コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Last Days
- 日時: 2015/08/28 23:43
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: O0NjrVt8)
ずっと、ずっと伝えられなかった思い
このまま卒業するんだってそう思ってた
だけど、変化は嵐のように訪れて
——高校生活最後の年、それは私達にとって忘れられない日々の記憶となって未来へと続く
*
『目次』
《主要人物紹介》>>1
episode1【型破りな転校生】>>2 >>3 >>4 >>5
episode2【すれ違う思い】>>6 >>7 >>8 >>9
#2015/8/27【執筆開始】
*挨拶
どもです久遠と申します
この度は LastDaysを閲覧頂き有難うございますっ
皆様に少しでも楽しんで頂ける様、コチラも書いていこうと思います
感想などいつでも歓迎してますので、ちょっとした事でもコメント頂ければ嬉しいです
それでは、いってらっしゃいませ!
- Re: LastDays ( No.1 )
- 日時: 2015/08/27 21:32
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: w3T/qwJz)
《主要人物紹介》
榊飛鳥/さかきあすか
18歳 AB型
真っ直ぐでサラサラな黒髪で短髪。幼さ残る顔立ちで可愛い
元生徒会長であり伊織の保護者でもある。自分のことより伊織未来を重視している
桂伊織/かつらいおり
18歳 O型
小麦色の肩までの髪に琥珀色の瞳。誰もが羨むような美貌の持ち主
元生徒会副会長であり飛鳥とは親友的間柄。モデルとして活躍してたり人気者
栗原優月/くりはらゆづき
18歳 B型
栗色の髪でセミロング。大きめの瞳と笑顔がチャームポイントの女の子
雑誌で見かけた伊織に一目惚れして転校してくるという行動力のある子
天海栞/あまみしおり
18歳 A型
黒髪ロングでハーフアップ。肌が白くスタイルもいい、隠れ美少女
生徒会所属で書記をしている、自分の気持ちに正直な優月に憧れている
- Re: Last Days ( No.2 )
- 日時: 2015/08/28 12:02
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: 3rAN7p/m)
episode1【型破りな転校生】
栞side
春、それは始まりの季節。そして——恋の季節でもあって。
「今年で最後……」
散り始めた桜の下で呟いた声は誰にも届くことはなくて。
それでも時間だけは無情にも進んで、思い知らされる。
今年で最後——高校生活最後の一年。
その日が等々始まって、思い浮かぶのはずっと大好きな人の顔。
「榊くん……」
榊飛鳥——元生徒会長にして、私が入学してからずっと思い続けてる人。
優しくて、頼りになって真面目で。どんな言葉を並べても足りないくらいに大好きで。
「それも後一年でお終いなんだ」
同じ生徒会に所属して、少しでも長く一緒にいたくて。
誰よりも好きだって言える自信があるのに、告白どころか話しかけることも出来なくて。
せめて最後に何か思い出が作れたらなんて思うけど。
きっとそれすら叶わない。私には自分の意思で何かをするって事が凄く難しいから。
「……教室、行こう」
考える事を一度中断して教室へと向かう。
そして私は出会った——一生懸命でどこまでも真っ直ぐな女の子に。
*
教室に入った私が目にしたのは信じられない光景だった。
「桂くんの事が大好きなの!」
教室の中心で繰り広げられていたのは紛れもない告白。
それだけならまだ驚きは少なかったかもしれない。
でも、女の子が告白した相手は——桂伊織。
この学校の人なら知らない人なんて居ないってほど有名な人。
モデルをやっている桂くんに好意を抱く女の子は凄く多いけど、告白をした子を見るのは初めてだった。
「えっと……ごめん。俺そう言うのは——」
「あ、いきなりこんな事言われたら迷惑だよね……ごめんねっ」
「あっ、待って……!」
桂くんの言葉に傷ついたのか教室を飛び出す女の子。
私はただその様子を見ているしか出来なかったし、クラスメイト達はザワザワと話していたけど。
私にはあの女の子の行動力が少し羨ましく思えた。
純粋に自分の思いをぶつけられる勇気が凄いって思えて不思議と応援したくなって。
気がついたら足が動いていて。
走り去った女の子の後を追いかけていた。
「足早っ……」
すぐに追いかけたがずの背中は瞬く間に遠ざかって。
それでも必死に追いかけて、走って。
やっと追いついたと思った時には息も絶え絶えで、そして。
あの女の子の傍には会長がいた。
その光景を見て思わず隠れる私。
覗き見なんて悪趣味なことしたら駄目だって分かってるのに二人の会話が気になって。
耳をすます自分がいる。
その結果聞こえてきた言葉は——私の予想を遥かに超えるものだった。
「だから僕の彼女としてなら生徒会に入れてあげるって言ってるの」
「は? そんなの絶対嫌!!」
「でも生徒会に入って伊織と長く一緒にいたいんでしょ?」
断片的にしか聞き取れなかったけど、それでも聞き間違いじゃなければ、会長は——
あの子と……? 違う、きっと桂くんを諦めさせようとしてあんな事を言ったんだよ。
そう思うのに、何で胸がこんなに苦しいの……?
「あれ、天海さん? こんな所でどうしたの?」
「っ!!」
不意に掛けられた声に体がビクッと反応して。
慌てて目元を拭うと逃げる様にその場から走り去った。
「ちょっ、天海さん!?」
後ろから桂くんの驚く声が聞こえてきたけど、立ち止まることは出来なかった。
私、何やってるんだろう……。
勝手に人の会話を盗み聞きして傷ついて。
本当に無様だった。こんな顔誰にも見せられない、見せたくない。
桂くんはきっと、あの子のことが気になって追いかけて来たんだよね。
優しい人だから。
「この後、どうしよ……」
今更教室にも戻りづらいし、かと言って早退するわけにも。
……生徒会室で雑務をしてそれから保健室行こう。
そう決めて足を動かした。
- Re: Last Days ( No.3 )
- 日時: 2015/08/28 12:35
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: 3rAN7p/m)
飛鳥side
進級したての今日、転校生が来ることは知ってた。
その転校生が伊織のファンであることも。
「ただ、ここまで馬鹿だとは思わなかったけど」
転校して来た初日、しかも教室のど真ん中で告白するなんて。
その神経が理解出来ない。
「ま……誰が来ようと伊織の邪魔はさせないよ」
伊織にとって今は凄く大事な時期なんだから。
その為なら僕は——幾らでも嫌われ役になれるんだから。
「手始めに揺すりにかかろうかな」
呟いて飛び出して行った転校生——栗山優月の後を追いかけた。
*
で、すぐに見つけた訳だけど。
想像よりもずっと彼女は必死だった。
……一目惚れなんて馬鹿みたいな理由で転校までしてくるんだから当然なのかもしれないけど。
でもそんなのは僕には関係ない。
僕には伊織の夢を守る役目があるんだから。
だから提案した、彼女に伊織の所属する生徒会に入りたかったら僕の彼女になれと。
別に、彼女——優月の事が好きな訳じゃない。
むしろ嫌いなたぐいだけど、形式上、彼女になってくれれば都合がいいんだ。
「どう、悪い話じゃないだろ?」
そう持ち掛ける、でも答えは予想通りの拒絶で。
更に言い募ろうとした時、伊織の姿が見えて中断された。
「飛鳥……と一緒だったんだ」
「桂くん、これはその、えっと違うの!」
伊織の登場に分かりやすく狼狽する優月。
それを見ていい事を思いついた。
「何が違うの優月?」
「!」
わざとらしく名前で呼ぶと優月本人よりも伊織が動揺したのが伝わってきた。
遅れたように優月も反応して。
「なっ……何がって!」
「僕の気持ちは迷惑?」
「ちょっと桂くんの前でさっきから何言って」
慌てふためく様子が可笑しくて、更にからかおうとした矢先に、伊織が呟くように言った。
「あ、ごめん。何か取り込み中だった? 二人、凄い親しげだし……」
「ち、違うの飛鳥とはなんでもなくて!!」
「そうなんだ、僕が優月のこと気に入っちゃって。アピール中っていうか?」
サラッとそう宣言すると、伊織は一瞬強ばった表情をしたけど、すぐ笑みを浮かべて。
「そっか! 二人ならお似合いだよ、飛鳥はちょっと底意地悪いとこあるけど、根はいい奴だから」
伊織がそう言った瞬間、優月の表情も強ばったのに僕は気づいた。
でもそれに触れることはせずに。
「それで、僕になにか用があったんじゃないの?」
「あ、えっと……さっき天海さんが」
話題を逸らした。
それで出てきた意外な人の名前に少し驚くけど。
今はこの場を穏便に解散させるのが先だと判断してあまりに気に止めていなかった。
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