コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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私がヒーローになるまでの話
日時: 2017/01/15 15:21
名前: 薄葉あた丸 (ID: r5KTv1Fp)

こんにちは、薄葉あた丸です。
よろしくお願いします(´∀`)
今回、ここで小説を書かせていただきたいと思います。

初心者ですので、誤字など発見しましたら教えていただけると嬉しいです……。

感想やコメントも気軽に書き込んでください。
むしろ、書き込んでくださると私のモチベーションが上がります↑↑

【注意!】
・基本恋愛ものですが、割とシリアス展開を含みます。
・くれぐれも期待はしないでください。駄作です(^-^)

【内容紹介】
「イデント」と呼ばれる特殊体質者が現れ始めた日本。
 彼らは天才と崇められる反面、科学者やイデント撲滅組織に追われていた。

 とあるアパートで従兄弟と二人暮らししていた紺野鞠乃は、ある出来事をきっかけに自分がイデントだと知る。

 それから日常は一変し、訪れる新しい生活——。

 人間とイデントの狭間で揺れ、仲間達と協力し、成長する中で鞠乃は何を「答え」とするのか。
 そして、彼女の恋の行方は……。

【目次】
プロローグ
>>01

第一話「歪んだ世界」
>>02-05 >>08 >>12

第二話「遥かな世界」
>>17 >>23-24 >>27-28 >>35

第三話「常盤木荘」
>>45 >>52 >>55 >>57 >>59 >>62

第四話「突然すぎる」
>>63-64 >>66 New!


「登場人物紹介」
>>44


【お客様】
・マル彦さん
・てるてる522さん
・プチシュークリームさん
・みかんさいだーくろーばーさん
・桃色さん


*参照100突破記念、高坂宗介イラスト >>11
*参照1000突破記念、科学者三人組イラスト >>65 New!


参照1000突破しました!
ありがとうございます!

………………………………………………………


オリキャラを募集したいと思います。
↓応募用紙

 男キャラ用
【名前】
【性別:男】
【秀でた能力(魔法が使えるなどの非現実的なものはNG)】ここはなくてもOKです。
【容姿】
【性格】
【備考】

※秀でた能力:(例)怪我の回復力
         足の速さ
         握力の強さ などの類

 女キャラ用
【名前】
【性別:女】
【容姿】
【性格】
【備考】

※物語の設定上、女性キャラクターは特殊体質者ではなく科学者になることが多いです。
 重要な役回りなので、書いてくださると嬉しいです。

ご協力お願いしますm(_ _)m

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Re: 私がヒーローになるまでの話【オリキャラ募集!】 ( No.55 )
日時: 2016/12/23 22:18
名前: 薄葉あた丸 (ID: V9u1HFiP)


 夕食を終えて——テーブルの隅には一人分のシチューが寂しげに佇んでいるが——常盤木荘のリビングは祭りのあとの静けさになった。

 叶也は台所で食器を丁寧に洗いながら、まるでお母さんのように悠へと指示を出す。

 せっせと皿を運ぶ悠の姿を見ていると、手伝わずにはいられなくなった。

「お願いします」 両手に一つずつ持ってきたコップを叶也に預ける。

 叶也は性格の良さが現れる晴れやかな笑顔で一言「ありがとう」とそれを受け取った。


「お客さんなんだから、座ってていいよ」

 呆れた悠は、残っていた白い皿を全て重ねて一気に持ってきた。

 宗介が笑いを堪えるように奥歯を噛み締めている。


 彼が一瞬でも、無理やり人の役に立とうとする鞠乃を、彼女の母親に似ていると感じたなどとは思いもよらない鞠乃は疑問符を浮かべた瞳で宗介を見つめ返した。


「そうだな。まあゆっくりしていくといいさ。……ほっ」

 四人席に移動していた千紘は、一人、優雅にお茶を飲んでいた。

 一口すすってから、満たされた風に息をもらす。

 その背後に設置された窓から見える夜の景色と、気品溢れる千紘の動作のおかげで、彼が着ているヨレヨレの白い服でさえ美しく映える。

 綺麗な人なのだな、と改めて感じた。


 出来ることなら、これからもこの場所に来たいと思うほど、今までになく安心できる午後を過ごした。

 まるで昔からの友達と喋っているみたいだった。

 悠の場合は実際そうとも言えるのだが。


 だが、ゆっくりと言われても、もう外は暗かった。早いうちに帰らなければならない。

「ありがとうございます。でも、沢山お世話になりましたし、そろそろ」

「——あ」

 突然、宗介が立ち上がり、千紘のそばの窓へ歩み寄った。

 やけに拍子抜けした顔をしていたので、鞠乃も思わずそちらの方へ体を向ける。


 すると突然、闇を裂いた光が一筋、地面へと堕ちて鈍く光った。

 数秒の後に遅れて響き渡る、怒号のような雷鳴。

 どうやら外は嵐ともいえる荒い天候だった。

 少しでも雨が降っているなんて気がつかなかった。

 遠くから見れば、全く穏やかな青と黒の世界に見えたはずなのに。


 悠は大声で叫び、叶也の背中にしがみつき避難する。

 子供っぽさの残る悠の行動に鞠乃は、思わず口元がほころんだ。

「違う。全然、怖くないし」

 叶也の後ろから震える声で言い張る。


 中学生の時も、悠は強がる癖があった。その度に「嘘つけ!」という言葉が飛ぶのがお決まり。

 そんな彼が可愛くて仕方が無かった六年前だが、今もその気持ちは少し感じる。


「雨、だね」

「宗介さん、傘は持っていないですよね」

「ああ。出掛ける前は晴れていたから」


 濡れて帰るしかないのか。こんな天気の中を。

 強風に吹かれて雨に打ち付けられれば、明日は風邪を引くこと間違いなしである。

「出たくないな」 「出たくないです」

 二人は同時にうなだれた。


「それなら泊まっていくか? 寝室のある部屋なら空いているぞ」

Re: 私がヒーローになるまでの話【オリキャラ募集!】 ( No.56 )
日時: 2016/12/25 15:22
名前: プチシュークリーム ◆IVDmJcZSj6 (ID: IGUMQS4O)
参照: http://u0u1.net/A7oI

>>54

なんとなんとプロットの方では出てきてるのね。すごい期待できるよ。
昔っから特殊能力を研究する科学者とか活用するキャラをよく使う人だから、上手く使ってくれて嬉しいな。

あっ、今書いてる鳴砂の方は際立った特殊能力を使うキャラはいないのでそこは堪忍・・・

Re: 私がヒーローになるまでの話【オリキャラ募集!】 ( No.57 )
日時: 2017/01/10 18:04
名前: 薄葉あた丸 (ID: 492uL0E4)

 千紘は何でもないことのように、さらりと言ってのけた。

 窓の外は激しい雨が降っている。


 彼の言葉はとても助かるが、普通は「送っていこうか」などという言葉をかけてくれるのでは?

 そして鞠乃達は迷子になってここにいる訳ではない。帰ろうと思えば帰ることができるのだ。

 叶也も驚いた様子で千紘を眺めていた。

「いや、大丈夫です。さすがにそれは」

 宗介は眉間にしわを寄せて首を横に振る。

「それでは言い方を変えよう」
 千紘は続ける。

「次はいつ会えるか分からないだろう。俺は少々君と話したい。今夜だけでも引き留めたいんだ」

 優しい笑顔の裏で、何か重立ったものがあることに宗介は気付いたようだった。

 しかし気付かない鞠乃は、次の瞬間にまさか宗介がそれを承諾するとは想定していなかった。

 こくりと静かに頷く宗介に、

「決まりだな」
 他の四人が戸惑っていることにはお構いなしで、千紘は上機嫌だ。

 鞠乃は宗介の顔を覗き込む。

 少なくともここが危ない場所とは思えないが、一晩過ごすとなると話が変わる。

 警戒心の強い宗介がそれを受け入れるとは何事だ。


 と、考えたところで思い出した。

 鞠乃はもう三時間もここで眠らせてもらった身ではないか。

 ここまで良くしてもらった鞠乃に拒否権はあるのか。



 そして結局、鞠乃は悠にバスルーム付きの豪華な部屋へ案内されてしまった。

 こんな綺麗な部屋が空いているなんて、信じられない。という事は、皆さんは更にすごい部屋で生活しているのだろうか。

 この部屋には深緑色の絨毯が敷かれていて、大きなベッドと、丁寧に造られた木彫りの机が置いてある。

 真っ白のベッドカバーがかけられた布団は、今すぐに飛び込みたくなる程ふかふかだ。

「風呂はいつ入ってもいいよ。着替えは……ちょっと待ってて」

 そう言って悠は、ドアを開けたまま出て行った。

 遠ざかる軽い足音を確認してから、鞠乃は華やいだ声を上げながらベッドへ飛び込む。

 想像通りの気持ちよさに、うねりながら仰向けになって大の字に広がった。

「気持ちいいよー」

 思わず独り言をこぼしながら、天井を見つめれば吸い込まれそうな不思議な心地がした。クリーム色の壁が目に優しい。

 だんだん瞼も重くなってきたし、ここで一晩過ごさせてもらっても良いのかな、とさえ思い始めていた。

 高い位置にある小さな窓からは、微かに雨の降る、これまた眠気を誘うBGMが聴こえてくる。



 いつの間にか瞳を閉じて、静かに寝息をたてていた鞠乃を発見した悠は、至極面倒くさそうな顔で彼女の体に毛布をかけた。

「全く、いくら同級生だといっても、ここに女が来るのは困るんだよな。黒川さんは何を考えてるんだ」

 持ってきた鞠乃の着替えをベッドの傍らに置いて、勢いよく、音を鳴らせて扉を閉じて再び部屋を去った。

 鞠乃は深い眠りについていたようだ。その大きな音でさえ、安らかな表情の鞠乃の耳には届かない。

Re: 私がヒーローになるまでの話【オリキャラ募集!】 ( No.58 )
日時: 2017/01/10 21:18
名前: 薄葉あた丸 (ID: 492uL0E4)

>>56

そんな!期待なんてそんな重大なものを!
プチシュークリームには感謝してばっかりだね(^-^)

お話の中でキャラクター達が生き生きできるような
文章を書けるようになることを目標にしてるから、
そう言ってもらえるととても嬉しい!
ありがとう。

お!じゃあ際立った特殊能力について過度な期待はしないようにするよ(´∀`)
これからも楽しみにしてるね!
コメントありがとう!

Re: 私がヒーローになるまでの話【オリキャラ募集!】 ( No.59 )
日時: 2017/01/11 19:59
名前: 薄葉あた丸 (ID: 492uL0E4)



「まあまあ、とりあえず座れ」

 机をバンと叩いて立ち上がった悠に、千紘は動じることなく言葉をかけた。

 穏やかなリビングがこのような荒々しい現場になってしまったのは自分にも責任がある、と宗介は思う。

 先ほど食事を済ませたテーブルの同じ位置に腰を下ろした四人は、鞠乃がすっかり眠ったのを見計らって話し合いを始めていた。

 千紘の言っていた「話したいこと」とはこれなのだろう。鞠乃が聞いていてはいけない事だ。間違いなく彼女を傷つけてしまう。

 叶也が不安そうな顔で悠を見上げたが、悠は座ろうとはせず意見を続けた。

「ここは僕らのような行き場をなくしたイデントが集う場所。言い方が悪いもしれないけど、厄介者は招き入れたくない。だからこれ以上鞠乃とは関わりたくない」

 緊迫した空気の中で、宗介はぴんとした糸が張り詰めたような息苦しさを感じた。

 自分の生活を壊したくないという悠の気持ちも多少は理解できるが、鞠乃が厄介者呼ばわりされたことは気に食わない。

「悠君は、自分が厄介者ではないという自信があるのかい?」

 宗介が口を出そうとする前に、叶也が間髪入れずに言った。

 悠は、まさか叶也に立ち向かわれるとは思っていなかったのだろう。丸い目をさらに開いて見つめ返した。

 そんな驚きは受け流し、叶也は説教をしているかのような口調で淡々と告げる。

「確かに鞠乃さんは、話を聞く限り女性のイデントだ。これは前例がないことだし正直私も動揺している。彼女を匿っていたら、絶対に平穏では済まないだろう」

「そう思うんだったら——」

「だが」

 叶也の声が強く、大きくなった。

 たおやかなその瞳も、いつしかきつく鋭い眼光を悠へ向けていた。悠は少し物怖じしたように一歩引く。

「行き場がなくなってここに逃げ込んだ君と私が、彼女を厄介だと言えるのか? 私達も彼女と同じだ」

「わざわざこれ以上の危険を冒してまで僕達が庇う必要はないって言ってるんだ」
 怒られた子供のように頬を膨らませ、目を潤ませて、力んだ声には怒りが感じられた。

 この空間にとても居づらい。

 話に首を突っ込もうにも勇気が出ない自分を悔やんだ。言葉すら出てこない。

 宗介は、唇を噛みながらも思った。やはりこの人達を巻き込むわけにはいかないのだ。

 鞠乃を助けるかどうかについて口論してくれているのは嬉しい。しかしそれと同時に、常盤木荘の皆さんに迷惑をかけてしまうという実感は募るばかりだ。

 助けを求めるつもりで千紘の方に顔を向けてみると、案の定というべきか、彼は目を伏せて微笑みながら指を遊ばせていた。

 マイペースな人だとは会った時に感じたが、こんな空気の中でもか。

 だが話を聞いていないわけではないのだろう。
 時折眉を下げて悲しそうな表情をしたりするのは、二人が喧嘩を始めたからだろうか、それとも鞠乃が不憫だからだろうか。

「悠君がそんな投げやりな人だとは思わなかったよ。これではいざという時にでも、仲間を見捨てて逃げるのだろうね」

 呆れたというように首を振って、叶也は台所の奥の扉に消えてしまった。

 その背中を滲んだ瞳で追いながら悠は呟く。

「今の仲間を守る為に、見捨てなきゃいけないものだってあるだろ」

 悠にとっては、その見捨てるべきものが鞠乃なのだ。

「黒川さんも頭を冷やして考えて。僕は関わらない事が一番だと思うけど」
 言いながら階段を登っていく。

 二人減ったリビングには、うるさいほどの静寂が訪れた。沈黙を破ったのは、千紘の大きなため息だ。

「彼らも壮絶な過去を背負っていてな、『仲間』という言葉に敏感なんだ。でも心配はいらないさ。あの二人は羨ましいほど仲がいいからな」

 あの二人も心配だが、今はそれ以上に聞きたいことがある。

「どうして、鞠乃をここに住まわせてくれると?」


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