コメディ・ライト小説(新)

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ある少女は、成長する事を拒むのです 。【終了】
日時: 2017/04/09 20:31
名前: SAKUYA (ID: z.RkMVmt)

どうも、皆さん初めまして!!SAKUYAという者です!!初の投稿となりますが、よろしくお願いします!!
今回は、学園モノを書こうと思っています。色々と不自然な点などあると思いますが、温かな目で見守ってくださると光栄です!

〜追記〜
2017:2:11 目次&キャラ紹介作りました。目次>>15 キャラ紹介>>16
2017.4.9 一旦物語終了 詳しくは>>24
〜第0話 はじまり〜
「学校なんて行きたくない。」


そう言ったら親は泣きそうな顔で私を説得させようとした。とても必死に。

「何よ、今まで私に興味示さなかったくせに。」

私はそう言って自分の部屋に引きこもった。それから二年半の間、私はずっと引きこもっていた。

「せめて高校だけは行ってちょうだい。」

引きこもってから一年半くらい経った頃、親が急にそう言った。どうせ高校に行ってもつまらないだけだと言ったが、入るだけでも良いと言われたので仕方なく近所の高校に入る事にした。不登校で暇だったので勉強する時間はたっぷりあったから、勉強には困らなかった。

「高校もどうせすぐに不登校になるよ。」

そう思いながら私は桜の木の下を通りすでに開けられていた校門を通った。

これからどんな高校生活が待ち受けているかは私は分からなかった。また現実から逃げてしまうかもしれない。いや、絶対そうなるに違いない。


でも、もし。奇跡が起きるのだとしたら。こんな私にでも運命の女神様は微笑んでくれるのだとしたら。



『友達』をつくりたい。楽しい時間を、過ごしたい。

Re: ある少女は、成長する事を拒むのです。 ( No.1 )
日時: 2016/12/16 19:32
名前: SAKUYA (ID: 5YaOdPeQ)

〜第1話 水原さぐり〜

私の名前は水原さぐり。まあ、どうせ誰も知りたくは無いと思うけど。


中学の頃に起きたある《事件》がキッカケで私は不登校になった。それ以来、誰も信じずに生きてきた。自分自身さえも。


親にどうしてもと言われ近所の梟高校に今日から通う事になった。でも、どうせまた不登校になると思うけど。


そんな感じでネガティブな事を考え続けていたら、入学式は終わっていた。どうせ校長のつまらない話をグダグダ聞かされるだけだったから良いんだけど。


今からクラス発表があるという事で入学生全員が玄関に集められた。


私は人が集まっているところが苦手なのでみんなより遅く玄関へと向かった。


もうみんなは教室へ行ったみたいで、人は誰もいなかった。静まり返った玄関の前で私は自分の名前が書いてある紙を探し出す。


あった。私はどうやら一年三組のようだ。全クラス八組あったので、思ったよりも早く見つかって良かった。私は玄関へと入り、靴を履き替え一年三組に向かって行った。


『さぐり!あんた何組!?私は五組だったよ!』


急にある声が頭の中で再生された。ああ、そうだった。私も中学の入学式の時は友達と一緒にクラス発表の紙を見ていたんだった。


『ええ!?ななちゃん五組なの?私二組だったよ〜。同じになれなくて残念…。』


あの頃は私も笑顔で普通に暮らしていることができた。友達と呼べる存在がいた。友達と喋って笑っていた。いつからだろう。いつから変わってしまったんだろう。


気付けば私は玄関に突っ立っていた。急がなければ集合時間に間に合わなくなってしまう。私は急いで教室へと向かった。


あれ?そう言えば一年三組ってどこにあるんだろう。


今更そんな事に気付き、廊下をずっとウロウロしていたら、チャイムが鳴ってしまった。ああ、なんて私はバカなんだろう…。初日からこんな事では、私の評判は下がってしまうだろう。せっかく新しく始まった高校生活を、いきなり自分の手で最悪の高校生活へと変えてしまった。


私は壁にもたれかかりため息をついた。やっぱり、私ってこんな風に人生を終えていくんだろうか…。


「お前こんな所で何やってるんだ?いきなり迷子か?」


突然声をかけられびっくりしてしまった。しかも、男の声だ。


「え?ひゃ、あ、あの…」


私がオドオドしていると、声をかけてきた男は、さらにビックリするような発言をした。


「アレ?お前、水原か?中学一年の時少しだけ来てたあの?」


この時からだ。私の人生の歯車が、回り始めたのは。


これは、自ら心を閉ざしてしまった少女が成長していく物語。

Re: ある少女は、成長する事を拒むのです。 ( No.2 )
日時: 2016/12/17 21:20
名前: SAKUYA (ID: 6lLQchPF)

〜第2話 須原レイ〜

「あともう少しでつくからな〜。」

「う、うん…。」

この男の名は須原レイ。中学の時一緒のクラスだった男。

この男は、私に中学の頃あることをして来た。その時の光景は今も忘れられない。何をして来たかは、私の口からはちょっと言えないが。

とりあえず、この男は私の人生を大きく変えた男だ。いい意味でも、悪い意味でも。

そんな男がまさか同じ高校とは思いもしなかった。

この男は勘が鋭く、何か隠し事をしていてもすぐ勘付かれてしまう。中学の頃も、そうだった。道に迷ってしまったという恥ずかしい事実も、見抜かれてしまった。

この男も私と同じ三組で、 入学式の時は来ていたと言う理由で 先生が探して来いと須原に頼んだらしい。私の事を知っているのは同じ中学だったこいつしかいないから。

「それにしても、水原お前。」

「あ、え、う、うん。何…?」

なぜこの男は前置きもなく突然喋りかけてくるのだろう。とてもびっくりしてしまう。

「お前って突然不登校になったよな〜。元気に登校してたくせに。」

「う、うん…。」

私はクラス内の出来事で不登校になったのではない。おそらく、クラスのみんなからは突然なんの理由もなく不登校になったという風にしか見えていないのだろう。

でも、それで良かった。誰か理由を知っていたらそれが学校中に広まる恐れがあったから。人知れず不登校になるということは、不登校になるという方法の中で一番いい方法なのかも知れない。まあ、不登校自体が悪い行為であるのだけど。

でも、突然いなくなっても誰もが理由を知ろうとは思わなかったのだろう。一番の親友ですら、心配しなかったのだから…。

あんなに仲良かったあの子ですら…。

その時、私は涙を流していたのだろう。須原は、心配そうな声で私に声をかけてきた。

「どうした水原?俺なんか気にする事言っちまったか?そうだとしたら謝るゴメン!」

気にする事言ったなんて言ってないのに、もう謝ってきた。私は少し可笑しくなりフフ、と涙を拭きながら笑った。そして、なんでも無いよ、と言った。

なんでも無いんだ。誰の力も借りず独りで生きて行くと決めたあの日から、しばらくの時間が経った。もう、誰にも心配されなかった悲しみなんて、どうでも良くなっていたのだ。

どうでも、良く…。

「心配したんだぜ?俺。あんなに元気だったお前が突然休み始めたんだから。」

「え?」

突然の言葉に、びっくりしてしまった。この男は、相変わらず前置きもせずにそういうこと言うんだから…。

でも…。

「お前の家に行ったんだぜ?なのにお前、お母さんに誰にも会いたく無いって言ったらしいな。あんときゃ傷ついたんだからな。」

確かに不登校になってから少し経って誰かが尋ねてきたという記憶はある。その時は、追い返してしまったけど、まさか須原だったなんて…。

「ま、でも。高校は来る気になったんだな!正直言って同じ中学出身クラスに一人もいなかったから少し心細かったんだよな…。お前が同じクラスでよかったよ。」

誰にも心配されていない。

そうやって決めつけて、勝手にふてくされていた私。

でも、私を心配してくれていた人は、いたんだ。

家にまで来てくれる人が、いたんだ。

私がいてくれて良かったと言ってくれる人が、今目の前にいるんだ。

止まっていた涙がもう一度溢れ出て来た。さっき流した悲しみの涙とは違う。嬉しさ、喜び。忘れかけていた感情が、一気に押し寄せて来ては涙として流れて行った。

「ちょ、俺本当になんか泣かせるようなこと言ってんの?もしそうだったら謝るって!」

もう、罪な男。

「謝りなさいよ、女子こんなに泣かせておいて。ただじゃ済まないからね。」

須原はゴメンゴメンと言って私の機嫌を直そうとして来た。私は歩幅を大きくして歩き出した。須原は私に追いつこうとして必死に謝りながらついてきた。


正直言って、まだ不安はある。

またいじめられるかもしれない。嫌われるかもしれない。

でも、もう私は心を閉ざさない。不登校になんて、ならない。

私を必要としてくれている人が、この世界にいるって分かったから、ね。

Re: ある少女は、成長する事を拒むのです。 ( No.3 )
日時: 2017/02/11 11:24
名前: SAKUYA (ID: 5YaOdPeQ)

〜第3話 七原やよい〜

突然だが、私は今窮地に立たされている。

遅れて教室に入ったまでは良かった。問題はそこから起こった。

「おー、お前が水原か。早く席につけ。須原もありがとな。」

「おーっす、先生。これであの件も無しって方向で…。ダメ?」

あの件?私は席に着きながら思った。相当不思議そうな顔をしていたのだろう。隣に座っていた男子が話しかけてきた。

「君が水原さんね。ヨロシク。僕の名前は葉山トオル。その顔は今何が起こっているか分からないっていう顔だね?」

葉山は、一言で言ってしまえばイケメンであった。整った顔立ちをしていて、雰囲気も爽やかだ。

しかし分かる。こういう男は大体腹黒いのだ。大方、困っている私に話しかけて好感度をアップさせようという魂胆だろう。まったく、私はそんな手には引っかからないぞ。

「あ、うん…。あの件って何かあったの…?」

…心で思っていても言葉は正直だった。結局素直にこの男に頼ってしまった。

葉山は笑い、私に説明しようとしたところで先生が須原に話しかけた。

「ダメだ。一度やるって言っただろう?学級委員。お前が手を挙げたんだろう。やらなきゃダメだ。」

「そ、そんな〜…。俺は軽い気持ちで手を挙げたのであって本心で挙げたわけでは…。」

なるほど。大体事情は理解した。さて、私はどういう状況なのか分かってスッキリしたが、葉山はどうだろうか…。

隣を見ると案の定、悔しそうな顔をしている葉山がいた。

「…せ、先生が言ってくれたのでもう良いだろう。困った事があったらなんでも聞くと良いよ…。」

そう言って葉山は何事もなかったかのように前を向いた。

葉山トオル…。変わった人だな…。

まあ、これまでだったら須原が学級委員をやらされて須原だけがデッドエンドで終わりだったのだろう。悲劇は、ここから起こった。

「何と言おうと、お前が学級委員だ。」

「うぅ…。」

どうやら学級委員は須原に決まったようだ。しかし、男子の学級委員はいいとして女子は誰がやるのだろう?もう決まっているのだろうか?そんなことを思っていたら、とんでもない言葉が聞こえてきた。

「まあ、お前に無理矢理やらせたわけだからな。女子も無理矢理やらせてやろうじゃないか。須原。一人女子決めろ。そいつを学級委員にする。」

……………。

須原が指名する女子…。

何となく予想はついた。

ああ、神様…。どうか私を救って下さいまし…。

「え?良いんすか!?よ〜し、じゃあ…。」


「信じらんない!」

私は怒りながらズカズカと廊下を歩いていた。後ろには、オドオドしながらついてきている須原の姿があった。

「散々女子を泣かしておいてその上学級委員に指名?フフ。バカじゃないの!?」

「ご、ごめんよ〜…。」

まあ、予想はついていたから覚悟はしていたが。それでも無理矢理学級委員をやらされるというのは嫌な気分だ。なんか、こういう事前にもあったような気がするな…。

って、そんなことはどうでもいい!今は学年主任に学級委員になったと報告しにいかなければならない。まったく、メンドくさい…。

「それにしても、お前変わってないな。」

「え?」

安定の不意打ち。急に意味不明な事を言われ頭の整理が追いつかなかったが、それを御構い無しに須原は話を続ける。

「なんか、不登校になってたからもうちょっと気分的に沈んでんのかなぁ、って思ってたけど、昔そのまんまだ。元気で、明るいお前そのまんま。」

…確かに。実は私も意外だ。学校に来るまではどうせまた不登校になるさ、とネガティブな事ばっかり考えていた。

でも、今はそんな事ない。なんか、昔の私そのままなような気がする。もうちょっと、暗い感じになってしまうと思っていたのに。

それもこれも全部、こいつのおかげなのかな…。

って!!そんな訳ないない。まさかこんな奴のおかげだなんて…。

でも、こいつには感謝しないといけないのかな。なんかこれから楽しい学校生活がまってそうな気がする。

「…あんたのおかげよ、ありがと。」

「え?何て?声小さくて聞き取れないよ?」

「ううん、何でもない!」

こいつに面向かってお礼が言える日は来るのかな…?

そんな事を思いながら、私は学年主任の元へ向かった。


「じゃあな、水原〜。」

「うん。お疲れ。」

私達は学年主任への報告を終え、ちょうど下校時刻になったので解散した。

今日は入学式なので午前授業で終わる。今は11時だ。最終下校時刻は12時なので、もうちょっと学校を見て行こうかと思い足を運ばせ始めたその時、誰かとぶつかったような感じがした。どうやら後ろに誰かいるようだ。

私が後ろを見ようとしたその瞬間、後ろにいるであろう何者かが突然抱きしめてきたのだ。

「〜〜〜っ!?」

まさかあの葉山か!?と思ったが、背中に二つの柔らかい感触を感じたので、女子か、と思い安心した。しかし、それでもなぜ抱きつかれたかはわからない。話しかけようとしたその時、抱きついている女の子は私にある言葉を発した。

「何だか、あなた私と同じような感じがします。名前教えてください!!私の名前は七原やよいです。あなたは?」

私と似ている?この子は、何者なんだろう。でも、悪い子ではなさそうだな。

名前を尋ねられたので、私は自分の名前を彼女に教えた。

「私は水原さぐりだよ。」

「ほう!さぐりちゃんか〜。いい名前だと思います。」

私は、彼女に一番の疑問をぶつけた。

「あの、やよい…ちゃんはどうして私に抱きついてきたの?」

すると、想定外の答えが返ってきた。

「あ、わたし、初対面の人には抱きつかないと落ち着かない性分なんです!!」

…。

えっと、つまり…。

「じゃ、じゃあもしかして…。だ、男子にも抱きついたりしてんの…?」

「当然ですよ。なぜか嫌がられちゃいますけどね…。わたし悲しいですよ…。」

いきなり女子に抱きつかれて動揺しない男子なんていないだろう…。

七原やよい…。何なんだこの子は!?

Re: ある少女は、成長する事を拒むのです。 ( No.4 )
日時: 2016/12/21 17:42
名前: SAKUYA (ID: 5YaOdPeQ)

〜第4話 友達〜

初対面の人には抱きつかないと落ち着かない性分。

いまだかつてこんなにメンドくさい性分を持ち合わせた人間がいたのだろうか?私が不登校になっている間にこんなにも世界は変わってしまっていたのか…。

いや、それは無い。いくらなんでも、二年半の間に初対面の挨拶がハグしあうだなんて、そんな世界にはなっていないはずだ。そう願いたい。

「ねえねえ、さぐりんは何組なんですか?」

「ええっと、ってさぐりん!?」

さぐりん。これは恐らくあだ名なんだろう。 しかし、こんなあだ名で呼ばれたのは初めてだ。なんか、もっと他に、さぐりっちとかそんな感じで呼ばれていたような気がするが…。

『さぐりっち!今日一緒に帰ろ!』

『宿題やるの忘れてた!さぐりっち、見せてくんない?』

『いつまでも一緒にいようね、さぐりっち!』


『…さようなら、水原さん。』


「…たの?どうしたの?さぐりん。」

やよいちゃんの声のおかげで私は現実に引き戻された。何よ、あんな事もうとうの昔に忘れたじゃない。忘れた…はずだ。

「何でもないよ。あ、ちなみに私は三組。やよいちゃんは?」

「私は四組!隣同士ですね!」

やよいちゃんはなぜか敬語を使っているが、明るく元気な声で話しているため喋っていると楽しくなるような気がする。

こんな気持ちにさせてくれる人が、昔いたはずだけど…思い出せないや。

「…ところで、なんでやよいちゃんは私に話しかけてきたの?」

抱きついてきたの?と聞いてもよかったのだが、さすがに抱きつくというワードを口に出すのが恥ずかしくなってきたのでこう質問した。

「私ですね。友達をいっぱい作りたいんです!!でですね、この人なら良い友達になれる!と思ってあなたに接触したわけですよ〜。」

…友達。この言葉を聞いたとき、私の体に何かが走った。少なくとも、良いモノでは無いようだ。

作りたいと願った友達。でも、いざ友達という言葉を聞くと、過去の事を思い出してしまう。

「というわけでさぐりん!友達になってくれますよね?」

やよいちゃんは明るい声で私を誘った。

友達。確かにできたら楽しいだろう。

でも、私は知っている。知ってしまっている。

友達が出来た時の喜びをはるかに上回る…。







『裏切られた』時の悲しさ、寂しさを。そして、怒りを。


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