コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Up to you
日時: 2015/12/26 22:52
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

——あなたが

  どんな日々を過ごすかは

  あなた次第です。


私が入学した高校には
見た目も性格も物凄くイケメンで
女子生徒に大人気な先輩がいます。


・・・先輩、女の子なんですけど。

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Re: Up to you ( No.8 )
日時: 2015/12/28 20:53
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

あっという間に夏休み。
私は朝から自宅にいた。

体育祭終わった直後のある日に
翔は中学時代野球部だったと
うっかり陽平に告げると
翔は陽平の脅迫めいた誘いで
世界一ゆるい野球部に入部。

今日も午前練習があったらしく
翔はリビングのソファで
テレビ観ながらぐったりしている。

「そんなにキツい練習したの?」

私は麦茶を渡しながら
半ば呆れながら彼に訊ねる。

「いや。キャッチボールと
 ノックとティーバッティングだけ。
 こんだけ暑いと外にいるだけで
 結構疲れるんだよ?」

翔は中学時代、チームの中でも
野球はかなり上手な方だったけど
一般的なキツい高校野球はパス、
という根性のない男だ。

まあ、この高校の野球部は
一般的では無いようだから大丈夫。

ピンポーン。

突然来客があった。
私は慌てて玄関に向かった。

Re: Up to you ( No.9 )
日時: 2015/12/29 15:31
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「あら、いらっしゃ〜い!
 ・・・ってなるわけ無いだろ!!
 何しに来たのよ!?」

「あ、黒崎!
 お邪魔しまーす。」

「まてぃ!」

そこへ翔がやってきた。

「姉さん、うるさい。
 ・・・あ!陽平さん!
 すっかり忘れてた!
 ホントに来ちゃったんですか?」

「どうせ暇だろ?
 ケーキも買ってきたし、な?」

いや、な?じゃねえよ。

「それじゃ翔、美月ちゃんも
 呼んだら陽平を入れても良いよ。」

「な、なんでぇ?」

「・・・早くしろ。」

(うわ、弟脅してるぞ。)

「陽平、なんか言った?」

「いえ、何でも。」

Re: Up to you ( No.10 )
日時: 2015/12/30 12:56
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「つー訳で、
 今すぐうちに来て!」

夏休みのある日、
同級生の翔に呼び出された
有岡美月、高校1年生です。
えーっと、趣味は読書、
好物は甘いもの全般、
苦手なのは運動全般。
ホラー映画は怖くないです、
ビックリして涙出ちゃうけど。

「美月、聞いてる?」

はっ、
男子からの突然の電話に
かなり混乱してしまった!

「聞いてる。
 ・・・でも家知らないよ?」

「学校まで来てくれたら
 そこまで皆で迎えに行くよ。」

皆で?
誰のこと?

「じゃあ。」

あ、電話切られた。

Re: Up to you ( No.11 )
日時: 2015/12/30 22:20
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

「美月ちゃーん!」

校門の所で突っ立っている
美月ちゃんを呼んだ。

「く、黒崎先輩!?
 ちょ、翔、
 何で先輩が来られてるの?
 私を迎えに来て下さるなんて!
 本当に恐縮です!
 ・・・って何で神野先輩も
 一緒にいるんですか?」

「落ち着け、美月。
 姉さんがお前のこと
 妙に気に入っててな。
 家に遊びに連れて行くって。
 陽平さんは・・・とにかく
 今日のとこは気にしないで。」
 
美月ちゃん、暑さで
疲れてたのかな、
テンションが少しおかしい。

あら翔、
美月ちゃんを気に入ってるのは
私だけじゃあないでしょう(笑)

「陽平、美月ちゃんが
 あんた見た瞬間に
 かなり嫌そうな顔したけど?
 帰らないの?」
「やだね。帰らないもん。
 黒崎家に遊びに行くもん。」

もん。もん。って。
お前、後輩の家とはいえ
同級生の女子の家に
何の抵抗もなく入るのかね?

・・・あーもう!
分かってるよ!
私が女に見えないことぐらい!

Re: Up to you ( No.12 )
日時: 2015/12/31 17:29
名前: lucky man (ID: T1OugAgl)

うちに戻った俺たちは
ケーキを食べながら談笑中。

「折角の夏休みだしさ、
 皆でどこか行かない?」

姉さんが突然言い出した。

「お、良いな!
 どこ行く?どこ行く?」

「海はどう?」

「「うわっ!」」

部屋の扉が突然開いて、
姉さんより長い黒髪に
可愛らしい格好をした
背の低い女性が入ってきた。

「何、お前ら妹もいたの?
 3人兄弟だったのか?」
「可愛い!妹さんの名前、
 なんておっしゃるんですか?」

陽平さんと美月が口々に言う。

姉さんが不機嫌そうな顔で
説明しろと目で訴えてくる。
・・・仕方ないようだ。

「あの、二人とも。
 この人は——母です。」

「「・・・ええーっ!?」」


 


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