コメディ・ライト小説(新)
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- もしも世界に自分が二人いるのなら
- 日時: 2017/08/14 13:31
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11925
───この世界には、自分が『二人』いるらしい。
顔も、体型も、身長も同じだ。
しかし、性格は正反対。だから、もう一人の『自分』と付き合うのがとても難しいという。
ドッペルゲンガーと違うのは、会っても死なないということだ。
これは、ある『少年』と、もう一人の『少年』のお話し。
性格の全く違う二人が『自分』を信じて突き進む話。
●目次
キャラクター紹介
>>3
1.唐突な出来事
>>4 >>5 >>8 >>9 >>
2.日常が変わる
>>
3.異変に気づく
>>
4.世界が崩壊する日
>>
5.自分を信じて
>>
6.別れる勇気
>>
7.もしも世界に自分が二人いるのなら
>>
あとがき
-もしも最後まで小説を読んでくれたなら-
>>
●素敵なメッセージ、ありがとうございます!
・四季さん
>>1-2 >>6-7
- 1.唐突な出来事 ( No.5 )
- 日時: 2017/08/07 13:06
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
「なんで俺が...いるの?」
俺は驚きのあまり、床に頭をガタンとぶつけそうになった。もう一人の『俺』は、気にも止めていない。
改めて気を取り直し、冷静に考える。
しばらく考えた末、これはある結論にたどり着いた。
...まさかこれって、ドッペルゲンガー?
ドッペルゲンガー。ドイツ語で「重なって歩く者」という意味で、もう一人の自分を指す。もし会ってしまったら、遠くないうちに自分は死んでしまうらしい。
...ということは、俺ってもう死ぬの!? ああ、もうおしまいだ。
父ちゃん、母ちゃん、友達に遺書を書かねえと...。最新作の『桃太郎の伝説11』も裏ダンジョンまでクリアしたかった...。オープニングすら見ていないというのに。沢山の後悔が俺の頭を横切った。
俺が紙を切って遺書を書こうとすると、横から『俺』が出てきた。
「何をかいてんの?」
「遺書を書いてるんだ。お前に会っちゃったからな」
しかしそいつはケロッとした顔で
「君は何言ってるの?」
とか馬鹿げたこと言ってやがる。
「お前に会ったから、俺は死ぬ羽目になっちまった。もううんざりだ!」
俺はペンと紙を投げ捨て、ぐったりと机に横たわった。
しかし彼は顔をしかめて俺に吐き捨てた。
「...別に死なないんだが、何をめそめそしてるんだ?」
...はい?
俺はガバッと起き上がった。
どうやら俺の思い込みだったっぽい。
んだよー。ビックリさせんなよ。
ホッとした俺を無視して、そいつはぽちっとテレビのボタンを押した。
>>8へ
- Re: もしも世界に自分が二人いるのなら ( No.6 )
- 日時: 2017/08/07 04:24
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: 50PasCpc)
おはようございます。
お話読ませていただきました。テンポのいい文章で読みやすいですね。効果音も効果的に利用されていて楽しい雰囲気で良かったです。
これからも楽しみにしています。頑張って下さい!
- Re: もしも世界に自分が二人いるのなら ( No.7 )
- 日時: 2017/08/07 12:41
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
>>6
また温かいお言葉、ありがとうございます!そちらの作品も楽しく読んでいます。テンポ、いいですかね?
まあ、これからもよろしくお願いいたします。
- 1.唐突な出来事 ( No.8 )
- 日時: 2017/08/14 13:28
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
もう一人の自分がテレビをつけたときには、俺の大好きな番組『ムカッとジャパン』が放送されていた。
わほっ、俺だからかなぁ、気が合う~。
...と思ったら大間違い。
そいつはなんと、演歌の歌合戦に変えて、そこでリモコンを置いたんだ!演歌なんて、俺の嫌いな物トップに入っているほどなのに!
「おい、今すぐ『ムカッとジャパン』に変えろー!」
けれどそいつは
「あの番組、嫌いなんだよねー」
って吐き捨てやがった。
...まさかこいつ、中橋敬一もどきなんじゃ...。実際は泥棒かも...。
今更だけど、俺は大急ぎで母ちゃんに電話する。こういう時にだけ、手の動きが早くなる。
プルルルル...プルルルル...ガチャ。
「はい、中橋ですぅ」
よし来た!
「もしもし、母ちゃん?」
「あら、敬一じゃない。どうしたの」
「家に俺そっくりの泥棒がいるんだよ!警察呼んだほうがいいよね!?」
しかし母ちゃんは
「何言ってるの、鍵は全部閉めたはずなのに、泥棒が入るワケないじゃない」
とか言いやがって、信じてくれない。そして最後に
「部活とかで疲れてるんじゃない?明日は休みだから、ゆっくり休んでちょうだい」
って言い残して、切ってしまった。
ああ、もうちきしょう!
「俺を泥棒呼ばわりしないでよ」
がっかりしてると、俺もどきが口を開いた。
「自己紹介しないとね」
そいつは一息つくと、俺のほうを向いた。
「俺は中橋敬一、中学二年生だ」
>>9へ
- 1.唐突な出来事 ( No.9 )
- 日時: 2017/08/14 13:28
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
アワワワワ......。
俺は一気にパニック状態に陥った。
......わかった、俺は夢を見てるんだ。絶対そうだ!
俺は自分のほっぺをつねる。......痛い。つまり、夢じゃない。
嘘だろ......。
「まあまあ、そう困ることないじゃん」
もう一人の俺が俺を見てニヤッと笑う。なんていうヤローだ。腹立つなぁ......。
「あ、そうそう」
そいつは思い出したように手をポン!と叩く。
「君のカレー、食べといたからね」
はぁ!?
俺は今に暴走しそうになるところをグッと抑えた。脳内が怒りの警報を発令しているのも、無理はない。
「別に鍋から出せばいいじゃん」
「あ、そうか」
その手があったか。
俺は棚から皿を一枚取り出すと、ご飯とカレーを盛って電子レンジで二分温める。
チン!
電子レンジがなったぞ。
カレーをレンジから取り、スプーンでモグモグ食べる。
「......でも、何でおめぇがここにいんの?」
ふと浮かんだ疑問を、俺はもう一人の俺に投げつける!
「......いろいろあってね」
そいつは時間を置いたあと、そう答えた。
なんか怪しい。
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