コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。
- 日時: 2015/07/26 08:45
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
ハイテンションな少女・森山佑果が繰り広げるドタバタ図書館青春ライフ!
1.プロローグ
>>1
2.「日常に、ひとつのイレギュラー。」
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8
伊吹吹雪の他の完結作品
・恋乃手紙
・桜庭中学1年の日常〜会話文だけで紡がれる物語〜
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- Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.4 )
- 日時: 2015/07/20 08:26
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
駐輪場に自転車を止めると、私は自分の喉が水分を欲しているのに気づいた。
足早に、図書館へと入っていく。
目指すは、自動販売機!
階段を上り、建物の中に入っていく。
ここは比較的小さな図書館のようで、入り口にはオススメや新しい本が何冊か置いてあり、すぐ横にはカウンターがあるというコンパクトな作りになっているようだ。
「こんにちはー」
図書館の人が挨拶をしてくれる。
「こんにちは。」
私も挨拶を返す。
カウンターの逆側には掲示板があった。
「祝日と日曜日は午後5時に閉館致します。」
「読み聞かせ、3時から」
というようなお知らせの中に、
…あった。
「休憩は地下1階で。自動販売機もあります。」
地下1階ね!
私は、足音を立てないように気をつけながら、地下へと階段を降りていった。
☆
- Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.5 )
- 日時: 2015/07/20 08:52
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
薄暗い階段を降りていくと、明るい空間に出た。
無理やり蛍光灯で明るくした感じはなぜか無い。
吹き抜け?になっているため、自然光が入ってきて、非常にふわわ〜な感じ?
うん。
そんなことを考えたのは一瞬で、奥にある自動販売機が目に入ると、急いで駆けていく。
もう、喉が限界だ。
小銭入れから160円を出すと、自動販売機に入れる。
省エネで明かりが消えていた、すべてのボタンに光が灯る。
そして、手で押すのは、
人々が愛し続けてきた、黒色の炭酸飲料。
ピピーと音が鳴って、取り出し口に黒色の液体が詰まったペットボトルが出てくる。
それを取り出すと、キャップを開ける。
しゅわ〜という、炭酸が出たい、出たいという声がする。
口に液体を流し込む。
細かな泡が触れて、それに甘い液体が混ざり合い、喉を潤していく。
素晴らしい!
この飲み物を作った人物に会いたいよ……!
一気に飲み干すと、私はゲップが出そうになりながら(女子としては非常にダメだということは分かっている)、ペットボトルをゴミ箱に捨て、1階の自習室へと向かった。
☆
- Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.6 )
- 日時: 2015/07/20 19:55
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
空調設備の音が確かに聞こえるほど、冷やされた自習室は、睡魔を振り切るのに丁度良かった。
「うう、分かんない……!」
どうしても、この数学の問題が分からない。
なんか解説書ないかなー
ここの自習室は、様々な勉強向けの本が置いてあり、中学生向けの参考書から、専門書まで置いてある。
私は、数学の参考書を探しに行くことにした。
高い本棚の密林にいる、私という探検家は、迷っていた。
これかなー?
いや、こっちも分かりやすいかも?
いろいろ手に取って確かめる。
だが、赤点製造機の私に、どれがいい参考書なのか分かるわけもない。
いいや、全部持っていってしまえ!
役に立ちそうな参考書を片っぱしから持っていく。
すると、積み上げると、目の前が見えないくらいの高さになってしまった。
ま、いっか。
大量の本を持ち、ヨタヨタしながら、席へ戻っていく。
ドン!
誰か、人に、ぶつかってしまった。
私は本と一緒に、顔面から転ぶ。
積み上げて持っていた本が、バサバサと落ちていく。
「ご、ごめんなさい!!」
本を拾いながら、顔を上げると。
「大丈夫だ。」
と言いながら、本を拾う、
…メガネの少年がいた。
☆
- Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.7 )
- 日時: 2015/07/21 20:46
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
私は座り込んだまま、立ってこちらを見下ろしている、少年を見上げる。
カッコいい……!
頭の良さそうな、端正な顔立ち。
少し浅黒い肌。
上品な服の着こなし方。
きっと偉くて優しい人だ、と私の動物的な勘が言っている!!
そんな方に、私はぶつかってしまったのだ!
謝らなくては……!
というようなことを、コンマ1秒で、私の動物的な脳は考えた。
その結果、神業的な速さで頭を下げまくる、ということになっていた。
「ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃ!」
相手に話す間も与えず、謝りを連呼する(ように見えているだろう)。
「あぁ?」
ひぃぃー!
しかも、無表情で言うので、怖さ倍増、である。
「本当にすみません!今、ここを立ち去りますので!」
私は、本を拾って立ち上がり、この場を立ち去ろうとする。
ところが。
「だから_。」
私の手首をぐいっと掴み、こちらに引き寄せる。
そこで、少年は初めて笑った。
「手伝ってやるって。お前が困ってること。」
?
??
ええー!
森山佑果、13歳9か月。
人生で初めて行った図書館で、人にぶつかった。
「静かな図書館で、一つでもロマンチックなことが起きると思う?」
起きるわけがない。
少なくとも、カッコいい男子にぶつかったというだけで、何か起きるわけがない。
…と思っていた。
静かで、慌ただしい夏休みが幕を開けたのだった。
☆
- Re: もし、図書館で◯◯とぶつかったら、それは恋の始まりでしょう。 ( No.8 )
- 日時: 2015/07/26 08:44
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: DLYJwhjR)
『手伝ってやるって。お前が困ってること。』
その台詞が頭の中でリピートし、私はフリーズ。
胸が何気なくドキンとしたが、そこまでの衝撃ではなかったので、0.5秒くらいで解凍する。
「あ、あの、ど、どういうことでしょうか……」
しどろもどろになって、少々乱暴な美少年に尋ねる。
「いや、だからさー」
相手は少しイライラしながら答える。
彼はメガネをクイっと上げて、こう言った。
「数学手伝ってやる、ぶつかったお詫びに。」
ちょっと、待って!!
「何で私が数学に困ってるって分かったの!?しかもぶつかったのどう考えても私が悪いよね!?」
「だって、」
次の言葉が、爆弾になるとも知らずに、
私は、彼の言葉に期待してしまったのだった。
「お前、うっさいし、頭も悪そうだし。つーか悪いだろ。」
ピキピキ……!
「チョットあんた一体なんなのよ!?」
「はーい、ここは図書館。静かにしましょーねー。」
メガネのクソ美少年が注意してくる。
「うっ。」
すっかり忘れていた。
今まで普通に話していたことを後悔する。
「あのさ、数学を教えてくれるのは、すっご〜くありがたいんだけどさ。何で、私が数学が苦手だと分かったの?」
先ほどより、声をかな〜りひそめて、言う。
彼は凹凸のない声で答える。
「大量の数学の参考書の中身。
どう考えても、お前は、俺と同い年くらい…、中2くらいなのに、
平方根だの高校の数学だの難しい本ばっかり持ってたからな。
こいつ、高校数学できんのか!?と思って、しばらく観察してたんだが、
中学の参考書どころか、小学校の算数のドリルまで持ってくし。
ああ、本当のバカだな、と思ったんだよ。」
「お前をバカだ」と思ったわけを散々語られ、精神的ダメージをかなり受けたが、立ち直る。
「あの、あんた…あなたは数学が得意なんですか??」
「まあ、一応。数学は得意科目で、他の教科もそこそこいける。」
ああああ。
それ自分で言うんかい。
だが数学を教えてもらえるのは本当にありがたいので、そこは頭を下げてお願いをする。
「お願いします。」
通りすがり…いやぶつかりすがりのメガネの少年に、数学をびっちりと教えてもらうことに私はなった。
☆
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