コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 記憶の欠片と恋欠片。【亀更新】
- 日時: 2015/11/09 00:10
- 名前: キノ (ID: 5fqeGTW2)
閲覧ありがとうございます。
キノと申します。以後、お見知りおきを。
恋愛小説に挑戦してしまいました。更新ペースは当然、文才やストーリーにもあまり自信はありませんが、十年以内には完結させるよう心がけます。
コメントなども、お気軽にして頂けると私が喜びます。何卒。
※注意事項※
●コメントやアドバイスをして下さるのはとてもありがたいのですが、荒し、または中傷など、周りの方々が不快になるような発言はご遠慮下さい
●一部、シリアスな雰囲気になるかと思われます。ご注意下さい
- Re: 記憶の欠片と恋欠片。 ( No.1 )
- 日時: 2015/08/25 00:20
- 名前: キノ (ID: nnVHFXAR)
[第一章 私は。(1)]
_____午前10時。
私は、蝉の鳴き声をBGMに走っていた。
家を出る前に整えたはずの髪は乱れ、下を向くと汗が雨のように滴る。
35度を超える猛暑の中、タクシー代をうかすために走る自分もどうかしているが、このままでは倒れてしまいそうだ。
それこそ涼しいお洒落なカフェで、冷たいドリンクでも飲みながら休憩したいところだが、それでは約束の時間に遅れてしまう。
なにより、普段履かないヒールの高い靴を履いたのが間違いだったのかもしれない。
体力こそは、高校の時に入っていた陸上部で鍛えられていたが、ヒール(しかも猛暑の中)で走るのはいくらなんでも想定外だ。
すぐ傍にあった自販機で水を買い、勢いよく飲むと急いでキャップをしめる。
目の前の信号が青に変わるまで、
あと4秒。
3……
2………
1…………!
その合図とともに、私は右足を勢いよく踏み入れた________。
『ドォン!!』
耳を塞ぎたくなるような大きな騒音より少し遅れて体に痛みがはしる。
少し目を開くと、焦点は合っていなくとも自分が地面に横たわっていることが確認できた。
だんだん、耳が遠くなっていく。
「_____本当に、今日は暑いなぁ」
そう呟くと、私は意識を手放した。
気がついた時、最初に見たものは見知らぬ天井だった。
どうやら、ここは病院らしい。
医者から聞く話によると、私は事故にあったそうだ。
信号無視をしたトラックとの衝突事故だった。
生死をさまよう程だったらしいが、奇跡的に意識を取り戻したと言う。
ただ、問題点が1つある。
それは、私が記憶喪失だと言うことだった。
記憶はいつ戻るのかもわからないし、一生戻らないのかもしれない。
医者はそう言うが、もう記憶を喪った患者にどう言ったってないものはないのだ。
仕方ないだろう。
「ないのなら、それでいい」
私はそう呟くと、あまり寝心地のよくないベッドの中で眠りについた。
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