コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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好きなんて、要らない。
日時: 2016/08/10 20:53
名前: 花野 千聖 (ID: 9yNBfouf)

神様は不平等だ。

カワイイ人、ブサイクな人。

お金持ちの人、貧乏な人。

恋が叶う人、失恋する人。

あたしは当然、失恋する人の部類で。

好きになる人は大抵、人気者。そして、誰にでも優しい人。

その人を見ると大抵、彼女が満面の笑みで話してて。

叶うわけもないのにヤキモチ妬いて。

運命の人だけを、好きになることが出来たら。


…何にも辛い思い、しなくて良いのにな。

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Re: 好きなんて、要らない。 ( No.16 )
日時: 2016/10/10 00:11
名前: 花野 千聖 (ID: 8PS445C3)


わお!

皆さん私のスレ見てくれて更にコメントしてくださってどうもありがとうございます!
Dear 立山桜さん

わーーーー!先輩ですか!いやあ、なんか照れるね〜(笑)
うーん、じゃあ、《さくらん》なんてどうでしょうか?
って、センスなかったらゴメンね(゜o゜;;
私どーもセンスには欠けてるんだよね……(涙)

Dear フクロウJr.さん

私のスレ見てくれてありがとうございます!
こんな文才がないものよくぞ最後まで。ご苦労をお掛けしました(⌒-⌒; )
これからも引き続きよろしくお願いします!

Re: 好きなんて、要らない。 ( No.17 )
日時: 2016/10/10 00:56
名前: 花野 千聖 (ID: 8PS445C3)


「あのう、1つ聞いてもいいで………いい?」

「はい、よく出来ました」

ニヤっとして浩介くんがいう。あーもう!魅了されに質問したんじゃ無いんだから!

「紫苑さんて、どういうものが好みなの?」

私、考えたらWisとかDisney store とかをキラキラしたものだとか言って勝手に悩んじゃってたけど、そういえば紫苑さんが好みを全く知らなかったんだよね。これじゃ決まらないのも無理ないっていうか。

「うーん、そうだなぁ。あ、こういうのとか?咲良ちゃんこういうの好き?」

浩介くんが指さしたのは、私が見ていた文房具系からかけ離れたアクセサリーやシュシュ、それに今流行りの(かもしれない)キャラクターがプリントされた大きめのプラスチックのケース。

「すごくカワイイし好きだけど、これ何?」

私がプラスチックのケースを指さすと、浩介くんは意外にも即答した。

「これは、そうだな。小さいゴムやアメピン、あとはリップとかを入れる、ポーチみたいな役割をするんだ」

へぇ〜!浩介くん、何でも知ってるんだね。って、私が知らないだけ?

私が褒めると、浩介くんは頬を赤く染めて目を逸らした。それから、ワンテンポ遅れて右手で口元を覆う。

私、なんか変なこと言ったかな?

私が首を傾げると、あるものが目に入った。

あああああああああああああ!

「みーっけた!」

私はお店の端っこまで小走りで行って、くるりと振り返って浩介くんに見えるように自分の顔の辺りに持ってきた。

「これプラス、浩介くんが自分で選んだもの一個と、私がもう一個選ぶのと3つ入れなよ」

私が取ったのは、自撮り棒だ。

2日くらいまえだろうか。私は偶然、紫苑さんと、お友達の清水由香さんと話してるのを聞いたのだ。

『昨日ね〜、あたし東京スカイツリー行ってきたんだけどぉ、自撮りしようと思って構えたら、いきなりひったくりしてきたおじさんがあたしに向かって突進してきたわけ。だから、咄嗟に自撮り棒を構えちゃって。自撮り棒大破しちゃったの。』

『うわ、サイアクじゃんそれ。翠が使ってたの、なんかカワイかったよね?いつものブランド品?』

『ううん、それは違うよ。けど、あれ3時間もかけてデコったやつだったから、超ショックで。』

だったら、プレゼントする他ないじゃない!ってのが私の結論。

「うっしゃ!ナイス咲良ちゃん!俺にも選べっかな」

「うん!だって、今までずーっと、隣で見てきたんでしょ?紫苑さんのことを誰より大切に思ってるんだもん。もし紫苑さんが既に持っているものだとしても、それとは比べ物にならないくらい、大切なものになると思う」


最終的に、自撮り棒、先ほどのケース(これ私)、同じ柄のシュシュを二個(紫苑さんは大抵二つ結びだから)に決定した。

ラッピングを終え、浩介くんは何となく、嬉しそうだった。

ー私の役割は、終わった。

その事実に背を向けるように、私は浩介くんより先に店を出た。

Re: 好きなんて、要らない。 ( No.18 )
日時: 2016/10/10 11:14
名前: 立山桜 (ID: ???)  

さくらん笑笑友達にいる笑笑

Re: 好きなんて、要らない。 ( No.19 )
日時: 2016/10/10 22:38
名前: 花野 千聖 (ID: 8PS445C3)

1時。

「ヤッホー!お待たせぇ。って、咲良ちゃん!?ほんとに咲良ちゃん!?」

えへへ。どうも、初めまして。

「初めましてって、クラスメートじゃん。堅苦しいの無しにして、今日は飛びっきり可愛くなっちゃお?」

「ありがとうございます!私、お洒落とか全然分かんないのにいきなり紫苑さんみたいな可愛い人にアドバイス頂けるなんて、浩介くんに頼んで良かったなぁって。ほんと、感謝です!」

「わお。浩介さぁ、こんな可愛い子と居てよく平然としてられるね〜」

「何だそれ。俺、そんな目移り早くないんだけど」

「あー、前言ってた好きな人の事?この咲良ちゃんを前にそんなこと言える?読モ並みだよ?もう少ししたら完全にオチるから、ずるずる引きずってないで、さっさと告れば?」

「は、はぁ!?ば、ば馬鹿言え。おお前だって、ずるずる引きずってんじゃねーか!」

「だっていっつも色んな人が周りにいて、告るタイミングないんだもん!あ、あたしだってね、タイミングさえあればとっくのとうに告ってますよ!」

私が隣でクスクス笑っていると、二人とも恥ずかしそうにそっぽを向いた。

「いつになく仲良いんですね」

「「仲良くないから!!」」

見事にハモってしまっては、説得力ゼロだ。

「なんか、夫婦みたい」

「も、もう!咲良ちゃん、行くよっ」

紫苑さんは私の手首をむんぎゅと掴むとズンズン勝手に歩いていく。

「え?え、えっ?え、え、ちょ、紫苑さ、紫苑さん!!ちょ、浩介くん!ちょっと!」

「え?さ、咲良ちゃん、大丈夫?あ!あ、あああああ」

足を一歩踏み出したところで、浩介くんはふと立ち止まった。

うそぉ、助けてよ!


助けようと一歩踏み出したところで、俺はふと立ち止まった。

あれ?俺……そんなバカな。

そんなことを思うより先に、浩介の体は動いていた。

ずるずると引きずられていく咲良を横目に、浩介は口元を手で覆い、そっぽを向く。嫌でも顔に熱が集まるのが分かる。そして、小さく呟いた。

「もう、可愛いなぁ。ほんっとに」


Re: 好きなんて、要らない。 ( No.20 )
日時: 2016/10/10 22:35
名前: 花野 千聖 (ID: 8PS445C3)


《紫苑 翠》

一昨日。

浩介が同じクラスの井上さんに話しかけてた。

あたしの位置からは、浩介と井上さんが何を話しているのか聞こえなかったけど、ちょっとショックだった。

いつも、あたしを含む女子三人、浩介を含む男子三人のグループの人達としか一緒にいないのに、今日はなぜか、井上さんのところに行っていた。

確かに井上さんは可愛い。おさげに眼鏡姿はちょっと地味だけど、高1の時の自己紹介で教壇に立った井上さんを見た時、衝撃を受けた。

彼女はまだ自分の可愛さを知らないから良いけど、そのうち好きな人でもできて、『可愛くなりたい』って思ったら……浩介は?

目線、あたしと井上さん、どっちに行くか分からない。

あたしが目を伏せる瞬間、井上さんと目が合った。

やばい。変なとこ見られちゃった。浩介が好きだって事は、由香にしか
話してないのに。

ちょっとして、浩介が輪の中に戻ってきた。

何を話してたの。

聞こうと思ったけどみんなの前だし……悩んでいたら、同じグループの高野涼が浩介に話しかけて、タイミングなくしちゃった。

「なあ、今日もみんなでカラオケ行かへん?」

「カラオケ好きだな、お前。週3回は行ってるだろ」

「ええやんか。楽しめる時に楽しまんで、どうすんねん」

「楽しみすぎだって言ってんの。今回の中間、何位だっけ?140人中、ひゃく……」

「ば!そんな大声で言う奴がおるか、ボケ。あのな、そういうのプライバシー言うて守らなあかんやつやで。ここは、和解でな、平和に解決するもんや」

「じゃあ今日カラオケ行かない代わりに順位をバラさないってのは?」

「な!おい待て、それだけは勘弁してえな。そんなんフェア主義のお前がすたらんのか!」

「俺別にフェア主義じゃねーし。えっと、涼は、ひゃく……」

「あーもう!分かった、分かったから!やめといて!バラすのだけはやめといて!」

「分かったから!」

「えーカラオケ良いじゃん。浩介、なんでそんなムキになってるの?」

「そやそや!由香、ナイスや!」

浩介はそんな涼を無視して答えた。

「今日は先約が入ってるから。俺だけ行けないの、なんかハブられてるみたいでやだ」

ブフォっと誰かが吹き出す。それにつられてみんなが次々に吹き出した。

「やだーかわいー」

「浩介、そ、それ、き、気に、気にしす、ぎだって」

早瀬桃香は笑いが止まんなくて単語が途切れてる。

隣にいた野村裕翔もまた、

「んなわけねーだろって」

とお腹を押さえながら言ってる。

あたしは、笑えなかった。浩介の言い分は可愛かったし浩介と涼のコントみたいなやりとりも面白かったけど、あたし は好きな人を奪われるかもしれないという恐怖で怯えてた。

ー『咲良ちゃんみたいな子がちょっとオシャレしてきたらマジで好きな人、奪われちゃうって』ー

もしそれで井上さんに興味を示したとしたら?

あたしは自分のした事を心底後悔していた。

そのあたしが、昨日浩介に頼まれて、井上さんを可愛くする手伝いをしてる。

そして、予想以上に浩介と井上さんの仲が良い。ほぼほぼ初対面なのに、あたしには敬語、浩介にはタメ口。

いつのまに、そんなに仲良くなったの?あたし聞いてないよ、浩介が井上さんとそんなにコンタクトとってたなんて。

彼女なわけじゃないし、ウザったいとは思うけど、ねえ、 浩介には、あたしを選んで欲しいんだ。

あたしから、浩介を取らないで。


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