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私と幽霊の君【完結】
日時: 2015/11/10 19:44
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)

ファンタジーラブコメです。

【プロローグ】

私は泣いた。何故泣いたのか知らないが、泣いた。
そんな泣き虫な私に、いつも話してくれる男の子。

京夜「大丈夫?泣かないで。君は笑った方が可愛いよ」

それが私の幼馴染み、緑川京夜みどりかわきょうやである。
京夜は優しくて、かっこよくて、王子様みたいな男の子だった。
そして、私は気づいてしまった。恋をしてしまったと…。
伝えようと、いつも思ってる。でも、伝えられない。
そんなことを繰り返してたら、京夜は…














_____________死んだ

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Re: 私と幽霊の君 ( No.3 )
日時: 2015/11/09 17:37
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)


三、涙

渚「…また、寝ちゃった…」

今は…って、何で京夜がいるの
そうか、夢か…。

京夜「ん…ふぁあ…。お、渚も起きたか」

ベチッ

京夜「イテッ!」
渚「何でいんの…?」
京夜「だーかーら!何か神様に頼んだって言ったじゃん!」
渚「何頼んだの?」
京夜「分かれば苦労しないよ…」

その頼み事…凄く気になる。
しかも、一日だけって…本当、意味わかんない。
すると…。

ピンポーン、ピンポーン。

渚「誰だろう…」

私は窓を開け、玄関を見た
あれは…紺?
名前は井垣紺いがきこん 、もう一人の幼馴染みだ。
私は急いで玄関に向かった。

ガチャ

渚「紺…」
紺「お前、バカ」
渚「…」
紺「反論、しないんだな」
渚「…うん」
紺「京夜が死んだのは分かった。けど、お前が前を向かないでどうする?」

私は紺の質問にすぐ答えられなかった。

紺「京夜は今のお前の姿を見たら、悲しむぞ」
渚「別に…。どうせ死んじゃったんだし、悲しまないでしょ?」
紺「本当に、そう思ってるのか?」
渚「…」
京夜「オー!紺!」
渚「!?」

京夜…。

紺「渚、前を向け」
渚「そ、そう言われても…、紺みたいに、すぐ前を向けられない…」
京夜「紺、やっぱ気付いてない?」
紺「それにお前…京夜のことが…」
渚「止めて!紺、もう帰って!」

私は無理矢理、紺を押して、ドアを閉めた。

紺「おい、渚…!」
京夜「何やってるんだよ、渚」
渚「もう…二人ともうるさい!」
紺「二人とも…?」

紺は京夜のことを気付いてない。
ああ…やっぱり、狂ったんだ…私。

渚「私、部屋戻ってる…」
京夜「渚…」

私は階段を上って、部屋に戻った

京夜「紺、お前のおかげで、ようやく、思い出した…。ありがとう。…渚、
逝く前に言うから…」

京夜は涙を流しながら言った。

next…

Re: 私と幽霊の君 ( No.4 )
日時: 2015/11/09 17:59
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)


四、逝く前

俺、緑川京夜が死んだのは…事故だ。
丁度、夕方六時くらい。バスに乗った俺は、部活の仲間と帰ってた。
話している途中、バスが右に左に…と交互に行ったり戻ったりしてた。
そして、信号が赤なのに止まらず進み、他の車と激突。しかも、激突したのが
トラック。
俺は運が悪く、外に投げ飛ばされて、変なところにぶつかって…死亡。
本当、バカだな…。

京夜「ん…。ここは?」

そこは、さっきとは違う所だった。
バスもトラックも人も誰もいなかった。
ああ…死んだんだなって、その時、自覚したよ。
そして…神様に会ったんだ。

神様「緑川京夜…」
京夜「神様…」
神様「お主、逝く準備をしろ…」
京夜「…はい」

あ…でも、俺には伝えたい人がいた。
それは…渚だ。

京夜「神様、いつ逝くんですか?」
神様「…お主が焼かれた、二日後だ…」
京夜「…神様、俺、逝く前に伝えたい人がいるんだ!だから…焼かれた次の日、
一回、あっちの世界…俺が暮らした世界に戻って伝えたいんだ!」
神様「…。一日だけ、一日だけだ」
京夜「神様…!ありがとうございます!」

そして、今に至る。

京夜「なーぎーさー…!紺、行っちゃったぞ。いいのか?」
渚「うるさい…」
京夜「…はぁ…」

俺は…今この時間を、大切にしたいだけなのに…。
何で渚は、無視をするんだ?

ガチャ

母「渚ー!ただいまー!」
京夜「おばさん…」
母「…返事なし…か」

おばさんが帰ってきたってことは、今は五時か…。

京夜「…」

next…

Re: 私と幽霊の君 ( No.5 )
日時: 2015/11/09 18:55
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)


五、時間

渚「お腹…減った」

食べようかな?
時間は八時半。さすがに、もうペコペコだ。
お母さんが一回、呼びに来たが、私は寝たフリをした。
その時には、もう京夜はいなかった。

渚「やっぱり幻覚か…」

ガチャ

京夜「う、渚…」
渚「…」
京夜「ご、ごめん、食っちゃった。美味しくて美味しくて…」
渚「…クスッ」
京夜「!」
渚「…わ、笑ってないから!」

私はリビングに向かった。
お父さんは、十二時に帰ってくるため、お母さんがお風呂に入っているとき、
普通に冷蔵庫から何かしら取れる。

渚「おにぎり…」

私はおにぎりを取って、すぐ部屋に戻った。

ガチャ

渚「頂きます…」
京夜「もうそろそろで、九時だな…」
渚「…うん」
京夜「…」

私はパク…パク…と食べる。
京夜は空を見てた。

渚「京夜…?」
京夜「…渚。伝えたいことがあるんだ。だから、日にちが変わるまで…
起きててくれ」

私は、その言葉に戸惑った。
返事をしてしまっていいのか…?

渚「あ、あ…」
母「渚、食べたのね…!お母さん、ちょっと飲み物買いに行くから」
渚「…うん」

私は時間を見た。
九時過ぎだった。
おにぎりを食べ、風呂場に向かった

next…

Re: 私と幽霊の君 ( No.6 )
日時: 2015/11/10 01:00
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)


六、過ぎていく

十時になった。
私は、ベットの上で寝転んでいた。
京夜は、ずっと空を見ていた。

渚「京夜…あのさ」
京夜「…?何?」
渚「京夜は、本当に今日行っちゃうの?」
京夜「…うん」

京夜は微笑んだ。
一方、私は泣きそうな顔をしていただろう。
京夜は焦ってた。

京夜「わ、笑って、渚!」
渚「…」
京夜「…そりゃ、俺は逝きたくない。ずっと…皆と…渚と一緒にいたい。でも…
俺は…死んだ」

私は一瞬固まった。
『死んだ』そんな言葉、求めてない。

京夜「渚、俺、行きたい場所があるんだ」
渚「場所…?」
京夜「ああ。今から、走っていけるか?」
渚「うん…!」

私は、母に気付かれないよう、そっと出た。
反対から鍵をかけたので、入ってこないだろう。
多分、眠ってるんだ。ぐらいだと思う。

京夜「お前、覚えてるか?俺と出会ったときのこと」
渚「うん…。ちゃんと覚えてる」
京夜「その、出会ったときの場合に行きたいんだ」
渚「…そっか。じゃあ、走ろう…!」
京夜「ああ!」

時間十時十五分。

next…

Re: 私と幽霊の君 ( No.7 )
日時: 2015/11/10 01:25
名前: クッキーコロッケ (ID: fNGurB8b)


七、場所

京夜「渚、大丈夫か?」
渚「うん、大丈夫…」

あれから結構走った。
私と京夜が出会った場所は、こんなに遠かったっけ…?

渚「ねぇ、出会ったときの場所、もう無くなってるんじゃ…?」
京夜「いや、まだあれだけは、あるはずだ」
渚「あれって…」

京夜は頷いた。
あれとは、出会ったときの場所の木のことだ。
でも、本当にあるのかな…。

京夜「今何時?」
渚「十時四十五分だよ…」
京夜「ッチ。早く探そう!」

私は京夜に付いていった。



京夜「!これかも…」
渚「見てない間に大きくなったね…」

元はここは、公園だった。
でも、今はこの木しかない。
私は時計を見た。
十一時二十分。
ああ…あまり時間がないようで、あるような気がする。

京夜「例えば君が傷付いて〜挫けそうになったときは
必ず僕がそばにいて〜支えてあげるよ、その肩を〜」
渚「…」
京夜「出会ったときのお前、泣いてたじゃん。その時、これを歌ったんだよな」

また私は時間を見た。
十一時三十分。
時間って、こんなに経つの、速かったっけ?
私は木を見た。

渚「…」
京夜「…渚」
渚「何…?」
京夜「俺は…お前のことが…」

すると、京夜の体が光った。

京夜「な、何だよこれ…」
神様「緑川京夜…。急遽、逝く日が速くなった」
京夜「は?何でだよ…。日が変わるまでだろ!?」
神様「我もそうしたい…。だが、無理だ」

神様の声が聞こえる…。
本当に京夜は逝っちゃうんだ。
私は泣いた。

京夜「渚…」
渚「京夜…!私、私…」
京夜「…俺、もう逝っちゃうんだ。ごめんな…」
渚「うぅ…京夜…!」
京夜「俺はお前が…好きだった」
渚「えっ…」
京夜「小さい頃から、ずっとずっと…好きだった」

next…


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