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禁断−妖怪と人間の恋−
日時: 2015/12/01 00:15
名前: 桜ルカ (ID: ZlHu.kjO)

【序章】


景色は、橙色に染まっていた。
ここは、人間界_自分たちがいる世界の、ずっとずっと上の世界。
綺麗な夕日を見ながら、少女・紅蘭ぐらんは、紅い大きな羽を大きく開いた。
「我の世界を繋ぐ地界への道よ、開け」
ゴオーッと開いた闇の道に向かって、紅蘭は紅く長い髪をなびかせながら急降下し、妖怪・紅雀こうじゃくとして、地界_妖怪の世界へと向かった。

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Re: 禁断−妖怪と人間の恋− ( No.3 )
日時: 2015/11/27 00:24
名前: 桜ルカ (ID: ZlHu.kjO)

「紅蘭…何故許可なく、勝手に人間界に行った…?」
「…っあ…や……その……」
「お前はこの世界の掟を破った。罰として、反省文30枚と地界マラソン1周、あと“紅炎”の訓練、プラス5時間!!」
「えぇ〜!?そんなにできないよー!!」
「うるさい!あたり前だろう。行ってはいけない人間界に、許可なく勝手に行ったんだからな」
掟を破った者には、辛く、苦しい罰が待っている。
地界マラソンは、地界中を一周飛ぶこと。一周の距離は100kmほどあり、中でも一番辛い罰である。同じく“紅炎”というのも、妖力が無くなるまで訓練されるため、激しい疲労感を感じるのだ。“紅炎”は、紅蘭たち『紅雀』専用の訓練。自らの妖力で、紅い炎を作りだし、それを2km先の的に当てるという訓練。当たるまで訓練されるため、紅蘭は三つのうち“紅炎”だけが大嫌いだった。

Re: 禁断−妖怪と人間の恋− ( No.4 )
日時: 2015/11/27 00:37
名前: 桜ルカ (ID: ZlHu.kjO)

厳しい訓練を終えた紅蘭は、倒れるように座った。そして、はぁーと、長い溜め息をして、ぼんやりと辺りを見回していた。
「紅蘭。よく、あんな辛い訓練をやり切ったな。褒めてやろう」
紅蘭の兄_紅蓮が、嬉しそうに飛んで来た。
…兄さんが、何か言っている……。
嬉しそうに喋って紅蓮の話を全く聞かずに、思っていたことはただ一つ。

__また、人間界に行きたい__。

許されない事だと分かっている。また掟を破り、さらに厳しい罰が待っている事も…分かっていた。だが、紅蘭は裏切り、行ってしまったのだ。

_決して許されない世界、人間界へ_…。

Re: 禁断−妖怪と人間の恋− ( No.5 )
日時: 2015/11/27 21:59
名前: 桜ルカ (ID: ZlHu.kjO)

【第一章】人間界、そして…出逢い


美しい自然の世界_人間界。
黒い漆黒の空に、星と月が光り輝いていた。時間は午後の10時で、今は『夜』である。
紅く大きな羽をバサリ、としまい、長く紅い髪をなびかせ、腰の紅玉と紅羽の飾りを揺らしながら、紅蘭は『人間』に見える状態にして歩いていた。妖怪たちは、自分の本来の姿を隠せば、普段は見られない人間に見られることができる。しかし、人間は誰一人外に出ておらず、家の灯りも消えていた。今頃が就寝の時間なのかと、紅蘭はつまらなそうに、夜道を彷徨っていた。
「あーあ。つまんないな…。せっかく来たっていうのに…」
地界は、今の空のように、いつも漆黒の世界なのだ。だから紅蘭は、明るく、キラキラした人間界に行きたかったのだ。それに、今まで姿を消してきた妖怪たちも、人間界の景色を見たくて行ってしまったのではないか、と紅蘭は思った。

Re: 禁断−妖怪と人間の恋− ( No.6 )
日時: 2015/11/28 07:08
名前: 桜ルカ (ID: ZlHu.kjO)

地界_今、どんな状況だろうか。妹がまたいなくなって、紅蓮はどうしているのだろう。
自分と紅蓮の仕事仲間である、−100°の超冷水を操る大蛇・水蛇すいじゃと、本気を出すと世界を二つに裂いてしまうほどの、超強力な電撃を放つ狐・狐雷こらいも…心配しているに違いない。
自分は、全ての妖怪たちを裏切って、今ここにいるのだ。
「……あ…」
ぼんやりしながら歩いていたら、目の前に大きな神社があった。夜中の神社は灯りがなく、いつも暗闇の地界にいる紅蘭さえ、怯えながら見つめていた。
「…今日はもう遅いから……ここで休もう…かな……」
今さら地界に帰ったって怒られる。ならば、明日帰って、怒られた方がいい。
そんなことを思いながら、一歩…進む。もう一歩……もう一歩…もう一歩、もう一歩と、だんだん普通のペースで歩いていけるようになった。
慣れてきた紅蘭は、さっそく寝床を探し、羽を使って樹木の上に行き…5秒もしないうちに、眠りについた。

Re: 禁断−妖怪と人間の恋− ( No.7 )
日時: 2015/11/28 17:24
名前: 雪城 こまち (ID: dZvWwzVY)

桜ルカさん、お邪魔します雪城です♪

世界観が面白いですね、私が物知らずなだけかもしれませんが
地界、というのははじめてです...!!

紅蘭ちゃんは本当に人間界が好きなんですね。
確かに、そんなまっくらやみの地界にいたって
心も暗くなるし私も紅蘭ちゃんだったらそうするな〜と思いました!

次回は運命の出会いの予感ですね!
一体どうなってしまうのでしょうか...楽しみにしております♪
お互い頑張りましょう!

ではでは、お邪魔しましたヾ(*´∀`*)ノ



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