コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

あたしは金星人
日時: 2016/04/01 13:28
名前: 大谷みつ (ID: 03x.my9j)

こんにちは。
初顔の大谷みつともうします。よろしくお願いします。

作者プロフィール

名前 おおたに みつ

年齢 14歳

誕生日 9月28日

出身 兵庫県

と、こんな感じですのでよろしくです。

Page:1 2 3



Re: あたしは金星人 ( No.7 )
日時: 2016/04/05 14:23
名前: 大谷みつ (ID: 03x.my9j)

愛純は窓のカーテンを閉め、部屋を見渡す。黄色の絨毯に小さな白っぽいテーブル。そして、さっきまで寝ていた紫色とピンク色のカーテンつきの大きなベッド。茶色いドアの横には、ピンク色のクローゼットがあるだけだ。他は、何もない。

ふと、自分がどうして部屋を見回しているのか分からなくなった。

「ね、ねぇ・・・?藍・・・? どこにいるの?出てきて・・・、ねぇ・・・ねぇってばぁ!!」

その瞬間、バッとドアが開き、黒くて大きい影が近づいてきた。愛純は窓の方向に駆け寄った。カーテンに強くしがみつく。突然、ビリッと音がして、カーテンが愛純の前で破けた。

愛純の頭のなかにふと、ある言葉が過った。

      『ブラックホール』

愛純は、破けたカーテンを握っていた手が、震えてきたことに気がつく。そして、脚全体の力が抜けていく。そして、身体中の力も。吸い込まれそうになる。愛純。だが、力が抜けていき、開いていないはずの窓が開いている。手が滑り落ち、身体ごと滑り落ちる。
落ち行く愛純の眼に、黒いフリルのついたドレスに身を包んだ藍が映った。手には♀の形をした黒いステッキを持っている。・・・藍の口が開く。

「さよなら、じゃあね。貴女は金星に必要とされてないの。・・・気付いた?」

ニヤリと藍の口の口角が歪む。愛純は首を震う。

「いやぁ・・・藍・・・ど、どうしてなのぉ・・・何なのよ・・・何でなの・・・!」

Re: あたしは金星人 ( No.8 )
日時: 2016/04/05 15:11
名前: 大谷みつ (ID: 03x.my9j)

藍は、何かを思い出したように愛純と眼を合わせた。エメラルド色の大きめのキレイな目だった。フリルスカートを靡かせながら、ステッキを愛純に近づけた。

愛純はドンッという音と共に、地面に落ちる。身体中に痛みが走った。

カツッ・・・カツッ・・・と、ヒールのある黒いブーツが近づいてきた。改めて愛純は藍の顔を見た。すると、首元にラメのかかった♀が、焼きついていた。深い緑色だ。意識が薄れていく。

「あら、もうお別れなの?・・・残念。フフッ。・・・だったら言っておかなきゃね。」

「・・・ぁあ、ら・・・藍・・・。どうして・・・なの・・・。一体どうしたの・・・?今までの・・・記憶・・・、思い出は・・・何だったの?」

ステッキを握りしめ、上から見下すような緑色の視線。そっと、愛純の前にしゃがみこみ、ニヤリと笑い、欺いたような顔つきで囁いた。それは愛純には、少々、嫌、かなり過激だったかも知れない。

「私の名前は、長曽我部 萩。藍は私の 」

「・・・え・・・?」

「双子の妹。」


愛純の意識がなくなった。

Re: あたしは金星人 ( No.9 )
日時: 2016/04/05 16:45
名前: 大谷みつ (ID: 03x.my9j)

「・・・ず・・・、あ・・・み・・・、あ、ず・・・み・・・!!」

肩を掴まれ、ぶんぶん左右に振られている。それもかなり強く。

「あ、ず・・・!!あず!・・・・・・愛純!あずみっ!!おいっ!・・・大丈夫か!?起きろよ・・・!眼を開けろって!」

パッと愛純の目が覚めた。ぼんやりとした瞳に、ぼんやりした人影が映った。視界がはっきりすると、自分の肩をぶんぶん振り回していた正体が分かった。

「・・・っはぁ。びっくりしたぜ。朝っぱらからよぉ。騒がせやがって。心配したんだぜ〜。全くよ。んで、一体どうしちまったんだ?かなりうなされてたぜ?ん!!さーてーはー!イヤーな夢でも観たんだろ?知ってるぜ?」

ぽかんとしてる愛純に、藍が一気に喋る。どうやら魘されていたと気付いたようだった。でも一体なにに・・・?

目の前にいる藍の顔つきを見て自分の見た夢を思い出した。

Re: あたしは金星人 ( No.10 )
日時: 2016/04/05 22:28
名前: 大谷みつ (ID: 03x.my9j)

「・・・あら。藍ね。おはよう。朝早くから騒がせてしまって悪かったわね。って、そんな事よりあんた、何処から入ってきたの?・・・ひょっとして・・・」

愛純はベッドから起き上がり、少しずつ声を出しながら言った。

「ちょっとー。お母さんー。来てくれないかしらー。」

すると、三秒ほどしたあとに、ドアの向こうからドンッドンッと、音が聞こえてきた。階段をかけあがる音も一緒だった。

「愛純〜、入るわよ。」

カチャリと音がして、ドアがゆっくりと開いていく。そこに現れたのは、紫色のショートカットの女性だった。

Re: あたしは金星人 ( No.11 )
日時: 2016/04/07 16:46
名前: 大谷 みつ (ID: 03x.my9j)

「あら、貴女が長曽我部 藍ちゃんかしら?いつも愛純がお世話になってて・・・。ありがとね。私は、愛純の母親の神代 雪穂ですわ。どうぞ、お見知りおきを・・・。」

清楚な雰囲気の雪穂に、藍は開いた口がふさがらなかった。藍も、

「・・・っあ、申し遅れましたぜ。えーっと、長曽我部ですぜ。ああっ、藍ですぜ!あ、あの・・・、よろしくお願いします・・・ですぜ。」

「お母さん。お母さんが藍を私の部屋に入れたの?もしかして。」

髪型を、調えながら愛純が言った。

「え?・・・藍ちゃんを?・・・愛純、お母さん知らないわ。一体、何方が入れたのかしら。うーん。」

その一連の会話を聞いていた藍は、あっと驚き、「・・・あー、その事なら・・・だぜ・・・。」と、切り出した。

「あの・・・、私は自分で勝手に入ってきたぜ。」


Page:1 2 3



この掲示板は過去ログ化されています。