コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味)
- 日時: 2015/07/12 11:20
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: OHW7LcLj)
さてみなさん、私です。はい、コーラマスターです。
甲羅鱒田です。
炭酸漆黒水の支配者です。
コーラマスターのミミガー—季節の野菜を添えて—です。
コーラマスター先生の次回作にご期待ください!
とまあ始まった直後に終わるのは控えましょう。
では、このスレッドを建てた理由からお話ししましょう。
そして次に塩胡椒500グラムをどばっと投入致します。
このとき自制の念を感じてはいけません。
感じると、作っている物がちくわに変わってしまいます。
何も考えず、無の境地で、世界を感じながら投入しましょう。
どばばばーばしゃんどっかーんとね。
(最後のどっかーんは地球の破壊音です。スタッフのミスにより、雑音が入ったことを心よりお詫び申し上げます)
話がわき道に逸れたばかりか、ガードレールを突き破って、崖からまっさかさまになりましたね。
とりあえず、話をクレーンで引き上げましょう。左向きチキンレースはその後です。
今回何ゆえこのような不明瞭極まりないスレッドを建てたのかと言いますと、
ギャグセンスと文才の凶化です。誤字?そんなまさか五時なんてするわけないじゃないですかやだなー
まあ凶化というからにはね、読者が全身に悪寒を感じて振り向く、そんな短編にしたいですな。
そして、おかあさーんと叫んで泣きながら担任の先生に走りよっていく、そんな小説に。
読者にトラウマを植え付けた直後に一本残らずむしりとる、そんな小説に。
まあ簡単に言うと冒涜的でナンセンスなギヤグ短編(ギャグとは言ってない)ですので、
かるーく右から左に受け流しながら(あれ?逆?)読んでいただければ幸いです。
【魔砲ちくわで撃ち抜いて】
>>1 >>6 >>9 >>10 >>11 >>12 >>15
- Re: つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味) ( No.9 )
- 日時: 2015/07/05 08:05
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: OHW7LcLj)
抜けない。ちくわが、指から抜けない。
目の前の少女は目を輝かせて待っているだけに、言いづらい。
というか、言ったら自分の命に関わりそうで、言いづらい。
さっきまで死のうとか考えていたくせに、竹本さん(愚かな独身男)は命が惜しくなりはじめたのだ。
「なんでこのちくわを欲しがってるんだい?」
口角を不自然に上げて、露骨に時間稼ぎする。
しかし少女は気に留める様子も無く、少し遠い目をして言った。
「——それで、村が救えるからよ」
「そのちくわがあれば、『ヤツラ』を倒せる」
うれしそうに語る、その目には酔ったような雰囲気があった。
ちくわで村が救えるとか頭大丈夫だろうか、という思いを押し潰す。
きっと、このちくわもさっきのように光弾を発射できるのだろう。
しかも、さっきよりずっと強力なものが。
だとしたらなおさら抜かなければならない。
もう一度試す。それでもちくわは抜けません。現実は非情である。
竹本さん(おっさん)の額に汗が光る。
「へー、『ヤツラ』か、それは大変だね」
「ところで」
ぎこちない満面の笑みを作る。
「このちくわ、抜けないんだけど」
「はあぁ!?」
少女の笑顔が驚愕に変わる。
さっきまできらきらと輝いていた目が大きく見開かれる。
「う、嘘よ! そんなわけないでしょうが!」
少女は竹本さん(30代後半)につかつかと歩み寄り、ちくわを引っ張る。
抜けない。再度。ぬけない。もう一度。残念、抜けないよ。
それから何度も少女は引き抜こうとするが、ちくわはそれを冷笑するかのようにびくともしない。
それどころか、あまり強く引っ張ると竹本さん(繰り返すが30代後半である)のほうが痛い。
しばらく、ちくわを引き抜くだけの簡単なお仕事を続けていた少女だったが、ついに観念したのか近くの岩に座り込む。
「ああもう、どうしてくれるのよ・・・・・・。『でんせつのちくわ』よそれ・・・・・・」
「『でんせつのちくわ』?」
「そう、従来のちくわでは魔力を固めて発射することしかできない。
でも、『でんせつのちくわ』は使用するだけで魔物を追い払える、そう伝わってるわ」
「それがこのちくわなのか?」
竹本さん(漂う犯罪臭)は少女の隣に腰を下ろす。
「多分そう。異様に細長いちくわなんてそうそうあるもんじゃないから」
少女は、うつむいて地面に筒状の何かおぞましい物体を描いた。これがちくわだとしたら相当残念な絵心である。
「ってさりげなく隣に座ってんじゃないわよ!」
少女は竹本さん(ざまあみろ)を突き飛ばし、真っ白に燃え尽きたポーズで顔を伏せた。
竹本さん(これが報いだおっさんよ)は少しよろめいて立ち上がり、空を見上げる。木々に隠れて青空が見えない。
「———これから、どうするんだい?」
竹本さん(哀しきかな)は目の前の少女を単純に可哀相だと感じた。
自分の家族を救うかもしれない救世主が中年男性のよりにもよって左薬指にはまったまま抜けないのだ。
掴めると思った藁は、さぞ丈夫だったことだろう。
少女はしばらくの間うつむいて考えていた。額に汗が浮かぶ。
そして、ようやく顔を上げた。神妙な顔をしている。
「つ、ついてきて。村に案内する」
少女は茂みをかきわけて歩き始めた。
相変わらず、草木に隠れて空は見えない。
だが、その空が暗雲に覆われているとは限らない。
雲ひとつ無い晴天かもしれない。
ただ。ひとつだけわかることがあった。
嫌に生ぬるい風が、吹き始めた。
- Re: つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味) ( No.10 )
- 日時: 2015/07/05 10:17
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: OHW7LcLj)
少女はつかつかと草をかきわけて、進んだ。
竹本さん(膝がつらい)もそれに続く。
蛇が飛び出してきた。直後倒れる。もちろん蛇が。ちくわで撃たれたのだ。
死体は灰と水に還元されて、もはや原型をとどめていない。あからさまにオーバーキル。狂おしいほど無慈悲。
竹本さん(腰もつらい)は想う。
もし、もしさっき自分にあの弾丸が当たっていたら。
自分もまた、根源的な灰、そして水に分解されていたのだろうか。
ちくわごときに。ちくわごときに自分の人生が終わらせられてしまうところだったのか。
目の前で弾丸を放った少女の姿が、どうしても恐ろしいものに見えてしまう。
彼女も動揺していたし、自分の意思ではないということはさっき自分に言い聞かせたはずなのに。
どうしても、この少女を疑ってしまう自分が、嫌だった。
何か獣のようなものが飛び掛ってくる。間髪入れず少女はちくわで打ち据える。
いや、『打ち据える』という表現は正しくないかもしれない。
なぜなら凶器であるちくわは、鈍器ではなく鋭器だったのだから。
獣が、真っ二つに切断された。そして、その切り口からは鮮血が————、無かった。ただ、獣が、『解けていく』
さっきの蛇が分解されたように、切り口から身体が根源的なものに還元されていくのだ。
獣が、灰へと変わっていく。そこから、透明な液体がこぼれ出る。
水だ。不自然なほど異物を取り除かれた水がそこにあった。
生命が無慈悲に奪われていく瞬間だった。
たかがちくわによって。たかがちくわによって命が切り裂かれ、蹂躙された。
竹本さん(最近寝不足)は恐怖した。ちくわという存在に。
そしてそれを使う少女に。
あの、華奢な身体さえ、おぞましい怪物に見えてくるのだった。
それから、少女は立ちはだかるものを潰し続けた。鳥でも、虫でも、怪物でも。
しかし、少女はその度に後悔した。撃たなければ、切らなければ良かった、と。
これくらいは、この危険な森を歩くうえで日常茶飯事だ。
少女にとってそれが「普通」の「日常」なのだった。
それでも、あの残酷な散り方をする生命を見ると、少女はどうしても自責の念に苛まれるのだった。
村を救うため、自分を守るためだとわかっていても、これが正しいことなのかわからない。
偽善的だと分かっていても、その思いは溢れ出て止まらなかった。
湿った風が吹いた。木々がざわざわと不気味な音を立てる。
自分を責めているのだろうか。少女は胸が苦しくなった。
心臓にしこりがあって、息をするのも苦痛だ。そのしこりが、罪悪感であることはすぐに分かった。
少女は立ち止まった。耐えられなくなって立ち止まった。
初めての独りでの森だからかもしれない。父がいないからかもしれない。
ただ、森の来たときでこんなに辛いのは初めてだった。
目が熱くなるような感覚。目の底からなにかが込み上げてくるような感覚。
そして、頬をなにかすこし冷たいものが垂れた。
竹本さん(チキン)はようやく間違いに気付いた。
少女の涙を見たことで、やっと。
少女は怪物などではない。命を奪うのを戸惑う、ごく普通の優しい女の子なのだと。
さっきまでこんなに思いつめている少女を見ながら、独り勝手に怯えていた自分が恥ずかしい。
竹本さん(黒歴史がまたひとつふえたよ!)は少女の隣に立ち、空を見上げる。
よく見ると、木々の隙間に青があった。
「ありがとう。そしてごめんね」
「なんで!なんで私に感謝するのよ!だって私は——」
「見知らぬおじさんの命を救ってくれた。そしてこれから村も救う。違うかい?」
少女は何も言わなかった。しかし、涙を流すその目は、まだ納得できていないようだった。
「確かに、そのちくわは多くの命を奪った。それは間違ったことなのかもしれない。
でも、君が見知らぬおじさんを、そして君自身を守ったことは紛れもない事実だ」
「で、でも———」
少女は戸惑う。いいんだ、これは君が責任を感じるべきことじゃない。
竹本さん(中年の風格)は少女の肩に手を置く。
「そしてすまない。目の前で思いつめている女の子がいたというのに、おじさんはただ怯えることしかできなかった。
大人気ないことをしたね。ごめんよ」
少女は泣き出した。大声で、胸に秘めた苦悩を吐き出すように。
一片の晴天を見ながら泣いた。ひとりのおじさんの隣で。
おとうさーんと、声が出た。
おじさんは、私は君のおとうさんじゃないよと笑った。
やがて、少女が立ち上がったときにはその顔に決意が宿っていた。
- Re: つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味) ( No.11 )
- 日時: 2015/07/09 20:58
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: OHW7LcLj)
しばらく歩くと、前方から一筋の光が差し込んできた。
どうやらこの先が開けたところになっているらしかった。
竹本さん(膝ガクガク)は少女の顔を見る。
さっきまであった涙の跡は、もう消えていた。
「さあ。ここが村よ」
鬱窟とした森を抜けるとそこには————。
明らかに文明を感じる、かまぼこ型の白い、巨大な建築物があった。
そう、まさに工場のような。というか工場と言う言葉以上にこれがあてはまるものがあるだろうか。
そして明らかに機械が動く、ウィーンという音が聞こえた。
あぜんとして声も出なかった。開いた口がシャットダウン不可能な状態に陥る。
自分がおかしいんだろうか。竹本さん(まだボケるには多少早い)は一瞬錯乱した。
「まさかここが村などとぬかすのではあるまいな」
何故か古めかしい口調になる。無理もない、未開のジャングルの中で急に文明産の物体、それも巨大を見てしまったのだから。
精神的ショックはかなりのものと推察される。
「さっき言ったじゃない。大丈夫? 疲れてるんじゃない」
素で心配された。こちらとしてはあなたがたのほうがよほどおかしいのですが、という声は呑み込んだ。
全く、おかしいのだ。文明レベルは無視するとしても、村、つまり集落であるはずなのに民家らしきものがない。
狩猟民族っぽいから畑が無いのは許すとしても、建物が工場以外に無いのは不自然だ。
さらに、人影が全く見当たらない。
多分工場にみんなで入っているか、広大な森の中を駆け回っているかのどちらかだろう。
工場を横目にそんな思慮を廻らしていると、少女が訝しむような目で見てくる。
「どうしたの? そんなにジロジロ見て」
「いや、あの建物なんなんだ?」
と、工場を指差す。すると少女はなんだそんなことかと笑った。
「心配しなくても、すぐにわかるわよ」
少女は、工場のドアの前に立った。電子ロックのようなものがかかっているようで、それっぽい機器がついている。
文明レベルについては、もうつっこまないことにした。
少女は右手のちくわを電子ロックの指紋認証らしきとこに押し付けた。
べちゃりと。機械壊れないのかと思った。
しかし、竹本さん(文系)の心配をよそに、ピッという機械音ともにドアが開く。
横に開くタイプかと思いきや、全く予想外の、上下に割れて格納されるタイプのドアだった。謎の技術だ。
中を見てみると、それはもう絶句するしか無かった。
外見が工場だというのに、中は確かに村だった。
アマゾンの奥地にありそうな、緑いっぱいの村。
ちょっと料理器具とちくわが多いこと、そして工場の中にあることを除けば普通のアマゾネスヴィレッジ。
しかも、明らかに外から見た工場よりも広かった。
竹本さん(営業職)はもはや放心状態だった。
すると、隣の少女が不意に声を上げた。
「おとう、じゃなかった村長ただいま。『でんせつのちくわ』見つけてきたよ」
直後竹本さん(けんかよわい)は背後に気配を感じた。
- Re: つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味) ( No.12 )
- 日時: 2015/07/08 20:57
- 名前: コーラマスター ◆4oV.043d76 (ID: OHW7LcLj)
肩にぽんと手を置かれる。そして背後から感じる殺気。
明らかに後ろにいるのはただものではなかった。
竹本さん(やはりチキン)が恐る恐る振り向くと、そこには柄の悪そうな怖いおっさんがいた。多分同年代だ。
スキンヘッドの上に巻いた鉢巻と目元の傷が、カタギじゃない雰囲気をかもし出す。
その上、接触するまで気配を感じさせなかったその技量。まともに戦っても死ぬだけだろう。
しかし少女はにこにこ。死にたいのだろうか。
「おいお前、俺の娘に何してやがる?」
怖い人が竹本さん(ガクガクブルブル)の胸倉を掴む。
「え!?いやそのわたしがチクワでそのですな、ははは」
「ああん!?後ろめたいことでもあんのかてめえ?いい加減にしろよ」
ここでやっと少女が危機を感じたらしい。
竹本さん(もう、死ぬ・・・・・・のか)と怖い人の間に割ってはいる。
「違うの、お父さん。この人は『でんせつのちくわつかい』なの」
少女は竹本さん(生まれ変わったら鳥になりたい)の左手を父に見せ付ける。依然そこにはちくわがはまっている。
「あ、ほんとだ」
少女父は気の抜けた声を上げて竹本さん(そして大空を自由に)を下ろす。
そして頭を下げ、急に詫び始めた。
「すまない。娘可愛さに客人とも知らずに暴挙に走ってしまった。
お詫びと言ってはなんだが、これからうちへ来てくれないか。
こんなところまで連れてこられて腹も減っていることだろう。出来る限り、ご馳走する」
「え、いや、お気遣い無く」
「これを断れると男が廃る。どうか頼む」
そんな誠心誠意で謝られると、こっちが悪かったような気分になる、日本人気質の竹本さん(気が弱い)であった。
ただ、目の前の男がそれだけのために、自分を招待するのでないことは察しがついていた。
『ヤツラ』から村を救うためだ。とはいえ、竹本さん(押しにも弱い)はそのために村に来たのだし断る理由は無かった。
竹本さん(大衆の意見にも弱い)は首を縦に振った。
「では行くとするか」
少女父は、工場内に広がる村の中心部に位置する大きな家へと歩いていった。
少女と竹本さん(胃も弱い)もそれに続く。
さっきまで道に迷っていたはずが、どうしてこうなったんだろう。
- Re: つれづれなるままに、カオス(ミルクソテー風味) ( No.13 )
- 日時: 2015/07/07 22:25
- 名前: 太宰林檎 (ID: Xr21cKIW)
おはようございますこんにちはこんばんは。太宰林檎です。覚えていなかったら変態が来たと思って完全無視を決め込んで下さい。
私の処の小説の処に来てくれて有難う御座いました。本当に嬉しかったです。
コメディとシリアスが絶妙で凄く良かったです。ツボでした。竹本さんに感情移入し易かったのは私だけなのか。
ちくわとかまぼこという……、なんという練り物でしょう。練り物嘆賞隊とかなんか結成したくなります。いいですよねちくわ。美味しいですよねちくわ。ちくわで始まる冒頭が凄く素敵でした。
……ということで。ぐだぐだと感想の様なものを喋ってしまいました。よく喋っていると脇道に逸れて転がったままそれが最後になったりするので文がおかしくても何も言わないでください。
最後にはなりましたが、これからも執筆頑張って下さい。
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