コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ずっと、手を離さない儘。【祝・参照200突破】
- 日時: 2015/12/07 20:53
- 名前: 哀霧 (ID: xyOqXR/L)
初めましての方は初めまして。
哀霧と言う者です。
此処で小説を書くのは初めてになります。
・・なので、相当な駄作になる事が予想されます。
また、浮上率がかなり不安定な為、更新は不規則になります。
其れでも本作を読んで下さる心の広いお客様は、どうぞお進み下さい。
Prologue
>>4
壱
>>5 >>8
登場人物
・漣 香乃佳 >>1
・琴瀬 美杏 >>1
・親密なクラスメート>>2
・クラスメート>>3
お客様
【】内には、お客様の執筆されて居る小説を書いて居ます。
〜Always thank you〜
◇てるてる522様【ハツコイ 僕と君との2年間。 目印は、あの標識・・・】
〜Nice to meet you in the future〜
—————更新ページ———————————————
15 9 16 スレッド作成
15 10 14 参照50突破
15 11 3 参照100突破
15 12 7 参照200突破
Page:1 2
- Re: ずっと、手を離さない儘。 ( No.6 )
- 日時: 2015/10/25 11:38
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: hYCoik1d)
- 参照: http://www.kakiko.cc/mydesign/index.php?mode
前、他掲示板で言っていたので、来て見ました!
てるてる522です♪
更新始まったばかりだったんだね!
私の中ではPrologueが印象的でした...(笑)
更新頑張って!
コメントはあんまり出来ないけど、小説は読むよ〜。
陰ながら盛大に応援...してる←
良ければ、また私の小説にも来てね!
それでは! お邪魔しましたー<(_ _)>
byてるてる522
- Re: ずっと、手を離さない儘。 ( No.7 )
- 日時: 2015/10/25 20:56
- 名前: 哀霧 (ID: xyOqXR/L)
てるてる522
来てくれて有難う。
まあね、普通に来て貰う事はちょっと・・ね。
応援有難うね、そっちも頑張るんだよ!
私とてるちゃんは、ちょっとした関係を持って居まして・・・。
此の様に、仲良くやらせて貰って居ます。
此の物語の「美杏」は実は此の人がモデルです。
- Re: ずっと、手を離さない儘。 ( No.8 )
- 日時: 2015/10/29 20:49
- 名前: 哀霧 (ID: xyOqXR/L)
曇天の其の日、私は家出をした。
幼き日の私の、突飛な思い出。
些細な事で親に叱られて、其れが気に入らなくて—
と言う、余りにも矮小且つ自分勝手な理由でだった。
親に黙って家を飛び出して、一人静かな公園で遊んだ。
新しい事をしてみたのが、嬉しくて楽しくて堪らなかった。
飛蝗の様に跳ね回り、時はあっと言う間に過ぎる。
気が付いた時には、雲は重く垂れ下がり、辺りは暗く澱んでいた。
時間にして約四時間。
楽しかった筈だったのに、唐突に途轍もない不安が押し寄せて来た。
此れから私は如何するんだ?
お母さん達にはもう会えないのか?
自分の行動が招いた結果だとは、痛い程に理解出来て居た。
其れでも、私は家へと歩む事が出来なかった。
何もしない儘、暗黒の中で蹲る。
不安は小さな身体から溢れ出す。
私は泣き始めた。
溜め込んだ不安を全て吐き出す様に、
只泣いて哭いて泣き喚いた。
誰彼構わず慟哭して居た私は、
街行く人々に嫌な目で見られた。
視線、視線、視線。
数多の視線が私に突き刺さり、貫いて行く。
滔々雲は雨を降らせ、私は涙と雨で濡れて行く。
そんな中で、
「ねえ、大丈夫?」
桃色の傘が、私の頭上に掲げられた。
顔を上げると、私と同じ位の歳の少女が、澄んだ目で私を見下ろして居た。
暖かそうなコートからは財布が覗き、手には近くの店の袋が下がって居る。
答えられない私に、少女はまた繰り返す。
「ねえ、大丈夫?」
「う・・んっ」
慌てて涙を拭い、何とか質問に答える。
「名前、何て言うの?」
「漣、香乃佳・・・。」
掠れ声で言うと、少女は笑う。
「私は美杏。ねえ、友達になろ?」
そう言って、小さな手を差し出す。
成長した今では素直に言えなくなった言葉。
当時は普通の事の様に、友達になれと要求する事が出来て居たのだ。
「有難う、・・宜しくね、美杏ちゃん」
家出をした少女と、手を差し伸べた少女。
余りにも突飛な、私と美杏の出会いだった。
- Re: ずっと、手を離さない儘。 ( No.9 )
- 日時: 2015/11/14 20:51
- 名前: 哀霧 (ID: xyOqXR/L)
出会った時には幼く純真だった彼女も今では、
「可愛げ無くなっちゃってなぁ。」
「何か言った?」
うっかり口にして仕舞い、更に聞かれたく無い人に聞かれて仕舞う。
「言って無い。・・あ、由羅里お早う」
何とかして上手く話題を逸らせないかと考えて居た直後、最高のタイミングで人が入って来る。
人は声に気付くと、さらさらの髪を揺らして微笑んだ。
千条寺由羅里。
大人しく目立たない存在だが、勉学の事となると話は別になる。
結構勉強には自信の有る私でも、流石に彼女に追い着く事は出来ない。
精々背中を追い掛ける位だろう、スピード何て。
「ねえ、如何したの香乃佳?」
「あ、御免また考えてた」
由羅里は仕方が無いと言う風に笑う。
呆れる程に深い、私の瞑想癖を。
「おはよー、あ、香乃佳と美杏と由羅里だー」
鞄を片手で振り回しながら駆けて来たのは筧夏季。
幼稚園時代を共にした幼馴染で有る。
「お早う、今日は遅刻しなかったんだね、また寝坊したのかとばかり」
「ひっどいな、香乃佳はっ」
「だってそうだよね、夏季遅れてばっかじゃん」
「えええ、美杏まで」
何時ものプチ論争が突然の始まりを迎える。
覚えたばかりの語句を使って、巧みに相手を捻じ伏せるのは、私の趣味と言えた。
こうして口ばかり達者になって行く私達を、
周りの人は微笑ましく見て居るのだった。
「疲れた、よう、いーちゃん・・・」
「大丈夫だって、もう学校着いたから」
暫く待つと、何時も一緒の二人が顔を出した。
「大丈夫?お疲れ様、苺」
由羅里が餓死寸前の人の様な方—永願殿苺—の鞄を代わりに持った。
「苺は家が遠いから・・・でももう少し体力付けてよ、ね?」
全てを達観した様な目で、依亜が苺を見詰める。
まるで其れは保護者で、私には彼女が大人に見える。
麻井依亜。
前記の通り苺の保護者の様な存在で、由羅里とはまた別に「大人」と言う雰囲気を醸し出して居る人物だった。
永願殿苺。
其れはもう子供の中の子供、お子様と言う言葉が相応しい人物。
体力は無いわ直ぐ泣くわで、大変に世話が焼ける。
だが其処には純粋さが有って、何故か憎めない人物だった。
「っはよー、香乃佳っ」
「痛ッ!?」
いきなり髪を握り潰され、私は情けなく大声を上げて仕舞う。
「・・・藤真か、やっぱり」
「やっぱりって何だよ」
不服な表情で睨み付けると、彼もまたノリの悪い奴だと頬を膨らませる。
「一々来る度に髪引っ張らないでよ、直すの面倒なんだから」
「じゃあ切れよ、お前髪長過ぎるんだよ」
周りからは、ああまたか、と言う様な視線が向けられる。
美杏、夏季との論争と共に、藤真と私との口喧嘩も此のクラスでは日常茶飯事として認められて居る。
基橋藤真。
何時も周りには友達の男子が居て、賑やかに騒いで居る人物だ。
其処には何故か私や美杏も巻き込まれる事が多々有る。
鬱陶しい様に振る舞いつつも、意外と私はどんちゃん騒ぎをして居る時間が好きで有る。
まあそんな事を白日の下に曝せば、騒ぎがまた膨れ上がるのは目に見えて居るので言わないが。
「あーもう、鬱陶しいあっち行け」
「ちぇ、酷ぇな香乃佳は」
頬を膨らませた儘彼奴はズカズカと去って行く。
何様なのだあの野郎。
がらがらがら、乱暴に引き戸が開く。
戸の向こうから姿を現したのは、
「っ・・・」
無表情で不愛想、黒縁眼鏡を掛けた男だった。
櫻坂遼。
同性とは良く話す物の、異性に全く興味を示さない。
其れは私自身も良く解って居る事だった。
其れでも、
心と言う物は随分と身勝手に出来て居る物で、
私の心には彼に対する恋愛感情が生まれて居るのだった。
如何して、だろうか。
こんな真面に話も出来ない様な奴が好きだ何て、
言葉を交わした事さえ無いのに好きだ何て。
「おーい、香乃佳生きてるー?」
「ひわぁあっ!?」
何時の間にか私の周りには美杏、夏季、由羅里、苺、依亜と友達が勢揃い・・・
—いや、足りない。
不知火梓。
彼女が未だ登校して居ない理由は、容易に想像出来た。
彼女は町でスカウトされたと言ってモデル業を務めて居るのだ。
撮影がまた朝に入って居るのだろう、可哀想に。
担任の口からも事実が告げられた。
「梓さんは今日もお仕事で遅刻だそうです。・・・早く来ると良いですね」
聞き飽きた建前。
窓の外に目を向ける。
囀る鳥が、平穏な日常を唄って居た。
- Re: ずっと、手を離さない儘。【祝・参照200突破】 ( No.10 )
- 日時: 2015/12/24 09:36
- 名前: 哀霧 (ID: xyOqXR/L)
美杏には、特技が有った。
幼少の頃から習って居ると言う、バレエである。
元々背の高い方である彼女は手足も長く、バレエに向いて居る。
恥ずかしいのか中々自分から言い出そうとはしないが、実際見てみたら其れは感動物である。
二回程私は彼女の所属するバレエ団の発表会に行った事が有るが、
終了時には何も言えず只割れんばかりの拍手をするしか無かった。
大袈裟だと思うかも知れないが、本当である。
「ねえねえ!また発表会開くって本当!?」
「うわぁっ!?」
梓の登校だった。
「いや、来たなら来たって言ってよ・・・」
「吃驚したから・・心臓に悪い・・」
由羅里と依亜が胸に手を当てて崩れ落ちる。
苺に至っては顔面蒼白で尻餅を付き、小刻みに震えて居る。
「いや、御免御免。マネージャーの車で携帯弄ってたら見付けたからさ」
あはは、と梓は頭を掻く。
「で、そうなの美杏?」
私がくるりと美杏を振り向くと、
「うん、そう。梓に見付かっちゃったよ、まだ出して間も無いのに」
少し照れ臭そうに、美杏が頭を掻いた。
「楽しみだなぁ、また皆で行こうね!」
夏季がバシリと美杏の肩を叩く。
何とも言えない暖かい気持ちが胸に広がり、
私は日常の嬉しさを噛み締めた。
其の発表会が、私の人生の転機になるとも知らずに。
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