コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】
日時: 2016/03/22 20:03
名前: 湯呑こん (ID: HT/LCIMm)

おはこんばんちは〜
これは、湯呑ゆざめとこんの合作作品です!

テーマは
「恋は一瞬の輝きで、儚くて、甘くて、苦いんだ。」

です<m(__)m>
どこかにシンデレラが引っかかってます…多分←




*決まり*

・コメ嬉しいです。

・悪コメ荒らし禁止。

・「更新おそい」などの急かしも禁止。

・なりすましも禁止。

・リクは後々・・・




※お互い小説がほかにもあるので更新速度ははやくないかも<m(__)m>
では、よろしくお願いします♪

目次≫






















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Re: 午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】 ( No.7 )
日時: 2016/03/24 15:04
名前: 湯呑ゆざめ (ID: HT/LCIMm)

3、枠の中のソーダ。

それは、爽やかで痛くて、ついつい嬉しくなっちゃうんだ。
まるで君を想うように。



昼休み、みんなが移動教室へ行った中幼馴染の私とけいたは、

委員会の書類纏めを先生に頼まれやっている。
そろそろ、春が来るんだろう。
窓から流れ込む風にすん、と鼻をならせば柔らかい風がどこからか
桜のまだ見ぬ蕾の匂いをわずかにともなってゆらゆら流れ込んできた。

向かいのあいつは暇そうにペンを回す、髪が日に透けてキラキラ
綺麗だった。
無理やり目を逸らし、空を仰げば澄み切ったソーダみたいな青空。
青と日光がキラキラしてた。

視線を感じてあいつを見れば悪戯っ子みたいに笑う顔がすぐそこに。

「俺さー、好きな人いんだよ。」
窓から二人して顔を覗かせ風を感じる、君と二人で。

好きな人、ねえ。まあ、可愛い子なんだろうな。
ほんのすこし陰鬱な気持ち。
なんでこんなにモヤモヤするかなんて子供の頃から答えは出てた、
のに。

いまだ、一歩も踏み出せてない。

でも、この関係に満足もしてる。妥協案だけれど。

やっとのことで出した声は不自然だったかもね。

「そ、そっか。応援し、てる。」

いつか、この関係も終わっちゃうのかな。

そう思うと少し涙が滲んで胸が痛くなった。
踏み出す勇気があればいいのに、シンデレラみたいに。
キミが欲しいよ。


もう一度窓枠から見た空は相変わらずソーダみたいに澄んでたけど、
さっきと違うのはそこに君と私がいる事だった。


end

Re: 午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】 ( No.8 )
日時: 2016/03/26 20:34
名前: こん (ID: IvmJM/UO)

『恋のチケット』

恋ってさ、
なんだろう。



結構漠然としている。



どこからが恋の入り口なのか。
どこからが恋の出口なのか。



恋への入場はどうしたらできるのか。
チケットがないと入れないのだろう。



中に入るとどんなだろう。

メリーゴーランドのようにゆったり回るのだろうか。
ジェットコースターのように勢いよく上がったり下がったりするのだろうか。

甘いデザートは売っているだろうか。
辛いカレーもあるだろうか。


一体一体どんなだろう。

誰か私にチケットをくれないかしら。





「はい、割引きチケット。」
「……は?」

顔を上げるとクラスメートの君が何かをひらひらさせていた。

「だから、遊園地の割引きチケット。うちに余ってるやつがあるって言ったら、欲しいって言ってたじゃん。」
「あ…。」

君の手元を見ると、確かに私が欲しいと言った、かの有名なネズミの遊園地の入場チケット割引き券が握られていた。

「ごめん。ぼーっとしてた。ありがとう。」

手を伸ばすと、君は手を上に挙げた。
掴もうとした私の指は空を切る。

「えっ。」

驚いてまた顔を上げる。
君は真面目な顔をしていた。

「誰と、行くの?」
「…は。」

呆然とする私。

「遊園地。」

君はぽつりと呟いた。

「…一人。」

昔からその遊園地が好きで、一人で行ったりもよくするのだ。
だから今回も、一人で行こうと思っていた。

「一人?」

君はちょっとだけ驚いた後、ニカっと笑って、

「じゃ、これは俺が持っておくわ。」

と言った。

「…へ?」

私が意味がわからず立ち上がると、

「一緒に行こうぜ。これ、二人まで使えるやつだから。」

そう言って君はさっさと行ってしまった。

「……。」



トクンーー。



君の背中を見つめながら、私の心臓は小さく鳴った。







チケット。



君と私が一緒に入る為の、

チケット。





遊園地に着いたら、



シンデレラ城をバックに写真を撮ろう。





君と私のツーショットを。


byこん

Re: 午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】 ( No.9 )
日時: 2016/04/03 17:13
名前: 湯呑ゆざめ (ID: HT/LCIMm)

ごめんね、遅れた!でも、つづくからね?!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

≫不器用に砂糖を一つまみ。


数式がすらすらと先生の口から発せられ、生徒はそれを追いかける
ように写す。うだるような暑さ。どこまでも続く青に、
私はノートよりも優先させる。

気づけば、授業はかなり進んでて急いでノートを写す。
トントン、と後ろから肩を叩かれ振り向く。

そこには、私のスキな人の顔。

「見てこれ。じゃじゃーん。」
ノートの切れ端で作ったらしい折鶴。

待て、馬鹿なのかこいつ!高校生でしょ?!
でも、その少年みたいに無邪気な笑顔に無条件に、心拍数が上がる。
なにこれ、胸が痛くてきゅってしてる。

  なんでこんなに切ないの…?

答えない私の顔をその悪戯っ気のある瞳で覗き込む。

不器用な私は「知らない、こんなの。し、らない」
最後は言い聞かせるように呟いて前を向く。

何でこんなに可愛くないこといっちゃうんだろ。
シンデレラみたいに素直だったらいいのに。

ホントは、ホントは、好きって言いたいのに。
気づいたらずっと俯いてて、授業は終わって。

君が私の横を通る時、私の頭を少し撫でた。くしゃって。
「面白い奴だな」って。

私は気づかぬふりして机に突っ伏す。真っ赤な顔を見られないように。

でも、こんなに優しい君に、一回ぐらいは素直になってみようか。

何故だか、うだる暑さが今は嫌じゃなくて、もどかしかった。


end

Re: 午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】 ( No.10 )
日時: 2016/04/12 16:53
名前: こん (ID: q6B8cvef)

『一目ぼれ』

席替えをした。

前はサッカー部の男の子。

話したことはなかった。

ちょっと座高が高い。

サッカーをやっている人って足が短いというけれど。

背の低い私は彼の後ろに埋もれてしまう。



「はい、教科書を開いて。」

先生が板書をする。

黒板を見ると必ず彼の背中が目に映る。



あ、今寝落ちしそうだった。

あ、消しゴム落とした。

問題解けないのかな、髪をくしゃってやった。



なんでか私は彼の後ろ姿ばかりみてしまう。



あ、もうすぐあてられるからあせってる。

隣の人にでも聞くのかな。



すると彼はくるりと体の向きを変えてこちらを向いた。

「ねね、ここってどう解くの。」

私は彼を見ていたことがばれないようにあわてて彼の指す問題に視線を落とす。

「えっと。」

和訳問題だ。

「シンデレラはすぐに王子に恋に落ちました、、だと思う。」
「そっか。さんきゅ。」

彼はすぐに前を向くかと思ったら、何かを考えている様子だった。

「…違うかな?」

恐る恐る聞いてみると、彼は笑って首を横に振る。

「これを読むと、シンデレラってさあ、王子の外見で完全に恋に落ちてるよね。しゃべってもないのに恋に落ちるなんてあるのかな、と思ってさ。」

そんなことを言って今度こそ前に向き直った。





あるよ。

私は心の中で返事をした。

しゃべってもないうちから好きになること、あるよ。


だって私がそうだもの。



ついさっきまで、しゃべったことなんてなかったし、そもそもかすかに存在を知っている程度だった。






いつかあなたに伝えたい。

そんなことってあるのだと。


byこん



はい、大分放置してました。
ごめんなさい。

しかも割とどうでもいい文章に…

もうしわけない。

Re: 午前三時のシンデレラ。【短編集】【合作】 ( No.11 )
日時: 2016/05/04 16:34
名前: 湯呑ゆざめ (ID: ovLely7v)


いや、めっちゃ切なかった・・・文才すごすぎ^^

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『気まぐれ果実』

最近、私はなんだかおかしい。席が隣のあいつと話すと頭がぼーっとする。家が隣で、慣れてるはずなのに。胸がグッと詰まるし、チクチクするのだ。

あるとき、勉強を教えてくれとあいつが家に来た。まあ、何度も繰り返されたことなのだけれど。
復習からはじめて、ひとくぎりをすると、お腹が減ったというので
ショートケーキを出す。子供みたいに嬉しそうに食べる。こっちまで

なんだかうれしくて、なのに、なのに。
なんで・・・

胸が切なくなるの?

ちら、とあいつをみれば唇の端に生クリームがついてて。
「ついてるよ。」


「あ、ほんとだ」
ちょっと照れたようにたははと笑って、舌で舐めとった。
紅い唇が艶めかしく濡れていて。

こちらを窺うように向けられた瞳は挑発的で、扇情的で。

どちらからともなく唇が触れる。熱っぽくてクラクラする。

「んっ・・・」
ダメだとわかっていても、止められない。甘くて苦くて。

まるで、禁断の果実のように。

吐息が交じり合う。溶けて溶かして。


二人は止まらない。十二時を過ぎたって、シンデレラは味を知ってしまったから。



そう、それは恋の味。


end


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