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アズリス×アリス
日時: 2018/07/21 10:19
名前: 九 (ID: ASXV1Vux)

初めまして九です。
最後まで読んでくれると嬉しいです!




ある日、
綺麗な金髪でリボンをつけている可愛らしい女の子がいました。その女の子の名前は…

『アリス』

………。

それは高校の放課後の事。
「ねぇねぇ…あの子髪ボサボサだよ〜…、なんか君悪い。」
1人の黒い髪の少女が言う。
「あ!そういえばあの子、確か2年3組の…。」
黒い髪の少女と一緒に並んでた茶色い髪の少女が言った。
「アリス?だっけ?」
クスクスと意地が悪そうな笑う声が聞こえる。
「違うよぉ〜、アズリス・ミラーだよぉ〜…ぷっっははははは!」
黒い髪の少女はふざけだして廊下に笑い声が響く。茶色い髪の少女は金髪で黒いリボンをつけていた少女にのしのしと近寄り、手を出して言った。
「ねぇ〜、なんか言ってよぉ〜かなしいじゃぁ〜ん、アリスちゃ〜ん?」

「…_________ッ!」
その金髪少女は茶色い髪の少女の手をペシッ!と振り払って早足でとっさに学校の化粧場へ行った。
「_________はぁーはぁーっ!」
金髪の少女の名前はアズリス・ミラー。
アズリスは息を切らして化粧場の鏡に映るボサボサな髪の自分…

(こんな私なんて大っ嫌い!消えちゃえ!)

と、鏡に映る自分を睨みつける。っと、その時!さっきの意地の悪い黒髪の少女と茶髪の少女がゆっくりとアズリスに近づいて来た。
「あれ〜?かえったんじゃなかったのぉ〜?」
と相手が腹立つぐらいの口調で言った。それに続けて茶髪の少女がニヤリと言った。
「せっかくだから、可愛がってあげない?ラビィー。どう?」黒髪の少女の名前はラビィー・フィア。
「いい事思いついたわね!さすがファリゼッタ!ラビィーこの子を可愛がるのだーいすき!」
茶髪の少女の名前はファリゼッタ・マリー。そしてこの2人は今アズリスに良からぬことをしようとしている。
「やめて!どっか行きなさい!」
アズリスは威嚇いかくし始める。
「悲鳴可愛いねぇ、ますます可愛がりたくなるわぁー!どうする?ファリゼッタ?」
「そうねー、じゃあーこれ!やろっかぁー!」
ファリゼッタがそう言ってスカートのポケットからギラッと刃物が出てきた。
「はさみー!うふふふ、これで可愛い貴方が大切にしてきた此処を切りましょう。」
ファリゼッタはそう言ってはさみの刃の部分をアズリスのボサボサな髪に突き付けた。
「…!」
アズリスは自分の髪を守るために震える手で掴んだ。
「じゃあ行くわよ。」

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Re: アズリス×アリス ( No.4 )
日時: 2018/07/21 10:35
名前: 九(ここのつ) (ID: ASXV1Vux)

次の日、不安な顔をしながら屋敷を出た。
「はぁ〜…行ってきます。」
学校の登下校はいつも一人。いくらお嬢様だとしても車は出てこない。車が用意されるのは親だけだった…。

学校のチャイムが鳴り響く。放課後、黒髪の少女と茶髪の少女に呼び止められ教室に残る。次々とクラスの生徒が教室から出て行く。ついに3人だけの空間になった。
「あらぁ?どうしたの?その髪ぃ?可愛いわねぇ〜?うふふ。」
黒髪の少女ラビィー・フィア。
「本当だわ〜!でも私たちがつけた傷が消えちゃってるわぁ〜、どうしましょう?ラビィー。」
茶髪の少女ファリゼッタ・マリー。
そんな彼女達をアズリスは睨む。
「貴方達…いい加減やめてください!なにがしたいのですか!」
「言ったでしょ?アズリスを可愛がってあげるの。」
低い声でラビィーが言う。
「今度はねぇ〜…。」
ニヤリとしながらファリゼッタは言った。
「「リボンをぐちゃぐちゃにしてあげる!」」
ファリゼッタとラビィーが声を重ねて笑う。その時アズリスはこの二人が言ったことを頭の中でぐるぐると再生していた。次第に顔が青ざめていく。昨日と同じような現象が起こる。
「あぁぁあ…ぁあ…ぅ。」
その場に立ち尽くす。
「何故リボンを勝手に外してはいけないのか…それは貴方の親にもらったから。」
ファリゼッタが言う。
「リボンを外したら絶望する。我を失う。鳴く。昨日と同じ状況になるから。」
ラビィーは棘のある視線を送り、アズリスとの距離を詰める。
アズリスは後ずさる。ついに…
………ドン!
壁に手をつく。
「ファリゼッタ…私が取るから。」
(口調が変わった…リボンだけは守る!絶対に!)
黒いリボンを強く握る。手は震えていた。
「ラビィー?キャラ変わっちゃってるわよ?(笑)」
「はいはい…。お食事タイムといきますわ〜!」
ラビィーは口調を戻し、ファリゼッタはアズリスの手を掴みリボンをあっさりと引き剥がす。
「やめて!これは私の宝物!うぅあ!」
手を振り払おうとしているが、力が強すぎて取れない。だんだん涙が溢れていく。
やがて、スパッとリボンをほどかれた。
「うふふ♪♪絶好調ですわぁ!ファリゼッタ!できましたぁ!可愛ぃ〜なぁぁ〜。」
ラビィーはそんなことを言ってリボンをファリゼッタに見せつけた。
「やったわね!ラビィー。貴方はやっぱり最高よ♪」
そう言って二人は教室から去っていった。

Re: アズリス×アリス ( No.5 )
日時: 2018/07/21 10:37
名前: 九(ここのつ) (ID: ASXV1Vux)

意識を失ったアズリス。
しばらくして目を覚めると教室の色は夜に変わっていた。視界はグニャグニャと曲がっている。
「図書…室行かないと……仕事…ある。」
視界が曲がっているせいで気持ちが悪い。アズリスは図書委員で今日が当番である。ただただだるくて重くて気持ちが悪かった。図書室に着くとドアを開ける。そこには本棚がたくさん置かれていて、本棚に本がづらぁ〜っと並んでいる。アズリスの視線は一ヶ所の本棚に目を向けた。本が一冊光っているのが見えた。なんだろうと気になって向かっていくと
「アリスの話……だ。なんで光ってるの!?」
目を見開いて光っている本を開くと一瞬にして、パッと光が激しくなり図書室全体が見えるようになる。
「眩しっ!」
目を閉じる…………。



……………。

Re: アズリス×アリス ( No.6 )
日時: 2018/07/21 10:41
名前: 九(ここのつ) (ID: ASXV1Vux)

「……って、ここは…どこなの?ゆ…めなの?」

さっきまで図書室に居たのに何故か異世界?みたいな場所に立っていた。

私は辺りを見渡していると

「こんにちは、おジョーさん。」

一本の不思議な木の枝にスッと現れた黒い影。
私はそれを目で追う。

「…誰?」

と黒い影に問いかける。

_____ストン。

黒い影は木から華麗に着地すると私の方へと足を運ぶ。
明かりが黒い影を照らし出し、正体をあらわにする。

真っ暗な森の奥から出てきた”人”は獣耳で紫の髪色。スタイル良くて、身長は175センチ以上はある。…男子だ。

「ねぇ、貴方……なんなの?そしてここはどこ?」

私はぼーっとしながら彼に問う。

「僕かい?…僕は猫耳が生えてる人間とでも言っておきましょう。」

彼はニヤリと笑って言った。私は少し引き気味に一歩下がる。

「おっと、決して変な人ではないから安心くれ。」

__この人絶対普通の人じゃない…

「ここはアリスの国だ。ハートの女王、トランプの兵士、時計うさぎ、三日月うさぎ、帽子売りの人もいる。」

___えっ?ますます怪しい。そんなの有り得ない。
そんな風に思った。…が、突然目の前に現れた奇妙なうさぎの耳の人を見つけた。

____うさぎの耳?なんで?それにあの懐中時計と焦ってる行動って…もしかしなくもない!

「あぁー!早く急がなくちゃ!女王様に怒られる!」

テコテコと走って通り過ぎて行ってしまった。

「えぇー…」
ジト目で流しみる。

「信じてくれたかな?」
彼は苦笑を浮かべて言った。

「まだ信じられないけどまぁー一応そうしといてあげましょう。」

私がそういうと彼はくるりと暗い森の方へと体を向け歩いていく。

「さぁ!おジョーさんをパティーへとご案内します。」

「パ、パティー!?」

彼の後ろについて行く…。

「思ったのだけれど…貴方の名前聞いてない…。」

「…ミシャ・ワーラン」

ひたすら暗い森の中を歩いていく。

「ミシャ…チシャ猫みたいね。私の名前はアズリス・ミラーよ。」

「そっちこそアリスみたいな名前じゃないか。」

クスッと笑っているような気がした。

………

そうしているうちに木々の隙間から光が見えてきて、明かりがフラッシュする。眩しくて目を細めながら歩くと…

「到着ですよ。ここがパティー会場でございます。」

Re: アズリス×アリス ( No.7 )
日時: 2018/07/21 10:45
名前: 九(ここのつ) (ID: ASXV1Vux)

「マッド・ティー・クラブ…かしら…?」

そう言って私は目をパチパチさせる。

「ようこそいらっしゃいました。アズリス・ミラー様。」

と帽子屋のような男の人が言った。

「おぉー!ミシャ君おかえりぃーー!イェーイ!!」

今度はその隣の兎耳の女の子がミシャの前に来る。

「三日月うさぎ、ちょっと音量下げてもらうと助かるよ。」

ミシャは呆れている様子で苦笑する。

「えぇ!?私三月ウサギだけどぉぉぉ!?さ・ん・が・つ・う・さ・ぎ!?」

三月ウサギと名乗る女の子は可愛い怒り方をして言った。

「えっと…なんで私の名前を?」

私は聞かずにはいられないと思って勇気を出して言う。

「え?赤の女王様に教えてもらったのだよ。…あと私の名はハット。よろしくねアズリスちゃん。」

愉快にかぶっている帽子を手に取りお辞儀をする。

「私の名前はアーチ・ラット。アズリスちゃんよろしくね〜!!」

明るく元気な子だ。

「よろしくお願いします。そういえばあなた方の服装って変わってますね?やっぱり本の世界って不思議だわ。」

(あんまり信じてないけど)

アーチさんはいかにもバニーガールと言った格好で髪型はホワホワのボブ。ハットさんはでかい帽子に不思議な上着を羽織ってる。トランプの♥♣♦♠が所々に付いている。少し跳ねているがそこそこ整えられた髪だった。ミシャはシャツにベストって感じ。髪ボサボサ…。

さてさて私はアリスみたいな洋服ね…。

Re: アズリス×アリス ( No.8 )
日時: 2018/07/21 10:47
名前: 九(ここのつ) (ID: ASXV1Vux)

あっ、リボンある!だからさっきから気が軽くなったのね!

「アズリスちゃんって髪長くて綺麗だね。羨ましいなぁ。」

いつの間にか私の前にアーチさんが立ってそして私の髪を1束ととって見ていた。

「へ?そんな…私の髪切られて短くなってるはず…なんだけど…。」

切られた筈の髪は元どおりになっており髪も綺麗になっていた。


「これでも短いって!?アズリスちゃん正気!?」

驚いてアーチは髪から手を離す。

「アーチ!アズリスちゃんとの話はティーを飲みながらにしてよね。」

ハットさんは紅茶をティーカップに注いで言った。

「あっちっっ!ちょっと!いきなり紅茶入れないでよ!俺は今ぐっすりと眠っていたのに!睡眠を邪魔された。」

どうやら紅茶を注がれたティーカップにはハツカネズミが寝ていたらしい。これまた擬人化と思ったらネズミはネズミだった。
(ネズミのままなのね…)

「こんにちは、ネズミさん。」

ハツカネズミの鼻先をツンツンと指で押した。

「ハカネ…君邪魔だよ。今からティーパーティ「うるさい!眠れないじゃないか!」あ…あはは、わかったよ。だったらあっつーいティーをティーカップに入れて差し上げよう。」

ハツカネズミはハカネと言う名前らしい。

「あちち!ちょっ「ねぇ、ハットさん。この子の名前はハカネって言うの?」

「……え?」

ハツカネズミは目を見開いて固まってしまった。

私が名前の再確認をすると沈黙が流れた。

「え?」

(私ハツカネズミの名前間違えたかしら?)

「いつ俺は名前を名乗った?」

「え?いや、ハットさんが…「いや違う俺は名前を名乗っていない。たとえ俺がハカネだとしても俺からは名乗っていないわけだ。」

「…な、なんなのよ。」

苦笑するしかない。でもこう言う流れは不思議の国のアリスに似ている。

(Aliceか…)

ティーパーティは始まったばかり。大きなバースデイテーブルにティーカップが多く並んでいた。


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