コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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もえころ!
日時: 2015/12/07 18:28
名前: 斧乃木 菜接 (ID: tUnkNpYv)

萌え殺し合う・・。
略してもえころ。
今日もこの世界のどこかでもえころが起こっているのであろう・・・。







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Re: もえころ! ( No.6 )
日時: 2016/01/03 06:15
名前: 夜のラト。 (ID: ngeMfYox)

女の子に手握られたのなんて何年ぶりだよ。しかも幼女。
可愛いな。
そんなこと考えられた余裕もつかの間。
「よし!!分かったなら早速れっつごぉぉぉーっ!!!!」
「はっ!?!?!?!?」
女の子はそういうと、握りしめた俺の手をぐい、と引っ張ると窓の外に飛び出した。
共に。
「は!?!?ちょ、、え!?!?」
「しっかり捕まっててねぇーっ???いっくよぉぉぉぉ!!!!」
「うあぁああああああああああ!?!?!?!?!?」









「・・・・」
気が付くと布団の上にいた。
これ漫画とかでよくあるシチュじゃん。まさかこんなこと本当に体験するとは思わなかった。逆に冷静になるわ。
何か良い匂いもするし。
布団から上半身を起こしたところで視界に広がったものは、和風な部屋。
どこだ、ここ・・?
そういえや、俺は幼女と共に人生で初めて窓から飛び出し、それでいくよぉぉ・・とか言われ、、、そっから記憶ねぇな。気絶したんかな。
「あ、起きられましたか、」
「!?」
後ろからかけられた声に驚き、肩が上がる。
振り向くと、そこには整った可愛らしい顔立ちの女の子・・がいた。
着物を身に着け正座をし、綺麗な黒色の瞳を俺に向けている。
目が合うと、にこ、と微笑み返してきた。
ぎこちなく微笑み返す。

・・・いやいやいやいや!!
微笑み返してる場合じゃなくて!!!
なんだよこの空間!?気絶したら和室にいて!?しかもその和室に和服の大和撫子がいて!?俺はその子と二人きり!?
意味わかんねぇよ!?なんだよそれ!?人生で体験しねぇよこんなこと!?

Re: もえころ! ( No.7 )
日時: 2016/01/03 22:40
名前: 夜のラト。 (ID: ngeMfYox)

はぁー・・。
なんだよ、この状態。まさかの夢オチとかだったりすんのか・・?

沈黙。


ただその沈黙は痛くもかゆくもなく、ただただ美しかった。
ビバ、大和撫子。
俺が汚い微笑みを返したのに気付いた彼女は、では、とでもいうように綺麗な花が咲いてしまうのではないか、というぐらいの優しく美しい微笑みをもう一度俺に返し、中断させていたと思われる手元の作業を開始する。
あれは・・生け花?
しかもなんかすっげーうまい。素人の俺でもわかるぐらい。綺麗。
彼女は綺麗の象徴なのではないか?綺麗、何もかもが綺麗。
肌は白く、頬は薄いほんのりとした紅色に染まり、綺麗な赤い唇。
白雪姫かっつの。綺麗だ。
どこかの絵から出てきたんではないかってくらい。
ずーっと眺めていられる。
・・・それはただの気持ち悪い奴か。やめておこう。


・・・・しかし、どうしようか。
ここから動いていいのかもすらわからないし、まずここがどこなのかもわからないし、目の前の超絶綺麗さんにもなにを話しかけたらいいかわからない。
うーん・・・・。
俺が腕を組んで悩んでいるのに彼女が気づいたのか、ふとこちらに視線を配る。
目が合ったかと思えば、彼女は何かを思い出したようにちょこん、と俺の目の前に正座した。

近い。なんだなんだ。
めちゃくちゃいい匂いするし。

変な期待をしている僕に構わず、彼女は小さな唇で息をすっ・・と吸った。
「申し訳ございません、自己紹介が遅れました。僕は大和ノ恋麿と申します、どうぞよろしくお願い致します、晶様」
「・・あ、あぁ、どうも・・・・、」
流れにつられて出た言葉がそれだ。
とりあえず二言目も述べる。
「こ、恋麿なんて女の子には珍しい名前だな、あと様呼びなんてしなくていいぞ・・?」
二言目がそれだ。
別に彼女の名前なんていいじゃないか!俺!!何言ってんだよ馬鹿!!
様呼びは実際気恥ずかしかったのを認めようじゃないか。
あー・・と、頭を掻く俺の目に映ったのは、戸惑っている恋麿ちゃん。
口を開けたり閉じたりしていて、なにか言いにくそうだった。
「・・・?なんだ?」
聞くと、彼女は答える。
「・・・大変申し訳ございません、僕、一様れっきとした男性でございます・・。」
目を反らしながら言う。
こ、ここここれが、世に言う男の娘、なのか・・・!?!?
なんだこのドキドキ感、やばいぞっ・・・
胸を押さえながらもう一度彼女・・彼の方に目を向けると、顔を赤く染めて滅茶苦茶照れていた。

ドキンッ。

・・・。
なんだいまのでかい鼓動。
まだドキドキする。
なんか謎の痛みだ・・、まるで矢が刺さったみたいな感じ・・。

ポタリ。

ぽたり?
手になんか液体がおっこって来たような・・。
恐る恐る手を見てみる。

そこには、真っ赤にそまった自分の手があった。

Re: もえころ! ( No.8 )
日時: 2016/01/04 00:50
名前: 夜のラト。 (ID: ngeMfYox)

「うわぁあぁあぁっ!?!?な、なんだよこれ!?血!?」
叫んでしまった。
いや、叫ばずにはいられない。
血じゃねぇかよ。は!?

・・まさか。

ドキンッ、という痛みの根源、心臓のあたりを見てみる。
すると。
何ということでしょうか。大きな矢が俺の心臓に刺さっているではありませんか。

・・・・・・・
刺さってる!!!!!初めて俺の体に物質が刺さったよ!?!?
なんだなんだ、逆にテンション上がって来た!!うん、体のテンションだだオチだけど。あと別に俺マゾじゃねぇからな。ほんとだからな!?
俺の異変に今更気づいた恋麿ty・・くんは、一旦頭を抱えるようなしぐさをすると、パタパタと俺のもとに来た。
恋麿くんが何か俺に話しかけている。
だけどなんか意識が遠のいてよく聞こえねえ・・
死ぬんかな、死ぬのか。意味の分からない最後を迎えてしまうんだな。
最後ぐらい・・・、家族に顔を合わせた方がよかったのかもしれない。
ぼんやりとする意識の中、俺は刺さった矢に触れる。
すると。

「・・・・あれ?」

矢に触れようとした手は空を掻いた。
いや、でもそこに矢がないわけがない。俺はこの手でしっかり矢に触れた。
恐る恐る、もう一度矢が刺さっているはずの心臓のあたりを手探りで触ってみる。
・・・・・ない。
矢が、消えた。
なぜか遠のいていた意識はてけてけと戻ってきて、痛みもきれいさっぱり消えている。
手にどっぷりついていた血もいまは何もなかったように元通りの俺の手だ。
倒れかけていた体を起こす。
「・・・なんだ、これ・・?」
恋麿くんの方をちら、とみると、彼の美しい黒く澄んだ瞳が僕に矢が刺さっていたと思われる個所を凝視している。
彼もかなり動揺しているようだ。
「・・・えっと・・・、恋麿くん、俺にはいま何が起こってるんだかさっぱり分からねぇんだけど・・・分かるか・・?」
そう問いかけると、ハッ、と我に返ったかのように一瞬目を見開き、すぐ元の綺麗な表情に戻った。だが、その彼の眉はひそめたまま。
「・・・僕も、こんな事態は初めて経験致しますので・・、状況が理解できないことの方が多いのですが、分かっていることは昌さんが僕の『もえげき』を受けてしまった、ということでございます・・、技を繰り出してしまい大変申し訳ございませんでした・・。」
そういうと、彼は床にまっすぐ伸びた白く細い手をそろえ、頭を下げた。
なぜ謝られているのかはいまいちわからない。が。
今の矢が、恋麿くんが間違って繰り出してしまったものだったとすれば俺が謝られていることにも納得がいく。
あぁ、いま恋麿くんはそういうことを言っていたのか、なるほど。
じゃあ・・
「もえげき、ってなんだ?」

Re: もえころ! ( No.9 )
日時: 2016/01/04 10:38
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

「あれ・・?もえげきのこと、芽歌さんにお聞きしませんでしたか?」
「めか・・?誰だそれ?人の名前か?」
メカのことか?
すると、俺が背を向けている障子がスパーンと開いたのが音で分かった。反射的に後ろに振り向くと、そこには見覚えのある姿があった。
「我のなまえだよぉ!!自己紹介してなかったねぇ、ごめんねぇっ?我は月夜ノ芽歌っていうんだぁ!!よろしくねぇっ!」
「はぁ、よろしく・・」
流れに流されなんとなく返事を返すと、けてっ、とピースをかます。
で・・、と話の内容を元に戻すように、こほん、と芽歌が咳払いをする。
「えーっとぉ、『もえげき』のことだっけぇっ?話してなかったっけぇ・・?」
んむー、と口元に人差し指を当てる彼女に「聞いてない」というと、そっかぁ!といい、くるっとまわり人差し指をピッと立てる。
「もえげき・・っていうのは、我らがもえころでつかう攻撃のことだよぉ!だから、んーとねぇ・・なんていえばいーのかな、、」
えーと、えーと、、と言葉を選ぶ芽歌に、恋麿くんがスッ・・と手をあげ、代弁しましょうか?と声をかける。
さっすがまろまろぉーっ♪おねがいっ!と芽歌が恋麿くんにハイタッチすると、僕に顔を向け説明の続きを始めた。
「つまり、世にいうキュン死、とありますよね。人はだれしも萌えるとき、強烈な苦しいものを感じたりします。その強烈な苦しいものを物質化し攻撃するそれぞれの技、それがもえげきです。簡潔に言ってしまうと、それぞれが持つ萌えの部分が攻撃となるわけです。」
「あぁ、なるほど・・じゃあ、それで攻撃しあって争うのがもえころ、ってことになるのか?」
「そういうことになります」
「へぇー・・」
ただただ納得するしかなかった。今の恋麿くんの説明は、あまりにも現実味がない話だが、実際に攻撃を一度受けてしまったからにはこの説明を信じないわけにもいかない。
しかも今ので分かったのは、フィールド内じゃなくても攻撃は繰り出されてしまうこと。あとは・・、
「恋麿くん、ひとつ聞きたいことがあるんだが・・、」
なんでしょうか?と優しく答える。
「さっきの俺に対しての攻撃は、狙ってしたことなのか?それとも、事故か?」
そういうと、恋麿くんは首を強烈に横に振った。
「これからのお仲間様にそんな狙って攻撃など僕は決して致しません・・!!でも、本当に申し訳ございませんでした、お体は大丈夫ですか・・?」
「あぁいや、俺は平気だしもう謝らなくていいよ、、」
恋麿くんに頭を上げてもらって、少し考える。
事故でおこってしまうのか・・、とすると。
「じゃあ、技のコントロールは利かない、ってことか・・?それって、無差別に人を殺してしまったりもありえるんじゃないのか?」
「あ・・。」
俺がそう聞くと、恋麿くんは俯いて黙ってしまった。なにかまずいことを聞いてしまったか・・・?
すると芽歌が、我がまろまろの代弁するよぉ、と俺の耳元に手を当て、耳打ちで伝えてきた。

Re: もえころ! ( No.10 )
日時: 2016/01/04 11:04
名前: 夜のラト。 (ID: C2h0WdVv)

「昔、一度事件をおこしてしまったんだよぉ・・、まろまろのそこには触れないであげるかなぁ、ごめんね、、。我らは基本ねぇ、技は相手に思うところにあったりするからさぁ、普段の生活では自分からひとりになって技をおさえているんだぁ・・。あと基本、仲間には技は利かないはずだし、もし攻撃をしてしまってもすぐ直るからさぁ、問題ないんだぁ・・。」
話し終えると彼女は俺の耳元から離れた。
ふと恋麿くんの様子が気になり見てみると、そこにはもう彼の姿はなかった。そりゃ気まずいか。
そうか、自分から一人にならなきゃいけねぇのか。そうだもんな、そうじゃないと技を私生活で繰り出してしまうかもしれねぇんだもんな。
で、、仲間に攻撃をくりだしても、すぐ直る・・と。
少し思い当たることがあった。
「なぁ、芽歌」
「なんだいっ?」
あの恋麿くんも驚いていた謎の現象を芽歌に聞いてみることにした。
結構こいつ色々知ってるっぽいし、こいつなら分かるんじゃないか、と期待を寄せて。
「さっきさ、攻撃されたとき矢が刺さったんだよ。それで死ぬ間際までいったんだが、矢に触れた途端矢が消えて、その他の手についてた血とか刺さったところの痛みとか、全部とれてるんだよ。最初からなにもなかったみたいだった。」
説明をし終えて芽歌の方を見ると、芽歌は口元に手を当て目を閉じていた。
おい、、と俺が話しかけようとするのを遮断するように、芽歌はゆっくりと口を開いた。
「それはぁ・・・・。多分、しょーくんの実力じゃないのかなぁ・・。」
「実力?」
俺の問いかけにうん、と頷くと話を続けた。
「なかったことにしてほしいって我が言ったんだけど、これを掘り下げないと説明できないっぽいからぁ、、」
「あー、、なんか俺がちゃんぴおーんとかなんとかのやつか。」
「そーそ、だから、ちゃんぴおんのときの実力がここにきてもう一回目覚めてきたのかもしれないねぇ・・」
「え、俺そんな強いの?」
「うん、ここのチームのキャプテンの我でも勝てないと思うよぉ。」
「お前キャプテンだったのかよ・・、てかお前も強いの?」
さぁ、でも毎回準決勝まではいくよぉ、と本日三度目のウィンクをかます。
「あー、でも彼女は例外かなぁ・・」
「彼女?」
「うぇっ!?え、あ、なんでもないよぉっ!」
「そ、そーか・・。」
ここには秘密がわんさかあるんだな。怖いな。
そういえば。こいつチームって言ったか?
「チーム戦なのか?」
「え?あ、そぉだよ!まろまろとしょーくん含めて我らのチームは9人!」
「そんなにいんのか?てか俺もなのか・・?」


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