コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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片方向の赤い糸[名前を豆猫に変更しました]
日時: 2016/07/10 13:34
名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)

片方向の、赤い糸。

いつか、アナタへつなぎたいからー・・・


今日も、明日も、あさっても。

少しずつアナタに、近づきたい。



一途で、一生懸命で、切なくて、不器用な。


そんな、ひとりの女の子の恋物語。

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Re: 恋の合図 ( No.1 )
日時: 2015/07/16 17:26
名前: ユイ (ID: 4mrTcNGz)

トクン…トクン…

胸が鳴る。

苦しいような、ふわふわしたような、変な気持ち。

この気持ちに、名前をつけるなら…




…こ、い?

Re: 始まり ( No.2 )
日時: 2016/07/10 13:36
名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)

ドンっ。

「わ、キャッ…!」

「っ、うわぁ!」


バッサー…

ドサッ。

「い、たたた…  って、わぁ!?」

「いたた…。君、大丈夫?」

職員室前の、静かな廊下。

その廊下に散らばった、大量のノートとプリント。

目の前には、整った“彼”の顔。


それが、私たちの出会いであり、

“すべて”のはじまりー…

Re:雑用 ( No.3 )
日時: 2016/07/10 13:47
名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)

全ては、5分前から動き出していた。

☆☆☆

「おい、3組の学級委員いるか〜?」

私が通っているのは、春沢中学校。そして私、望月 桜は3年3組の学級委員だ。

すなわち、今先生が呼んでいるのは、私。

「はい、なんですか?」

「ああ、望月。悪いんだがちょっと頼まれてくれないか?」

…疑問形だけど、立場的に断れるわけないって思うのは、私が真面目すぎるのかな…。

「…はい、なんですか?」

「今からこないだのレポートと数学のノート、クラス全員分名前順に集めて職員室に持ってきてくれ」

「わかりました」

正直面倒な雑用に、嫌そうな顔をしてしまわないように気をつけてにっこりと笑う。

「頼んだぞ」

先生がそう言い残し、教室をあとにした、次の瞬間。

「げ、桜、また雑用押し付けられたの!?」

頭上から声がした。

Re: 親友 ( No.4 )
日時: 2016/07/10 14:00
名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)

その声は、聞きなれた親友のもの。ちょっと低めで落ち着いた、綺麗な声。

「翼ちゃん」

私の目に映る彼女は、ベリーショートがよく似合うボーイッシュな女の子。城田 翼ちゃん。

「チッ、あのハゲ、また桜に雑用押し付けて…!」

「つ、翼ちゃん。そんな大きい声でハゲとか言わないほうが…。また先生に呼び出されちゃうよ?」

「実際ハゲじゃん。それに、桜が真面目でおとなしいからって、調子乗って雑用ばっか押し付けて……。ムカつくわ〜」

「アハハ…」

翼ちゃんはその凛々しい見た目のまま、誰に対しても自分を曲げないタイプだった。もちろん相手が先生だろうと関係なしで、しょっちゅう先生ともめている。

見ている方としてはハラハラすることもあるけど、そんな翼ちゃんはすごくカッコいいし、憧れる。

小心者の私は基本は周りに合わせちゃうし、典型的な「Noと言えない日本人」タイプ。だから、翼ちゃんみたいなタイプの人が羨ましくてしかたない。

「ノートの回収は私がやるから、そっちはレポート回収しなよ」

「え、いいの?ありがとう!」

私たちはノートとレポートをいそいそと回収した。

Re: 職員室の手前 ( No.5 )
日時: 2016/07/10 14:04
名前: ユイ (ID: JLwNROZ9)

「お、重い…」

集め終わった大量のノートとレポート用紙は、それはまぁ結構な重さだった。何とか持ち上げたはいいものの、その重みに耐えかねた腕がプルプルと震えて、悲鳴を上げている。

「大丈夫?桜あんまり力ないんだし…。やっぱ運ぶの手伝おっか?」

「いや、大丈夫!翼ちゃん、まだワーク終わってないんでしょ?今日中に提出なんだから早くやらないと!」

「うぅ、ごめん。ほんとに大丈夫?」

「うん!行ってくるね」

よろけながらも、さっきの先生のように教室をあとにする。

にしても、ノートとレポートの山でほとんど前が見えない。翼ちゃんくらい背が高かったら、もしくは力があったら、もうちょっと運びやすかっただろうになぁ……。

誰かとぶつかったりしない、よね?ぶつかりそうになったら相手が避けてくれるはず。……だよね?

ゆっくり、慎重に階段をおりる。

あとは廊下を真っ直ぐ行くだけ。

職員室のほぼ手前まで来た、その瞬間—…


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