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君達の世界に明るい色を
日時: 2016/02/03 19:03
名前: クッキーコロッケ (ID: fnyLTl/6)

【プロローグ】

”人を信用できない”
”何で僕は生きてるの?何で?どうして?誰か、殺して”
”こんな世の中、消えちゃえばいいのになぁ”
”はぁ…、何で俺は生きてんのかな?”
”あんたはいいよね、幸せそうで”

彼等はそんなことを言った。
そんな彼等を助けることは出来るのだろうか。

「じゃあ、私が貴方達に、幸せになる色を足してあげる」

そんなことを私は言った。

【ご挨拶】
今回、シリアス&恋愛を書こうと思います。
でも、安心してください。最後はハッピーエンドですよ!
…すみません。
とにかく、今書いている『うん。ぼっちの私はリア充じゃないけど、悪い?』も
よろしくお願いします。

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Re: 君達の世界に明るい色を ( No.1 )
日時: 2016/02/05 22:03
名前: クッキーコロッケ (ID: xO/yAhl7)

【第一章】

世界1、空とは空なんだ

私はよく『幸せ』を考える。
しかし、『不幸』も考える。
幸せと不幸。
私はまた考えながら、屋上に向かう。

ガチャ

扉を開けると、太陽が私を照らす。
眩しい。
だが、温かい。

「あ〜ぁ、あの世に逝きたいなぁ」

あぁ、またか。
私は右の方を見た。
相変わらず、ここにいる男子は死にたがり屋だ。

「また、そんなことを言ってるんですか?」
「また、ねぇ。そうだね。また言ってるね」

クスクス笑いながら言う。
彼は、この学校の人気者__と言ったところか。
黒川雅紀だ。
優しい人だとは思うが、中身は明るい死にたがり屋である。

「はぁ…」

溜め息をついている。
この溜め息は、彼だ。
名は、黒崎駿太。
ミステリアスに見える彼だが、中身はネガティブで
もう一人の死にたがり屋である。

「どいつもこいつもウザイ。隕石とか落ちてこないかなぁ?」

この毒舌口調は黒原良平。
美男だが、中身はとにかく世界を恨んでいる死にたがり屋である。

「悪魔が俺を呼んでいる…。死の世界に来いと…」

中二病丸出しの彼は、黒宮真冬。
本人は隠しているつもりらしいが、隠れていない。
こう見えて、彼もまた死にたがり屋の一人。

「あんたらはいいよねぇ…。簡単に死ねそうで」

ダルそうな口調で言ってくるのは、黒澤翼。
マイペースで問題児な彼も死にたがり屋の一人である。
ちなみに私は死にたがり屋の一人じゃないよ。
ただ、ここにいるだけ。

「あんたは、音羽はどーしたの?死ぬ?俺達と」
「いえ、死にません。大体、あなた方に言いましたから。”幸せにする”って」
「そう言えば…言ってましたね」

私は目を閉じる。

「私は、白神音羽は、約束しましたから。貴方達を幸せにすると」

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音羽の苗字、変えました。

Re: 君達の世界に明るい色を ( No.2 )
日時: 2016/02/04 17:45
名前: 黒龍 (ID: teYgQnb0)

  おおおおおおおお!!!

  神ですね!
  まだ一話なのに話にぐいぐいひきこまれる、、、!

  更新楽しみにしてます!

Re: 君達の世界に明るい色を ( No.3 )
日時: 2016/02/09 18:58
名前: クッキーコロッケ (ID: xO/yAhl7)

黒龍、ありがとう!!

世界2、手を

私は死にたくもないし、生きたくもない。
それは何故かって?分からない。
だが、私は彼等を、あの日、あの屋上で、言ってしまったのだ。

"じゃあ、私が貴方達に、幸せになる色を足してあげる"

自分でも分からない。
何故そんなことを言ったのか、分からない。
同情なのか、本当に心配したのか…。
そんな答えは自分が一番理解しているはずだ。
なのに…分からない。

「貴女はまた見ているんですね、景色を」
「うん」
「はぁ…飽きませんよね、本当」
「駿太さんも死にたがるの、飽きませんね」
「…」

図星…か。
彼等を見ると、所々に包帯や絆創膏が貼られてある。
特に手首。
本当に死にたいんだな、と思う。

「何ですか?」
「また新しい傷が出来てるなと思って」
「…」
「…?」
「よく見ているんですね」
「そうなのかな?」

笑ってしまっていいのか。
でも、笑う以外には無いのだ。
あぁ…灰色だ。
境目が灰色だ。

「…さん、音羽さん」
「何?」
「遠い目で、よく僕を見ますよね」
「…駿太さんも、よく見てますね」
「…」

いきなり真っ赤になる駿太さん。

「別に…見てませんが…」
「そう、なんですか?すみません」

私の勘違いだ。
恥ずかしい。

「相変わらず仲良しだね」
「貴方は相変わらずニコニコしてますね、雅紀さん」
「そういう風に見えるのかな?」
「はい。私はそういう風に見えます」
「僕はそういう風に見えません。むしろ、悲しんでますね」

こんな話をしていると、やはり死にたがり屋同士、分かるんだなぁ、と思う。
でも、見ていても彼等が死にたがる原因が分からない。
聞いても答えてくれないだろう。
だから、私は聞かない。
彼等が話してくれるまでは、手を出さない。
もし、彼等が本当に苦しんでいたら_____











手を差し出そう。

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Re: 君達の世界に明るい色を ( No.4 )
日時: 2016/02/10 19:09
名前: クッキーコロッケ (ID: xO/yAhl7)

それぞれの視点も書こうと思います。
けれど、基本は音羽視点です。
違う視点の時は、○○sideと書きます。

世界3、変な子

ーー雅紀sideーー

俺の話を聞いてくれるかい?
…聞いてくれるんだね。
さて、どこから話そうか。
そうだ、俺の話をしよう。
まぁ、けして面白い話では無いけどね。



「お前はまた駄目だったのか?」
「テストで百点ぐらいは取りなさい。いつもいつも九十点はさすがに駄目よ」

両親の口癖。
両親のため息。
両親の呆れた顔。
聞きたくない、見たくもない。
なのに、鎖で繋がれて、自由になれない。
いつも、そうだ。

俺には兄がいる。
兄は何でも完璧にこなす人だった。
見ていて憧れたよ。
凄い、格好いい、そう思っていた。
でも、いつからか憎むようになった。
俺は努力した。兄よりも、他の人よりも。
しかし、兄はやはり凄かった。
近づけそうで、近づけなかった。

「とにかく、雅紀。取るなら、百点を取りなさい。いいわね?」
「全教科百点だぞ」

ほら。また言ってる。
何で?俺は頑張っているのに。
人一倍努力しているのに、何で?
この時、俺は神様を恨んだ。
いや、神様じゃない。
兄を恨んだ。

「雅紀…」
「…」

この日から、いや、もっと前から、兄を避けていたのかもしれない。
いつからか、死にたくなるようになった。



ほらね、面白くなかったでしょ?
ん?何故、この話をしたかって?
…何故だろうね。
独り言のように話したかったんだと思うよ。
それに、人間の過去なんて、本当に面白くない。
ただただ辛いだけだよ。

「雅紀さん」
「何かな?音羽」
「いえ、特に用は無かったのですが、ボーッとしてるように見えましたので」

彼女は相変わらず優しい。
死ぬ人間に手を差し出す。
しかも、最近出会ったばかりなのに。
彼女は少し変だよ。

「音羽は変な子だね」
「それは変人…ということでしょうか?」

それに鈍感だ。

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