コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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センセイ×セイト
日時: 2017/01/15 21:27
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)

はじめまして。
たまきと申します。
未熟者ですがら暖かく見守ってやって下さい。

プロローグ>>1〇登場人物>>2
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第5話>>9◎第6話>>10◎第7話>>11
第8話>>12◎第9話>>13◎第10話>>14
第11話>>17◎第12話>>18◎第13話>>19
第14話>>22◎第15話>>23◎第16話>>24

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Re: センセイ×セイト ( No.27 )
日時: 2017/01/22 19:06
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: 3edphfcO)

第19話
雨の音が聞こえる休日
笹木家にお邪魔していた。

「環ってさ〜恋した事ある?」

口に加えたお菓子をポロっと
床に落とし固まる宏樹

「へ?」

マヌケな声が部屋に響く。

「だから……」

実咲は少し顔を赤くし口元の
クッションで隠しながら言う

「で?実咲は誰が好きなんだ」

落ち着いた口調で少し地声より
低くした声で実咲に問いかける宏樹
実咲はポッとまた顔を赤くし

「3組の長原雅哉」

2人で頭を傾け考える。
考えだして数分が経つだろう。
同時に机をバンっと叩き実咲を見る

「「はぁ!?」」

ハモる2人の反応に実咲は耳を塞いだ。

「声がデカイよ君たち」


長原雅哉
学年一スポーツ万能
学業成績は中の中
顔は指折りに入るくらいのイケメン

「なんでなんで!」

興味深々に私は実咲の隣に近寄る。
ニマ〜っと笑う実咲がなんか可愛い。

「私って案外背が高いぢゃない?」

たしかに実咲は女子にしては
背が高い168cm

「私がそれを他の男子に陰で言われてて」



〜実咲sid〜

「笹木って背高すぎね?」

3組の教室に響く声。
私は教室の廊下にいた。

「あ〜」

数人の男子の話し声

「女子で背が高いのは俺無理だわ」
「せいぜい162cmくらいが丁度いい」
「なんか一緒にいる倉西さんの引き立て役」

言われたい放題だな私
ゲラゲラ笑う声に耳を塞ぎしゃがみこむ
昔から身長でからかわれてきたから
慣れてると思ってたけどやっぱりキツイ

「好きで背が高いわけじゃないし」

耳を塞ぎながら私は唇を噛み締める。
そんな私の視界に人影が見えた。
私はその人影に目を向けると

「笹木?」

そこには同じクラスの長原雅哉がいた。
私は何も言えずただ長原を見ていた。
教室から聞こえる話声に気づいた長原

「………。」

ドアを開け中に入る。

「お!長原じゃん!」

数人の男子がヒラヒラと手を振る
「よっ!」と軽く挨拶し自分の机に向かう
忘れ物を手に長原は入ってきた
ドアに向かう。

「長原は身長低いから低い方が好み?」

ピタッと足を止め長原はスッと振り返る

「身長とかどうでもいい」

真顔で答える。
男子達は「えっ?」っとそれぞれ首を傾げる

「好きになった子が背が高くても
俺は気にしない」

ドアを勢い良く開け長原はニッと笑う
私はドアを開け出てきた長原を見つめた

「笹木って可愛いじゃん。俺好きだよ」

後ろに軽く顔を向けそう言い放つと
長原は私の手を取り自分の方に引き寄せた

「!?」

私は一瞬、宙に舞うように立ち上がり
そのまま手を引かれその場から
2人で走り去った。

「笹木。気にするなよ」

走っている途中、長原は私に言う。

「笹木は可愛いんだから。」

淡々と恥ずかしがる事なく続ける。

「お前を見てる奴だっているんだからな」

ゆっくりと立ち止まり私を振り返り
見上げる長原を私は見下ろしていた。

「じゃーな!」

肩を軽くポンと叩き長原は
体育館の方に姿を消した。
私は長原の後ろ姿が見えなくなるまで
体育館の方を見つめていた。

〜〜〜〜〜

「遠回しの告白!?」

顔を赤くして実咲を見る私。
宏樹は何だか難しそうな顔をしていた。

「で、返事したわけ?」

直球に問いかける私を見て
実咲は首を振る

「あれから意識し過ぎて話してないよ」

あの賑やかでおちゃめな実咲が
一気に乙女モードに変わる。
なんか実咲と恋愛話とか初めてだ。

「………」

黙り込む宏樹の頬を人差し指でつつく

「やあやあ。弟よ。そろそろ姉離れしなさい」

私の言葉に宏樹は「馬鹿野郎」と頭を叩く
どう見ても宏樹は実咲離してない。
何かあれば実咲の心配ばかりだから。

「実咲。好きならちゃんとぶつけないと」

私はまた実咲に向き直る。

「きっと長原も待ってるよ?」

実咲は恥ずかしそうに頷く。
なんか不服そうな顔をしながら宏樹は

「無理してぶつからなくても」

みたいな馬鹿な事をほざくもんだから
宏樹の姉離れが出来ない事の方が
今、一番不安な私だった。

Re: センセイ×セイト ( No.28 )
日時: 2017/01/22 19:12
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: 3edphfcO)

第20話

「環、ご飯食べて行けばいいのに」
「環ちゃん遠慮いらないわよ?」

実咲とおばさんが言ってくれたが
いつも甘える理由にはいかないからと
笹木家を出て自分の家に帰る。

「ただいま〜。」

シーンとした家に声が響く。
私は玄関の鍵を閉め
薄暗い家の中を見つめ中に入る。

「今日ご飯どうしよう」

リビングの電気を付け
私は台所に向かう。
テレビを付ければテレビの声が
響く静かな空間。

「あ。」

近くにある襖を開け
畳の匂いで満たされた和室に入る
座布団の上に正座をし前を真っ直ぐ見つめる

「お母さんただいま」

目の前には小さなタンスがある。
その上には微笑みを浮かべた
お母さんの写真と小さな水差しに
花を飾りそこに置いてあった。

中学3年の卒業式の2週間前

「環いってきます!」

朝いつものように仕事の為、家を出た
お母さんは「ただいま」と笑顔で
この家に帰ってくる事は無かった。

交通事故だった。
頭を強く打ちお母さんはそのまま。

「お母さん私は元気よ」

ニコッと笑う。
何度話しかけても返事はない。
分かっているが何か寂しい。

「ご飯つくろ」

立ち上がり部屋を出る。
慣れない料理に苦労するけど
お母さんはいつもやってくれてたのかと
思うと胸が苦しくなる。

「もっと教えて貰えば良かったな。」

ボソッとお母さんの写真を見つめ
私は呟いた。

Re: センセイ×セイト ( No.29 )
日時: 2017/01/22 19:18
名前: ましゅ ◆AG5AfKu9Dk (ID: QYM4d7FG)

結構男勝りな性格の実咲ちゃんが恋(・・*)
ギャップが良い感じです!

長原くん遠回しの告白にキュンキュンしました(笑)


あと!もう!風間先生一つ一つの行動さすがです!!←
あまり心情が分からないミステリアスな感じもあるのに人懐っこいとか最高の属性()


テンションMAXな私←

Re: センセイ×セイト ( No.30 )
日時: 2017/01/29 23:11
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: rLG6AwA2)

ましゅ様

描いてるあたしもキュンキュン( 笑 )
こんな子に告白されたい( 笑 )

意味深な行動は果たして
妹としてなのか恋としてなのか
人懐こいとか最高の属性です、

Re: センセイ×セイト ( No.31 )
日時: 2017/01/29 23:15
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: rLG6AwA2)

第21話
〜風間先生sid〜

「えっ。」

箸を持ち固まる。

「なに驚いてるのよ」

洗い物をしながらキッチンから
話しかける母。

「お前の学校にいるんじゃないのか?環ちゃん」

父が新聞を読みながら
コーヒーを飲んでいる。

「嫌。いるけど担任じゃないから
そこまで知らない。」

箸を持つ手を見下ろしながら呟いた。


「環ちゃん本当1人で良く頑張ってるわね」

この一言に俺は驚いた。


俺が教員になり1年が経つ頃だったらしい。
そんな事知らなかった俺は一点を見つめ
何かを考えていた。

「お父さんの所に引き取られるかと
思ったんだけど環ちゃんが嫌がったらしくて」

母は心配そうに溜息をつく。

あの家に1人で住んでいる。
それを想像しただけで胸が痛い。
面倒を見ていた分、何故か心配になる。

「お父さんはあの家に良く来るの?」

その俺の問いかけに母は頷く。
週に3回は姿を見るらしい。


そんな会話の後、
俺はコンビニの前で煙草を吸う。
空を見上げボーッと何かを考えていた。

「帰るか」

独り言を呟き歩く。
懐かしい小さな公園に差しかかる。
何故かあの頃の事が頭に蘇る。
唇を噛み締め公園を通り過ぎ
倉西家の前を通り過ぎた時だった

「帰って」

聞き慣れた声が耳に入る。
俺は足を止め振り返った。
静かな住宅街に聞こえた声

「環お前はまだ高校生だ。
まだ親の手が必要なんだよ」

知らない男の人の声

「あんた何か父親なんかじゃない」

掠れた声が響く。
俺はハッと目を丸くした。

「お母さんを泣かせてばかりで私なんか
放ったらかしだったあんたなんか
父親なんて私は認めない。」

父親らしき男の人の胸を強く押し
玄関から押し出す環が居た。

「環話を……」

男の人は環の腕を掴むが
振り払われてしまう。

「名前を呼ばないで」

目に涙を浮かべ身体を震わせ環が叫ぶ。
俺は無意識に足が動いていた。

「!?」

俺の腕には驚いた顔をした環が居る。
目線の先には父親らしき男の人が立っていた。

「君は誰だ!?」

男の人の声が響くが俺はそれを無視して
玄関を閉め鍵を閉めた。
腕に抱かれて居る環は震えている。

数分して車が走り去る音が聞こえた。

「帰ったみたいだよ」

ボソッと呟き環を見下ろすと
目から涙を流し泣いていた。
俺は環を抱きしめ

「泣いていいよ」

その言葉と共に環は声を挙げて泣き始めた。
なんて言葉をかけていいか分からない俺は
頭を撫で抱きしめる事しか出来なかった。


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