コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】
- 日時: 2015/05/16 01:20
- 名前: 小野寺 唯 ◆4/ZiikUP2k (ID: ksBn0qR9)
どうもおはこんばんにちわ、小野寺です。
今回は切ない涙恋愛モノです。
ハンカチの準備をどうぞ〜wwなんつって
登場人物については随時更新します。
更新は不定期的でめさ遅いです(⌒-⌒; )
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- Re: 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】 ( No.2 )
- 日時: 2015/05/16 04:10
- 名前: アキサメ (ID: c9ok9eqZ)
はじめまして、アキサメといいます。
すごく興味をそそるお話ですね。
過去を振り返っていく結衣さんの心情がとても丁寧できれいに語られていていいな、と思いました!
続きを楽しみにしてます!
- Re: 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】 ( No.3 )
- 日時: 2015/05/17 02:02
- 名前: 小野寺 唯 ◆4/ZiikUP2k (ID: ksBn0qR9)
アキサメ様
コメありです!
まだまだ文章表現も未熟ですが頑張ります。
亀更新ですけどどうか長い目で待ってて下さい。
- Re: 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/12 21:00
- 名前: 小野寺 唯 ◆9XhjG9TDEA (ID: QNZXvDrE)
第一章 私はあがつま ゆい
「おーい、わがつま!数学のノート貸してくれ!!」
やや下から覗かせる子犬のような瞳と、すがりつく様にねだる態度。
その全てを否定するかのように、結衣は目の前の男子に向かって深くため息をついた。
眉間によせたシワと剣幕、そして未だ続く長ーーいため息はそれだけで男子の表情に影を落とした。
震え上がるように緊迫した沈黙。
ようやく肺の中の空気すべてを吐き出し、息を吸い込むと結衣は激しい憤りを抑えながらお決まりのセリフを吐き捨てた。
「・・・あのさぁ。いつもわがつま、じゃなくて・・・!私は『あがつま』だって言ってるでしょ??!!」
(ちなみに、今月に入って通算12回目のセリフである)
出席番号一番、我妻 結衣。そして出席番号二番、五十嵐 つばさ。二年三組の二人は毎日こんな調子の会話を展開している。
きっかけは中学二年生に上がった初日のこと。
新しくクラスの出席番号順に並べられた机に着くなり、つばさは身を乗り出して前の椅子の背に書かれた文字を凝視していた。
・・・『我妻 結衣』
おそらく、わがつま。いや、われづま? もしかしたら、がざいかも。
どれにしても、出席番号一番とは思えない名前だが、目の前の彼女は一番で変わりないのが不思議だった。
______気になる。
艶のある黒髪を肩まで伸ばした、前の席の少女が気になってしょうがなかった。
「あのー、わがつま・・・さん?」
駄目元で声をかけてみるも、反応がない。どうやら呼ばれたことにすら、気づいてない様子だ。
「じゃぁ、がざいさ・・・、ぇーっと・・・」
やっぱり反応がない。そもそも一番だから当たり前だったと思うと、痺れを切らしたつばさはシャーペンを片手に前の肩をつついた。
「ちょっと、前の人・・・・・・」
瞬間、振り向いた彼女の目とつばさの目がぴたりと合った。優雅に風に舞う黒髪から、ふわりと微かに甘いシャンプーの香りが漂う。
そして髪色とは異り、茶色に透き通った大きな瞳とピタリと目があった。
つばさは少したじろいだ。
「なに?」
- Re: 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】 ( No.5 )
- 日時: 2015/08/25 19:11
- 名前: 小野寺 唯 ◆9XhjG9TDEA (ID: QNZXvDrE)
- 参照: とりあえず人物紹介(汗
我妻 結衣
14歳(ちなみに序章は10年後で24の設定)
吹奏楽部所属。
勉強はできるが運動は苦手。
黒髪セミロング、身長は平均。
五十嵐 つばさ
14歳。
バスケ部所属。
運動はずば抜けてできるが勉強はまぁまぁ。
茶の混じった明るい黒髪で無造作にはねている、身長は170越え。
- Re: 【失ったのは】遠い夏の日のこと【私の中のキミ】 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/12 21:06
- 名前: 小野寺 唯 ◆1CQZaMZxPE (ID: QNZXvDrE)
「なに?」
声はそこまで高くなく、かえって低くもない。
聞いていてちょうどいいトーンだった。彼女はいぶかしげにつばさの顔を見つめていた。
「え?ああー、そう!さっきからずっと呼んでたんだけどさ」
「・・・え?」
身に覚えがないように首をかしげた反応に、つばさはやはり違っていたことを悟った。
が、かまわず続けた。
「なんでわがつまさん、一番なの? 俺、『わ』なら逆に最後じゃないかって気になってたんだよ」
「・・・ぁあ、私の名前? それなら、
我に妻って書いて『あがつま』って読むの」
「ふーん・・・、そうか」
我、妻。で、あがつま。珍しい苗字だと思った。しかしつばさには、まだ腑に落ちないことが一つ残っていた。
やはりそれは結衣が『わがつま』という苗字でないと辻褄が合わないことだ。つばさは更に身を乗り出して尋ねた。
「でもさ、入学式。俺が一番で呼ばれたんだけどさぁ、やっぱりその辺がまだ気にかかるよなぁ」
結衣はそれを聞くと丸い目でつばさを見た。
鼻先がつばさのと掠めるか否かの至近距離だった。
しばらくして、ぷっと小さく吹き出して笑った。
「ぇ、?」
「あっははは。だ、だって君、そんなことで私のこと、わがつまだって頑なに思ってたのね」
結衣の綺麗な歯並びをした白い歯が剥き出しになる。その端に出っ張る八重歯が二つ、無邪気さを醸し出していた。
つばさは笑われたのにも関わらず、その笑顔から目を離さず何も言わなかった。
正確には言えなかった。
「進級と一緒に引っ越してきたの。ここの学校の入学式なんて、知らないわ」
つばさは状況がやや掴めずにいた。ただ一つ、目の前の女子に思考が奪われている感覚が残った。
「なるほど」空っぽの頭でなんとか返事をする。
「それでは、よろしく。わがつまさん」
「・・・え?」
ねぇ、私の話聞いてた?ちょっと聞いてるの。
少し遠くでそんな声がするような。
結論からいうとつばさは全然聞いていない。
まさか結衣自身も、このままわがつま固定になるとは思いもしなかった。
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