当に大丈夫なのだろうかと不審げに見つめるが、彼はそれより、はやく行こうよと私をせかし、結局のところ授業に遅れていた私は怒られたのは言うまでもないだろう。
「あのっ……ほんと、ありがとね……ええと」
- Re: お月様が見ている【更新再開】 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/15 14:44
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: xqGPflk1)
第三話 煌
『え、俺の事、知らないの?篠原さんってホント、不思議』
クスッと笑って私の頭を撫でる。
不思議ってどういうことかって聞こうとする前に彼の口が開く。
『でもいいよ。篠原さんになら俺の名前、きちんと教えてあげるよ——』
よく聞くんだよ、一回しか言わないからといういいようにゆっくりと彼の口が動いた。
『真柴煌。特別に煌って呼んでいいから』
にこっと笑うと、彼はせわしなく私から離れていった。
「ましば……こう」
私は彼がいなくなった後、再び彼の名前を呼んだ。
篠原さんは不思議と言っていたけど、貴方のほうがずっと不思議だよ。
私なんかに話しかける人なんてほとんどいないのに。
彼に触られたところを自分でもう一度、確かめるように撫でて、先ほどのことに幸せなのか、心が満たされるようなものを感じ取っていた。
『篠原さーん!こっち、来てよ!!』
クラスメイトのそんな声で私も彼女たちのなかに入ってバスケをしていた。
だけど、暇があれば、真柴君のほうに目が傾いてしまっている自分がいて、驚いていた。
「おかしいな……」
独り言のようにつぶやき、自分の感情に困惑していた。
私は真ちゃんが好きなはずなのに、今は——今の私の瞳には、真ちゃんが映っていなかった——
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