コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 未定ですがたぶん逆ハーになります
- 日時: 2015/08/22 23:37
- 名前: むー (ID: II6slNHe)
はじめまして。
小説を書くのは久しぶりになります、むーといいます。
一年ほど前にここで書いていたのですが、完結せずに終わってしまいました…。
完結させるべく尽力したいと思います。
ちゅういてん*
・この話は逆ハー要素を含みます。苦手な方はUターン。
・駄作です。
・荒らし等々はお断りです。
その他、アドバイスやオリキャラ、コメント等々、かむかむです!
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- Re: 未定ですがたぶん逆ハーになります ( No.1 )
- 日時: 2015/08/21 12:31
- 名前: むー (ID: II6slNHe)
0.プロローグ
「おはようー昴君」
「…はよ」
昴と呼ばれた長身の男は、眠そうにソファに横になりながら、睨み付ける様に数枚の紙に目を通していた。
それを覗き込む小柄の少年に、ポンと頭に手を乗せた人物がいた。
「俺には挨拶はなしかい、梓ちゃん」
「何ー、して欲しかったの?」
「このツンデレチビめ」
「あ、こらー!頭撫でるなアカ!」
ぎゃんぎゃんと朝からうるさい二人を鬱陶しそうに見やりながら、どうしたの、と歩いてきた、こちらもまた長身の男。
昴の書類を覗き見れば、あぁ、と声を漏らした。
「…何か知ってんのか」
「知ってるも何も、超有名だよその子。
うちの学校始まって以来の————…」
「…何だ?」
ダルそうに首に手を当てていた男は薄く笑みを浮かべると、呟いた。
「ラスター、だよ。女の」
〈数時間前、御堂寮にて〉END
- Re: 未定ですがたぶん逆ハーになります ( No.2 )
- 日時: 2015/08/22 00:50
- 名前: むー (ID: II6slNHe)
1.噂の転入生
長い長い白壁はどこまでも続いている。
一体何キロあるのだろう、と思わず不安になってしまうような長さだ。
「緊張しますか?」
運転手の言葉に、少し、と答える。
本州とは少し離れた、人工の島。
日本の領土とはされているものの、そこは本州とは少し違った雰囲気の、まるで異世界にでも来てしまった様な、そんな島だった。
この御坂島は、御坂学園を中心とした街が広がり、御坂学園の生徒のための島だという。
「ここです」
恭しくドアを開けてくれた男の人にお礼を言って降りてみると、そこはまるで王宮のような建物だった。
金色の細工と少しの石が施された上品な正門には、『御坂学園』と刻まれている。
門から覗くだけでも、この学園の広さが伺えた。
だって門から意味も無く50メートルくらいの道ができてるもの。
思わず立ち止まって唖然としていれば。
「御神さんですか」
聞こえた声にふと視線を向ければ、若い男の人が爽やかな笑みを浮かべて佇んでいた。
* * *
彼は、香月さん。
この学園の理事長の側近だという。
…側近って言う時点で理事長の国王的イメージが薄れなくなってきている。
香月さんの話によれば、こういうことだった。
この御坂学園では、CAZと呼ばれる最先端技術を持つ超小型多目的携帯端末を使用することで様々なことができる。
例えば、ゲートと呼ばれる御坂街(別名城下町)とこの学園を結ぶ門の行き来もこれがないとできない。
また、学園内での本の貸し出しや、学食を購入するときなど、基本的なことにもCAZが必要になる。
CAZには毎月お小遣い制でコーズが支給される。
コーズは御坂街でショッピングなどをするときに使うことができる。
また、テストや所属部の活動によってもボーナスコーズが支給されることもあるらしい。
「まぁ説明するより使ってみたほうが早いでしょう。これをどうぞ」
受け取ったのは、文字通り超小型の端末だ。
ちょうどスマートホンのような大きさで、制服にはちゃんとCAZを入れるためのポシェットがついている。
試しに少しいじってみたが、何とか使えそうだ。
「では、同じクラスの桜庭さんを呼んでおいたので、もうすぐ来ると思いま———」
- Re: 未定ですがたぶん逆ハーになります ( No.3 )
- 日時: 2015/08/23 17:20
- 名前: むー (ID: II6slNHe)
香月さんがそう言いかけたその時。
「…っはぁッ…はぁッ…転校生って、アンタ?」
バタンッと大きな音を立てて入ってきたのは、髪色が少し明るめの男の子。
身長は170はあるだろう、私と20センチくらい違う。
「御園君ですか。桜庭さんは…?」
「きゅーよーだよ。
代わりにって頼まれたんだ。
俺は御園椿。
知っての通り————」
「あ——————!待ってください御園君!まだ説明してないんです!」
「あ、そうなの?
まあいいよ。俺が説明しとくから。
じゃ、行くよ。さよーなら香月サン」
…香月さんがこっちに手を伸ばすが、無常にもドアが閉まった。
強引に手を引かれ出てきてしまったけれど、良かったんだろうか。
「で、アンタは?」
「え、あ、えっと…、御神葵です。
御園君は、」
「あーっと。椿って呼んで。
っていうか基本俺らは苗字呼び嫌いだから」
「俺ら…?」
「あぁ、そうだそうだ。
この学園には、…っていうかこの国には昔からね、御皇族って言って、「御」の字がつく特別な家系の奴らがいて、それが俺とかー、昴とかー、暁とかー…まぁこの学園にはいっぱいいるワケね。
で、君も御皇族の一人っていうことになるんだけど…。
御皇族の奴は特殊な能力が使えるんだ。
だから御がつく苗字で呼ばれると、能力者扱いされてるって言うか…まァ俺も御皇族のほかの奴も、いい気はしないっていうことさ。
葵チャンも、御皇族だからって腫れ物扱い受けるのは嫌だろ?」
………。
話が突飛過ぎてよく理解できない。
確かに昔から私には不思議な力があった。
それが、家系のせいだって言うの?
じゃあ私は————。
「…葵チャン?だいじょーぶ?」
「…えッ?!あ、はい…。
すいません、なんか話がいきなり過ぎて…」
「えー?あ、そっか。
本州から来たんだもんね。
この話、この御坂島の奴しか知らないからさ。
ま、びっくりするのもトーゼンだよねー。
あ、けど御皇族はみんな同じ寮生活だから、あとでみんなに会うと思うよ。紹介するから」
私がそれに頷いていると、まだホームルームの時間ではないのか生徒が大勢廊下に出ていた。
妙に視線を感じて、きょろきょろしていると、数人と目が合った。
…転校生の物珍しさ?
にしてはすごい噂されてるような。
「…転入生の御神さんだ」
「…異例のラスターか」
聞きなれない単語や自分の名前に、居心地悪くしていると椿君は私の手をとって近くの空き教室に入った。
奥のほうに手を引く椿君を何だろうと見ていると。
「ちょっと…、じっとしてて」
「っ———?!」
次の瞬間椿君は、しゃがむように私に促すと、自分もしゃがんで私を壁に押し付け抱きしめたの…!
「ちょ、椿君…ッ?!」
「しっ!静かに」
声を潜めて体に回された手で口を塞がれてしまう。
ど、どういうこと?!
転入初日からなんなの?!
耳元で響く規則正しい鼓動の音や耳にかかる吐息が妙にリアルに聞こえる。
思わず顔を赤くして固まった私を他所に、椿君はチッと舌打ちをして廊下を見た。
どたばたと走る音と共に、「御皇族は…?!」という声が聞こえる。
誰かが、私たちを探している…?!
「葵チャン、アレ、御皇族と敵対してる奴ら。
色族って生徒は呼んでる。
色族は、昔御皇族を『狩る』ために力をつけた存在とされているんだ。
力を付け過ぎた御皇族に、世界を支配させないために。
つまり、あいつらも能力を使えるってこと。
あ、で、能力使える奴はみんな『ラスター』って呼ばれてる。
ラスターの構成はこうだ。
1つ目が、俺ら御皇族。さっきも言ったように、苗字に御の字がついているんだ。
2つ目が、奴ら色族。色族の人間の苗字には全部色を表す文字がついてる。例えば、赤羽とか、桃井とか。
ま、色族の奴らには気をつけるんだな。
全員が全員ってワケじゃないけど、大抵御皇族を憎んだり恨んだりしてるから、襲ってくる。
そして御皇族の血は特別だから、色族はその血を狙ってくる奴もいるんだ」
色族がいつの間にかいなくなったのか、椿君は体を離した。
…色族。苗字に色がついた人たち。
…ということは…。
「葵チャン、行こ。みんなに紹介するよ」
椿君は、CAZに手を掛けながら、ニッと笑った。
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